勢いよく水を噴射して汚れを落とす『高圧洗浄機』は、外壁や玄関アプローチなど、長年にわたって蓄積された汚れを簡単に吹き飛ばす掃除の救世主です。手洗いと比較すると、水道使用量も掃除時間も大幅に短縮でき、近年では一般的な家庭用掃除器具の1つとして大きな注目を浴びています。
この記事ではそんな高圧洗浄機の選び方について徹底解説!高圧洗浄機の仕組みに触れながら、どんな高圧洗浄機が各家庭や生活スタイルに適しているのかくわしく解説していきます。記事後半では人気の高圧洗浄機商品も多数ご紹介!お気に入りの商品を見つけて、今年の大掃除は高圧洗浄機をぜひ活用してみてください。
そもそも高圧洗浄機とは
『高圧洗浄機』とは、増幅させた水圧のパワーで掃除を行う機械です。これまでは『高圧洗浄機=業務用の掃除用具』のイメージが強かった中、近年は家庭用サイズのモデルも続々登場。
持ち運びしやすい軽量サイズモデルからお風呂など自宅内掃除にも適したモデルまで、さまざまなタイプの高圧洗浄機が販売されています。特に最近の高圧洗浄機は、使用目的・用途に応じて使いやすいアタッチメントも豊富です。
高圧洗浄機の活躍場所は車洗浄だけではありません。雨戸の汚れ、ガレージや駐車場、外壁やブロック塀など、広範囲で手の届きにくい場所の汚れもあっという間に吹き飛ばします。
水道代はかからない?
高圧洗浄機の使用には水道代がかかるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。たしかに高圧洗浄機は水を使用しますが、近年の家庭用モデルは、従来のものに比べて水道代を抑えられた設計のものがほとんどです。
高い水圧で掃除しているので、そもそもの作業時間の短縮化もはかれますので、それほど心配する必要はないでしょう。
おすすめの高圧洗浄機のタイプ
高圧洗浄機は『ポータブルタイプ』と『据え置きタイプ』の2種類に分けられます。
ポータブルタイプ
『ポータブルタイプ』は、コンパクトで持ち運びがとても便利。肩にかけるショルダータイプや女性や高齢者の方でも片手で持ち運べる軽量サイズもあります。掃除中の小回りもきくので使いやすさも抜群です。
窓の網戸や風呂場のタイル掃除、自転車や車の洗浄などで使用する場合にはポータブルタイプをおすすめします。コンパクトな分、水圧や洗浄力は劣りますが、扱いやすさや手軽さがなによりも魅力的。年末の大掃除など、定期的な汚れ落としに使いたいのであればポータブルタイプのパワーでも十分です。
据え置きタイプ
『据え置きタイプ』は、とにかくパワフルで洗浄力や勢いが抜群。頑固な汚れを吹き飛ばす爽快感は、高圧洗浄機の醍醐味ともいえます。
掃除範囲が広く手の届きにくい外壁、何度ブラシでこすっても落ちないベランダや玄関の黒ずみなら据え置き型の高圧洗浄機がおすすめ。手早く、簡単に汚れを落とせます。パワフルなため、2階の高さまでの掃除も可能。しかし重量がある分、持ち運んでの使用は難しいでしょう。一軒家にお住まいの方におすすめのタイプです。
おすすめの高圧洗浄機の選び方
モーターごとの出力の違いで選ぶ
高圧洗浄機のモーターは、『エンジンモーター』と『インダクションモーター』、『ユニバーサルモーター』の3種類に分けられます。
エンジンモーター
電源不要の『エンジンモーター』はハイパワーで圧倒的な洗浄力を誇りますが、作業音も大きく価格も高いため家庭用で購入するのには向いていません。
インダクションモーター
『インダクションモーター』は、東日本 (50Hz)・西日本 (60Hz)それぞれに特化しています。静音性と耐久性に優れているため家庭用の高圧洗浄機に主流のタイプです。
ユニバーサルモーター
『ユニバーサルモーター』は、西日本、東日本を問わず、全国で使用できます。高いモーター音が発生するので注意が必要です。
洗浄力の違いで選ぶ
高圧洗浄機の洗浄力は、『吐出圧力×吐出水量』で計算します。その値を『洗浄効率』と表すこともあり、数値が大きいほど洗浄力は高くなります。吐出圧力の単位は『MPa (メガパスカル)』、吐出水量の単位は1時間あたりのリットル数『L/h』で表記されています。
お風呂のシャワーでだいたい0.2MPa。家庭用高圧洗浄機は10MPa以下の水圧が一般的で、水圧が20MPaになると外壁を傷つける恐れもあります。
外壁や玄関先、駐車場など広い面積を掃除したいと考えている方は、汚れの落ち度合いや作業時間も考慮しましょう。
家庭用か業務用かで選ぶ
家庭用高圧洗浄機の特徴
『家庭用高圧洗浄機』は、女性でも持ち運べるコンパクトさとリーズナブルな価格が魅力的です。一般住宅での使用を想定しているため、家庭用高圧洗浄機は静音性が優れているものがほとんど。噴射口やノズルにつけるアタッチメントも豊富です。
業務用と比べると、どうしても洗浄威力は落ちますが、普通に暮らしている上でできる汚れは問題なく落とせるでしょう。
業務用高圧洗浄機の特徴
『業務用高圧洗浄機』は、洗浄能力・耐久性ともにかなり優れています。業務用高圧洗浄機には、なんと25MPaとコンクリートの表面を剥がす威力のモデルもあります。徹底的に汚れを落としたいという方は、最終手段として業務用高圧洗浄機を使ってみるのもよいでしょう。
また業務用高圧洗浄機は頻繁に使用される前提で設計されているので耐久性も高いです。その分価格も高い商品が多く、価格と洗浄力のバランスをみての検討をおすすめします。
静音性で選ぶ
高圧洗浄機は水圧を増幅させるために、必ず騒音が生じます。基本的に屋外でも使用が多い高圧洗浄機は、ご近所との騒音トラブルを防ぐためにも静音性を必ず確認しましょう。とくに賃貸住宅や近隣との距離が近い住宅街にお住まいの方は、騒音レベルに注意が必要です。
モーターが強ければ強いほど高圧洗浄機の水圧パワーも強く、逆にモーターが静かであるほど水圧の威力は劣ります。使用目的や用途を考えながら、洗浄力と静音性のバランスがとれたものを選びましょう。一般的には『インダクションモーター』を搭載していて、冷却機構が水冷式の高圧洗浄機がもっとも静かです。
重さやサイズで選ぶ
コンパクト化が進む高圧洗浄機ですが、やはり重さやサイズはメーカー・モデルによってさまざまです。比較的軽いものでも6kgほどで、大型のモデルにあると20kgにも及びます。
使用する際に問題がない重量の使いやすい商品を選びましょう。また使用後の収納についてもどこにしまうか、収納スペースにおさまるサイズかも確認してください。
水温や対応している洗浄剤で選ぶ
水温が高いほど洗浄能力は高いです。高圧洗浄機には『許容水温』が設定されており、メーカーやモデルによって使用できる水温が異なります。
温水を使いこなすと、車のタイヤ溝の汚れやオイル汚れ、自転車の錆つきも手早く簡単に落ちますが、一般的な許容水温の目安は40℃ほどでお湯のような高温に対応しているモデルは非常に少ないです。
また高圧洗浄機によっては洗浄剤の使用ができるモデルもあるので、洗車をメインに使用を検討している方は、ここも確認しておきましょう。
洗浄水の供給方法で選ぶ
給水方法は『水道接続式』、『タンク式』、『自吸式』の3種類があります。
水道接続式
『水道接続式』は給水する手間がかからないので長時間の使用におすすめ。しかしホースを延長しないと、動き回ることは難しいです。
タンク式
『タンク式』は本体に搭載されているものなので、作業範囲に制約なく動きながら使用できます。
自吸式
『自吸式』はバケツから吸って給水するタイプで、風呂などの生活用水を使用できるので最も水道代を節約できるタイプです。
付属品などから選ぶ
高圧洗浄機は水の噴射口にアタッチメントをつけて使用することも多々あります。とくに家庭用高圧洗浄機は業務用と比べてアタッチメントの数が豊富なのが特徴で、掃除場所に適したアタッチメントをつけることで、作業効率もアップするでしょう。
たとえば車の下回りなど覗き込まないと届きにくい場所では『アンダースプレー』、こすり洗いができる『回転ブラシ』、洗浄剤使用のときに泡を噴射する『フォームノズル』など、使い勝手のよいアタッチメントも多くあります。
本体を購入するとアタッチメントが付いてくる商品もありますが、その分価格も上がります。アタッチメント自体は追加購入もできるので、使用頻度や目的に合ったものを揃えるようにしましょう。
ブランドやメーカーで選ぶ
様々な特徴を加味して考えるのも良いですが、ブランドやメーカーの知名度で選ぶのも一つの手でしょう。大手のメーカーであればしっかりとしたアフターサポートや種類の豊富さなどにより、安心して購入することができます。
高圧洗浄機市場で最大手はドイツの『KARCHER (ケルヒャー)』です。『KARCHER』は世界初の家庭用高圧洗浄機を開発したメーカーとして有名。女性でも簡単に使えて、かつコストパフォーマンスの高い高圧洗浄機をお求めの方には『アイリスオーヤマ』もおすすめです。