ホームシアターやジャズなど迫力のある音を楽しむ空間づくりに欠かせないのが『トールボーイスピーカー』。スピーカーがあることで音の感じ方や楽しみ方も大きく変わります。
そこでこの記事ではこれからトールボーイスピーカーを検討している方のヒントとなるよう、トールボーイスピーカーの種類や選び方、編集部厳選のおすすめ商品をご紹介していきます。
トールボーイスピーカーとは
『トールボーイスピーカー』とはスピーカーの形状に着目した分類の1つで、コンパクトな床面積で設置できる背の高いスピーカーです。その縦長の形状を活かし複数のユニットを搭載できるため、ブックシェルフ型には実現できない低音領域までの音域をカバーできます。大型画面の両サイドにも設置しやすくスタイリッシュである部分も人気の理由の一つです。
トールボーイスピーカーをおすすめする理由
低音域で臨場感のある音質
トールボーイスピーカーは高音域・中音域・低音域に対応したユニットの種類を組み合わせることで、より立体的な音の広がりを実現しています。
1つのスピーカーで全音域に対応することの多いブックシェル型のスピーカーに比べ、身体の芯に響くような迫力があるサウンドを楽しめるのが大きなポイントです。
クリアなサウンド
トールボーイスピーカーには高・低音域それぞれのスピーカーに接続する『バイワイヤリング』に対応可能な機種もあります。
音域に合ったケーブルを接続できるため高音・低音域の干渉を軽減させる効果があり、その結果それぞれのユニットの特性を最大限に活かしたクリアなサウンドを再現します。
おすすめのトールボーイスピーカーの選び方
トールボーイスピーカーはスピーカーの形状やユニット数などの違い・組み合わせによりさまざまなラインアップがあります。
『リビングで映画やドラマを楽しみたい』『じっくりとクラシックやジャズを楽しみたい』など自分の目的にあったスピーカーを購入できるよう、スピーカーの種類や特徴からトールボーイズスピーカーの選ぶポイントを具体的に見ていきましょう。
Bluetooth接続できるかで選ぶ
パソコンやスマホを使って気軽に音源を楽しみたい人は、接続も簡単なBluetoothに対応したトールボーイスピーカーがおすすめです。ここで重要なのが『コーデック』という、スピーカーから流れてくる音質を左右するデータの圧縮・転送する方式です。
『SBC』と呼ばれる標準方式は対応機種を選ばない反面音質の劣化が避けられません。一方でSBCより高音質を可能にしたのが、スマートフォンなどでも対応している『aptX』『ACC』などのコーデック方式です。
劣化の少ない音質で楽しむためには接続する端末とスピーカーのどちらも同じコーデック方式である必要がありますので、Bluetooth対応かどうかだけでなく、必ずコーデック方式かどうかについてもチェックしましょう。
聴きたい音源で選ぶ
ホームシアター用
『ホームシアター用』とは低音の迫力ある演出が欠かせない映画向けに設計されているトールボーイスピーカーです。
トールボーイスピーカーは薄型テレビの横に設置しやすいので、自宅でゆっくりと映画やドラマを楽しむ機会が多い方におすすめです。
オーディオ用
一方で『オーディオ用』のトールボーイスピーカーは中音・高音域を得意とした設計で、違和感がなくキレイなサウンドを楽しめます。
より音にこだわるなら『ハイレゾ音源』に対応している機種かどうかも忘れずにチェックしましょう。より細かなニュアンスまで引き出せるため、ライブビデオなどのコンテンツを余すことなく楽しめるようになります。
WAY数で選ぶ
音を発生させるスピーカー部分のユニット構成、つまりWAY数の違いより、音の深みに違いが生まれてきます。搭載されるユニットの数により、『2WAY』・『3WAY』、そして『フルレンジ (シングル)』に分類することができます。
ここでは、WAY数の違いによるスピーカーシステムの特徴についてまとめます。
2WAYスピーカー
2WAYスピーカーとは低音域のウーファーユニットと高音域をカバーするツィーターというように、音域を2つにわけ再生するスピーカー構成です。低音域から高音域まで幅広い音域をカバーできるため、映画も音楽のどちらも楽しみたい方におすすめです。
3WAYスピーカー
低音・高音に対応した2WAYのユニットに中音域のスピーカーユニットをプラスしたのが3WAYタイプのスピーカーです。それぞれのユニットに役割を持たせることでより臨場感のある音を再現できます。中には低音域用のスピーカーを2基搭載した3WAY4スピーカーもあります。
フルレンジスピーカー
1つのスピーカーユニット (1WAY)で低音から高音まで全音域をカバーするスピーカー構成を『フルレンジ』と呼びます。
1つで表現するため不得意な音域もありますが音源ユニットが1つのため音色のずれが生じず、調整不要で自然な音が楽しめるスピーカーです。
スピーカーの形状で選ぶ
スピーカーは実際に音を響かせる振動板の形状により、『コーン型』・『ホーン型』・『リボン型』・『ドーム型』などのカテゴリーに分けることができます。
それぞれの形状で得意とする再生音域が異なります。ユニットの組み合わせがスピーカーの特性を決める重要な要素です。しっかりとチェックしていきましょう。
コーン型
『振動板』のかたちが円錐形であることから『コーン型』と呼ばれています。
振動板の形状や角度によって低音から高音までの再生範囲をカバーできるほか、振動板の素材もアルミや紙といった幅広い素材で作られていますので、用途やサウンドの好みに合わせたさまざまなタイプのスピーカーがあります。
ホーン型
『ホーン型』とは振動板を含むドライバと、金属や樹脂でできたラッパのような形状を組み合わせたスピーカーです。
他のタイプのユニットとは異なり、振動板ではなくホーンの部分で増幅させ出力する方式のため、効率よく遠くまで音を届けることができます。中音域から高音域を得意とするスピーカーです。
リボン型
『リボン型』とは高音域帯専用のスピーカーユニットです。
振動板そのものが振動するといい『平面駆動方式』を取っています。磁石の内部に置かれたリボン状の金属が振動板となり、この部分に音の信号が伝わることでリボンが振動して音が伝わる仕組みです。
ドーム型
半球型の振動板が直接音を伝える『ドーム型』のスピーカーは、音の広がりがあり振幅値の大きくない中・高音域の再生が得意です。
振動板として使われる素材により音調がかわるのも大きな特徴。例えば布地などのやわらかい素材を用いたドーム型ではソフトな音調に、金属を振動板に利用した場合にはくっきりとした音調を届けます。
インピーダンスに注意して選ぶ
スピーカーを単品で購入する際に見落としがちなのが『インピーダンス』。アンプとの兼ね合いから適合したインピーダンスのスピーカーを選ぶ必要があります。
適合していないスピーカーを接続すると、再現環境によってはスピーカーに負担がかかり破損する恐れがあります。購入の際には必ずアンプとスピーカーの適合値をチェックして購入しましょう。
メーカーで選ぶ
YAMAHA (ヤマハ)
音響機器メーカーである強みを活かしたスムーズで質感にこだわった音を再現します。シアターからオーディオまでお好みのサウンドに幅広く対応したラインアップに加え、高級感のある外観デザインも人気の理由です。
SONY (ソニー)
作品に込められた思いまでも表現する『心に響く音』を提供します。細部へのこだわりとSONYならではの独自の技術・クオリティーは、初心者向けのモデルにもしっかりと採用されています。
JBL
オーディオファンが憧れる『JBL』は、低音域に強みを持つアメリカ生まれの老舗音響メーカー。コンサート会場などで使用するスピーカーを手掛けていることもあり、高音質のスピーカーが充実しています。
DALI
『サウンドの国』デンマークで生まれたスピーカーブランド。『DALI』が奏でる音はファンの間で『DALIサウンド』と称されています。音質だけでなく北欧ならではの美しいデザインも大きなポイントです。