現在さまざまな機能をもった電子レンジが存在しています。でも『そんなにたくさんの機能は必要ない』『予算をなるべく抑えたい』という方も多いでしょう。そんな方には単機能電子レンジがおすすめです。
この記事では単機能電子レンジのおすすめの選び方からおすすめ商品まで紹介します。ぜひご自身にぴったりの単機能電子レンジをみつけてください。
単機能電子レンジとオーブンレンジの違い
単機能電子レンジ
単機能電子レンジは読んで字のごとく、『電子レンジ』としての機能だけが備わった機種を指します。電子レンジ内の食品にマイクロ波を照射して、加熱調理を行う仕組みです。
電子レンジの操作方法は、ダイヤルを回してあたため時間を設定する『ダイヤル式』と、ボタンを押すだけでラクラク操作できる『ボタン式』に分かれます。基本的には、タイマー設定などがカンタンなボタン式のほうが少し高めです。
オーブンレンジ
これもまた名前どおりなのですが、電子レンジにオーブンの機能をプラスした機種です。単機能電子レンジが『あたため』に特化していることに対し、オーブンレンジだと『焼く』調理もできるようになります。
高機能のオーブンレンジは当然のことながら、単機能電子レンジよりも高価です。また電子レンジ以外の機能が詰め込まれているので、サイズも単機能電子レンジより大きくなってしまいます。
オーブンレンジは、いろいろな料理を1台でこなしたい方向けということを覚えておきましょう。
単機能電子レンジのおすすめの選び方
容量・大きさ
単機能電子レンジは、ひとり暮らし世帯や少人数の家庭がメインターゲットです。容量は20L程度の機種が多く、ひとり暮らし用は20L以下、夫婦などのふたり世帯なら25Lが選択の目安になります。
もちろん、ひとり暮らしでも料理が趣味というような方は、容量が大きい電子レンジを購入しても構いません。電子レンジの使用中は熱が発生しますから、棚などに設置して使用する場合、本体周辺のクリアランスに余裕があるサイズを選ぶようにしましょう。
設置したい場所に合わせて選ぶ
前述のとおり、電子レンジは設置場所に気をつける必要があります。電子レンジの周囲に排熱用の空間を作っておかなければなりませんし、使用後の換気に大切な排気口の位置に合わせて設置することも重要です。
たいていの製品は縦、横、奥行きのスペックを記載しているので、そうした数値を参考に設置したときのシミュレーションをしてみましょう。
テーブルの形状
ターンテーブル
電子レンジ内にマイクロ波を照射する範囲が限られているため、底部に設置された皿(ターンテーブル)を使用中に回転させることで、食品にムラなくマイクロ波を当てて加熱する方式がターンテーブルです。
リーズナブルな価格で購入しやすいターンテーブル式の難点は、皿の直径以上のお弁当やトレイなどを置くと、使用中に引っかかってしまって効率的にあたたまらないことが挙げられます。
フラットテーブル
ターンテーブルのデメリットを解消した方式が、皿を設置していない『フラットテーブル』。フラットテーブル式はマイクロ波を電子レンジ内にくまなく届かせることができるため、そもそも皿が必要ありません。
庫内の容量をフル活用できる上に、食品を置くスペースが平らなおかげでメンテナンス性にも優れています。
ただし、フラットテーブル式はターンテーブル式より高価なので、自分が必要だと感じるなら購入を検討してください。
扉の開く方向
電子レンジの扉は、横開きタイプと縦開きタイプの2種類に分かれます。縦開きタイプの電子レンジは馴染みが薄いかもしれませんが、探してみたら意外と見つかります。
扉の開く方向を決めるポイントは、ズバリ『扉の開けやすさ』です。たとえば、横開きタイプの電子レンジをキッチンに設置したとき、すぐ横に壁や収納があると、扉が開けにくくなってしまいます。
電子レンジの扉を開けにくいと困ることは、加熱した食品を取り出すときです。扉が引っかかって食器ごと料理を落としたりしたら、それこそ大惨事。物が多い場所や狭いスペースに電子レンジを設置するときは、扉の方向にも注意してください。
自動あたため機能の有無
『ごはん』や『お弁当』といったボタンを押すだけで、電子レンジを最適な時間で運転してくれる自動あたため機能は、備わっていると便利です。絶対に必要な機能ではありませんが、電子レンジでお弁当や惣菜をあたためたり、コーヒーやお酒を熱くするなどの使い方をするユーザーはチェックしてもソンはないでしょう。
自動あたため機能は冷凍ごはんの解凍にも使えるため、炊いたごはんを冷凍する習慣のある家庭にもピッタリです。
センサー機能の有無
電子レンジには、加熱中の食品を監視するセンサーが搭載されています。上記の自動あたため機能では、センサーが重要な役目を果たします。
電子レンジに搭載されるセンサーは、『赤外線センサー』・『重量センサー』・『湿度センサー』の3種類です。
赤外線センサー
『赤外線センサー』は加熱中の食品が発する赤外線をセンサーが計測し、赤外線量をもとにした表面温度で加熱時間を調整する仕組みなので、自動あたため機能の精度が格段にアップしています。ネックとなる点は、やはり赤外線センサーを搭載した機種は高いことです。
重量センサー
『重量センサー』は電子レンジに入れられた食品の重量を検知することで、加熱時間を調整する仕組みです。つまりは単純な重さに依存するということなので、重たい食器などを使う際は加熱しすぎに用心しましょう。
湿度センサー
加熱した食品から出る水蒸気量の変化に応じて、加熱時間を調整するための『湿度センサー』。水蒸気が出にくいラップ調理や水分量が少ない食品の加熱では、センサーが機能を十分に果たせなくなる点に注意しなければいけません。
最高出力
電子レンジの出力(ワット数)は、あたためたい食品に応じて決めましょう。冷凍食品のパッケージなどを見ると、『500Wで~分』といった表記があります。特にこだわりがなければ、単機能電子レンジの最大出力は600W~700Wあたりが目安です。
オートメニューの数
マイコンを内蔵した電子レンジなら、料理のレシピに合わせて加熱を行うオートメニューが利用できます。オートメニューは、調理の幅が広いオーブンレンジ向けの機能です。単機能電子レンジなら、面倒な野菜の加熱処理を自動で調整してくれる機種が高機能といえるでしょう。
2段調理
今回のテーマは単機能電子レンジですが、ついでにオーブンレンジの役立つ機能も紹介しておきましょう。オーブンレンジには、庫内に皿をもう1枚セットして2段で使える機種があります。上下の皿で別々の料理を作ったり、パン焼きなどにも使えるため、オーブンレンジに興味を持ったらチェックしてみてください。
使いやすさ
単機能電子レンジは、シンプルに絞った機能が最大の特徴です。購入時に見ておきたいポイントは、なんといっても操作のしやすさに尽きます。
冒頭で触れたダイヤル式の電子レンジは、あたため時間と出力をダイヤルで設定する機種が大半です。最初はダイヤルの微調整で戸惑うかもしれませんが、そうした部分は操作に慣れると気にならなくなります。
ボタン式の電子レンジでは、画面に正確なあたため時間を表示してくれるため、誰でもあたために失敗することがありません。単機能電子レンジならボタン配置が複雑ということもないので、面倒な操作が嫌いな方にもおすすめです。
コスパを重視するか、より便利な操作性を取るか、自分の好みに合わせた電子レンジを選んでください。
お手入れのしやすさ
電子レンジをキレイに使っているつもりでも、食品カスやソースなどの液体が飛び散ると、気づかないうちに庫内は汚れていきます。日々のお手入れを有利にするポイントを見ていきましょう。
下部の汚ればかり気にしがちですが、電子レンジ内の壁にも汚れは付着しやすいです。汚れがカンタンに拭き取れる形状の壁になっているかをチェックしておくと、日々のお手入れがはかどります。
上述したように、電子レンジはターンテーブル式よりもフラットテーブル式のほうが、下部の掃除がラクチンです。ターンテーブル式を選ぶ場合、皿を外した状態の掃除のしやすさも確認しましょう。
メンテナンス性は電子レンジの寿命にも関わるので、欠かさずに見ておきたい要素です。
耐久性
単機能電子レンジは、機能がシンプルなことから故障にも強いです。ただし、価格につられてあまりに安い機種を購入すると、予期せぬ故障に遭遇してしまうことがあります。
頻繁に買い替えては結果的にソンになるので、単機能電子レンジであっても耐久性は気にするようにしましょう。電子レンジが突然故障して使えなくなると、買い替えるまでが非常に不便です。
デザイン性
最近はデザインにこだわった電子レンジが多く、キッチンの雰囲気と調和を取りやすくなっています。色に関しても、昔の電子レンジは無機質なイメージの白や黒が大半でしたが、今はインテリアとの相性がいいカラフルな機種を選択できます。
電子レンジは使用頻度が高い調理家電ですから、見た目にもたのしめたほうがオトクです。
価格
ひとり暮らしで特別な機能がいらなければ、5,000円前後が購入価格の目安です。単機能電子レンジはリーズナブルに購入できますが、欲しい機能によっては3万円近い機種も存在します。
これまでに挙げてきたような電子レンジの特徴を取り入れるかどうかで、価格に大きな差が発生するため、予算と相談しながら使いやすい機種を探してください。
利用環境に合った電源周波数
家電製品を探すとき、『50Hz』や『60Hz』といった表記を目にすることがあるでしょう。このスペックは電源周波数と呼ばれるもので、新潟県の糸魚川から静岡県の富士川を結んだ境界線の東側が50Hz、西側が60Hzに設定されています。
低価格帯の家電製品は、地域ごとの周波数に合わせた部品を使うことでコストを削減しているため、電子レンジでも電源周波数の選択ミスに注意しないといけません。東日本在住なら50Hz、西日本在住なら60Hzの機種を選びましょう。
また、地域をまたいで使えるヘルツフリーの機種なら、転勤などで日本中を移動する機会が多い方も安心です。
単機能電子レンジの人気おすすめメーカー
Panasonic (パナソニック)
有名家電メーカーの『Panasonic』は、シンプルな単機能電子レンジに高性能・高機能の機種を多数ラインナップ。ダイヤル式もボタン式も分かりやすいデザインになっているので、購入直後から電子レンジをドンドン活用していけます。
大手ブランドの安心感がありますから、新生活をスタートする学生へのプレゼントにもバッチリです。
日立
『日立』の電子レンジは、ひと目で操作方法を理解できるシンプルデザインが特徴です。食品の出し入れがしやすい庫内の広さも魅力なので、狭いスペースに設置しても活躍するでしょう。
アイリスオーヤマ
幅広い家電製品を手がける『アイリスオーヤマ』は、リーズナブルな単機能電子レンジを充実させています。インテリアに合わせやすいデザインが選べることも大きなメリット。
必要最低限の機能を揃えたモデルでも、テーブルの形状や扉が開く方向を細かく選べるため、満足感の高い電子レンジを購入できるメーカーです。
SHARP (シャープ)
『SHARP』もキッチン家電を幅広く展開しているため、たしかなクオリティの電子レンジが手に入ります。容量小さめのスマートなデザインが中心なので、キッチンに生活感を出したくない単身の方にもおすすめです。
単機能電子レンジの平均価格は少し高めであるものの、性能は申し分ありませんから、購入するだけの価値があります。
東芝
歴史の長いメーカーならではの開発技術が、電子レンジにも活かされています。『東芝』の単機能電子レンジは最大出力が高いモデルが豊富なので、いつでもアツアツの料理を食べたい方にピッタリです。
BALMUDA (バルミューダ)
近年メディアへの露出が増えている『BALMUDA』は、家電にデザイン性をプラスした製品づくりが特徴です。現在は残念ながらオーブンレンジのみの販売となっていますが、おしゃれにこだわる方なら購入を検討してみてもいいでしょう。