ここ十年のあいだ、エアコンは瞬く間に進化して多くの機能を搭載するようになりました。一緒に生活する家族やペットのことを念頭に置いて、じっくりと検討するのも楽しい時間になるでしょう。
検討する際にはまずはじめに『必要な機能』と『あったら便利な機能』をそれぞれしっかりと確認することがたいせつです。メーカーや価格帯ごとの特長、製品に搭載されている便利機能の詳細を比較し、ランキング形式でオススメな20畳用エアコンを取り揃えました。ぜひ、自分にぴったりなエアコンを見つけましょう。
20畳用エアコンのおすすめの選び方
機能で選ぶ
省エネ機能
エアコンを使うにあたっては、どうしても電気代のことが頭をよぎりがちです。また現在流通しているエアコンには必ずと言っていいほど、『省エネ機能』が付いています。
特筆すべきは除湿についての機能です。従来までのモードでは除湿とともに室温が低下してしまい、『夏なのに寒い』事態を招きがちで、これを解消すべく各メーカーが工夫を凝らすようになりました。相対的に消費電力も抑えられるため、省エネを念頭に置くなら除湿機能をチェックするようにしましょう。
空気清浄機能
花粉やホコリといったアレルゲンをはじめとして、タバコや部屋干し臭などあらゆる生活臭を対策できる『空気清浄機能』が搭載された製品が次々と登場しています。
現在はエアコン内部にカビが発生しないようなパーツや仕組みが凝らされた製品も多くラインナップされているため、掃除の手間もかかることが少なくなりました。空気清浄機能に注力したモデルを選ぶことで快適な空間を実現できます。
イオン機能
たとえばPanasonic製品が掲げている『ナノイーX』のように、自然水による微粒子イオンを生成してウィルス対策までできるモデルがあります。空気清浄のための電力をカットできるため、省エネ性の高さが気になるかたも注目すべき機能といえます。
後述する商品紹介では各メーカーの製品について詳述していますが、アレルギー持ちのかたやお子様がいる家庭、ペットを飼っているかたは空気清浄機能イオン機能とを比較して選ぶのがオススメです。
AI自動運転機能
単なる自動運転機能よりも優れた『AI自動運転機能』。赤外線センサーやカメラによって検知した情報をもとに、部屋にいる1人ひとりの快適な室温を推測・学習し、AIが自動でモードや温度を調節してくれます。
機種によっては、顔・手先・足先など部位ごとの体感温度を確認したり、部屋の形状を踏まえたりした風量の調節もおこなってくれるため、部屋のどこにいても快適な空間づくりの実現には重要な機能であるといえるでしょう。
スマホ連携機能
無線LANを搭載した製品では、専用のアプリをインストールすれば外出先からも室温をコントロールできるようになりました。お子様がいる家庭やペットを飼っているかたにはありがたい機能です。中には電気代の目安まで確認できるモデルもあります。
また、家族で1つのリモコンを使っていると、誰がどこに置いたか分からなくなることがあります。スマホの連携機能を活用していれば、リモコンを巡った争いが起こらずに済みますし、取りに行く手間も省けて一石二鳥です。
クラスで選ぶ
ベーシッククラス
とにかく最低限の機能があればよく、安い製品を探していたり冷房機能だけあればよかったりする場合には『ベーシッククラス』がオススメです。エアフィルターの自動掃除機能は備わっていないため、自分で手入れをする必要があります。
エアコンを設置するのが、滞在時間の少ない部屋であったり暖房の必要がない部屋であったりするのなら、上位機種より抑えられた価格で購入できるモデルです。
ミドルクラス
ベーシッククラスよりワンランク上の『ミドルクラス』。価格帯もアップするため、冷暖房にくわえて空気清浄機能が搭載されていたり、使い勝手のよい便利な機能を搭載している製品が多数あります。
エアフィルターの自動掃除もこのクラスから搭載されることが多いため、面倒なエアコンの手入れをできるだけ楽に済ませたいかたや、タバコなどによる空気の汚れ・生活臭が気になるかたは、商品説明をよくチェックして選ぶのがオススメです。
最上位クラス
『フラッグシップモデル』とも呼ばれる『最上位クラス』は、まさに各メーカーの顔ともいえる、もっとも多機能なエアコンが取り揃えられています。家族の過ごすリビングに設置するのであれば、まずは検討してみるのがよいでしょう。省エネ性能も充実した製品が多くラインナップされています。
センサーカメラやAIによる高性能な自動運転機能では、部屋にいる1人ひとりに合わせた室温を保ったり、季節や気象情報に合わせたモード切り替えをおこなうモデルもあります。
コンパクトさで選ぶ
エアコンは存在感のある家電です。毎日生活をおくる自室やリビングなどでは特に空間の圧迫感が気になってしまうことがあります。多機能なモデルになればなるほど、どうしてもボディは大型になってしまいます。
もしも必要な機能が絞られていて、それがスタンダードなエアコンでじゅうぶん実現できそうな場合には、製品ごとの大きさに関しても検討材料にくわえてみるとよいでしょう。
デザインで選ぶ
多くの製品カラーは、どんな部屋にも馴染みやすいホワイトを採用しています。しかし、なかには見栄えのよいレッドやブラック、高級感のあるゴールドを展開するシリーズもあり、部屋の家具・雰囲気に合わせたカラーを選ぶことができるモデルも存在します。
機能もよく、見た目も満足する製品には、つい愛着すら湧いてしまうものです。空調管理は、四季のある暮らしにおいて、なくてはならないシステムでもあります。長く愛用するために、形状やデザインにこだわってみるのも大事でしょう。
電気代で選ぶ
高性能なエアコンほど、電気代が高くなってしまうのは仕方のないことです。カタログには年間電気代の目安が細かく記載されている製品もありますが、使い方によって開きがあるため、参考程度に留めておくのがよいでしょう。
AIや赤外線による自動運転機能や人感センサーを活用すれば、必要に応じた風量やモード切り替えをおこなってくれるため、空間の快適さにくわえて、電気代の節約を考える際にも嬉しい機能といえます。
工事費込みエアコンを選ぶ
エアコンを購入する際には、室内機・室外機の設置工事が必要です。『本体を選んで満足していたら、工事当日になって追加費用を要求された』なんてことにならないよう、見積もりの段階で店舗などに必ず確認するようにしましょう。
追加費用を取られる工事には、室外機を2階以上に設置したり、配管の延長、化粧カバーの装着などが挙げられます。『工事費込みエアコン』をうたっている製品でも、必ず追加工事についての確認をするのが大事です。
型落ちエアコンを選ぶ
最新機種が発表されると、型落ちのエアコンは安くなります。去年一昨年に発売されたモデルだからといって、必要な機能が備わっていれば安いに越したことはありません。多機能の上位モデルは値引き幅が小さい傾向にあるため、狙い目はスタンダードモデルです。
滞在時間の短い部屋や、限られた機能で充分であるという場合には、ぜひともチェックしてみましょう。ただし、価格の安さだけに惹かれて、室外機が別売の製品を購入してしまわないよう注意が必要です。
20畳用エアコンのおすすめメーカー
ダイキン
もともとが空調メーカーとして名高い『ダイキン』は、部屋中の空気をまんべんなく快適に保つことに長けています。室温だけでなく湿度のコントロールも抜群なため、空気を乾燥させることなくエアコンを使うことができます。
三菱電機
『三菱電機』のエアコンは独自の赤外線センサーにより、部屋にいる1人ひとりの体感温度に合わせた運転が可能です。プロペラ型のファンを取り入れて、風量の調節を部屋の形に合わせておこなうモデルもあり、家族全員の納得がいく空間づくりに貢献します。
日立
各部にステンレスパーツを採用し、内部が汚れにくいつくりとなっている『日立』。油汚れにも対応しているため、キッチンに近い場所への設置も安心です。特に『凍結洗浄』という熱交換器の洗浄機能が特徴的で、自分では掃除しづらい箇所を自動で掃除してくれます。
Panasonic (パナソニック)
『Panasonic』は細かい汚れや花粉、ウィルスまでも対策できる『ナノイーX』と呼ばれる微粒子イオンが特徴です。とにかく空気を清潔に保ちます。エアコンの手入れに関しても、フィルターのホコリを自動で掃除して屋外へ排出する機能があります。
東芝
『東芝』は空気清浄機能にこだわったエアコンを取り揃えています。『プラズマ空清』という帯電を利用した機能では、生活臭・花粉・PM2.5など、幅広い空気中の汚れを除去します。空気の状態をセンサーの色で感知する機能も搭載。
SHARP (シャープ)
『プラズマクラスター』による空気清浄機能が特徴の『SHARP』。生活臭の解決だけでなく、エアコンに発生するカビの抑制にも効果があります。したがって吹き出される空気もキレイなため、お子様のいるご家庭には自信を持ってオススメできるメーカーです。