サウンドを自由自在にコントロールできる『パワーアンプ』。プリアンプとの組み合わせにより自分だけの音を作り出せるため、よりよい環境で音楽を聴きたい人は導入を考えたいところ。最近はBluetoothやハイレゾ対応のモデルも増え、選択肢が多くなってきました。
そこで今回はパワーアンプの特徴やスペック、クチコミまでを徹底比較した上で、最後に編集部おすすめのパワーアンプをランキング形式でご紹介。シチュエーションに合った製品を選び、心地よい音楽空間を生み出しましょう。
自分好みのオーディオ環境作りにおすすめなパワーアンプ
音響にこだわるなら、スピーカーだけでなくアンプの性能も重要。アンプには音源からのソース選択や音質調整の役割をもつ『プリアンプ』と、プリアンプから送られてくる電気信号をスピーカーで稼働させる役割をもつ『パワーアンプ』の2種類があります。
2つのアンプを1つにまとめた『プリメインアンプ』というものも展開されていますが、コスト面で優れている一方でそれぞれの役割を十分に発揮できないのが難点。
アンプは単体で設置することにより些細な調整が可能になり、性能を最大限発揮します。自分好みの音を作り出したいのであれば音を増幅させるパワーアンプにこだわりましょう。
パワーアンプのおすすめポイント
『パワーアンプ』はプリアンプとの組み合わせにより、機能を最大限発揮できるのが魅力。プリメインアンプはスピーカーを鳴らすまで一台で担えますが、2つの機能を十分に活かしきれていないのです。
パワーアンプとプリアンプを単体で選べば細かな設定が可能になり、自分好みの音を作り出せます。機器は2つになるので設置スペースは必要になりますが、音にこだわりたい人は単体で用意するのがおすすめです。
おすすめのパワーアンプの選び方
パワーアンプの種類
カスタマイズ性の高い単体タイプ
『単体タイプ』は電気信号の増幅に特化した作りのパワーアンプです。他のオーディオ機器を邪魔しない小さなサイズ感でミキサーとの組み合わせも豊富。PAシステムを組みたい人に適しているタイプです。
省スペースで初心者にもおすすめのパワードミキサータイプ
パワーアンプとミキサーが一体になった『パワードミキサータイプ』。一台完成型なので場所を取らずシンプルにシステムを組めるのが利点です。少人数編成のステージや会議室など、比較的規模の小さい場所での使用に適しています。
とにかく簡単に良い音を楽しむならパワードスピーカー
スピーカー内にアンプが内蔵されているため質の良い音を楽しめるのが特徴。接続の手間がかからず、スマホやパソコンに繋げればデスクトップコンボとして使える便利なスピーカーです。業務用に導入されるほど性能が進化しています。
使用用途に合わせた出力
出力はパワーアンプを選ぶ際の重要なチェックポイント。音量と大きな関係があり、ワット数が大きいほど大きな音を出せます。5Wは手のひらサイズのポータブルスピーカー程度、10Wは部屋で聴くオーディオ程度と考えていいでしょう。
たとえば運動会で5Wのパワーアンプだと出力不足です。屋内か屋外かによって音の広がりは違ってくるので、体育館や野外ライブなど、シチュエーションに合わせた出力選びが重要になります。
〜 100W
自宅で迫力あるサウンドを楽しむのであれば、100W以下の出力を目安に選ぶのがおすすめ。100W以上だと音が大きく近所迷惑になる可能性が高いため、防音設計でない限り避けましょう。
また会議室でのスピーチやトークイベントでも声が届くほどの音量なので、屋内で数十人規模の催し物をする程度であれば100W以下で必要十分。ワット数が大きくなると価格も高くなることを覚えておきましょう。
100W 〜 300W
100W以上は宴会場やスポーツバー、野外ライブなどで迫力ある音を出したい人向け。自宅の比較的大きな部屋でホームシアターを楽しみたい人にも向いています。
小規模の会議室でも人の声が多く聞こえる賑やかなシチュエーションであれば、100W以上を選んでおくと物足りなさを感じることはありません。中規模会場で使用する機会の多い人は100W〜300Wを目安に選んでみてください。
300W 〜
300W以上はプロのミュージシャンや仕事がPAなど、音作りにこだわる人向けのパワーアンプ。500W〜1000Wは中規模以上の野外フェス、ライブなどの広い場所でクリアなサウンドを出したい場合に適しています。
プロ向けの機材なので価格も高い傾向にあります。自宅で音楽を楽しむ程度であればここまで高い出力のパワーアンプは必要ないでしょう。
スピーカーとの入出力相性
パワーアンプの出力とスピーカーの『許容入力値』は同じくらいに設定するのが基本。かけ離れすぎていると壊れる原因になってしまいます。とはいえ全く同じ数値にする必要はなく、スピーカーの許容入力値の0.8〜1.25倍の出力が目安になります。
100Wのスピーカーであれば80〜125W程度のパワーアンプを選べば問題ありません。店頭でパワーアンプを購入する場合、使用したいスピーカーの許容入力値を確認した上で買い求めましょう。
接続端子
スピーカーとパワーアンプを接続する端子はチェックが必要です。ヘッドフォンなどでよく使われる『フォーン端子』、ホームオーディオに多い『先バラ』、プロ用の機器に使われる『スピコン端子』の3種類あります。
フォーン端子は接続するのに2本の端子が必要になります。先バラはプラスとマイナスを逆に付けないようになど、注意点がいくつかあります。それぞれの特徴も踏まえた上で製品を選びましょう。
形状
1/4ラック形状
『1/4ラック形状』は幅14cm、奥行き12cm、高さ4cm前後と非常にコンパクトで、テレビやデスクトップとの接続、車内で使われることが多いです。スペースが限られる店舗の天井裏は必然的に1/4ラック形状になるでしょう。
ラックケースでのもち運びが可能で収納もしやすい特徴があり、小さいとはいえ十分な性能や出力の製品が多く発売されています。さまざまな場所で本格的な音楽を楽しみたい人に最適です。
1Uラック形状
スタジオなど音楽機器が揃っている環境で使用する場合は『1Uラック形状』がおすすめ。横幅は48.26cmで統一されており、ネジ穴を使えばラックケースに固定できるようになっています。固定すると動かすのが大変なのでもち運びには向かない一方で、多機能で出力の大きい製品が多く揃っています。
サイズの大きい2U、3Uタイプも発売されており、音楽を本格的に楽しみたい人や音楽活動をしている人に適しています。
機能性
Bluetooth通信機能
有線ではなく『Bluetooth接続』のパワーアンプも数多く発売されています。わざわざスピーカーとパワーアンプを繋がなくても接続できる手軽さが魅力。リンクさせるだけの製品がほとんどなのでアンプに慣れていない人も安心です。
10mの距離から操作が可能なため快適に音楽を楽しめます。スマホやタブレット、車内で利用する機会が多いのならBluetooth接続のパワーアンプがおすすめです。
ハイレゾ対応
CDに入りきらなかった音のデータをもっているのが『ハイレゾ』。細かくデジタル化して保存しているので原音に近い音を再現できます。ミュージシャンの息づかいやコンサートの臨場感など、CDでは聴こえなかった音を感じ取れるのが特徴です。
まだハイレゾ対応製品は多いとはいえないので製品は限定されますが、音にこだわりタイのならハイレゾに対応しているパワーアンプを選びたいところです。