『ガスファンヒーター』は部屋をすぐに暖めてくれるだけでなく、燃料補給の手間も必要なく、暖房器具として多くのメリットをもつ優れものです。しかし取り付け費用やランニングコスト、家の広さによって選ぶべき製品の種類など、ガスファンヒーターを選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。
今回はそんなガスファンヒーターの仕組みやメリット・デメリットについて解説していきます。おすすめの商品ランキングもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ガスファンヒーターの基本情報
ガスファンヒーターの仕組みについて
『ガスファンヒーター』はガスを燃焼して熱を作り出して部屋を暖める暖房器具です。燃焼によって暖められた空気が、温風となって室内に送られて部屋を暖める仕組みとなっています。
ガスファンヒーターの特徴は、他の暖房器具に比べて短時間で部屋全体を暖められること。寒いときにすぐに部屋を暖めてくれるこのスピードは、他の暖房器具にはありません。
また燃料の補給の手間が一切かからないため、燃料切れの心配や、保管スペースなども必要ありません。
都市ガス用とプロパンガス用がある
ガスファンヒーターには、『プロパンガス用』と『都市ガス用』の2種類があります。
プロパンガス
『プロパンガス』を使用している家庭では、都市ガス用のガスファンヒーターを使用することはできません。逆に、都市ガスを使用している場合はプロパンガス用のガスファンヒーターは使用できないようになっています。
都市ガス
『都市ガス』とプロパンガスではガスの種類や熱量が異なるため、それぞれに合ったガスファンヒーターを使用しなければいけません。そのためまずは家庭で使用しているガスを確認し、それにあわせてガスファンヒーターを選ぶ必要があります。
一般的なガス代は月4,000円前後
ガスファンヒーターで使用する1カ月のガス代の目安は、木造11畳以下、コンクリート15畳以下の部屋で使うと想定して、ひと月あたり約4,290円です(1日8時間使用の場合)。ただしこれは都市ガスを利用した場合のガス代の目安です。プロパンガス利用時には、ガス代が約1.5倍になるので注意してください。
また実際のガス代は、部屋の大きさや機種によっても異なります。部屋の広さに応じて選ぶべき規格も変わってきますので、広い部屋に合わせた規格で使用する場合のガス代は高くなります。
ガスファンヒーターの寿命は約8年
メーカーや製品にもよりますが、ガスファンヒーターの寿命はおよそ8年ほどといわれています。
もちろん8年以上使える場合もありますが、寿命が近くなってくると熱効率が悪くなってしまいます。『電気代が高い』、『部屋が暖まりにくい』、『おかしな音がする』といった症状が出てくるかもしれません。
寿命が近づいたと感じたら、思い切って買い替えることをおすすめします。
ガスファンヒーターの特徴
メリット
ガスファンヒーターは部屋がすぐに温まる
ガスファンヒーターのメリットは、なんといっても立ち上がりの早さです。スイッチを入れてからわずか5秒で温かい温風が吹き出します。しかもパワーがあり、ファンで送風するので部屋全体を暖めるスピードも非常に早いです。
エアコンや電気ストーブのように、部屋を暖めるまで時間がかかることはありません。パワフルな暖房能力で、広い部屋でもすぐに暖めてくれるのは他の暖房器具にはない大きな魅力です。
ガスファンヒーターは燃料供給の必要がない
ガスファンヒーターは燃料補給の手間がないのも大きなメリットです。
石油ストーブの場合は、そもそも灯油がなければ使えません。わざわざ灯油を購入するために出かけたり、灯油のポリタンクからストーブのタンクに灯油を補給したりするという作業が必要です。
一方ガスファンヒーターはガス管から供給されるガスが燃料になるので、燃料切れの心配がありません。重い灯油タンクを運んだり補給作業をしたりする必要がないので、高齢者にもおすすめの暖房器具です。
ガスファンヒーターは臭いが気にならない
ガスファンヒーターは、ガスを燃焼したときの独特の臭いがほとんどありません。閉め切った部屋で臭いが発生すると気になってしまいますし、小さなお子さんがいる家庭では強い臭いのする暖房機はなるべく避けたいところです。
さらにガスファンヒーターの吹き出し口からは温風が出ますが、長時間でなければ火傷するほどでもないので、お子さんがいる部屋でも安心して使用できます。『チャイルドロック』が付いた機能を選ぶとより安心に利用できるので、気になる方はチェックしてみてください。
デメリット
ガス管の工事が必要
ガスファンヒーター導入における最大のネックは、使いたい部屋にガス栓が必要なことです。
関東圏などではリビングルームにガス栓が設置されている住宅はほとんどありません。ガスファンヒーターを使うためにはガス栓の工事が必要になる場合が多く、『わざわざ工事をしてまでガスファンヒーターを導入するのは面倒』と考えてしまう方も少なくないようです。
工事費用は1万円代からと決して高額ではありませんが、ガスファンヒーターの使い心地の良さを知らないと、工事に踏み切るのは迷ってしまうかもしれません。
設置場所が限られる
部屋にガス栓があればすぐにガスファンヒーターの設置が可能ですが、あまりガス栓から離れた場所に設置することはできません。設置場所はかなり限定されてしまいます。
どうしてもガス栓から離れた場所に置きたい場合、長いガスコードを使用するという手段もあります。しかし日々、ガスコードを踏んだりつまずいたりしないように気をつけないといけません。また長いガスコードが床に延びているのは、見た目もなかなか気になるものです。
他の暖房器具のように、手軽に場所を移動できないことがガスファンヒーターのウィークポイントとなります。
おすすめガスファンヒーターの選び方
ガスの種類で選ぶ
まず自宅のガスが『都市ガス』か『プロパンガス』かによって選ぶガスファンヒーターが異なります。
自宅がプロパンガスの場合、都市ガス仕様のガスファンヒーターは使えません。同様に都市ガスを使っている環境で、プロパンガス仕様のガスファンヒーターは使えないので注意が必要です。
間違ったガスファンヒーターを使用すると事故の発生につながり大変危険なので、必ず使用するガスに合わせたものを選びましょう。
ランニングコストで選ぶ
ガスファンヒーターはエアコンほどランニングコストがかからず、石油ファンヒーターと同程度の費用で利用できます。しかしこれは都市ガスを使用している場合の話です。
プロパンガスの価格は都市ガスの1.5倍と高く、プロパンガス使用でガスファンヒーターを使う場合は、都市ガスよりもコストが高くなってしまうので注意が必要です。
もしも自宅がプロパンガスで、ガスファンヒーターを導入する場合は、ランニングコストがそれなりにかかってしまう可能性がありますので注意してください。
部屋の広さに合わせて選ぶ
ガスファンヒーターを選ぶときは、使う部屋の広さに合わせて製品を選ぶことが重要です。リビングルームなど広い部屋で使う場合は、広い部屋を快適に暖められるパワフルなガスファンヒーターが必要です。一方キッチンなど比較的小さな空間で使う場合は、コンパクトなタイプで十分かもしれません。
各メーカーの製品には対応可能な部屋の広さごとに規格が分かれています。製品情報には『木造〇〇畳までコンクリート〇〇畳まで』と記載があるので確認しましょう。
また暖房の目安は室内外温度差が、15℃の温暖地域を基準にしていますので、寒冷地では一段階能力が高いものを選ぶことをおすすめします。
付加機能で選ぶ
基本機能だけでなく、ガスファンヒーターを快適に使うための付加機能もチェックして選びましょう。付加機能のひとつに『タイマー機』能があります。寝る前に運転開始時間をセットすることで、暖まった部屋で目覚めることが可能です。
また高機能モデルの場合、『プラズマクラスター』や『ナノイー』発生機能付きで除菌や脱臭可能なガスファンヒーターや、部屋の暖めすぎを防ぐ『エコ運転機能付き』のガスファンヒーターもあります。ライフスタイルに合わせて、必要な機能が搭載されているガスファンヒーターを選びましょう。
おすすめガスファンヒーターメーカー
NORITZ (ノーリツ)
『NORITZ』は温水暖房機、キッチン機器などを製造販売している国内メーカーです。NORITZが製造するガスファンヒーターは、部屋になじむシンプルなデザインが特徴です。
『スタンダードタイプ』と『デラックスタイプ』の2つのラインナップがあり、どちらも使いやすくスマートな形状となっています。
Rinnai (リンナイ)
『Rinnai』は空調機器やキッチン機器を製造販売している国内メーカーです。
Rinnaiのガスファンヒーターは空気清浄機、プラズマクラスター技術やスイング機能などさまざまな機能を搭載しています。
おすすめのガスファンヒーターの使い方
ガスファンヒーターはガス栓の近くに設置する
ガスファンヒーターはガス栓の近くに設置しましょう。長いガスコードを使えば少し離れた場所に設置することも可能ですが、ガスコードにつまずいてしまうなどの危険があります。
またガスファンヒーターのガス消費量によって、使用できるガスコードの長さが決まっています。必ず決められた長さ以内で使うようにしましょう。
さらにガスファンヒーターを動かすには電源も必要です。電源とガス栓が離れている場合、延長コードを使用して電源をつなぎましょう。
ガスファンヒーターを使用するときの換気について
ガスファンヒーターを使用するときは、必ず1時間に1~2回(1~2分)換気をすることが必要です。
ガスファンヒーターは室内の空気を使ってガスを燃焼するため、換気が不十分だと室内の酸素が足りなくなってしまいます。そのままガスファンヒーターを使用し続けると不完全燃焼を起こし、有毒な一酸化炭素が発生する恐れがあります。
一酸化炭素中毒になって死亡事故に至る恐れもあるため、必ず定期的に換気をして部屋の中に新鮮な空気を取り入れるようにしましょう。
ガスファンヒーターの掃除方法
ガスファンヒーターを快適に使うためには定期的な掃除も重要です。お手入れをするときはガスファンヒーターが完全に冷えているときにしましょう。安全のためガス栓を閉め、コンセントも外します。
フィルターは目詰まりすると暖房能力が落ちるので、こまめに掃除することが必要。本体からフィルターを外し、掃除機などでほこりを吸ってお手入れします。
また温風吹き出し口も掃除機で掃除するか、やわらかい布でほこりをふき取りましょう。空気清浄機能付きタイプであれば、集じん板を中性洗剤などで洗い、よく乾かして元に戻します。