家庭必需品の一つである『冷蔵庫』。実は最新の冷蔵庫は高性能・高機能で、ただ食品を冷やすだけではありません。いざ買い替えるとなると、何を基準に選べばよいのか迷ってしまうことも多いと思います。
この記事ではそんな方のために、押さえておきたい冷蔵庫の基本性能や冷蔵庫の選び方などを丁寧に解説していきます。おすすめの冷蔵庫もランキング形式でご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
冷蔵庫の基本性能
消費電力
『冷蔵庫』は24時間365日、休むことなく稼働し続けています。一般家庭の全消費電力に占める冷蔵庫の割合は、約15%前後と最大。長期的に考えると、家庭の省エネのカギを握っているのは、冷蔵庫だといっても過言ではありません。
新型冷蔵庫の年間消費電力は、大まかにいうと約250~400kWh/年程度です。この数値は不思議なことに、冷蔵庫のサイズとは比例しません。全体としては200L以下の小型冷蔵庫よりも、400L以上の大型冷蔵庫の方が消費電力が小さい傾向があります。これは大型の方が断熱性が良く、高性能な冷却システムを使っているからです。
消費電力を気にする方はぜひ大型の冷蔵庫も視野に入れてみてください。
野菜室・チルド室の役割
生の食材をいかに新鮮なまま保つか、それが最新の冷蔵庫のテーマになっています。野菜室は野菜から失われる水分を抑えて、なるべく長期間鮮度を保つために冷蔵室から分離されています。大型冷蔵庫では、真ん中の段にレイアウトされることが多くなりました。
チルド室は食材が凍結しないギリギリの温度を保ちながら、肉や魚など生の食材を保存するスペースです。各メーカーの工夫により、買った時の状態のまま、食材を新鮮に美味しく保存できるようになりました。冷蔵庫選びの1つの目安になるでしょう。
おすすめの冷蔵庫の選び方
サイズで選ぶ
一般的に目安としては『(家族人数+1)×100L』が目安です。
夫婦2人と子ども1人、という家族構成から考えてみましょう。冷蔵庫のサイズは少し余裕を持って容量400L前後をおすすめします。食材以外にも料理の作り置きが多くなる場合は、400Lでも大きすぎることはないでしょう。
家族の人数が4人以上の場合には、500Lクラスの冷蔵庫を考えてもよいでしょう。大型冷蔵庫の方が省エネにもなるので、長い目で見ると家計にとってもプラスになります。
逆に2人以下の家庭では、200~300Lクラスでも充分ですが、今後家族が増える予定がある時は、400Lクラスを選んでおくことをおすすめします。
設置場所で選ぶ
通常はキッチンに冷蔵庫を設置することになりますが、冷却効果を考えると冷蔵庫の周囲には10cmずつのスペースが必要です。設置場所が限られる場合には、そのスペースが確保できるサイズを選んでください。
冷蔵庫を設置する時にも、本体プラス10cmの余裕がないと家の中に搬入できません。エレベーターや階段、家のドアなど、搬入経路を事前に確認しておきましょう。途中に障害物がないかどうかもチェックしましょう。
機能性で選ぶ
省エネ機能
冷蔵庫は使い方によっても消費電力が変わってきますが、400~500Lクラスの省エネタイプの冷蔵庫なら、年間の消費電力は最小で250kWh程度です。これは電気代に換算すると約7,000円前後で、意外にかからないことがわかります。最新の冷蔵庫はさまざまな省エネ機能が装備されているので、消費電力をぐんと抑えられるようになりました。
もう1つのポイントに、『省エネ基準達成率』があります。これは法律によって定められた省エネ基準を、どのレベルまで達成できたかの目安です。完全に達成している場合が100%で、それよりも数値が上がるほどに省エネ性能もアップします。
ドアの開閉方向
冷蔵庫の設置場所を考える時に、意外に重要なポイントがドアの『開閉方向』です。キッチンで家事をする時に、冷蔵庫のドアが邪魔になると料理もはかどりません。ドアの開閉方向はモデルごとに違う場合があるので、事前にチェックすることをおすすめします。
メーカーによっては同じモデルでも、左右どちらかを選べる場合がありますし、さらにドアが着脱可能になっていて、開閉方向を変えられるタイプもあります。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
野菜室・冷凍室の位置
中型~大型冷蔵庫では、ほとんどのモデルが冷蔵室を一番上に設置しています。そこでポイントになるのが『中段は何室なのか』です。実際に冷蔵庫を使ってみると、中段の方が下段よりも頻繁に出し入れを行うことがわかります。
そこで野菜などの生鮮品を多く保存する家庭には、野菜室を中央に配置した冷蔵庫がおすすめ。逆に冷凍食品や調理済み食品の保存が多い家庭では、冷凍室が中央のタイプを選んだ方がよいでしょう。
デザインで選ぶ
以前は白一色だった冷蔵庫も、今では多くのカラーバリエーションの中から選べるようになりました。せっかくだから家族の好みも考慮して、自宅のキッチンに合うカラーを選びましょう。
少し高価にはなりますが、最近は前面に強化ガラスを使った『ガラストップ』の冷蔵庫も人気です。美しいだけではなく、お手入れが簡単になるというメリットもあります。
冷蔵庫のおすすめメーカー
日立の特徴
『日立』の冷蔵庫は、食材の味と鮮度を長持ちさせるのが特徴です。『真空チルド』は独自の技術で、チルド室を約-1℃の真空密閉状態に保ち、肉や魚を凍らせずに保存できます。そのため食材の劣化が少なく、料理をする楽しみが一段と広がるでしょう。
野菜室にもひと工夫があり、野菜の水分を維持しながら、野菜が放出するエチレンガスを除去するので、長期間野菜の鮮度を保つことができます。他にも料理の作り置きをサポートする機能など、素材をいかして料理を楽しむ家庭には最適な冷蔵庫です。
Panasonic (パナソニック)の特徴
使い勝手の良さが『Panasonic』のポイントです。冷凍室や野菜室が一番奥まで引き出せたり、女性でも片手でスムーズにドアを開閉できたりなど、随所に細かな心配りが行き届いています。
食材の鮮度を保つ工夫としては、通常のチルド室よりも少し温度設定が低い『微凍結パーシャル』が特徴で、食材を買った時の鮮度のまま長期的に保存できます。その秘密は、食材が凍結しないギリギリの温度で保存するからです。
SHARP (シャープ)の特徴
『SHARP』のお家芸とも言える『プラズマクラスター』は、空気清浄機など他の家電にも採用されている優れた技術です。SHARPの冷蔵庫は内部をすみずみまでプラズマクラスターが除菌しており、食材と庫内を常に清潔に保つことで、食品保存能力を大きくアップすることに成功しています。
他にも冷凍庫を重視したメガフリーザーや、独自の技術で野菜を低温貯蔵する『雪下シャキット機能』など、食材を新鮮なままたっぷりと保存する機能が満載。機能性を重視する皆さんに、特におすすめの冷蔵庫です。
三菱電機の特徴
『三菱電機』の特徴は、食材の状態に合わせた保存方法が柔軟に選べることです。1週間程度の保存なら『氷点下ストッカーD』を使って、肉や魚を凍らせずに新鮮なまま保存できます。2~3週間の保存が必要な時には、『切れちゃう瞬間冷凍』機能が、食材を-7℃で優しく冷凍保存してくれます。この機能の優れた点は、解凍しなくてもそのまま食材を調理できることです。
長期的に保存する時には、大容量の冷凍庫でしっかりと冷凍保存すればオーケー。まとめ買いや作り置きが多い家庭には、とても頼りになる冷蔵庫です。
東芝の特徴
多くの野菜が食卓に並ぶ家庭には、『東芝』の冷蔵庫がおすすめです。大きめの野菜室を中央にレイアウトして、野菜の出し入れがスムーズで楽々。野菜室内は水分を含んだ『うるおい冷気』が循環しているので、美味しさや栄養をそのままに野菜の鮮度を長期的に保ってくれます。
使いやすさを考えて、冷蔵室内にスライド可能な棚を配置したり、LED照明で庫内を見やすくしたりするなど、実用性の高い機能を搭載しています。浄水フィルター付きの製氷機で、清潔で美味しい氷が作れるのも嬉しいポイント。家族の健康を第一に考える家庭に最適な冷蔵庫です。
知っておきたいおすすめ冷蔵庫情報
最新機種にこだわる必要はない
一般的には毎年10~11月のシーズンに、各メーカーが最新のモデルを登場させるといわれています。そこで各販売店は、『型落ち』になる1つ前のモデルを、3~4万円程度の値引きで売るセールを開催するのが常です。
通販サイトなら、少し前のモデルで掘り出し物が見つかる可能性もあります。冷蔵庫の場合、数年で性能が大きく変化することはそれほどありませんので、お得に選ぶなら、最新機種にはこだわらないことも選択肢の一つでしょう。
おすすめの節電方法
冷蔵庫の消費電力をさらに節約するには、季節に合わせて設定温度をこまめに変えることが、最も効果的な省エネ対策になります。よく知られているように、ドアの開閉回数を減らすことも省エネにつながります。
逆に節電の妨げになる使い方は、冷蔵庫の周囲に所定のスペースを空けないことや、庫内に食品を詰め込みすぎることです。温かい食品をそのまま入れることなど、冷却能力を下げてしまうような使い方は避けるようにしましょう。