『アコースティックギター』を作るメーカーは増えています。そんな中「どれを選べばいいのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。今回はアコースティックギターの種類や選び方から、おすすめのギター10選を紹介します。初めて買う方もぜひ参考にしてください。
アコースティックギターとは
『アコースティックギター』とは楽器から直接音が出るギターのことで、別名『生ギター』とも呼ばれます。アコースティックギターの弦から伝わる振動が、『サウンドホール』という穴に反響して音がでる仕組みです。
全て木材で作られるので、暖かみのある音色も特徴です。なので激しい曲よりはしっとりとした曲に最適。
クラシックギターとの違いは
アコースティックギターは『クラシックギター』と混同されがちです。理由は見た目が似ているため。しかし厳密には『弦の種類』や『弾き方』、『音の違い』など細かい違いがあります。
クラシックギターには『ナイロン弦』という、アコースティックギターに比べて柔らかい弦が使われています。そのためピックを使用しない『指弾き』に向いているのです。音もアコースティックギターに比べて柔らかくなります。
アコースティックギターのおすすめの選び方
種類で選ぶ
ドレッドノート
『ドレッドノート』はアメリカの有名な楽器メーカー『Martin』が開発したアコースティックギターです。名前はイギリス海軍の大型戦艦『ドレッドノート』から由来しており、その名の通り『大きいボディ』が特徴。
またギター特有の曲線が浅く、ボディに厚みがあるのも特徴です。高音から低音まで均等に鳴り、どんなジャンルにも合うので、標準的なクラシックギターとされています。ギターを始めたばかりの方におすすめです。
フォーク
『フォーク』タイプのギターはドレッドノートに比べてボディの曲線が深く、くびれているのが特徴。またサイズもフォークタイプの方が小さめとなっています。そのため女性や小柄な方にもおすすめなタイプです。
音は高音寄りの繊細な音色を持っているので、コード弾きだけでなく『メロディー』や音を1つずつ弾く『アルペジオ』にも向いています。音量は小さめです。
フォークタイプは繊細な音色が好きな方や、家で音をあまり出すことなく練習したい方、大きいギターが苦手な方におすすめです。
ミニギター
『ミニギター』は名前の通り、サイズが非常に小さいギターのこと。ドレッドノートと比べると2周分ぐらい違います。そのため持ち運びにとても便利です。
また弦の長さや張りも通常のアコースティックギターと比べて短く弱いため、強く抑える必要がなく、指の力が弱い方や小さなお子様でも使えます。音量は通常のアコースティックギターと比べるとやや小さめで、音の伸びもないです。
手軽に持ち運びできるギターがほしい方や、指の力が弱い方、子供用にいかがでしょうか。
エレクトリックアコースティックギター
『エレクトリックアコースティックギター (エレアコ)』はアンプやオーディオ機材に繋げて使えるアコースティックギターです。コンサートやライブでも、アコースティックギターの音色を大音量で演奏できるように開発されました。そのため弾き語りライブなどにおすすめです。
部位ごとの木材で選ぶ
トップ材
アコースティックギターの前面に使われる木材は『トップ材』と呼ばれます。このトップ材には主に『シトカスプルース (またはスプルース)』が使われています。音の出方にクセがなく、最も人気のある木材です。
シトカスプルースは『音がはっきりしていて均等に鳴りやすい』、『大きく伝わる』のが一番特徴。どんなジャンルにも合うため、標準的なトップ材として使われています。
サイド・バック材
『サイド・バック材』はアコースティックギターの側面と後ろ側の部分を指します。この部分は『インディアンローズウッド』や『マホガニー』、『サペリ』などが使われています。
インディアンローズウッドはローズウッドの中でも一番普及率が高く、高音から低音までバランスよく音が鳴るのが特徴。マホガニーもよく使われていますが、ローズウッドよりも中音域が得意な木材です。そしてサペリはマホガニーの代替として使われることが多いです。
指板材
『指板材』は弦の部分に使われるパーツ。基本的な木材は『ローズウッド』、『エボニー』になります。ローズウッドは木をそのまま使っている感じが強く、硬めで重みがあります。ですが柔軟性もあり、暖かみのある音も特徴。
エボニーは指板の中でも一番硬い指板材です。ギター以外では仏壇やバイオリンなどにも使われています。エボニーの指板材は音の伝わりが早く、バランス良く音がでるのが特徴です。
弦の種類で選ぶ
音にこだわりたい方なら『弦の種類』を重点的に選ぶのをおすすめします。弦の種類は『太さ』や『材質』などさまざま。選ぶ弦によって重みのある音色から繊細な音色まで多様に表現できます。
基本的に使われている弦の材質は『スチール弦』または『ガット弦』です。スチール弦の中でもポピュラーなのは『ブロンズ弦』で、バランスの良い音色を出すため初心者にも優しい弦です。
ガット弦は音色がとても柔らかいのが特徴。その点チューニングが狂いやすいという点もあります。主に『ピラストロ社』の弦が人気です。
デザインで選ぶ
アコースティックギターを選ぶ時は『デザイン』も重要なポイントです。
基本的にアコースティックギターは、オレンジ味の強い色合いのものが多く、中には白っぽいものやブラックカラー、渋い色合いのものなど、一味違うデザインのギターはたくさんあります。
自分好みのデザインのギターを持つことでモチベーションアップにも繋がります。見た目にこだわりたい方はデザインで選ぶのもおすすめです。
付属品で選ぶ
アコースティックギターを初めて買う方は、必要な付属品も一緒に買っておくことをおすすめします。セット購入でついてくるのは『ギターケース』や『チューナー』、移調に使われる『カポタスト (通称カポ)』などです。
これ以外にも『クロス』や『ギターポリッシュ』なども揃えると、本格的にギターを楽しめること間違いなしです。ただ買ったまま使わなければ損なので、自分の使用範囲に合ったものを選んでおきましょう。
価格で選ぶ
ギターは使われている材料や種類で『価格』が数万円から数十万円と変わってきます。初心者の方であれば1万円から2,3万円のもので十分でしょう。あまりにも安すぎると、音が変だったりすぐ壊れたりする可能性があるので、購入前には慎重にチェックしておく必要があります。
何を選べばいいか分からない場合は、安心な有名メーカーの物を選びましょう。
アコースティックギターのおすすめのメーカー
YAMAHA
『YAMAHA』の作る楽器はとても質が高いことから、アマチュアからプロまで多くの奏者の信頼を得ています。信頼性が高くバランスの良いギターを買いたい方は要チェックです。
Martin
『Martin』は世界中でもかなり有名で歴史あるアコースティックギターメーカーです。今や標準的なギターと扱われる、大型の『ドレッドノート』を開発したのもMartinになります。定番のギターがほしい方におすすめです。
Morris
『Morris』は高品質なギター製造に定評があるメーカー。Martinなどの歴史あるブランドの工法も重視しながら独自の構造も採用する、オリジナリティ溢れたブランドです。従来とは一味違うギターがほしい方におすすめ。