お風呂で髪を洗った後のドライヤーで乾かすまでの間に髪の毛につける『洗い流さないトリートメント』が主流になりつつあります。トリートメントとは、髪内部のダメージを補修させるために使われる溶剤のことをいいますが、洗い流すトリートメントと洗い流さないトリートメントとでは含まれている成分が異なるのです。
この記事では洗い流さないトリートメントと洗い流すトリートメントとの違い、洗い流さないトリートメントの選び方、そして使い方についてご紹介していきます。
洗い流さないトリートメントとは
洗い流さないトリートメントとは、髪を洗った後からドライヤーで髪を乾かすまでの間に使用するトリートメントです。名前の通り、洗い流さずに使います。洗い流すことがないので、乾燥や熱といった外部のダメージから髪内部の栄養が逃げないように、コーティングして保護する効果が期待できるでしょう。
また洗い流さないトリートメントには保湿成分が配合されているものが多く、このような成分や香りを逃さずにしっかり髪内部に維持できるというメリットがあります。
『洗い流すトリートメント』と『洗い流さないトリートメント』の違い
これまで一般的に使われていた洗い流すトリートメントは、髪内部のダメージを補修するという保湿や補修の成分が多く含まれています。一方洗い流さないトリートメントは摩擦や熱といった外部のダメージから、髪を保護するための油分が多く含まれています。
洗い流すトリートメントには髪内部のダメージを補修する働きがあり、洗い流さないトリートメントには髪の補修成分が抜け落ちないように保護をしたり、外部の刺激より髪を守ったりという働きがあります。
では洗い流さないトリートメントを使えば、洗い流すトリートメントを使わなくてもいいのかというと、そうではありません。洗い流すトリートメントと洗い流さないトリートメントとの併用をおすすめします。
洗い流さないトリートメントのおすすめの選び方
タイプで選ぶ
オイルタイプ
『オイルタイプ』の洗い流さないトリートメントの主成分は油分です。そのため、髪にツヤを与え、美しさを保つ効果があります。また特にドライヤーまたはヘアアイロンといった熱によるダメージから髪を守る効果も期待できます。
この熱によるダメージより髪を守ることができるという効果は、多くのメーカーも特徴として挙げています。もし、ドライヤーやヘアアイロンで髪を傷めていると感じる方は、他のタイプよりもオイルタイプをおすすめします。
ミルク (クリーム) タイプ
洗い流さないトリートメントといえば、先ほどご紹介をしたオイルタイプか、この『ミルクタイプ』が主流です。ミルクタイプは、特に保湿と補修に効果が高い成分が含まれています。スキンケアで例えるのであれば、乳液に近い役割をもっています。
製品にもよりますが、ミルクタイプの方がオイルタイプよりもサラサラとした使用感があり、オイルタイプよりもベタつきは少ないです。なかでも、くせ毛や剛毛の方ほど、ミルクタイプの洗い流さないトリートの効果は実感しやすいといえます。
ミストタイプ
『ミストタイプ』の洗い流さないトリートメントは、髪にシュッシュッと吹きかけるだけで手軽に使用できます。即効性があり水分量が多いので、髪への浸透力は高いといえます。容量も多めの商品が多く、コストパフォーマンスも高いです。
ただ保湿や補修の効果については、どちらも長続きするとはいえません。もしもこれらの効果を持続したいという人は、オイルタイプまたはミルク (クリーム)タイプの洗い流さないトリートメントが向いています。
ムース (泡) タイプ
『ムースタイプ』の洗い流さないトリートメントは、パーマをかけている人におすすめです。特にパーマをかけたばかりという髪に効果が高く、パーマのカールを保ちつつ、ムースタイプ独自のしっとりとした質感を得ることができます。
またパーマをかけてしばらくたった人でも、パーマのカールを再現しやすいです。仕上げとして、髪にツヤをだすためにオイルタイプの洗い流さないトリートメントを使用するといった使い方もあります。
ジェルタイプ
『ジェルタイプ』の洗い流さないトリートメントが向いているのは、ソバージュなどのウェーブをきれいに出したいという人です。パーマやカラーにより、髪が傷んでいる人にもおすすめします。
髪になじませることで保護膜ができ、髪1本1本をコーティングしてもらえるという特徴があります。濡れた状態の髪と乾かした後の髪の両方のタイミングで使用すると、効果が高いです。
ただジェルタイプの洗い流さないトリートメントはコーティング剤が多く含まれているため、髪の傷みがそれほどひどくない人が使用すると、ベタつきを感じやすいのでご注意ください。
成分で選ぶ
洗い流さないトリートメントに含まれている成分によってタイプを選ぶ方法もあります。洗い流さないトリートメントの容器の裏側に、どのような成分が含まれているのか記載されていますので、そちらを確認します。
保湿効果を得たいのであれば『アルギニン』『リシン』『グリセリン』といった成分が含まれているものを選びます。髪の保護効果を重視するのであれば『シア脂 (シアバター)』や『y-ドコサラクトン』『アルガニアスピノサ核油』といった成分が有効です。
つまり、自分の髪のトラブルの状態によって適切な成分が含まれているものを選ぶということが、とても重要です。
肌の悩みで選ぶ
ニキビができやすい人や敏感肌の人には、肌トラブルを悪化させないためにノンシリコンの洗い流さないトリートメントの使用をおすすめします。ノンシリコンとは、成分の一覧に『シリコーン油 (シクロペンタシロキサン、シクロメチコン、ジメチコン)』が含まれていないものです。
洗い流さないトリートメントは基本的に髪の毛先につけるものではありますが、刺激のある成分が頭皮や肌に付着することによって肌トラブルを引き起こす可能性があります。ですので、肌のお悩みを抱えている人は、植物油がベースとなっているノンシリコンの洗い流さないトリートメントをおすすめします。
ブランドで選ぶ
洗い流すトリートメントを選ぶ際、今使っているシャンプーやトリートメントと同じブランドのものを選ぶという方法も良い選択といえます。ブランドが同じということは、ヘアケア効果が一貫しているため、シャンプーやトリートメントとの相性が良いのです。
また髪に対する効果だけではなく、香りや使用感にも統一感があります。どの洗い流さないトリートメントを購入するか迷っている人は、シャンプーやトリートメントと同じブランドを購入して試してみる方法も失敗が少ない無難な方法だといえます。
価格で選ぶ
洗い流さないトリートメントは日々使い続けるものなので、できれば低価格のものがいいと考える人は多いものです。低価格のものであれば、1度に使う量もそれほど気にすることなく、適正とされている量が使いやすいといえます。
洗い流さないトリートメントの価格は商品によって大きくことなり、安いものであれば1,000円ほどで購入できますが、高いものは3,000円ほどです。より効果の高いものを選ぶのであれば、これ以上の価格がかかることになります。
ヘアスタイルで選ぶ
ヘアスタイルによって、洗い流さないトリートメントのタイプを選ぶという方法もあります。例えば、パーマをかけた人には、保湿力が高く、かといってパーマのボリュームを保つことができるものが適しているといえます。
またパーマをかけたことによって髪にダメージを与えているため、ダメージを補修してくれる成分や、保湿力が高いものがおすすめです。カラーをかけた人や髪にクセがある人という人も同じく、自分のヘアスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
洗い流さないトリートメントのおすすめの使い方
1.タオルドライ
洗い流さないトリートメントの効果を高めることに欠かせないものは、タオルドライです。タオルドライが不十分で髪に水分がまだ残っているような状態であれば、洗い流さないトリートメントをつけても、その成分が髪に浸透しにくくなってしまいます。髪内部の水分量が多いため、洗い流さないトリートメントの成分が入る余地がないのです。
そこで、洗顔後にしっかりとタオルドライができているかどうか見直してみましょう。タオルドライは、髪をタオルで挟むようにし、軽く押さえながら行います。髪が濡れている状態の時は、とてもダメージを受けやすいため、タオルで髪をこすることは避けることがポイントです。
2.適正量を手に取る
洗い流さないトリートメントは、多くの量を使えば使うほど効果が高まるというものではありません。目安として、ショートの人であれば1~2プッシュ、ミディアムの人であれば3プッシュほどが適正量といえます。
また髪の状態からでも目安量は判断できます。洗い流さないトリートメントをつけた時、髪の手触りが柔らかいと感じるほどの量が適正量といえます。髪がベタつくようであれば、それは洗い流さないトリートメントのつけすぎです。
3.手のひらでよく伸ばす
おすすめの使い方のひとつとして、洗い流さないトリートメントを手のひらにのばし、それから指に馴染ませ、そのうえで髪につけるという方法があります。なかでもオイルタイプの洗い流さないトリートメントの場合は、この方法が効果的です。
オイルタイプの洗い流さないトリートメントは、少し温めた状態で使うことが理想だからです。ですから、1度手のひらにのばし、手を合わせながら体温によってトリートメントを温めると、より浸透力が増します。
4.最初に毛先につける
意外と感じる人が多いかもしれませんが、洗い流さないトリートメントはダメージを受けやすく乾燥しやすい毛先からつけます。髪の根元からつける人もいますが、これは効果的な方法とはいえないものです。
また両手で髪をこすり合わせてつけてしまうと、髪のキューティクルが傷みます。髪の毛先から手ぐしで髪をとかすように、軽く揉み込むようにしてしっかりと髪に浸透するようにする方法がおすすめです。
5.髪の中間部分につける
髪の毛先に洗い流さないトリートメントを最初につけることは、今お話した通りです。では毛先に洗い流さないトリートメントをつけ終えたら、次は髪の中間部分につけていきます。
こちらも髪の毛先に洗い流さないトリートメントをつける場合と同じく、髪の内部にまで浸透させるようなイメージで、軽く揉み込むようにします。毛先につけた洗い流さないトリートメントを伸ばしてつけていくことが、うまく洗い流さないトリートメントをつけるようにするポイントです。
6.コーミングをする
手を使って洗い流さないトリートメントをつければ、次はくしを使って髪をとかしていきます。この際、目が粗いくしを使うことが重要です。目が粗いくしで髪をとかすことで、洗い流さないトリートメントをムラなく髪に浸透させることができます。
『くしにまでこだわるの?』と驚く人もいるかもしれませんが、このひと手間により洗い流さないトリートメントの効果が、より最大限に引き出されるのです。目の粗いくしは100円均一ショップでも販売されています。手で洗い流さないトリートメントをつけた後には、必ず目が粗いくしで髪の毛を整えるようにしてください。
7.ドライヤーで乾かす
洗い流さないトリートメントをつける順番は、まず毛先、そして中間へと、髪を下から上へと流れるようにしてつけていきました。濡れている髪は痛みやすい状態ですので、すぐにドライヤーで髪を乾かします。
この際も、ただドライヤーの風を髪に当てて乾かすだけではなく、温風と冷風を交互に切り替えることが重要です。温風と冷風を切り替えて、髪の温度が高くなりすぎないようにすると、髪へのダメージを軽減させることができます。
8.乾いたらもう一度つける
髪の毛が半乾きの状態になってきたら、ドライヤーを1度止めます。そしてもう1度、洗い流さないトリートメントをつけていきます。この際の洗い流さないトリートメントの量は少量で構いません。
このように、髪が濡れた状態の時と半乾きの状態の時の2度、洗い流さないトリートメントをつけることで、1日中しっとりとした髪を保つことができます。そして髪が完全に乾くまでドライヤーで乾かし、最後にくしで髪を整えます。