塩化ビニールの加工やシュリンク包装作業など、熱処理を必要とする作業に欠かせない『ヒートガン』。自宅でDIYをする人にとっても人気が高いアイテムです。種類や性能も豊富なので、どのヒートガンがよいのか迷ってしまう方が多いでしょう。
今回は『ヒートガン』のおすすめ人気比較ランキングをご紹介していきます。選び方や使用用途についても詳しく解説しているので、参考にして使いやすく自分の用途のあったヒートガンをみつけましょう。
ヒートガンの特徴
『ヒートガン』とはボタンを押すことで先端のノズルから温風がでる工具です。形はヘアドライヤーに似ていますが、ヒートガンからでる温風はヘアドライヤーよりも高温で温風を必要とする加工作業などに使われます。
工場での本格的な作業から家庭でのDIYで使用するなど、用途によって幅広いモデルが発売されているのも特徴。温風がでるといっても炎がでるわけではないので安全性は高く、塩ビ配管や伸縮チューブの加工もしやすいのがメリットです。
今回のランキングでは家庭用のDIYで使えるヒートガンを中心にご紹介していきます。
ヒートガンのノズルの種類について
集中熱風型
『集中熱風型』のノズルは先端が細くなっているタイプで、こまかく精密な作業を行う際に使用されます。熱を与える箇所にピンポイントで温風をあてれるので、その他の箇所を損傷させてしまう恐れがありません。先端の形状はモデルによってさまざまです。
ヘラ型
『ヘラ型』は掃除機のノズルに形状が似ていて、幅広い場所に温風をあてる場合に有効。幅広いに作業に使えますが、特に広い面積の箇所にフィルムなどを加工する際に使われることが多いです。
フック型
細長いチューブなどに温風をあてる場合に使いやすいのが『フック型』です。他のノズルに比べて使用用途は少なく、購入するヒートガンによっては付属品として備えつけられている場合もあります。
ヒートガンのおすすめ使用用途
塩化ビニールの加工
『塩化ビニール』は価格がリーズナブルで扱いやすい特徴があるので、自宅でのDIYには欠かせないアイテム。上手に加工すればおしゃれなテーブルやラック、収納棚などをつくるのに役立ちます。
ヒートガンを使って塩化ビニールを加工する場合、曲げるなら60~80℃、溶接なら260~280℃くらいが一般的です。曲げるだけの加工であれば、価格が安い低温のヒートガンでも可能なため、ちょっとDIYにも適しています。
シュリンクの包装作業
熱収縮性プラスチックフィルムに温風をあてて、包みたいものの形状に合わせフィルムを密着させる包装の仕方を『シュリンク』包装といいます。店頭に並んでいるCDや漫画をフィルムで包む際に用いられることが多いです。
シュリンクフィルム用の幅広ヘラ型ノズルを使えば誰でも簡単にお店で売られているような状態の包装ができるので、ネットショップやオークションで商品を販売している方に人気があります。
車などのフィルム剥がし
ヒートガンは車などのフィルム剥がしやコーティングを自分でやる場合に役立ちます。フィルム剥がしを業者に依頼するとリアガラス1面で8000~15000円、フロントガラスでも9000~15000円するのが相場。
自分でフィルム剥がしを行い工賃代をうかせようと考えるのは当然のことでしょう。しかし車のフィルム剥がしやコーティングはかなり大変で、素人がやろうとするときれいな施工ができない場合があるので注意が必要です。
半田付け作業
局所加熱用のノズルを使えばヒートガンでの『半田付け作業』も可能です。半田は種類によって溶ける温度がことなるため、幅広い温度調整ができるヒートガンを選ぶとやりやすいでしょう。
高すぎる温度で半田付けをしてしまうと、周囲の部品が故障してしまう可能性があります。ダメージを与えたくない箇所には、養生テープやアルミホイルをこまかく使い保護して作業を行う必要があるでしょう。
熱収縮チューブの収縮作業
『熱収縮チューブ』は熱を加えることで記憶させた形状へ収縮するチューブで、電線やハーネスの結束や防水、耐熱に使われます。ヒートガンを使い簡単に収縮させることが可能。
チューブによって必要な熱量はことなりますが、70℃くらいの低温でも収縮するチューブがあります。ヒートガンだけではなくドライヤーや半田ごてを使って収縮させることもできます。
失敗しないヒートガンのおすすめの選び方
付属ノズルがあると便利
ヒートガンを使う上でノズルの種類は重要、ノズルが数種類あると用途に合った使い分けができるので便利です。たとえば半田付けの作業であれば集中熱風型ノズル、ヘラ型ノズルは広範囲に温風をあてることができるのでフィルムの施工などに便利です。
発売されているヒートガンには数種類の付属ノズルがついている場合があります。ヒートガンを購入する前には、自分の用途に合った付属ノズルがついているかをしっかりと確認するようにしましょう。
自立する形状だと作業が楽
片方の手でヒートガンをもって加工したいものに温風をあてるスタイルが基本的ですが、塩化ビニールを曲げたり熱収縮チューブの加工は両手を使って行った方が効率がよいでしょう。
自立する形状のヒートガンであれば、置いた状態で両手を使っての作業が可能になるので効率よく加工できます。また自立する形状だけではなくヒートガンの形状はさまざま、もちやすい形状を選ぶと作業がしやすくなります。
風量調整できるものを選ぶ
ヒートガンには温風の風量調整ができるタイプがあります。用途や加工するものによって風量を調節できれば、それだけ作業時間の短縮にもなりますし用途の幅も広がるので便利です。
風量調整ができるヒートガンは強と弱の2パターン変更のタイプが一般的ですが、中には3パターン変更のヒートガンもあります。基本的には2パターン変更でじゅうぶんですが、幅広い用途で使う予定があれば3パターン変更タイプをおすすめします。
ヒートガンを使う時の注意点
作業用の手袋をする
ヒートガンを使う時は作業用の手袋をはめて作業をしましょう。加工したものや箇所は温風で高温になっているので、素手で作業をすると火傷をしてしまう恐れがあります。作業用の手袋には軍手や革手袋などのかたい素材がおすすめ。
長袖の洋服を着る
肌を露出した状態でヒートガンを使うと火傷やケガに繋がる恐れがあるので、長袖の洋服や作業服を着て使用した方が安全です。マスクや帽子も安全性を高める上で重要なので、ヒートガンを扱うことに慣れていない場合は特に注意が必要です。
また自身を保護するだけではなく周囲に人はいないか、風によって加工したものが動いてしまわないかなど使用する場所にも注意をはらい安全対策をしておきましょう。
使用できる時間を確認する
ヒートガンを連続して使用できる時間を定格時間といいます。定格時間を超えて使用してしまうと、ヒートガンの発火や故障に繋がる可能性があります。
ヒートガンの定格時間を把握して作業を行いましょう。それぞれの定格時間はヒートガンの種類によってことなるので、どれだけの作業時間なのかを考えてヒートガンを選ぶことも大切です。
使った後はしっかりと冷ます
ヒートガンは温風をだすアイテムなので、使用後はしばらく高温状態が続きます。火傷やケガを防止する上でも、使った後はしっかりと冷ますようにしましょう。
ヒートガンには冷却機能がついているタイプがあり、冷却機能つきのヒートガンを選べば冷ます時間を短縮できます。同時に冷風をだせるタイプもあるので、ヒートガンだけではなく加工したものを一緒に冷ましたい場合におすすめです。