家庭でも複数のパソコンやゲーム機などをすべてネットワークにつなぐときに必要な『スイッチングハブ』。スイッチングハブにも様々な種類がありますし、見た目が似ているルーターと間違えてしまうことも。
そこで今回はスイッチングハブの特徴や選び方と、おすすめのスイッチングハブをランキングでご紹介していきます。「スイッチングハブに興味があるけど商品に詳しくなくて手が出せない」とお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
そもそもスイッチングハブとは
『スイッチングハブ』とは有線LANのネットワークにおいて複数のパソコン同士が相互に通信できるよう接続し、『ハブ』と呼ばれる通信の中継をする装置のことです。主にルーターから伸びたLANケーブルをさらに分割するために使います。
スイッチングハブとモデムの違い
回線を分割する機能を持つ『モデム』という類似製品が存在しますが、こちらは接続できるLANポートが4つしかないため5つ以上の機器を同時に接続したい場合はスイッチングハブを使用します。
スイッチングハブとハブの違い
『スイッチングハブ』と『ハブ』にはどちらも複数のパソコンをLAN接続する際のケーブルの集線・中継装置という位置づけがありますが、大きく2つの違いがあります。
1つ目は、データを送る必要のあるポートのみに送れることです。従来のハブはデータを送る必要のあるポート以外にもデータを送ってしまうため、通信速度が低下してしまう原因になっていました。スイッチングハブは無駄なデータの通信が発生しないため、円滑なネットワークを構築できます。
2つ目は、スイッチングハブは全二重通信が可能なことです。従来のハブはデータのやりとりをする機器同士が一方からしか通信ができませんでしたが、スイッチングハブは双方向同時通信ができるので、理論上は一方向からの受信の2倍の転送速度が出るということになります。
スイッチングハブとルーターとの違い
『ルーター』と『スイッチングハブ』は見た目が似ているのでわかりづらいですが、役割が違います。
ルーターはIPアドレスを各機器に割り当てたり、機器とモデムや回線との送受信を制御したりするための機器です。対してスイッチングハブにはルーターの役割はなく、単純にポートを増やす役割だけを持った機器です。
中にはルーターとスイッチングハブが一体となった機器も販売されています。パッケージをよく確認して購入しましょう。
おすすめのスイッチングハブの選び方
ポート数で選ぶ
家庭用向けのスイッチングハブには、『5ポート』の製品と『8ポート』の製品が主流です。LANに接続する機器がそこまで多くなければ5ポートを選べば十分でしょう。
今後LANに接続するパソコンを増やす予定があれば8ポートを選んでおく方が安心ですが、ポート数が多いものの方が価格も高くなるので十分に考慮しましょう。法人向けの製品には16ポートや24ポートのものがありますので、オフィスの規模やスタッフの人数に応じてポート数を選びましょう。
ケースの素材で選ぶ
スイッチングハブのケースの素材には、『プラスチック製』と『金属製』の2種類があり、それぞれ特性があります。
プラスチック製
『プラスチック製』は、金属製に比べて安価です。プラスチック製は放熱性能が低いためスイッチングハブの設置場所によっては熱がこもり、スイッチングハブのパフォーマンス低下や故障の原因になることもあります。
金属製
一方『金属製』のスイッチングハブはプラスチック製に比べると値段は高いですが、放熱性能が高いことが特徴です。通気性があまり良くない場所に設置しても、効率的に内部の熱を放出してくれるので、熱暴走が起こりにくいメリットがあります。
通信速度をチェック
快適なネットワーク環境にするなら、スイッチングハブの通信速度もチェックしましょう。スイッチングハブの通信速度は、100Mbpsから1000Mbpsまでありますが、一般的には1000Mbpsが主流となっています。
通信速度が早いスイッチングハブと接続したとしても、接続した機器の中で下位の通信速度が適用されることになりますので、相互の通信速度を適切に合わせる必要があります。さらに通信速度の快適さを求めるのであれば、通信の転送効率を向上させる機能のあるジャンボフレームに対応するスイッチングハブがおすすめです。
電源タイプをチェック
電源内蔵タイプ
『電源内蔵タイプ』のスイッチングハブには、コンセントの交流電源を家庭向け製品で使用される直流電源へ変換してくれる機能が内蔵されています。一般的なACアダプタは差し込み口の部分が大きいので、他の差し込み口を塞いでしまって邪魔に感じることも多いのではないでしょうか。
電源内蔵タイプは変換機能がスイッチングハブ本体に内蔵されているため、ACアダプタのようにコンセントの差し込み口の邪魔になりません。電源内蔵タイプはその分本体が大きく、重くなりがちなのでどちらが使いやすいか考慮してください。
ACアダプタタイプ
『ACアダプタタイプ』は本体が軽量であることに加えて、電流の交換を内部で行う必要がないため内部に熱を溜め込むことがないので、故障しにくいというメリットがあります。
最近ではコンセントではなくUSBから給電できるタイプも販売されており、コンセントがなくてもパソコンから簡単に給電できます。一方で先述の通りコンセントに差し込むACアダプタが邪魔になりやすいのがデメリットです。
PoE対応かどうかで選ぶ
『PoE』とは、スイッチングハブからLAN端子を経由して接続する端末へ電力を供給できる機能です。PoEに対応しているスイッチングハブを使用してLAN接続すれば、電源に接続しなくても使用できるということです。
ネットワークカメラやIP電話などを利用したい場合は配線がすっきりしますし、コンセントが近くにない場所でも利用できて便利です。
スイッチングハブのおすすめメーカー
ELECOM (エレコム)
『ELECOM』のスイッチングハブは、家庭向けから高機能な法人向けまで幅広く取り揃えられています。3~24ポートが中心で、省電力のモデルやギガビットハブなど、用途に応じて整理されたわかりやすいラインナップが特徴です。
BUFFALO (バッファロー)
『BUFFALO』はパソコン周辺機器を取り扱っているメーカーです。スイッチングハブも豊富に取り揃えられており、特に家庭向けの製品のラインナップが多いのが特徴です。
家庭向けには3~24ポートまでの種類があり、『おまかせ節電』という家計に嬉しい機能が付いたモデルなども。企業向けには48ポートの機種もあり、幅広く対応しています。
NETGEAR (ネットギア)
『NETGEAR』はネットワーク機器専業メーカーです。もともと大規模企業向けのスイッチングハブをメインに製造しており、高性能で信頼性の高い製品を提供していたりするのが特徴です。スマホアプリやクラウド上でセキュリティ管理ができたり、PoEによる給電が可能な機種など、企業のニーズに応えたモデルが多数。
種類は少なめですが、家庭向けのモデルも販売されています。