パソコンの『メモリ』は自分で拡張できることをご存知でしたか。メモリに余裕があると、パソコンもスムーズに動いてくれますので。メモリはパソコンにとって非常に重要な要素の一つです。ただしメーカーや規格、種類、容量などチェック観点が多く、購入したいけれど自分にとって最適なメモリがよくわからないと思う方も多いことでしょう。
ここではPCメモリを選ぶときのポイントやおすすめメーカーを解説し、記事後半ではおすすめ製品をランキング形式でご紹介します。パソコン初心者でもわかりやすいように丁寧に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
メモリの役割とは
『メモリ』は正式には『メモリモジュール』と呼び、データを記憶する媒体を意味します。パソコンのデータ処理の速度や操作の体感速度に大きく関係しているパーツです。
メモリ容量がいっぱいになると、パソコンを重く感じることが多くなります。なんだかパソコンが重くなった、そんなときはメモリが関係していることが多いものです。ただしメモリを増設したり交換したりすることで改善されるのでご安心ください。
メモリの交換・増設前に確認しよう
メモリ使用率を確認する
メモリの交換や増設の前に、現在のメモリ使用率を確認する必要があります。メモリを交換したのに、まったく動作が軽くならない!ということにならないためにもチェックしておきましょう。
Windowsの場合、【Windowsシステムツール】から【タスクマネージャー】を開き、【パフォーマンスタブ】を開きます。タスクマネージャーが簡易になっている場合には【詳細】ボタンを押して【表示形式】を変更しましょう。そこで【メモリ】をクリックすれば現在の使用状況が確認できます。使用料が100%に近い場合には交換や増設を考えましょう。
メモリ解放・最適化ソフトを使用する
パソコンの動作がだんだん重くなる原因の1つに、不要なプロセスが無駄にメモリを使っていることがあります。ソフトを起動していないのに、なぜか重いなという場合は、不要なプロセスを疑いましょう。不要プロセスは、音楽再生や画像・動画の閲覧、編集などアプリケーションの起動や終了を繰り返す中で残ってしまうものです。
メモリ最適化ソフトを使えば、無駄なメモリ使用を改善しパソコンのパフォーマンスを最適にしてくれます。メモリの無駄使いを常に監視し、快適な状態を保ってくれる常駐ソフトも便利です。
おすすめのPCメモリを選び方
使用しているPCのメモリ規格を確認する
DDR3とDDR4はどう違う?
メモリには新しい順に『DDR4』『DDR3』『DDR2』『DDR』の4種類があります。現在使われているのは『DDR4』と2015年頃まで主流だった『DDR3』です。パソコンの説明書を見れば、パソコンに合ったメモリが記載されているので、その通りのものを購入しましょう。
『DDR4』と『DDR3』の違いはデザイン、消費電力、メモリクロックの上限の有無です。デザインが違うので違うメモリとは互換性がありません。さらに新しい『DDR4』は消費電力が少なく、メモリクロックの上限がないので性能が上がります。
メモリにはチップ規格がある
メモリにはDDR3やDDR4という規格がありましたが、さらに細かく『DDR4-1866』や『DDR4-3200』などの種類があります。この種類を『チップ規格』と呼ぶのです。
後ろについている数字は『メモリバス (FSB)』といい、データの転送速度を表しています。数字が大きければ大きいほど速度が速くなりますが、体感速度で感じられるものではなく、パソコンの中での処理速度が速くなるものです。
インターフェイスに合ったメモリを選ぶ
DIMM
一般的なサイズで細長い形状の『DIMM』と呼ばれるインターフェイスは、主にデスクトップパソコンに使われています。8Gと16Gが主流で基本的に拡張が可能です。
S.O.DIMM
ノートパソコンの多くは『DIMM』よりも短い、『S.O.DIMM』と呼ばれるインターフェイスが使われています。中にはデスクトップパソコンでも『S.O.DIMM』を使っているタイプもありますので、購入前によく確認しておきましょう。4Gと8Gが主流で、『DIMM』より拡張性や容量は劣ります。
使用目的に応じたメモリ容量を選ぶ
4GB
ワードやエクセル、パワーポイント、インターネット閲覧などの簡単なビジネス使いや、普段使いの軽作業に使うパソコンに多い容量が4GBです。値段の安いノートパソコンにもよく使われています。
あまり容量を大きく増やすことはできませんが、容量が小さいほど価格は抑えられます。費用をかけずに容量を増やしたい場合や今まで使用していたメモリが壊れた場合などにおすすめです。
8GB
一般的なノートパソコンの容量は8GBです。画像や動画の編集、製図ソフト、軽めのゲームなどやや負荷がかかるソフトを使っている方は、8GBのメモリを使用していることが多いです。
4GBよりさらに容量を増やしたい場合や、パソコンの動きが鈍くなってきた場合、8GBのメモリを増設しておけばまず問題ありません。一番使いやすい容量でもあります。ただし最新のオンラインゲームを楽しむには、8GBでは容量が不安です。
16GB
2016年以降にリリースされたオンラインゲームやマルチタスクでパソコンを利用する場合には、負荷も大きくかかるので16GBがおすすめです。容量は多ければ多くなるほど作業が楽になります。
自分でパソコンを作る方やプロレベルの動画編集を行う方、発信者として動画配信サイトを利用する方がメモリ増設する場合にも、この容量なら安心です。
32GB
4Kの動画編集や動きの速い次世代型ゲームを行う方や、仕事でCGを作成する方には32GBのメモリがおすすめです。32GBにしておけば、重いタスクを同時に行っても、まずパソコンの動きに煩わしさを感じることはありません。ただし容量が大きい分、価格も上がるので費用のバランスもよく考えましょう。
デュアルチャネルにするかどうか
『デュアルチャネル』とは、同じ規格・容量のメモリ2枚1組をセットし、データ処理のスピードアップをしてくれる技術のことです。自分のパソコンがデュアルチャネルに対応していれば、より速いスピード処理を実現してくれます。
2枚1組のセットで購入する方が、1枚で購入するよりコストパフォーマンスがよいのが嬉しいポイント。自分のパソコンが対応しているかどうか、メモリを購入する前に確認しておきましょう。
メモリクロックを確認してみる
『メモリクロック』とは性能の良さを表す物です。DDR4規格のメモリで一般的なクロックは2133~2666MHzで、この数字が多くなればなるほどスピードが速くなり、性能のよいメモリーと判断されます。現在は4000MHzを超えているメモリクロックもあり、日々進歩しています。
ただし人が使う際にその差を体感できるかは難しいところです。メモリクロックに関しては、メモリを選ぶ際、そこまで大きなポイントとして捉えなくても構わないでしょう。
ヒートシンクの有無で選ぶ
『ヒートシンク』とは、基板を覆っている金属板のようなもののことです。安いメモリにはついておらず基板が丸々むき出しの状態ですが、高価なものにはついています。メモリは熱を発散して冷やすほど安定して動くものです。ヒートシンクがあれば熱を効率よく放出してくれる効果があります。
日常的にパソコンを使う分にはヒートシンクがなくても問題はありません。
保証が付いているメモリを選ぶ
精密機械であるPCメモリはとても繊細です。たとえ乱暴に扱っていなくても、通常の使用によって熱で消耗し、壊れてしまうこともあります。
そこで家電製品を購入するときに注意するように、メモリにも保証がついているものを選ぶと安心です。一般的には5年保証が多いですが、中には永久保証のものもあります。購入したあとのトラブルで悩まなくていいように、必ず保証がついたものを購入するようにしましょう。