『8020』という言葉を知っていますか?80歳で20本の歯が残っていると、不便なく食事を楽しめるという意味のキャッチフレーズです。
できるだけ多くの健康な歯を残すためには口腔ケアがとても大事です。歯を失う原因となる歯周病は歯を支える根っこの骨を溶かしてしまうだけでなく、口臭の原因や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など病気の原因にもなり得ます。
今回はそんな口腔ケアをサポートする『デンタルフロス』をランキング形式でご紹介していきます。デンタルフロスの選び方や使用の際の注意点についても、丁寧に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
歯磨きだけでは、すべての汚れが落とせない
虫歯や口臭、病気の予防だけでなくエチケットのためにも、毎食後はしっかり歯磨きしているという方も多いでしょう。しかしどんなに丁寧に歯を磨いても、取れる汚れは6〜7割といわれています。
汚れをすべて取るためには歯磨きとデンタルフロスの併用がおすすめです。デンタルフロスは細いナイロン繊維からできていて、歯ブラシでは届かない歯と歯の間の歯垢や食べかすを落としてくれます。ここではデンタルフロスの使い方やさまざまな特徴の製品をご紹介しますので、自分に合ったデンタルフロスで健康な口腔環境を目指しましょう。
おすすめのデンタルフロスのタイプ
デンタルフロスには好きな長さにカットして使用する『糸まきタイプ』と、一定の長さのフロスがプラスチックの持ち手にセットされている『ホルダータイプ』の2種類あります。
両者それぞれの特徴や使い方をチェックした上で、より自分が使いやすいと思う方を選びましょう。毎食後の歯磨きとセットで習慣づける必要があるので、自分にとって使いやすいかどうかというのは重要な指標となります。
糸まきタイプ
『糸まきタイプ』のデンタルフロスは両手の指にフロスを巻き付け、歯間に挿入して前後させることで汚れをかき出します。どの歯でも使いやすく、歯並びが綺麗な方もそうでない方にもおすすめです。使いこなすまでには少し慣れが必要ですが、好きな長さに切って使えるためコスパが高く、ホルダータイプよりも経済的に使えます。
糸まきタイプのフロスには、フロスの素材にワックス加工が施してあるか否かで2種類に分けられます。
ワックスあり
『ワックス加工』を施しているデンタルフロスはノンワックスの製品よりも滑りが良く、狭い歯間にもスルスルと入って行きやすいのが特徴です。はじめてデンタルフロスを使う初心者の方や、歯間が狭いと感じている方にはワックス加工をしているものがおすすめです。
ワックスなし
『ノンワックス加工』のフロスは表面がツルツルしておらず繊維がむき出し状態なので、ワックス加工のものよりさらに歯垢をしっかりと絡め取ってくれます。インプラント治療を行ったことで歯間が広めになっている方や、デンタルフロスの使用にもある程度慣れてきたベテランの方におすすめです。
ホルダータイプ
『ホルダータイプ』のデンタルフロスは、一定の長さのフロスがプラスチックの持ち手に付いています。小回りがききにくく、糸まきタイプよりも値段が高くコスパの面では劣りますが、はじめての方でも片手で簡単に使いこなせるので、歯磨きとデンタルフロスでのセットのお手入れが手軽にできます。
またホルダータイプにはF字型・Y字型・エクスバンドタイプの3種類があります。以下でそれぞれ詳しく解説します。
F字型フロス
ホルダータイプの1つである『F字型フロス』は、文字どおりプラスチックの形がアルファベットのF型になっている製品で、下の前歯にとても使いやすい形状となっています。ただし奥歯には届きにくいので、F字型1つではなくY字型と併用して使うのがおすすめです。
Y字型フロス
ホルダータイプである『Y字型フロス』は、プラスチックの形がアルファベットのY型になっています。F字型と比べて届きにくい奥歯にも使いやすい形状をしており、初心者の方にも人気な形状です。
エクスバンドタイプ
『エクスバンドタイプ』とは、口の中に入れたときに唾液や摩擦によってフロスの繊維がスポンジのように広がる構造のものです。繊維が膨らむと表面積が増えるのでより汚れをかき出しやすくなります。さらに摩擦抵抗が少なくなり、痛みが減るメリットもあります。ただし歯間が特に狭めの方や歯にかぶせものをしている場合には、引っかかりやすいので選ぶ際は注意しておきましょう。
おすすめのデンタルフロスの選び方
ひとくちにデンタルフロスと言っても、販売されている種類は多く迷う方が多いです。自分の歯並びや歯垢の付着状態、歯と歯の間にどのくらいの隙間があいているかを鏡でチェックしながら、分に最適なデンタルフロスを選びましょう。
フレーバーで選ぶ
デンタルフロスには『フレーバー』がついているものもあります。歯磨き粉にも使われることの多いミントフレーバーは爽快感も味わえると人気です。ミントが辛く感じる子ども向けにフルーツフレーバーのタイプもあり、フルーツ味のフロスでオーラルケアの時間が楽しいものになれば、子どもでもストレスなく続けられるでしょう。
ブリッジ装着なら専用のデンタルフロスが便利
『ブリッジ』をしている方には専用のデンタルフロスがおすすめです。『ブリッジ』とは欠損歯の前後にある健康な歯を削って橋を架けるように装着するもので、ブリッジの基底部と歯茎の隙間には普通の歯ブラシやフロスは入らず、欠損部分の清掃は困難でしょう。
そのような場合ブリッジ専用フロスならば、挿入部のフロスが少し固くなっているため、わずかな隙間から差し込み、ブリッジと歯茎の間のフロッシングが可能です。ちなみにブリッジ専用のデンタルフロスは店頭ではほとんど扱っていないので、インターネット通販での購入がおすすめです。
ステイン除去・フッ素ケアで選ぶ
笑ったときに見える白い歯には誰もが憧れるでしょう。そんな悩みを改善するため、コーヒーや赤ワインなど色のついたものを飲むときに付着するステインを剥がす『ステイン除去』や、歯と歯の間の虫歯になりやすい部分を『フッ素ケア』ができるデンタルフロスも人気となっています。お手入れする際に、デンタルフロスでホワイトニングやフッ素ケアができれば一石二鳥です。
デンタルフロスと歯間ブラシの違い
デンタルフロスと非常によく間違えられやすいのが歯間ブラシです。これら2つの違いはその目的にあります。
デンタルフロスは虫歯予防、歯間ブラシは歯周病予防のために用いられます。そのためデンタルフロスは若い人向け、歯間ブラシは30代以降の方々向けです。
また歯間ブラシには人それぞれの使い方があるので、歯医者に行って正しい使い方を学ぶのがよいでしょう。