自宅の庭も草を整えておかないと、印象が悪くなってしまいませんか。そんな庭をしっかり手入れしたい方に欠かせないアイテムが『草刈機』です。
使い方が簡単で手入れしやすい草刈機を購入したいと思う方が多いと思いますが、草刈機には手動式や電動式、コンセント式など種類が実にさまざま。そのためどのような目的で芝刈機を使用するのか、事前に考えておくことは非常に重要です。
今回はそんな草刈機を選ぶときに知っておきたい種類や、注意したいポイントなどを丁寧に解説していきます。草刈機の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも草刈機とは
『草刈機』とはのびきった草を刈るためにつくられた機械のことです。
生い茂った山林の整備や林業・産業で活躍します。公共の場所だけでなく庭を整えるため家庭用に使用できます。雑草を刈りとるだけではなく、6cm以下の雑木・立木も刈ることも可能です。
草刈機を使用する主な人は、従来は林業や園芸、造園業を営んでいる人が多かったのですが、近年では使い勝手のよい高品質モデルが増えてきたため、一般の人も購入しやすくなり人気を博しています。
草刈機と似たような工具
草刈機と同じような役割を果たしてくれる工具があるのをご存知でしょうか。こちらでは、草を刈ることができるさまざまな工具をご紹介します。
ヘッジトリマー
『ヘッジトリマー』は生垣バリカン・植木バリカンと呼ばれることもある、植木や生垣を整えるためにつくられた工具です。一般的に@剪定 (せんてい)』と呼ばれる、庭木をバランスよく刈り込む作業に適しています。
公園や森林など公共の場だけでなく、家庭で使用することも可能ですが、草刈機とは違い、使用の際に体勢を低く保ち続けなければならないデメリットがあります。無理な体勢を続けなければならないので長時間の草刈には向いていません。
芝生バリカン
芝刈り用につくられた工具である『芝生バリカン』。2枚の重なり合った刃がハサミのようにクロスされていて、綺麗に芝を刈り取れます。
生い茂った芝生を簡単に同じ高さまで借り揃えられる優れもので、軽量かつコンパクトなので、狭い場所でも対応してくれます。軽量なので女性でも片手で持ちやすい商品もあるほどです。
芝生を刈るためにつくられた工具なので、背の高い雑草・雑木には向いていない点には注意が必要です。
芝刈り機
『芝刈り機』とは生い茂った芝生を刈るための工具のことです。車輪がついているので手で押しながら使用し、工具自体が大きめなので広い庭や公園で活躍してくれます。
こちらも芝を刈るためにつくられた工具なので、背の高い雑草・雑木には使用できません。
おすすめの草刈機の種類
実は草刈機にはさまざまな種類があり動力や刃、ハンドルの違いによって分けられているのです。
ここでは草刈り機にはどのような種類があるのか違いによってご紹介します。草刈機を使用する目的や場所によってもぴったりの草刈機は変わってくるので、違いをよく理解して選んでみてください。
動力による違い
草刈機を稼働する時に必要なエネルギーは草刈機によって違います。それぞれメリット・デメリットがあるのでチェックしていきましょう。
コンセント式
電気をエネルギーとして稼働している草刈機は『コンセント式』です。草刈機本体についているコードをコンセントにつなぐことで、電気を送り込み稼働します。
草刈機自体のパワーは劣ってしまいますが、あまり音がでない静音がポイントです。民家の場合は周囲に他の住宅があることも多いので、音が気になる方は静音が魅力のコンセント式をおすすめします。
電源コードによって制約を受ける場面があることが難点で、コードが届く範囲でしか使用できませんし、稼働時に誤ってコードを切ってしまうトラブルもあるようです。
充電式
事前に充電してから使用する『充電式』。使用する時はコンセントにつなげる必要がないので楽です。コンセント式同様パワーは小さめですが、音が静かでかつ給電用の有線に制限されないので、使い勝手を求める方にはおすすめの種類でしょう。
デメリットはバッテリーに作業時間が規制されることです。長くても1時間程度しか稼働しない草刈機が多く、長時間の使用を求める人には向いていません。また年月が経ちバッテリーが劣化すると使用することが難しくなります。
エンジン式
ガソリンをエネルギーとして稼働する『エンジン式』。使用する前にガソリンがしっかり入っているか確認する必要があります。電気と比べて動作音が大きいのですが、その分パワフルであっという間に庭を刈りきってしまうことでしょう。
デメリットはパワフルなので騒音・排気ガスが避けられないことです。また重量感のある草刈機が多いので重たいというデメリットもあります。
ハンドルによる違い
草刈機を持つ時のハンドルには3種類があります。スタンダードなものから斜面に使いやすいものまでさまざま。
Uハンドルタイプ
一般的に『Uハンドルタイプ』の草刈機が最も多く使用されています。Uハンドルタイプは両手でハンドルを持って使用できるので広範囲・平地の作業に向いています。
両手でしっかりと握れるので安定性が高いのも魅力の1つです。安定して使いやすいので広範囲・平地の作業に適しています。
ループハンドルタイプ
『ループハンドルタイプ』は片手でハンドルを、片手でシャフトのグリップを握って使用します。Uハンドルタイプと比較すると動きを素早くすることが可能です。
また障害物のある場所や、傾斜のある地面での使用が向いています。安定性に欠けるので使用方法を誤るとケガをしてしまう恐れがあるので要注意。
2グリップタイプ
シャフト上にある2箇所のグリップを握って使用するのが、『2グリップタイプ』。ハンドルがなくシャフト上のグリップを握るのみです。シャフトを直接操作するので細やかな動きが可能なハンドルで、障害物のある場所・傾斜のある地面での使用が向いています。
背負いタイプ
『背負いタイプ』はリュックのようにエンジンを背中に背負って、つながっているハンドルはループハンドルタイプのものです。エンジンはかなりの重量ですが、背負いタイプの場合は手に持つ必要がありません。
そのため手で重さを支える必要がなく、操作しやすいのがメリット。長時間草刈機を使用する場合に軽量であることは重要視すべき点といえるでしょう。
おすすめの草刈機メーカー
草刈機を販売しているブランドはたくさんあります。中でもおすすめしたいブランドをいくつか厳選してご紹介していきます。
マキタ
バッテリー式の草刈機を中心に販売しているの『マキタ』。マキタの特徴は自社開発に成功した『バッテリー』。低速だとおよそ2時間保つものや、高速でも30分程度保つものもあります。
バッテリー式は持続力がなく使いづらいというイメージを払拭したブランドで、バッテリーの出力や持続力に不安を感じている方には、ぜひおすすめしたいモデルです。
ホンダ
自動車メーカーの『ホンダ』からも草刈機は販売されているのは、みなさんご存知でしょうか。質の高い自動車をつくるノウハウが生かされた草刈機なので、性能は抜群。
ホンダの草刈機には使用時に起こったトラブルに対応できる保険まで付いており、これは自動車を製造しているホンダならではの発想でしょう。また広い平地で疲れないように4ストローク手押し式も作られているのも魅力です。
ゼノア
草刈機の動力になるエンジンが自慢のメーカー『ゼノア』。他社と比較すると圧倒的なパワーが特徴です。パワフルなので音が大きい面はありますが、住宅以外で使用するのであれば問題ありません。
大きなパワーなので先端にアタッチメントを装着すると、チェーンソーに変えることもできます。
リョービ
家庭用向けに作られている草刈機が『リョービ』です。丸みを帯びたフォルムや黄色を取り入れたデザインは芝刈機初心者にも受け入れられやすいです。
また軽量で燃費がよく、耐久性に優れているのも嬉しいポイント。長時間、草刈をする予定のある人にはおすすめしたい商品です。
共立
古くから農業機械を製造している『共立』はパワフルな草刈機を販売しています。農林業に特化しているので太めの草も簡単に刈り取ることが可能です。
山間部は傾斜がきつく草刈がしにくい場所も多いのですが、共立の草刈機はハードな場面にも柔軟に対応してくれます。
また共立は女性やお年寄りでも使用しやすいよう、簡単に稼働できるエンジンを搭載しています。力があまりない人たちにとっては大きなメリットです。
初心者向けの草刈機のおすすめな選び方
草刈機に慣れていない初心者が草刈機を選ぶときのポイントをいくつかご紹介します。造園や農家に縁がない初心者の方でも使いやすい草刈り機はたくさんあります。危険性が小さく操作しやすい草刈機を購入してみてください。
給電方式で選ぶ
エンジン式以外の電動草刈機は、電力をエネルギーとしているので稼働の際は電力が必要です。電動式の草刈機には『コンセント式』と『バッテリー式』の2種類があります。
『コンセント式』は草刈機本体と接続できる長さに限られている一方で、『バッテリー式』の場合、コードは不要ですが、充電残量によるパワーダウンが避けられません。
家周りは『コンセント式』、持ち出すのであれば『バッテリー式』がおすすめです。
刃の種類で選ぶ
草刈機についている刃には、『金属製』・『樹脂製』・『ナイロンコード』の3種類の刃が存在します。
チップソー式
草刈機の中で最も多い刃が『チップソー式』です。ほぼすべての用途に対応できるといわれており、特に刃にこだわりがない場合は、チップソー式を選べば問題ありません。
刃の大きさには9インチ・10インチがあり、草を刈る場合は10インチ、枯れ木を刈る場合は9インチがおすすめです。
ナイロンコード式
柔らかな草を刈り取るのにおすすめなのが『ナイロンコード』。ナイロン製のコードを回転させて稼働するので、やわらかい草や細かい草を定期的に刈り取るときに使いたい刃です。ナイロンコード式を使う時は金属刃と違って小石や草が飛散するので要注意。
使用中に大きなものが飛んでくると危ないので防護ゴーグル・飛散防止カバーなどでしっかり防護しましょう。
金属刃式
コストパフォーマンスが高いのが『金属刃』の特徴で、造園や農園などの業者が使用するのが一般的です。4枚刃の場合は上下裏返しで使用できたり、研ぐことで再利用できたりするのでおすすめ。刃の数が少いほど広範囲の草を刈り取るのに適しています。
しかし障害物のない広い土地での使用は刃数が、3枚以下を使用するのは控えたほうがよいでしょう。住んでいる自治体によっては2枚刃の使用が禁止されていることもあるので、事前に確認しておくことも忘れずに。
樹脂刃式
金属刃より安心して使用できるのが『樹脂刃』です。またナイロンコードよりも切れ味がよくて、使いやすい面もあります。使いすぎて消耗してしまった刃のみ交換できるのも嬉しいポイントです。
使用方法を誤ると大変危険な一面も持ち合わせています。
棹のタイプで選ぶ
草刈機には3種類の棹があり、それぞれ持ち運びやすさや重量が変わっています。使い勝手が変わってくるので、自分に合ったものを選びたいものです。
標準棹
最も多いのが『標準棹』と呼ばれる棹です。エンジン式の草刈機の大半が標準棹を使用しています。
充電式・電動式の草刈機にも近年は標準棹が使用される傾向にあります。シャフト部分を分割することはできません。
分割棹
標準棹と違って『分割棹』はシャフト部分を2分割できる棹です。持ち運びに便利なので軽自動車やトラックに難なく積み込めます。分割棹は主にマキタが採用している棹です。
伸縮棹
シャフトを伸び縮みできるタイプが『伸縮棹』。分割棹のようにシャフトを分割することはできないので、持ち運びやすさはありません。伸縮棹は充電式・電動式の草刈機に多く採用されているのです。