『ダッチオーブン』は焼く・煮るなどほとんどの調理方法に対応しており、キャンプなどアウトドアだけでなく家での料理にもとても便利です。
ダッチオーブンに使われる素材はいくつかあり、それぞれにメリットデメリットがあります。大きさも数種類あって人数に合わせた選び方だけではなく、用途によっても選ぶべきサイズがあります。色々あるダッチオーブンの中から自分に合ったものを選ぶためのポイントをご紹介します。
どんな使い方をしたらいいのかわからないという方や種類やサイズが色々あって選び方に困っているという方にもわかりやすいように、ダッチオーブンの種類と特徴、選ぶ基準にするとよいポイントをご紹介していきます。
ダッチオーブンとは
ダッチオーブンは『焼く』『炒める』『揚げる』『煮る』『蒸す』などさまざまな調理法に対応した調理器具です。蓋の上に炭火を乗せることで上下から加熱することもでき、ピザやローストチキンが美味しく仕上がります。
またキャンプなどのアウトドアで使えるほかに家庭でも使えるので1家に1台あって困ることはないでしょう。
おすすめのダッチオーブンの選び方
使用人数で選ぶ
1人で使う
ダッチオーブン選ぶときに素材と並んで大切なポイントは『大きさ』です。1人キャンプが多いという方は自分の分が作れるコンパクトなサイズがよいでしょう。
ダッチオーブンの一般的なサイズは6、8、10、12インチです。6インチでお米1~1.5合、8インチは4合、10インチで7合、12インチは12合くらいが目安なので、1人で使う場合には6インチがよいでしょう。
家族で使う
4人家族なら10インチがおすすめですが、ローストチキンなどの本格料理を作りたいという方は鶏肉などの大型食材が丸ごと入るサイズの12インチがおすすめです。サブ器としてフォンデュやちょっとした揚げ物に使いたい方は6インチも重宝するでしょう。
蓋に炭火を乗せられるかで選ぶ
蓋の上に炭火を乗せられるタイプのダッチオーブンは上下両方の火で加熱できるため、中までじっくり火を通すことができ、食材の旨味を凝縮します。
ダッチオーブンの中には蓋の上に炭火を乗せられないタイプもあるので購入前に確認しておきましょう。
脚の有無で選ぶ
脚付きタイプ
『脚付きタイプ』は焚火や炭火の上に直接設置する際におすすめです。火の上に直接設置するのでよりアウトドア感を満喫できるでしょう。
脚無しタイプ
『脚無しタイプ』はバーベキューコンロやバーナーの上などさまざまな熱源に使用する際におすすめです。またIH対応のダッチオーブンは基本的に『脚無しタイプ』です。
兼用タイプ
『兼用タイプ』は焚火や炭火の上に直接設置できるほかコンロで使用する際にも使えるハイブリッドタイプで、オーブンにも使えます。レシピの幅が広がるのが特徴です。
ダッチオーブンの種類
鋳鉄
『鋳鉄』はダッチオーブンの素材で最もポピュラーです。溶かした鋳鉄を型に流して作られます。厚手の重たいフタが特徴で、密閉度がよく水分を逃がさないので素材そのものが持つ水分だけで作る無水調理が可能。
フタの上に炭を乗せて鍋の上下から熱を当てられるので、ローストビーフなどのオーブン調理が得意です。それからメンテナンスを続けることにより黒光りし、焦げ付かない使いやすいダッチオーブンへと育っていくという特徴もあります。
使い込んだ黒光りのダッチオーブンは魅力ですがメンテナンスをしっかりしなければならず手間がかかる点はデメリットといえるでしょう。鋳鉄の特徴である錆びやすい、重い、急激な温度変化や衝撃に弱いところもデメリットになります。食器洗剤の使用も避けた方がいいでしょう。
黒皮鉄板
『黒皮鉄板製』のダッチオーブンは鉄板をプレスし成形して作られたものです。その後高熱で加工し表面に黒皮と呼ばれる酸化皮膜を作る処理が施されます。この処理によって鋳鉄製のダッチオーブンのデメリットがかなり解消されている点が特徴。
1つめの特徴は赤サビが発生しにくいことです。たとえ発生したとしてもこの皮膜は剥がれにくいので食器洗剤や金たわしを使って洗えます。
一方で赤サビの発生はしにくいですがまったく錆びないということではないので、やはりお手入れは必要になります。重量についても鋳鉄製と同様に重いです。使用には問題ありませんが使い続けることにより灰色に変色することもあります。
ステンレス
『ステンレス』製は鉄製の2つとは異なる特徴を持っています。ステンレス製のメリットはあまった料理をそのまま鍋で保存できることでしょう。鉄製は錆びやすいのでそのまま保存することはできません。
同じ大きさの場合、ステンレス製のダッチオーブンの方が軽いのも特徴です。12インチのダッチオーブンではステンレス製と鋳鉄製で3kg近い差が出てきます。持ち運びや洗うなどの扱いを考えると軽いステンレス製のダッチオーブンが使いやすいでしょう。
扱いの面ではメンテナンスも非常に楽です。使い始めるときにするシーズニングという作業は必要なく、使用後も油膜を作るお手入れが要りません。食器洗剤が使用でき、錆びる心配がないので保管場所に気を遣わなくても大丈夫です。
カーボン製
『カーボン』製のダッチオーブンはカーボンが発する遠赤外線効果の働きにより熱の広がりにムラが出ないので、食材の旨味を十分に引き出します。
ダクタイル鋳鉄製
『ダクタイル』は英語で『延性のある』『しなやかな』を意味します。これまでの鋳鉄製のダッチオーブンと比べてダクタイル鋳鉄製のダッチオーブンは衝撃への強度や熱耐性が高く、とても軽い素材なので持ち運びも容易です。
ただしダクタイル鋳鉄製のダッチオーブンを取り扱っているメーカーが少ない点には注意しましょう。
ダッチオーブンでおすすめのメーカー
LODGE (ロッジ)
『LODGE』はアメリカの老舗ブランドで創業から120年以上になります。鋳鉄製の調理器具を作る会社でアメリカトップのメーカーです。LODGEのダッチオーブンは世界中の人に愛され使われ続けています。
LODGEのダッチオーブンに使われている鋳鉄は高品質で厚みがあるため、温度のムラがあまりなく美味しく調理できるのが特徴です。フタがかなり重いので圧力効果が高いという特徴もあります。IHに対応しているのでご家庭での使用も可能です。
鋳鉄製は使い始めにシーズニング作業が必要ですが、LODGE製はすでに行なわれた状態で販売されているのでシーズニングは必要ありません。しかし、使用後は油膜を作る手入れが必要です。新シリーズとして鋳鉄にエナメルをコーティングしたダッチオーブンもあります。IHに対応していて、お手入れも楽なので普段使いにもおすすめです。
UNIFLAME (ユニフレーム)
『UNIFLAME』は1985年に創設されたアウトドア用品やキャンプ用品を販売する総合メーカーです。ファイヤグリルや焚き火テーブル、ツインバーナーなどの火の周りのものからタープやペグなどのテント用品、ダッチオーブンやクッカーなどの調理器具とさまざまな製品が人気となっています。
初心者の方が使いやすくベテランキャンパーも重宝する便利な製品が多い点やコスパのよい点が評価され、たくさんの人が愛用するメーカーです。UNIFLAMEのダッチオーブンも口コミなどで好評価をたくさん見かけます。
UNIFLAMEのダッチオーブンはすべて黒皮鉄板製です。1枚の鉄板で作られているので丈夫で割れにくいこと、黒皮と呼ばれる酸化皮膜の処理が施されていて赤サビが出にくいこと、食器洗剤が使用できて洗うのが楽なことが黒皮鉄板製のメリットとしてあげられます。IHにも対応しています。
SOTO (ソト)
『SOTO』は工業用バーナーを製造する会社『新富士バーナー』が立ち上げたアウトドアのブランドです。新富士バーナーがSOTOを立ち上げるきっかけとなった商品はポケトーチという小型のバーナーで、ポケトーチの中に100円ライターを装着するだけで風に強いバーナーになる便利な商品となっています。海外でも注目を浴び、賞も受賞しました。
SOTOは主にバーナーやストーブなどの火に関わるものやランタン、調理器具を販売しており人気があります。SOTOが販売しているダッチオーブンはすべてステンレス製です。小さなものは販売しておらず8、10、12インチと10インチの浅型の4種類となります。
ステンレス製はシーズニング作業が不要で食器洗剤で洗えて保管場所も湿気などを気にする必要がない扱いやすい素材です。鋳鉄製に比べて軽量な点も魅力でしょう。デメリットは価格の高さですが、200Vの熱源対応で普段の調理にも活躍する点では使用する幅が広がりおすすめです。