ご家庭でおなじみのエアコン。特に年々激しさを増す夏場の猛暑も相まって、エアコンは、もはや生活に欠かせないアイテムの一つになったといえそうでしょう。
そんな身近なエアコンにも、さまざまなバリエーションがありますが、今回はお部屋のスペースにかかわらず守備範囲が広いといわれる10畳用エアコンについて、その基本性能だけでなく、特殊機能や省エネ・節電面もふくめて掘り下げてみました。
購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
エアコンの特徴
冷暖房ができる空調家電
エアコンといえば、冷気でお部屋をクールダウンさせるもの、というのが一般的なイメージですが、冷房だけに特化したものは別にクーラーという呼称で区別されています。エアコンは冷房に加えて暖房ができる点も忘れてはならない機能です。そもそもエアコンとは、エアーコンディショナーの略称で、室内の空気の温度や湿度を調整する設備の一つです。もちろん冷暖房以外に湿度調整もできるので、湿気が多くて蒸し暑い日本の夏には助かりますね。
室内機と室外機で構成
ではエアコンを構成面から見るとどうでしょう? まず室内に設置されている箱形の機械を『室内機』と呼びます。そしてベランダなど屋外に設置されているプロペラを囲みこんだ機械を『室外機』と呼びます。
このようにエアコンは、室内機と室外機の二つの機械で構成されています。室内機は、室内の冷気や暖気を室外機に送り、そこで温度調節や、結露などの水も処理しますので、意外と普段目につきにくい室外機は注意が必要ですね。
10畳用エアコンの効果
エアコンを選ぶ際に、最初に基準とするのが、その容量でしょう。不動産の間取りで目につくのが、お部屋のスペースを表す『畳』という日本独自の単位。最近では、6畳、8畳といったサイズが増える一方で、10畳を超えた広い部屋を持つご家庭は減りつつあるようです。
一般的にメーカーは、このお部屋のサイズに応じた製品のラインナップを展開しておりますが、余裕を持った空調を確保するには、お部屋が6畳、8畳であっても、容量の大きい10畳用エアコンの設置を検討してみるのもよいでしょう。
10畳用エアコンのおすすめの選び方
基本性能で選ぶ
10畳用エアコンは、冷房能力、暖房能力の高いものを選びましょう。この能力を基本性能といい、それぞれ数値で表記されています。数値は、最低数値と最高数値があり、両者の幅が大きいものを選ぶのがポイントです。最低数値が低いと冷房暖房の細かい設定が可能になり、最高数値が高いとお部屋を一気に冷やしたり温めたりする出力が大きくなります。10畳サイズの広い部屋の場合、このほかに気流や風量もチェックしておきましょう。
特殊機能で選ぶ
室内にいる人をセンサーで感知して、そこにのみピンポイントで風を送ったり、エアコン自身が室内の空気を浄化して、きれいな空気をはきだす機能など、各メーカーはエアコンに様々な付加価値をつけた製品を打ち出しています。
これらの機能はニーズに応じて 10畳用エアコンを選ぶうえでの参考になります。お値段は高めになりますが、基本的にはハイグレードな製品には特殊機能が装備されていることが多いです。
設置場所で選ぶ
同じエアコンでも、その設置場所によって能力が十二分に発揮出来たり、逆に適応サイズ以下の能力しか得られなかったりと異なる結果が出る場合があります。
例えば日中を通じてあまり光が当たらないようなお部屋と、逆に一日中かんかんに日が差し込むお部屋とでは冷暖房の効率には大きな差異が出ることは明白です。もし設置場所が好ましくないような場合は、パワーのある10畳用のものを検討するのも一考かもしれません。
クラスで選ぶ
ベーシッククラス
安さで選ぶならこのクラスです。冷房のみの製品が多く、余計な機能は不要という人向きです。
といっても冷房だけでなく、ほとんどが除湿やタイマーなどの基本的な機能もついているので、普段あまり使わない部屋や滞在時間の短い部屋などには適しています。ただし、フィルターの自動お掃除機能はついていないので、自分で定期的に手洗いでの清掃が必用です。ごくシンプルな機能設計ですので、その分価格はお安く設定されています。
ミドルクラス
ポピュラーなクラスで、一般的にフィルターの自動お掃除機能がついているのが特長です。そのほかにも、中には空気清浄機能など先に挙げた特殊機能もついている製品もあり、バリエーションが豊富です。中間の価格帯で、付加機能も様々なので、ニーズに応じてメーカーごとに比較して選ぶと良いでしょう。リビングはもちろん、寝室や子供部屋など幅広く対応できるクラスです。
最上位クラス
各メーカーは、そのフラッグシップモデルとして、独自の機能を最大限盛り込んだ最上位クラスを用意しています。フィルターの自動お掃除機能はもとより、人感センサーでの送風や熱交換器の自動洗浄機能など、ほとんどの特殊機能をカバーしているのがこのクラスの特長です。また何といっても、節電設計に配慮したものが多いのが最大のポイントで、10畳用エアコンのメリットを十分活かすことが可能です。滞在時間の長いリビングなどの使用に適しています。
本体価格で選ぶ
10畳用エアコンは、性能・機能ともにハイスペックなものが多く、バリエーションが豊富にあります。ですから、絶対に外せないお目当ての機能が搭載されたモデル以外は、本体価格の安価なものを選ぶというのもよいでしょう。1,2年程度の旧モデル(型落ち)の製品ですと、基本性能は変わらずにお値段をグンと抑えることができます。また中には最上位クラスとベーシッククラスとでは、価格に倍以上の開きがあるものもありますので、注意が必要です。
取り付け工事費で選ぶ
エアコンは、本体価格に加えて設置費用もかかります。特に10畳用エアコンの場合は、室内機、室外機ともに大型になりますので設置場所を選ぶケースもあり、その場合追加料金が発生することもあります。ですから、10畳用エアコンの購入には、必ず取り付け工事費も予算に入れておくことが必用です。チェック項目としては、室内・室外機の設置場所の確認以外にも、専用コンセント、ホースを通す穴などの確認も事前にしておきましょう。
電圧で選ぶ
10畳用エアコンは、100ボルトに加え200ボルトの電圧のものがあります。200ボルトのものが登場するのは、大型のエアコンからで、16畳用のエアコンは200ボルトのみです。ここで気になるのが電圧が上がれば電気料金が高くなるのでは? という疑問ですが、実はほとんど変わりがありません。200ボルトの出力はパワーがありますので10畳用エアコンにふさわしいですが、ご家庭のブレーカーがそれに対応しているかどうかの確認が必用になります。