昭和時代に音楽を聴く手段として人気となった『レコードプレーヤー』。令和になった今、レトロな雰囲気で音楽を楽しむアイテムとして毎年売り上げが伸びており、街中でもレコードを購入する人も増えました。
この記事ではレコードプレーヤーの魅力と、音楽を余すことなく楽しむためのレコードプレーヤーの選び方をご紹介します。
レコードプレーヤーとは
レコードプレーヤーとは、コード上の『溝』に記録されている音波信号を読み出して増幅し、送出することでレコードを再生する機器のことです。各部分を交換することで音質の違いを楽しむこともできます。
レコードプレーヤーをおすすめする理由
『レコードプレーヤー』の魅力は何といってもその『音質』です。現在主に使われているCDはデジタルメディアであり、収録されている音が電気信号となって変換されるため、元の音と若干の違いが生まれます。一方でレコードはアナログ機器で再生されるので、収録された音が生の音源に限りなく近い状態で再生されます。
コアな音楽ファンほどレコードプレーヤーにこだわるのは、レコードから発せられる生の音源に近い音質で音楽を聴けるからなのです。
おすすめのレコードプレーヤーの選び方
ターンテーブルで選ぶ
『ターンテーブル』とは、音楽を再生するためにレコード盤を水平に乗せ、一定速度で回転させる台のことです。ターンテーブルを回転させる動作方法には『ベルトドライブ式』と『ダイレクトドライブ式』の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ベルトドライブ式
『ベルトドライブ式』とは、モーターからターンテーブルにベルトをかけて再生する動作方式のことです。ベルトがモーターの振動を吸収するため振動の少ない滑らかな回転をさせるのが特徴です。
一方でモーターと回転盤に距離があるため、音程やテンポが揺れやすいというデメリットもあります。
ダイレクトドライブ式
『ダイレクトドライブ式』とはモーターの軸に、直接レコードを置く回転盤を取り付けたタイプのことです。『モーターの回転数=レコードの回転数』となるため、動作が安定しているのが特徴です。回転精度が低いと音程やテンポが揺れてしまいますので、低い回転速度を維持したままでの高い回転精度が求められます。
ダイレクトドライブ式のモーターを製造しているメーカーが少ないため、消耗してしまうと修理が難しいことがデメリットです。
カートリッジで選ぶ
『カートリッジ』とはレコードプレーヤーに付いている針のことで、レコードから音を拾う役割があります。カートリッジを高級なものに変えることで、音質が一変することもあるくらい重要なパーツです。カートリッジは『MM型カートリッジ』、『MC型カートリッジ』があり、それぞれ特徴が異なるのでご紹介します。
MM型カートリッジ
現在多くのレコードプレーヤーに用いられているのが『MM型カートリッジ』で、特に入門者向けの商品に付属していることが多いです。MM型カートリッジは構造的にシンプルで、針が折れた際にも自分で簡単に交換できるため、初心者でも扱いやすいでしょう。
MC型カートリッジ
『MC型カートリッジ』は、MM型に比べると構造が複雑で、針が折れた場合はメーカーに修理してもらうしかありません。その反面MM型に比べ音質がよいため、質の高い音楽を楽しめます。
上級者になるとMC型のカートリッジを使うことが多いようですが、これからはじめてレコードプレーヤーを購入する方はまずはMM型のカードリッジを選ぶのがおすすめです。
フォノイコライザーの有無で選ぶ
『フォノイコライザー』とは、正確な音を再生するための処理をする装置です。
レコード盤には高音・低音・大音量・小音量など、さまざまな音が記録されています。この音をそのままアンプに送ってしまうと正確な音が再生されません。
そこで活躍するのがこのフォノイコライザー。レコードから読み取った音楽信号を増幅して、他のオーディオ機器で聴けるようにしてくれます。特にレコード入門者でコンポやスピーカーでレコード音源を聴きたい場合は、フォノイコライザーが内蔵されているプレーヤーを選びましょう。
トーンアームで選ぶ
『トーンアーム』とはターンテーブルを支える役割があるとても重要なパーツの1つです。レコードプレーヤーによってトーンアームの形状は『ロングアーム』・『ショートアーム』・『J字型タイプ』・『S字型タイプ』などさまざまな種類があり、それによって音も変化します。
マニアの間では音質を高めるためにトーンアームを交換してカスタマイズすることもありますが、初心者の方は内蔵されているトーンアームをそのまま使うのがおすすめです。少しレコードに慣れてきたら、トーンアームをカスタマイズしてみるとさらにレコーダーの世界に引き込まれるでしょう。
回転数で選ぶ
レコードプレーヤーを選ぶ際に重要なポイントの1つが、『回転数』です。レコードプレーヤーはレコードを回転させて音楽を流しますが、レコードによって回転数が異なります。
一般的な回転数はLP盤の33回転で、7インチのEP盤や高音質のレコードでは45回転も用いられます。そのため一般的なレコードの再生を考えている場合は、33回転と45回転を使えば十分です。プレーヤー選びの際は回転数がこの2つに対応しているか確認しておきましょう。
レコードプレーヤーのおすすめメーカー
オーディオテクニカ (Audio Technica)
レコードプレーヤー用のカートリッジを作る目的で設立されたメーカー『オーディオテクニカ』。多くのカートリッジとレコードプレーヤーを取り扱っています。レコードプレーヤーから、ヘッドホンやマイク・スピーカーまで、音楽に関する商品を多く扱う日本を代表するメーカーです。
レコードを主に使用していた時代には、放送局に向けた業務用の製品、国内の他メーカーが販売するレコードプレーヤーやステレオセットの標準添付品として使用されてきました。
デノン (DENON)
『デノン』戦前から続いている日本の老舗オーディオ機器メーカーです。これまで1回も製造・販売をストップすることなく続いてきました。
MC型カートリッジ使用の本格的な再生が人気の理由。高級な商品ばかりでなく、お手頃な価格の商品も販売しています。初心者の方にもおすすめです。これまで数々の大ヒット商品を生み出してきたメーカーになります。
テクニクス (Technics)
『テクニクス』は世界的に有名な日本の電機メーカー、Panasonicのオーディオブランドです。優れた使用感、完成度が多くの支持を集めています。
世界初、ダイレクトドライブ式のレコードプレーヤーを開発しました。テクニクスの生み出した機種、SL1200は世界に大きな影響を与えたことで有名です。この商品と似たデザインのプレイヤーは現在も多く発売されています。