『電子レンジ』は、毎日の暮らしに欠かせない調理機器の一つで、『Panasonic』や『日立』をはじめ数多くのメーカーがさまざまな種類を展開しています。自動メニューボタンや各種センサーを搭載した製品があるほか、最近では音声操作に対応した製品なども登場しています。
しかし種類や機能が多いと、どの電子レンジを選べばよいか迷ってしまいがちです。今回は、電子レンジの種類や機能を解説するとともに、おすすめの商品をランキング形式で紹介します。
目次
おすすめの電子レンジの種類
電子レンジにはさまざまな種類があり、食材の調理方法や仕上がりなどが異なります。それぞれにあった電子レンジを選択できるように、各種類の特徴についてご説明します。
単機能電子レンジ
『単機能電子レンジ』は、食材を温める機能だけを備えています。マイクロ波を照射して食材に含まれる水分を振動させ、摩擦熱を発生させます。無駄な機能を省いているので、値段が安いだけでなくコンパクトで設置しやすい点が魅力的です。
出力と時間を設定する必要がありますが、中にはボタン一つで温められるタイプも見受けられます。ヒーターが搭載されていないので、トーストを焼いたりグラタンを焼いたりできない点には注意が必要です。
オーブンレンジ
『オーブンレンジ』は、単に温めるだけでなく、焼く・蒸す・炒める・煮る・揚げるなどの調理方法に対応しています。たとえば、オーブンやグリルを利用して、肉を焼いたりケーキを焼いたりできます。調理の幅が広がるので、料理が趣味な方やさまざまなレシピを作りたい方におすすめです。
ただし、機能の数に比例してボタンの数も増え、単機能電子レンジと比べて操作が少し難しいというデメリットがあります。また、本体のサイズが比較的大きめなので、購入する前に自宅の設置箇所を確認することが大切です。
スチームオーブンレンジ
『スチームオーブンレンジ』は、内部に生じた水蒸気をヒーターで加熱することで食材を温めます。オーブンレンジとは異なり、加熱中に肉などの脂を落とせるため、健康志向の方にもうってつけです。カップや角皿、タンクなどに水をセットする点がほかのレンジと異なります。
セット方式によってメンテナンスの方法も変わるので、使いやすいものを選べるように事前確認が必要です。また、スチームレンジはタンク式や簡易式、過熱水蒸気式の三種類に分けられます。それぞれの特徴は下記のとおりです。
タンク式電子レンジ
『タンク式電子レンジ』は別名カセット式と呼ばれていて、中で沸騰したスチームをレンジ内に送ります。ほかのセット方式と比べて高温の過熱水蒸気を発生させられるので、料理をヘルシーにしたりふっくらさせたりするのに最適です。
簡易式電子レンジ
『簡易式電子レンジ』は、角皿に水を張ってスチームを発生させ、食材を温めたり蒸したりするデザインです。プリンや茶碗蒸しなど簡単な料理を作れます。機能がシンプルで比較的安い傾向なので、予算が限られている場合にも取り入れやすいタイプといえるでしょう。
過熱水蒸気式 (ウォーターオーブン)電子レンジ
『過熱水蒸気式電子レンジ』は、沸点より高い温度になった過熱水蒸気を利用して食材を焼くレンジの一種です。過熱水蒸気によってレンジ内の酸素を追い出すことで食材の酸化を防げます。余計な脂や塩分も落とせるので、健康志向の方におすすめです。
おすすめの電子レンジの選び方
使いやすい電子レンジを選ぶためには、さまざまな要素に着目する必要があります。電子レンジを購入する前に最低限確認すべきポイントを共有します。
庫内容量
利用する環境や家族の人数によって調理する料理のボリュームも異なります。そのため、居住環境や家族構成によって電子レンジを選び分ける必要があります。その際の目安になるのが『庫内容量』です。
一人暮らしでコンビニ弁当や冷凍食品など最低限の調理しか行わないのであれば、シンプルな設計で庫内容量が小さい単機能電子レンジがちょうどよいでしょう。反対に、家族世帯であれば、庫内容量が大きい傾向にあるスチームオーブンレンジが適しています。
ターンテーブルの有無
電子レンジには、食材を回転させながら過熱できる『ターンテーブル』が内蔵されているタイプがあります。ターンテーブルで食材を温めることで、過熱時のムラを和らげられるので、食事の際に料理の温度に対して違和感を感じずに済みます。
そのため、料理を何度も温め直すのが面倒な方はターンテーブルがあるレンジを選びましょう。
ただ、電子レンジ内のパーツが増えることからお弁当をサッと入れづらくなります。したがって、コンビニの利用頻度が多い方は考えなしにターンテーブル式を選ばないようにしましょう。
掃除のしやすさ
電子レンジを利用していると、食品のたんぱく質や油分などが飛び散り、壁・お皿・扉などにこびりついてしまいがちです。汚れを放置すると雑菌が発生したり、過熱効率が下がってしまうため、できるだけ掃除しやすいレンジを選ぶようにしましょう。
掃除しやすいレンジとしてフラットテーブル式が挙げられます。円盤を取り外さずにそのままふき取るだけで済むので掃除が楽です。そのほか、汚れを落としやすい加工が施されたレンジもあるので検討してみるとよいでしょう。
機能から見る電子レンジのおすすめの選び方
電子レンジは、センサーの種類、最高温度、調理機能などによって利便性が変わってきます。便利な機能を見落とさないようにあらかじめチェックしておきましょう。
センサー
電子レンジには『センサー』が内蔵されていて、それぞれ機能が異なります。メリットやデメリットも違うので、電子レンジを選択する際はセンサーの種類にも注目しましょう。ここからは、それぞれのセンサーについて特徴をご説明します。
赤外線センサー
『赤外線センサー』は、食品から放射される赤外線の変化量を検出して食品の表面温度を計り、加熱制御できます。上位機種のセンサーとして主流で、赤外線の数を増やせるものや、食材の位置を感知して的確にあたためたりできるものなどがあります。
メーカーごとに機能が分かれるので、各社製品を比較するようにしてください。
重量センサー
『重量センサー』を備えた電子レンジであれば食材の重さを計れます。食材の重さを計ることで適切な加熱時間を算出できるので、料理が適温に仕上がるというメリットがあります。ただし、重い食器をのせると適切に重量を計れないことがあるので、選ぶ際にも注意しましょう。
温度センサー
『温度センサー』はレンジ内の温度を計れます。庫内温度の立ち上がり時間をもとに焼き時間を算出できるので、重量センサーと同様に料理をおいしく仕上げられる点が長所です。グリルやオーブンを頻繁に利用する方におすすめできます。
蒸気センサー (湿度センサー)
食品から発生する蒸気を感知して加熱できるのが『蒸気センサー』です。ラップしたまま温めるとセンサーが水滴に反応してしまい、正常に加熱できないケースがあります。温める際にラップを取り外すのが面倒であれば不向きといえるでしょう。
最高出力・最高温度
電子レンジごとに『最高出力』や『最高温度』が決まっています。出力ワット数を大きく設定すれば短時間で温められます。仕事や家事が忙しくて調理を手短に済ませたい方は、なるべく最高出力が高いものを選びましょう。基本的には、最大出力が600W~700Wのレンジを選べば不自由はしません。
最高温度については、値が高いほど余熱時間を短縮できるほか、本格的な料理を作れるようになります。したがって、料理の質にこだわりたいのであれば、最高温度が高く設定できるものが好ましいです。
オートメニューの数
食材の量や料理の種類によって調理方法や加熱時間について迷ってしまう方も少なくありません。その際に役立つのが『オートメニュー』です。オートメニューとは、料理にあった設定で調理を行える機能です。
具体的には、レンジ・スチーム・グリルなどから食材に適した方法に自動で切り替え、最適な時間で加熱します。メニューの数が多ければ多いほど、幅広いレシピを気軽に調理できるようになります。利用していくなかでオートメニューの数に満足できなくなるようであれば、インターネットで設定できるレンジを検討しましょう。
2段調理機能
調理時間を短縮できる電子レンジを選びたいのであれば、『2段調理機能』に対応したものが最適です。上下2段構造によって、食材を同時に焼いたり、一度に複数の料理を作ったりできます。
パンやお菓子を作りたい方は角皿2段で構成される機器を選ぶとよいでしょう。3つ同時に調理できるデザインなどは、さらに手早く料理したいケースにうってつけです。家族が多くて料理の負担が大きい主婦の方にとって心強い味方になります。そのほか、電気代の節約になるメリットも見過ごせません。
おすすめ最新電子レンジのトレンドとは
電子レンジの加熱時間や出力を調整するにはボタンを押すのが一般的です。しかし、調理中は食材に手で触れるため、電子レンジを操作する際に機器が汚れてしまいます。
その点、最近では、音声でメニューを操作する電子レンジが登場しています。音声操作であればボタンに触れなくて済むので、電子レンジの表面を衛生的に保ちやすいです。そのほか、子供のいたずらを防止できるロック機能がついた機種や、スマートフォンと連携できる機種なども出回っています。
便利な電子レンジが見つかるかもしれないので、最新動向を確認しておきましょう。
電子レンジを購入する前に確認すること
電子レンジを深く考えずに購入すると、後になってから不便を感じたり、問題が生じたりすることがあります。電子レンジを購入する前に確認すべき点についてご説明します。
設置場所
電子レンジは使用中に熱が発生するので、置く場所に注意する必要があります。調理場所に近く、操作しやすい高さだからといって配置すると、上手く放熱できずに電子レンジが故障してしまいかねません。そのため、設置したときに、天面・背面・側面に隙間ができるような電子レンジを選択してください。
また、庫内を換気しやすいように設置するために、吸気口や排気口の位置を把握して購入することも大切です。以上の点をふまえて、適切な設置箇所を購入前に定めておきましょう。
扉の開く方向
扉の開く方向によっても使いやすさが異なります。たとえば、横開きの場合は、高さに関係なく加熱したものを取り出しやすいです。ただ、利き手によっては使いづらいというデメリットがあります。加えて、左右に余分なスペースがないと開きづらくなるため、設置箇所を慎重に選ばなければなりません。
一方、縦開きの場合は、扉のうえに食材をのせられるほか、利き手にかかわらず使いやすさが同じです。しかし、高い場所に設置すると中身を取り出しにくくなるので注意しましょう。
電子レンジの人気おすすめメーカー
電子レンジは、数多くのメーカーによって販売されているので、どれを選んでよいか迷ってしまいがちです。そこで、電子レンジに定評があるおすすめの人気メーカーをピックアップしました。
Panasonic (パナソニック)
『Panasonic』は、『くらしの向上と社会の発展に貢献すること』をモットーに、さまざまな製品を手がけている電機メーカーです。単機能電子レンジとオーブンレンジで構成されるエレックシリーズをはじめ、スチームオーブンレンジで成り立つBistroビストロシリーズなどを手がけています。
オーブンレンジには、安全に配慮してロック機能がつけられたものや自動メニューが充実したものなどを展開。スチームレンジには、上下にあるヒーターで短時間で加熱できるものや、無線LAN機能で購入後にメニューを増やせるものなどがあります。
日立
『日立』は、2020年に創業110周年を迎える電機メーカーです。『優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する』という理念にもとづいて家電製品を展開しています。電子レンジについては掃除しやすいデザインが主流です。
ほとんどの製品は天面がフラットになっていて汚れをふき取りやすく、中には底面のテーブルプレートを取り外して丸洗いできるものもあります。忙しくて電子レンジの掃除が億劫になってしまう方は、日立の製品を選択してみてはいかがでしょうか。
SHARP (シャープ)
『SHARP』は、『いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する』などの経営理念をかかげ、家電製品を提供しています。過熱水蒸気で過熱するウォーターオーブンのヘルシオが電子レンジとして代表的です。
レンジやヒーターなどによる加熱を組み合わせた調理方法が一般的であるのに対し、水の力だけで加熱する点に最大の特徴があります。ヘルシオは、減塩や脱油の効果が期待でき、名前が示すようにヘルシーな電子レンジです。健康的な生活を送りたい方は、ぜひシャープの製品を検討してみてください。
東芝
『東芝』は、『人と、地球の、明日のために。』というグループ理念のもとに事業を展開している家電メーカーです。石窯ドームと呼ばれる電子レンジの庫内は、天面が弓なりの形になっているのが特徴的です。内側は、扉以外の面に遠赤コーティングが施されており、パンを焼くのに適した高加熱処理に対応しています。
最上位機種は最高温度が300度以上で、チキンなどをカリッと焼くのにもうってつけです。中には、自動メニューの数が450個以上あるものや赤外線センサーによって好みの温度に温められるものなどもあります。
バルミューダ
バルミューダは2003年に東京で設立され、驚きや感動を与えるべくさまざまな製品を提供している家電メーカーです。シンプルでオシャレな製品が多く、電子レンジについてもカラーバリエーションが豊富。
見た目が美しいだけでなく操作音がユーモラスで、料理ができあがるまでの時間を楽しめる工夫は、ほかのメーカーとは異なる特徴といえるでしょう。狭いキッチンや棚にも収まるサイズ感は収納する際にも便利です。バルミューダの電子レンジで、キッチンをエレガントに整えてみてはどうでしょうか。