近年スマートフォンが普及したことで、ますます人気が高まっている『ヘッドホン』。現在ヘッドホンと言えば、ファッションアイテムの一部としても愛用されつつあり、音質や装着感などにこだわり抜いたヘッドホンがここ数年でいっきに増加しました。
さまざまなタイプのヘッドホンが発売されていますが、今回はそのなかでも『オーバーヘッドヘッドホン』に注目。今回の特集では、オーバーヘッドヘッドホンの特徴から選ぶうえでのポイント、価格からクチコミまで充実の内容で選定しました。
オーバーヘッドヘッドホンヘッドホンを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもオーバーヘッドヘッドホンとは?
『オーバーヘッドタイプ』は、ヘッドホンのなかで最も愛用されている形状とも言えます。ヘッドホンを頭にのせるという一般的に知られている形状で、パーツは2部から構成。
サイズ感も大きく高音質であることがこのヘッドホンの最大の魅力で、ヘッドホンのおよそ80%以上がこのタイプだと言われています。
おすすめのオーバーヘッドヘッドホンの選び方
ハウジングの形状で選ぶ
『ハウジング』は、ヘッドホンの外観を自分好みにカスタマイズできる重要なポイントとなります。『オープンエアー型』『密閉型』の2つの構造からなり、素材もプラスチック以外にさまざまな素材が使用されることにより音が変化し、音質的に重要な役割をもっています。
密閉型 (クローズド型)
『密閉型』は、スタンダードな形状で一般的に知られています。外部の音を遮断することで、低音を逃さず繊細な音も聴き取りやすい構造。周囲への音漏れの心配もないので迫力ある重低音サウンドも楽しめ、また公共機関でも使い心地よく音楽に没頭できるのが最大の魅力です。
低音が効いた曲を楽しみたい方や、小さな音も聴き逃したくない方にはおすすめです。ただし、長時間装着すると蒸れてしまうという点には注意が必要でしょう。
開放型 (オープンエアー型)
開放型ヘッドホンとは、イヤーカップ部分の背面にメッシュ素材のような穴が多数開いているタイプ。音の広がりを感じられるため自然なサウンドで圧迫感も少なく、聴き疲れしにくい点がメリットになります。
ただし開放型ヘッドホンは、密閉型ヘッドホンと比較すると音漏れが気になるので屋外での使用には注意が必要でしょう。そのため屋外での使用は控え、個人での使用がおすすめです。通気性にも優れている軽量モデルが多いので、映画やライブ映像などの長時間の視聴にもおすすめです。
クラシックやアコースティック楽器を中心とした音楽鑑賞を楽しみたい方や、音質重視でヘッドホンを選びたい方は開放型ヘッドホンをおすすめします。自宅でサウンドを楽しみたい方には最適です。
装着タイプで選ぶ
オーバーイヤー型
イヤーパッドが耳を覆う形状からなり、本体が大きい分高音質が楽しめることから長時間の音楽鑑賞にも向いている『オーバーイヤー型』。ミュージシャンや音楽に関わるプロの現場でもこのヘッドホンは必須であり、音質にこだわる方には最適のアイテムです。
全体的にも重みがあるためポータブル使用に不向きですが、高音質で優れたモデルが多数発売されています。
オンイヤー型
『オンイヤー型』は、イヤーパッドを耳に乗せるだけの軽快な装着感が特徴的でコンパクトなモデルを多数発売しているのがメリットです。オーバーイヤー型と比べると、低音の再生能力やスケール感には劣る部分がデメリット。
しかし軽量かつ折りたためるタイプが多くポータブル使用にも向いているため、軽快な装着感を求めている方にはおすすめです。また価格もリーズナブルなためヘッドホン初心者にもおすすめです。
接続方式で選ぶ
有線接続
有線接続は一般的に広く普及していて、最大のメリットはノイズが少ないので音質の劣化を感じることなく最大限に楽しめます。品質、種類、価格のバリエーションも豊富なので高価格から低価格な製品まで発売されており、なかには100円ショップやコンビになどでも購入可能。
またケーブルを接続することですぐに再生機器に接続できる点もメリットであり、音質は必須という方は有線のヘッドホンがおすすめです。しかしケーブルの劣化や取り回しが邪魔だったり、断線などの心配点は唯一のデメリット。
ワイヤレス接続 (Bluetooth接続)
ワイヤレスイヤホンが主流になってきている現在、従来使用してきたイヤホンコードがなくなって邪魔な配線がなく、イヤホンのみで音楽を聴くことが可能。またコードが絡まるなどといった心配もなく充電中でも音楽を聴けるようになります。
一方でBluetoothは、ほかが発する電波からの干渉を受けるため音が遅れることもあり、画面と連動させて行うゲームなどには不向きかもしれません。このことからも、ワイヤレス方式は自由に動きながら音楽を楽しみたい方には最適です。
機能で選ぶ
ノイズキャンセリング
『ノイズキャンセリング機能』とは、周囲から聞こえてくる騒音を軽減しクリアな音を楽しめる機能のことです。静かな環境を作り出すので、電車移動や騒音の激しい場所、集中したいときなどにその効果を発揮します。
ノイズの音を軽減させるモデルもあり、電車やバスなどの公共機関などでも不要な音を極力抑えながらアナウンスなど大事な音を聞き取ることが可能。音楽を聴くために使用するのはもちろんのこと、耳に装着するだけでも騒音が軽減されるので耳栓代わりに使えるのもポイントです。
ハイレゾ音源対応
『ハイレゾ音源』とは、従来と比較してCDを超える情報量を持った『高音質なオーディオ』のことです。
レコーディング現場にいるような空気感やライブなどでの臨場感が楽しめ、CDや音源データなどでは伝えきれない音域を収録し、まるでレコーディングスタジオで聴いているかのように表現できる高い音が特徴的です。
現在販売しているオーディオ機器の中には、ハイレゾ対応している製品かひと目でわかるものが多いので購入する際にはその点をチェックしましょう。
好みの音楽ジャンルで選ぶ
販売しているヘッドホンは種類ごとに音域が異なり、音楽をさらに楽しめるようにそれぞれ工夫されていることから、聴く音楽のジャンルや好みによってヘッドホンを選ぶのがおすすめです。そのため購入するヘッドホンが好みのジャンルに合った音域かを把握しておく必要があります。
J-POPといった邦楽を聴かれる方には中高域が強いタイプがおすすめです。逆に、ロックやジャズを聴かれる方には低音域に強いタイプが合っています。また、クラシックのように幅広く音域が使われている曲の場合には、フラットな音域が必要になってきます。
いずれにせよ製品情報だけでは決めかねると思いますので、口コミやレビューなど実際の感想を参考に選ぶようにしましょう。
スペックで選ぶ
ヘッドホンを選ぶ際に確認必須なのがヘッドホンの『スペック』です。
製品パッケージやカタログ、製品ページなどには必ず書かれていて見た目だけではわからない機能や特徴を教えてくれるのがスペックです。たくさんの項目があって見方もそれぞれ異なるスペックについて、簡単に説明していきましょう。
再生周波数帯域 (GHz)
『再生周波数帯域』とは、再生できる周波数の下限から上限までを単位『Hz』として表記したものになります。
数値幅が大きければ大きいほど広い音域を再生できることになりますが、製品ページやカタログなどに表示するスペックについてはルールが定めておらず、実際に聴こえ可聴域を記載しているメーカーもあれば、機器を使用し計測した数値を記載しているメーカーもあります。
ちなみに、ハイレゾロゴマークがついているヘッドホンは、高域再生性能が40000Hz以上のタイプになります。
出力音圧レベル/感度/能率 (dB/mW)
ヘッドホンから音がどのくらいのレベルによって再生音を感じられるかを表す数値であり、単位は『dB/mW(デシベル)』になります。
この数値が大きくなるほど大きな音量を一定のボリュームで獲得することが可能です。
最大入力 (mW)
ヘッドホンに入力可能な最大電力を表す数値が『最大入力』で、『mW』の単位で表記されます。
また、数値が大きいから良いということではなく、プレーヤー側の最大出力以上もしくは同等の数値であれば問題ありません。
インピーダンス (Ω)
『インピーダンス』は、『Ω (オーム)』という単位で表記され、これはヘッドホンがもともと持っている電気抵抗の大きさを表した数値になります。
大きければ音が小さく、一方小さいと音が大きくなる特徴があるので、低い電圧で駆動するポータブルプレーヤーには、低めのインピーダンスを使うことで電力効率が良くなります
オーバーヘッドヘッドホンの人気おすすめメーカー
SONY (ソニー)
『SONY』は世界的有名なメーカーで知られ、ヘッドホンではプロ一般問わず国内トップクラスのレベルを誇ります。特に音響機材に力を入れていることから、音楽スタジオでも使用されてきました。
プロ用として発売した『MDR-CD900ST』モデルは、現在もなお長い年月業務用ヘッドホンとして圧倒的な影響力を誇っています。一般用ヘッドホンも広帯域に対応可能で、騒音を打ち消す機能も搭載している製品もあり優れたスペックを備えているのが最大の魅力です。
audio-technica (オーディオテクニカ)
『audio-technica』は50年以上もの歴史がある日本を代表するヘッドホンメーカーで、価格帯も幅広く豊富な種類を取り扱ているのが特徴です。
SONYに劣らない製品を数多く取り揃え、国内では珍しく開放型ヘッドホンに力を入れ幅広く展開しています。
高音をやや強めた爽やかなサウンド感が特徴的で、使い勝手が良く鳴らしやすい設計がおすすめ。
Beats (ビーツ)
『Beats』のヘッドホンは2006年に登場して以降、音楽ファンやミュージシャンを中心に愛され続けてきました。
ファッショナブルなデザインが人気でカラーバリエーションも豊富なのが特徴であり、音質も良好なので重低音重視の方は特に要チェックです。
2014年からAppleに買収されて以来、iPhoneやiPadなどの同メーカー製品との親和性も強化されています。
アスリートからモデルまで幅広いセレブたちに愛用されているブランドです。
BOSE (ボーズ)
『BOSE』はアメリカ発のオーディオ機器メーカーで、創業から50年以上も経った今でも熱狂的ファンを獲得し続けています。
世界で初となるノイズキャンセリング機能を開発したメーカーであり、ヘッドホンのみならずイヤホンやスピーカーを中心にさまざまな音響機器をリリースしている点もポイントなブランドです。
重低音以外にも、声の帯域と言われる中音域をクリアに聴かせてくれるモデルを発売しています。華やかであり聴き応え抜群の心地よいサウンドを探している方に必見です。
SENNHEISER (ゼンハイザー)
『SENNHEISER』は、1945年に創立されたドイツの老舗音響機器メーカーであり業務用を中心とし世界的に絶大な支持を得ています。
1968年には世界初となる開放型ヘッドホンを開発し、販売総数1,000万台を超える大ヒットを記録し、以降SENNHEISERは国内外からのファンを獲得し続けてきました。精密かつ滑らかなサウンドを鳴らす空間表現力の高さもポイントです。