『スピーカーケーブル』とはオーディオ機器とスピーカーをつなげるケーブルのことです。ケーブルの種類によって音質に違いが出てくるので、購入の際には注意が必要となります。ケーブルの構造や素材により音質が左右されるため、音楽にこだわりを持つ方は見逃せないアイテムの一つです。
今回はスピーカーケーブルの選び方について詳しくまとめました。おすすめ商品もランキング形式でご紹介。好みの音質にぴったりのスピーカーケーブルが見つかることでしょう。
スピーカーケーブルのおすすめの選び方
スピーカーケーブルの素材で選ぶ
銅
スピーカーケーブルで最も使用されている素材は『銅』。電気用の導線として有名で、不純物が少ないものほど価格も高めです。銅製品の代表的なものとしては『TPC』があり、おもに安価なケーブルの導体によく使用されています。
『TPC』をさらに改良したものが『OFC』で、TPCに混入している不純物を除去した素材です。高価格なケーブルに使用されています。 TPCよりも解像度が高いので、クリアな音質の表現が可能。低音域に優れています。
銀
次にスピーカーケーブルの素材として挙げられるのが『銀』。銅の次にポピュラーな素材として知られています。銅と同じように不純物が少ないので、レベルの高い音質を再現できるのが特徴です。
銅製品より高音域に強いので、高音域の音質にこだわりを持つ方はこちらを選ぶと良いでしょう。価格は銅製品より少し高めです。最近では新素材の『4Nag』も開発され、より高音質な音声が可能となっています。グレードの高い音声を楽しめるでしょう。
複合型
新技術により開発された複合型は、銀と銅など複数の素材を合わせたタイプでハイブリッド導体とも呼ばれています。特徴はそれぞれの長所を活かし短所をカバーする点。高音と低音のバランスが取れたクリアな音質を表現します。
素材の配合バランスによりさまざまなケーブルがあり、価格も銅や銀より高めです。素材だけでなくケーブルの構造によっても品質に違いが見られます。オーディオ機器に詳しい方など上級者におすすめしたいモデルです。
ケーブルの構造で選ぶ
平行型
平行型はプラスとマイナスの2本のひねり線を平行に並べたタイプのもの。最もポピュラーな構造で価格の安い製品に多く使用されています。構造がシンプルなので大量生産が可能です。音質よりもコスパの良さを重視する方や初心者の方におすすめします。
音質が、外部絶縁体となる被膜であるシースの材質、ひねりの強弱や素線の太さにより変化するのが特徴。明るく華やかな高音に強い傾向があります。価格はリーズナブルなので気軽に購入しやすいです。
ツイスト型
2本のケーブルをひねり合わせたモデル。ツイスト状にすることで、プラスとマイナスのケーブルがおたがいに影響する力を中和しバランスを取ります。とくに高音域を安定させることが可能です。ノイズに対しても強いので、安価なモデルからハイエンドモデルまで幅広く使用されています。振動には弱いので注意が必要です。
音質は平行型よりも落ち着きがありマイルドなので、ゆったりとした気分で聴けます。高音域もクリアに再現できるので、高い音域を楽しみたい方におすすめしたいモデルです。
4芯型 (スターガット型)
対角線方向の一対のケーブルを、それぞれ並列に接続した方式。ツイスト型よりもプラスとマイナスの力がさらに中和されます。4本の導体を使い断面積の大きい導体となるので、パワーは強めです。
高域と低域に分けて使用することも可能。基本的には低音域に優れた音質を再現し、重心の低い安定した音質となります。平行型やツイスト型より接続方法が難しいモデルもあり、価格は高めです。音質にこだわりを持つ上級者の方に最適です。
ケーブルの端子の種類で選ぶ
端子のないケーブル
端子のないケーブルは、スピーカーとオーディオ機器を被膜をはがしたケーブルで接続する機器に使用します。メリットはリーズナブルな点で、安価なスピーカーやオーディオ機器の接続はこのタイプが多いです。
デメリットは導線を出して、直接スピーカー端子に巻きつけて使うので導線が劣化する点。長く使用するほど金属部分が酸化し、電気信号の伝送が悪くなります。ばらばらになった細い導線が接続したときにショートして、火災になる危険性も考えられます。端子なしを使用する場合は、日頃から劣化の程度に注意が必要です。
Y端子
Y端子はバナナプラグに比べると一般的ではありませんが、バナナプラグが使えない端子で接続できるので便利です。オーディオの接続部に先端のYの部分を挟み込んで接続します。抜き差しをひんぱんにしないタイプの機器におすすめです。
端子があるので劣化しにくいのが良い点ですが、接地部分が小さくいつの間にか緩んでいることがあるので注意が必要。またターミナルが大きいとつけやすいのですが、小型のターミナルだとつけにくいという特徴もあります。
バナナプラグ
スピーカーに使われる端子で最も一般的なのがバナナプラグ。端子の形状がバナナの形をしており抜き差しがかんたんなので、どなたでも安全に取り扱いができます。しっかりと接続できるので音質が安定するのが魅力です。劣化の心配もほとんどありません。
種類もねじ込み式などさまざまなものがあり、目的や用途に応じて選ぶのがポイント。振動にも強いので、重低音の迫力あるサウンドを楽しみたい方に最適でしょう。長く使用できるのでコスパの良さも抜群です。
フォーン・スピコンプラグ
音楽スタジオなどで使う際に便利なのが『フォーン・スピコンプラグ』。音楽機器のアウトプットがスピコン、フォンの2種類のコンボの場合、このタイプのプラグがあると対応が可能です。長さも10m以上のものなど長めのものがあるので、部屋の広さによって選べます。
しっかりと差し込めるので安定した音質を楽しめるのが良い点。導線を包む本体部分もじょうぶに作られているので長持ちします。価格は長いほど高くなりますが比較的リーズナブルなので、購入しやすいのが良い点です。
ケーブルの太さで選ぶ
ケーブルの太さは音質に多大な影響を与えます。太いほど高音質になるというわけでもなく、細い方が優れているというわけではありません。ケーブルが太くなるほど高音域が出にくくなり、細くなるほど音質にノイズが出やすいという傾向があります。バランスの取れた音質を保つには、ほどよい太さを選ぶのがポイントです。
スピーカーケーブルの太さを表す単位はゲージ(AWG)。ゲージは小さくなると太くなるので注意してください。直径が1.63mmだと14AWG、直径が1.29mmだと16AWGです。ケーブルを購入する際には、スピーカーのインピーダンスとの比率を知っておくと最適なものを選べます。
目的に合わせて選ぶ
長さを拡張する
スピーカーを置く位置によって音の臨場感は変わります。左右の空間が空いているほど音声が行き渡るので、迫力あるサウンドを楽しめるでしょう。付属品でついてくるケーブルの長さで拡張しきれないときは、新たに長めのケーブルを購入するのをおすすめします。
ただ長ければ良いというわけではなく、最低限必要な長さのケーブルを選んだ方が良いでしょう。ケーブルは短い方が伝送しやすいからです。少し余裕のある長さを目安に購入するのをおすすめします。
音質の向上
より良い音質で聴くためにはスピーカーケーブルの品質も重要になります。付属でついてくるケーブルはそれなりの品質のものが多いので、高音質で音楽を聴きたい方は新たにケーブルを購入するのが良いでしょう。
ケーブルの種類によってさまざまな音質が楽しめるので、好みに合わせて選ぶのがポイント。聴く音楽に合わせてケーブルの種類を選ぶとことにより、さらに音楽を楽しめます。手軽に高音質を実現するにはスピーカーケーブルがとても便利です。
バイワイヤリング用
バイワイヤリングとは低音用に1組、高音用にもう1組と1台のスピーカーに2組のケーブルをつなぐ方法を指します。一般的に音質が高くなるといわれていますよ。反作用のメカニズムで逆起電力が発生することにより、音質のグレードがアップが可能です。
このバイワイヤリング用には2本のケーブルが必要となるので買い足す必要があります。通常のつなぎ方よりもバイワイヤリング接続した方が、とくに高音域においてクリアな音質を体感できるでしょう。
スピーカーケーブルのおすすめメーカー
BELDEN (ベルデン)
『BELDEN』はおもに、ケーブルやコネクタなどのネットワーク機器を提供するアメリカの企業です。高性能のケーブルを販売し、その信頼と実績は揺るぎのないものがあります。自然でバランスの取れた音質が人気です。
CANARE (カナレ)
『CANARE』は放送用ケーブルやコネクタなど幅広く開発する日本の総合メーカー。ケーブルといえばCANAREというくらいポピュラーな存在になっています。高品質のケーブルを提供することで有名です。
Zonotone (ゾノトーン)
『Zonotone』はケーブルを主力商品としている日本のブランド。ベーシックなケーブルからプロ仕様の本格的なケーブルまで、多彩なラインナップを展開しています。音楽にこだわる人に根強い人気のブランドです。
Audio Technica (オーディオテクニカ)
『Audio Technica』はヘッドホンで有名な日本の音響機器メーカーです。フラットな音が特徴的なメーカーで、オーディオ初心者から上級者まで幅広いユーザーに支持されています。
モガミ
同軸ケーブルなどを主に取り扱っている株式会社『モガミ』。カラフルなコードが印象的で、自分の好きなようにカスタマイズもしやすいため、初心者から上級者まで幅広い人気を獲得しています。
スピーカーケーブルを交換する理由とは
スピーカーケーブルを変える最大の理由は『音質の向上』にあります。オーディオ機器を購入すると付属品でスピーカーケーブルがついてきますが、音質にこだわりを持つ方は新たに購入する場合が多いです。
スピーカーケーブルはオーディオ機器からスピーカーへ、信号を伝送し音声を再現します。スピーカーケーブルの品質が良い方が、より良い音質での表現が可能です。自分好みの音質で聴くためにはそれに見合った品質が求められるため、高品質のスピーカーケーブルが必要になります。