さまざまなアウトドアシーンで活躍をする『バーベキューコンロ』ですが、種類や性能によって使用人数や料理の幅などが変わってきます。しかしバーベキューコンロはいろいろなメーカーから多くの種類が発売されているので、どれを選んでよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事ではバーベキューコンロの購入を迷っている方に向けて、バーベキューコンロを選ぶときのポイントだけでなく、効率的な使い方やバーベキューコンロの掃除のコツなども紹介します。
初心者でも失敗しないバーベキューコンロの選び方
バーベキューコンロを選ぶときは使用する場面や燃料、材質、使用回数などがポイントになります。
バーベキューコンロを使用する場面で選ぶ
バーベキューコンロには脚付きや卓上タイプ、使い捨てタイプ、フタつきタイプ、焚火台タイプなど種類が多くあります。使用目的やシーンに合ったものを選ぶことが大切です。
立食をしたい方は『脚付きタイプ』
一般的によく使われているのが、『脚付きタイプ』のバーベキューコンロです。みんなでバーベキューコンロを囲んで、食材を焼きながらの立食ができます。ラインナップも豊富で大人数用のサイズから少人数用のサイズまであるので、人数に合わせたコンロを選べます。
椅子のあるテーブルがある場合は、食材を焼く人と食べる人が分かれてしまうのが難点です。脚付きのバーベキューコンロを選ぶときは、テーブルの位置や椅子の位置を工夫する必要があります。
机の上でバーベキューしたい方は『卓上タイプ』
『卓上タイプ』のバーベキューコンロは比較的コンパクトなものが多く、少人数でバーベキューを楽しむときに便利です。卓上だけでなく地面に設置しての使用もできますが、コンロの位置が低くなるので焼く係の人はローチェアなどの脚の短い椅子を使用すると体に負担がかかりません。
卓上タイプのバーベキューコンロはコンパクトなので、使用しないときや持ち運ぶときにも場所をとらないという特徴があります。
掃除が面倒な方は『使い捨てタイプ』
バーベキューコンロは使用した後に掃除をする必要がありますが、『使い捨てタイプ』なら掃除をせずに捨てられます。バーベキューをする頻度の高い方には向いていませんが、使い捨てタイプは価格が安いのでたまにバーベキューを楽しみたいという方におすすめです。
使い捨てタイプのバーベキューコンロは小型なものが多いので、大人数でバーベキューをするときには不向きです。
燻製調理にチャレンジしたい方は『フタつきタイプ』
『フタつきタイプ』のバーベキューコンロなら、食材を焼くだけでなく燻製も楽しめます。フタつきのバーベキューコンロは大型なものが多く持ち運びや収納が大変ですが、1台あれば料理の幅が広がるのでバーベキューを満喫したい方におすすめです。
燻製で使用しているときは食材を焼くということが難しいので、焼きと燻製の両方を楽しむのなら焼き専用のコンロか燻製専用のコンロをサブで用意しておくとよいです。
焚火も楽しみたい方は『焚火台タイプ』
『焚火台タイプ』のバーベキューコンロは、焚火だけでなくバーベキューにも使用できます。コンロが低い位置にあるのでローチェアを使用すると食材を焼くときに無理な姿勢をする必要もなく、みんなで囲みながらゆったりとしたバーベキューをしたい方に最適です。
製品によってはダッチオーブンを使用した調理もできるので、バーベキューのときの料理の幅が広がります。キャンプのときに持っていけば、食事の後に焚火の火で癒されつつ穏やかな時間を過ごすといった楽しみ方もできます。
バーベキューコンロのサイズで選ぶ
バーベキューコンロは大きさによって食材を焼ける面積が変わるので、人数に合わせたサイズを選ぶ必要があります。大人数で小さいバーベキューコンロを使用すると焼ける面積が少ないので、コンロを余分に持っていく必要があります。
逆に少人数で大きなバーベキューコンロを使用すると、炭の量が多くなります。バーベキューに参加する人数に合わせたコンロを選ばないと持ち運びや掃除も大変になるので、購入するときは普段使用するときの想定人数に合わせたサイズを選ぶことが大切です。
バーベキューコンロの燃料で選ぶ
バーベキューコンロの燃料としては炭、ガス、電気があるので、それぞれの特徴を説明します。
炭式
一般的に親しまれているのが炭を燃料とする『炭式』。炭火は雰囲気も楽しめるだけでなく、遠赤外線で食材を焼くのでうま味を閉じ込めるため普通に焼くよりも美味しく仕上がります。
しかし炭火は火の取り扱いが難しく経験がない方だと、火を点けることや火加減の調節に苦労するので慣れるまでは大変です。
炭火の取り扱いが難しいと感じる方は火起こしのときに着火剤を使用する、バーベキューコンロでも炭の継ぎ足しがしやすい製品や火加減の調節のできる製品を選ぶなど工夫をすると慣れていない方でも炭火でのバーベキューを楽しめます。
ガス式
『ガス式』のバーベキューコンロは火加減の調節がしやすいのが特徴で、場所によって焼き加減が違うということを防いでくれます。カセットボンベをセットすることで着火できるので、炭火のように火を点ける手間がかかりません。
火が弱くなったら途中で炭を足すという面倒もなく後片付けも簡単なので、火起こしが苦手な方だけでなく準備や片付けが苦手な方にもおすすめです。
電気式
『電気式』のバーベキューコンロは食材を焼いたときに煙が出にくい設計になっている製品が多く、バーベキューをするときの煙が気になる方におすすめです。ガス式のバーベキューコンロと同じで、火加減の調節が簡単で掃除にも手間がかかりません。
燃料が電気なので炭やガスのように事前に用意しておく必要がありませんが、電源を確保できるところでしか使用できないので使用できる場所に制限があります。
バーベキューコンロの材質で選ぶ
バーベキューコンロは使い捨てタイプを除くと、スチール製かステンレス製の製品が多いです。スチール製とステンレス製ではどう違うのか、それぞれの特徴を説明します。
スチール製
『スチール製』はステンレス製のバーベキューコンロに比べると値段がお手頃なものが多く、安いものだと2,000円以内で購入できるものがあります。重量があるので持ち運びが大変で、サビに弱いので使用した後のメンテナンスをしないとすぐに劣化してしまいます。
耐久性が低いという特徴もありますが頻繁にバーベキューをしないのであれば、メンテナンスをきちんとすることで長く使用することもできます。
ステンレス製
『ステンレス製』のバーベキューコンロは軽いので持ち運ぶときにも便利で、耐久性もありサビにも強いため使用後の掃除も簡単に済ませることができます。
スチール製と比べるとラインナップが少なく値段が高価になってしまいますが、耐久度が高いのでバーベキューを頻繁にする方や長く使用したい方はステンレス製のバーベキューコンロがおすすめです。
バーベキューコンロの使用回数で決める
バーベキューを頻繁にするのなら多少高くても耐久性のあるバーベキューコンロを選ぶと、コストパフォーマンスもよくなるのでおすすめです。しかし、バーベキューをあまりしない場合は高価なものよりも、使い捨てや価格の安いバーベキューコンロを選ぶのがよいでしょう。
毎年3回以上はバーベキューをやる場合はステンレス製を、バーベキューを年に1回やるかどうかという方は使い捨てや価格の安いアルミ製のバーベキューコンロを選ぶとよいです。
バーベキューコンロの特徴で選ぶ
バーベキューコンロによっては火力調節ができる、収納に便利、炭の補充がしやすいなどの特徴があります。バーベキューをするときに役立つ機能を紹介するので、ぜひ確認してください。
火力調節ができるバーベキューコンロ
バーベキューをするときに一番難しいのが『火力調節』ですが、網の高さを調節できるバーベキューコンロを選ぶと簡単に火加減を変えられます。
食材が焼けた場合や火が強い場合は網を高い位置にセットして、食材を焼くときや火加減がちょうどよい場合は網を通常のところにセットすることで、食材を焦がすことなく美味しく焼くことができます。
分厚い肉を焼く場合も初めは低い位置に網をセットして表面を焼き、表面が焼けたら網を高くして肉を休ませつつじっくりと火を通すなどといった調理法にも最適です。
自分の身長にあった高さのバーベキューコンロ
バーベキューコンロは焼く人に合った高さのものでないと、無理な態勢で食材を焼かなければいけないので体に負担がかかります。
一般的に女性は70cm程度、男性は80cm程度の高さが理想とされていますが、人によって身長は変わるのでバーベキューコンロの脚の長さが調節できるタイプがおすすめです。
脚の長さが変更できるものなら男性がメインで焼く場合だけでなく、女性だけでバーベキューをするときにも使用することができます。
収納に便利なコンパクトサイズ
大型のバーベキューコンロの購入を考えているけど、収納する場所がないという方には収納時にコンパクトになるタイプがおすすめです。小型のバーベキューコンロだと収納するときにも場所を取りませんが、大型のバーベキューコンロだと収納する場所にある程度の広さが必要です。
コンパクトタイプなら4~5人用のバーベキューコンロが、収納時に510×300㎜程度の大きさになる製品もあるので収納するときに場所を取りません。
荷物が多くなりがちなキャンプのときもコンパクトタイプなら車に積み込んでも邪魔にならず、駐車場からバーベキューをする場所が離れている場合でも持ち運びやすいというメリットがあります。
炭を入れやすい引き出し式
引き出しロストル式のバーベキューコンロなら簡単に炭を足すことができるので便利です。炭を使用したバーベキューをしていると、食材を焼いている途中で火力が弱くなった場合に網を移動させて炭を足す必要があります。
食材が乗った状態で網を移動させるのは難しいので、網を移動させたときに食材が落ちてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
引き出しロストル式は炭が乗っている部分がスライドするようになっているので、火力が弱くなったときも引き出し部分を引っ張ることで簡単に炭を足すことができます。
メインかサブか役割を決める
バーベキューコンロには燻製ができる製品や焚火ができる製品があります。食材を焼くだけでなく他の機能を使用したいなら、メインで使用するものと補助的な役割で使用するものを決めておくとバーベキューをよりいっそう楽しめるのでおすすめです。
焼き面積の広いバーベキューコンロをメインとして使用しつつ、焚火台タイプを補助で使用して夜には焚火をしながらバーベキューをするという楽しみ方もできます。
バーベキューコンロのおすすめの使い方
炭が燃料のバーベキューコンロで知っておいた方がよいのが効率的な使い方です。炭火でのバーベキューは火加減が一番難しいですが、場所によって火の強さを変えると食材や焼き加減によって移動させることで食材を焦がすなどの失敗がありません。
火の強さを変える方法としてはバーベキューコンロの炭を片方に寄せて山なりにします。断面図で横から見ると直角三角形のような形にすることで、一番炭が多いところが強火、真ん中が中火、炭が少ないところが弱火と使い分けることができます。
ポイントとしては炭が置いていない場所を作ることです。炭が置いていない場所は肉を休める場所として使用できるので、焼きあがった食材を置いておく場所として使用できます。
バーべキューコンロのおすすめのお手入れの方法
バーベキューコンロの掃除は事前に準備しておくことで、簡単に綺麗にできるようになります。掃除を楽にするコンロや網の事前準備や掃除のコツを紹介します。
使用前は網に油を塗っておくのがおすすめ
新品の網でバーベキューをすると食材が引っ付いてしまい、最後には焦げた状態になるので掃除のときに大変です。バーベキューコンロに網を乗せて熱が通った後に油や酢を塗ると、食材が焦げ付くことが少なくなるので掃除が楽になります。
使用中はアルミホイルを敷いておくのがおすすめ
バーベキューコンロを掃除するときに大変なのが炭から出る灰や肉の脂汚れです。初めにコンロ内部の炭を置く場所にアルミホイルを敷いておくと、灰や脂がアルミホイルの上に落ちるのでコンロ内部の汚れが少なく済みます。
注意点としてはアルミホイルで通気口を塞がないことです。通気口から空気が入ることで炭は燃焼するので、塞いでしまうと思うように火が強くならないといったことになります。
使用後は食べカスを炭化させるのがおすすめ
バーベキュー後の網に付いている食材のカスや脂は炭化させることで掃除が楽になります。炭化させるには炭に火が残っている状態のバーベキューコンロに網を乗せて、その上にアルミホイルを覆いかぶせる必要があります。
10分ほどアルミホイルを被せておくとコンロ内部の温度が上昇するので、網に残っている汚れが落としやすくなります。
理想は当日、遅くても翌日には掃除をしよう
バーベキュー後は疲れているので掃除を後日にしてしまいがちですが、脂汚れなどは時間が経つごとに掃除が大変になります。できるだけ当日に掃除をするのがおすすめですが、時間や場所的に掃除することができない場合でも次の日には掃除をしておくと汚れも落としやすくサビにもなりにくいです。
掃除の後はよく水気を切り、網に油を塗っておくなどのメンテナンスをすると次のバーベキューにも使用できます。