『Bluetooth対応イヤホン』はケーブルがないため絡まりにくく、コードが引っかかって断線することがないため有線タイプのイヤホンより人気があります。
しかし種類が多く、機能もさまざまななのでどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。そこで本記事ではBluetooth対応イヤホンの特徴や選び方、おすすめ商品をご紹介します。使い勝手がよく高音質なBluetooth対応イヤホンを購入し、快適な音楽鑑賞を楽しみましょう。
Bluetooth対応イヤホンとは
Bluetooth対応イヤホンの仕組み
Bluetooth対応イヤホンは、スマホやタブレット端末と無線で接続できるイヤホンです。近距離無線通信規格のBluetoothを使うためワイヤレスで接続できます。Bluetoothは国際標準規格で、異なるメーカーの機器を使用しても接続可能です。
Bluetooth対応イヤホンは『ワイヤレスイヤホン』『無線イヤホン』とも呼ばれており、完全ワイヤレス型、ネックバンド型、左右一体型などさまざまな形状があります。
Bluetooth対応イヤホンの規格
Bluetooth対応イヤホンとデジタル機器を接続するためには、Bluetooth対応イヤホンのバージョンをチェックすることが重要です。対応していないイヤホンを選んでしまうと、通信速度や通信範囲が制限されてしまうことがあるので注意してください。
Bluetooth対応イヤホンのバージョンには、ver1.1、ver1.2、ver2.0、ver2.1、ver3.0、ver4.0、ver4.1、ver4.2、ver5.0があります。現在の主流バージョンはver4.0やver4.2です。最新のイヤホンはver5.0のものもあり、数字が上がるほどデータ転送速度が速く、音切れしにくいため快適に音楽を楽しめます。
Bluetooth対応イヤホンのメリット・デメリット
メリット
Bluetooth対応イヤホンは、ケーブルがないため絡まったり、断線したりすることがありません。有線のイヤホンだとカバンに入れているだけでケーブルが絡まってしまうことがあり、スポーツ中はイヤホンが外れてしまうこともあります。しかしBluetooth対応イヤホンはワイヤレスなので体の動きが制限されることがなく、ストレスフリーに音楽を聴くことができます。さらにケーブルが衣類とこすれてノイズが生じることも少ないです。
デメリット
Bluetooth対応イヤホンは充電する必要があります。充電後の使用時間は、3時間~5時間程度、高機能の商品でも7時間~8時間程度です。長時間使うのであれば毎日のように充電しなくてはいけません。
また人ごみの中などワイヤレス通信が飛び交う場所では音途切れすることがあります。有線イヤホンと比べると音質が劣化する場合もあるため、音質にこだわる人は高音質のBluetooth対応イヤホンを選びましょう。
Bluetooth対応イヤホンのおすすめの選び方
種類で選ぶ
完全ワイヤレス型
『完全ワイヤレス型』はケーブルがまったくないタイプのイヤホンです。左右のイヤホンがつながっていないため、それぞれ装着して使用します。イヤホンは右耳用と左耳用がセットになっており、左右の耳の形にフィットする形状になっています。ケーブルがなくても外れにくく、スポーツ時でも使用可能です。
完全ワイヤレス型は一切ケーブルがないため動きが制限されることがなく、携帯しやすいです。ただしなくしやすいため専用のケースに入れて持ち運びましょう。
ネックバンド型
『ネックバンド型』は首のところでバンド固定できるワイヤレスイヤホンです。安定感のある装着感が魅力的で、動きの激しいスポーツ時に使用したい人におすすめです。バンド部分にはバッテリーが搭載されているため電池の持ちがよく、長時間使用できます。ノイズキャンセリング機能など高音質の商品も多数そろっています。
ネック部分が硬すぎる、柔らかすぎると感じるケースがあるので、自分に合ったフィット感のイヤホンを探してください。
左右一体型
『左右一体型』は左右のイヤホンがケーブルでつながったタイプです。最も一般的な形状なので、種類が豊富にあります。ケーブルには音量調整や再生・停止ボタンがついている商品が多く、使い勝手はバツグンです。
使用しないときはケーブルを首にかけておくことができ、なくしづらいというメリットがあります。低価格なイヤホンから高音質のイヤホンまであり、初めてBluetooth対応イヤホンを購入する人におすすめです。
片耳型 (ヘッドセット型)
『片耳型 (ヘッドセット型)』は片方の耳のみ装着するイヤホンです。通話目的で使用することを想定した商品で、マイクを備えたモデルが多いです。移動中でもハンズフリーで通話でき、ビジネスシーンでBluetooth対応イヤホンを使いたい人にぴったりです。
片耳のみ装着しているため、イヤホンをしていないほうの耳で周囲の音を聞き取ることができ安心です。音楽鑑賞には向かないため、通話目的でイヤホンを探している場合におすすめできます。
骨伝導型
骨伝導型は頭蓋骨を振動させて聴覚神経を刺激し、音を直接脳内に届けるイヤホンです。空気の振動で音を伝える従来のイヤホンと違って耳をふさぐことがなく、周囲の音を常に聴くことができます。補聴器として使われることもあり、耳が疲れにくいため長時間使用してもストレスフリーです。
ただし若干音漏れすることがあるので満員電車の中では注意してください。
使用シーンで選ぶ
スポーツ
ランニングなどスポーツ中に使用したいなら、ケーブルが邪魔にならず激しい動きをしても外れにくい形状のBluetooth対応イヤホンがおすすめです。防水・防滴機能つきなら汗をかいたり突然雨が降ってきたりしたときも安心です。
通勤・通学
通勤・通学時に使用するなら、ノイズキャンセリング機能つきのイヤホンを選びましょう。ノイズキャンセリング機能では乗り物音も人の話し声も軽減してくれます。電車やバス内の雑音を消してくれるため、周囲の音を気にすることなく音楽を聴けます。
動画視聴
高音質で動画視聴したいなら、aptX/AACコーデック対応モデルが最適です。aptX/AACコーデック対応モデルは高音質で低遅延で音を聴けるため、動画の映像と音のズレや音質劣化を抑えることができます。
装着感で選ぶ
快適に音楽を楽しむためには装着感が大切です。耳にしっかりフィットするイヤホンなら外れにくく、音漏れの心配もありません。装着感は付属のイヤーピースによって調整でき、S・M・Lなど複数の大きさのイヤーピースがついた商品なら、自分の耳の大きさにあうものが見つかりやすいです。スポーツ時に使用したい人は、耳のくぼみにひっかけるフックがついたイヤーピースがおすすめです。
バッテリーの持ちで選ぶ
バッテリーの持ちによって再生できる時間が異なります。長時間使用したい人は持ちのいいイヤホンを選びましょう。とくに新幹線や飛行機など長距離移動するときは途中で充電することが難しいため、持ちのよさが重要です。
ネックバンド型のBluetooth対応イヤホンは、再生時間が15時間ほどの商品もあります。完全ワイヤレス型はバッテリー自体は少ないものの、ケースに入れると充電できるため出先でも給電できます。
規格で選ぶ
どんなに機能が優れたBluetooth対応イヤホンでも、接続するデジタル機器に対応していないバージョンだとその機能を十分に発揮することができません。
例えばBluetooth対応イヤホンがver.4.2でデジタル機器がver.3.0だと、ver.3.0で接続され通信速度が制限されてしまいます。安定した通信環境で接続するためには、デジタル機器、イヤホンともにver.4.2以上がおすすめです。
クラスで選ぶ
Bluetooth対応イヤホンには、電波が到達する距離を示したクラス(電波到達距離)という規格があります。クラスには約100m、約10m、約1mの3種類があり、クラスを確認するとどれくらい電波が届くのかが分かります。例えばクラスが約10mの場合、半径約10mまでは電波が届くため、音源を中心として直径20mまでなら動き回っても音が届く仕組みです。
音質で選ぶ
音質のよさは音を転送する圧縮形式の『コーデック』で確認できます。一般的には圧縮率が低く、データの情報量が多い形式ほど高音質です。
コーデックにはいくつか種類があり、iPhoneが対応している『AAC』、Androidが対応している『apt-X』を選ぶと音質のよいBluetooth対応イヤホンが見つかります。そのほか、数は少ないですが『LDAC』『HWA』『apt-X HD』も低圧縮率な形式で高音質です。
機能で選ぶ
防水機能
『防水機能』つきのBluetooth対応イヤホンならスポーツで汗をかいたときやランニング中に雨が降ってきたとき、シャワーを浴びているときも音楽を聴けます。
防水機能は『IPX4』や『IPX8』などアルファベットと数字で表記されており、末尾の数字が大きいほど防水性があります。汗をかいたり水しぶきを浴びたりする程度であれば『IPX4』、プールなど水中でも使用するなら『IPX8』がおすすめです。
ノイズキャンセリング機能
周囲の騒音が気になるならノイズキャンセリング機能搭載のBluetooth対応イヤホンがいいでしょう。ノイズキャンセリングとは周囲の騒音を遮断する機能のことで、電車や飛行機などの乗り物音、人ごみの話し声などを打ち消してくれます。
騒音に邪魔されることなく音を楽しめるので、ボリュームを上げなくても音楽に没頭できます。耳栓代わりにも使うことも可能です。
外音取り込み機能
『外音取り込み機能』とは、周囲の音をマイクで拾ってイヤホンで聴くことができる機能です。外音取り込み機能をオンにすると、音楽を聴きながら人と会話をしたり駅構内のアナウンスを聴きとったりできます。
とくにコンビニに立ち寄って会計するとき、わざわざ音楽を停止させなくても店員とやり取りすることが可能です。周囲の音を打ち消すノイズキャンセリング機能とは逆の仕組みだと理解しておきましょう。
マルチポイント機能
『マルチポイント機能』とは、1つの機器を同時に複数の機器に接続できる機能のことです。例えば1つのBluetooth対応イヤホンを2台のスマホに接続しておけば、どっちのスマホに着信があってもBluetooth対応イヤホンで通話ができます。スマホをビジネス用、プライベート用など2台使用している人におすすめの機能です。
マルチペアリング機能
『マルチペアリング機能』も1台の端末を複数台に接続登録できる機能ですが、マルチポイント機能と違って同時接続はできません。2台のスマホを登録していても、接続するときはあくまで1対1となります。ただし接続のたびにペアリングする必要がないため、接続機器をスムーズに切り替えることが可能です。
ペアリングできる台数は商品によって決まっており、上限を超えた場合は古い設定から自動で消去されていきます。
ボタン・タッチセンサー機能
ボタン・タッチセンサー機能はイヤホン本体を指先でタッチすることで音楽の再生や停止、音量操作、曲送り・曲戻しなどができる機能です。ボタン・タッチセンサー機能搭載のBluetooth対応イヤホンなら、イヤホンを耳から外さず操作することができます。主に完全ワイヤレス型に搭載されており、一時停止ならタッチ1回、曲送りならタッチ2回など操作内容によって回数が決まっています。
接続の安定性で選ぶ
接続の安定性があれば、電車内や繁華街の人ごみの中でも音が途切れにくいです。一般的にBluetoothのバージョンが新しいものほど安定性があり、音切れを防ぎたいならver5.0がおすすめです。安定性の高い製品は、音が途切れてもスムーズに復帰できるためストレスなく使えます。
また、クアルコム社の最新ワイヤレスチップ『QCC3026/3020』を搭載したイヤホンも安定性に優れています。
プロファイルで選ぶ
A2DP
A2DPとは『Advanced Audio Distribution Profile』のことです。音楽用プロファイルで、高音質な音楽を聴くことができます。 A2DPに対応しているイヤホンは音楽鑑賞向きの商品です。
AVRCP
『Audio Video Remote Control Profile』のことで、再生や停止、早送り、スキップなどができる音楽用プロファイルです。AVRCPに対応しているイヤホンでは、イヤホンから曲の再生や停止などを操作できます。
HSP
『Headset Profile』のことでヘッドセットと通信して音声のやり取りを行う通話用プロファイルです。HSP対応のイヤホンではイヤホンを使って電話での通話ができます。
HFP
『Hands-Free Profire』のことで、ハンズフリーで通話開始操作などができる通話用プロファイルです。HSPの機能に加えて搭載されていることが多く、イヤホンで発信や着信操作ができます。
専用アプリの有無で選ぶ
Bluetooth対応イヤホンのなかには専用アプリがリリースされている機種があります。バッテリー残量の確認ができる、外音取り込み機能のオンとオフの切り替えができる、紛失場所を特定できるなどの機能が備わっています。
さらにイコライザー機能のある専用アプリなら、音質を調整して自分好みの音楽を楽しむことも可能です。
Bluetooth対応イヤホンのおすすめメーカー
Apple
『Apple』製のBluetooth対応イヤホンはiPhoneやmacOSとの接続が簡単で、Appleユーザーにおすすめです。シンプルなデザインが多く、完全ワイヤレス型の人気が高いです。『AirPods』は発売後売り切れになることが多く、最新版が発売されるたびに話題を呼んでいます。
SONY
多数の音響機器をリリースしている『SONY』は、確かな技術力がありBluetooth対応イヤホンも高音質な製品が多いです。形や色などのバリエーションが多く、ノイズキャンセリング機能や防水機能を搭載した高スペック商品もそろっています。
Jabra
北欧デンマーク生まれの『Jabra』は、おしゃれなデザインが魅力的なメーカーです。もとは補聴器メーカーだったので『外音取り込み機能』や、『ノイズキャンセリング機能』など高い機能性が備わっています。専用アプリではイコライザー機能もあります。