年々高まっている日本人の健康志向。原材料の産地や農薬の有無など、さまざまな観点から食材を分析する人も増えてきました。今回はテレビCMなどでも見かけることが多くなった『MCTオイル』について紹介します。
MCTオイルは一般的な食用油とは使い方や期待できる効果が異なります。MCTオイルがどんな商品で、どのような効果に期待できるのかを詳しく解説していきますので、健康に気を遣っている方は参考にしてください。
MCTオイルとは
Medium Chain Triglycerideの頭文字をとって名付けられたMCTオイルとは、中鎖脂肪酸100%のものを指します。中鎖脂肪酸は、ココナッツなどに含まれている天然成分。一般的な食用油に比べると、4~5倍の速さで分解され体内に残りにくいのが特徴です。
家庭に出るイメージの機会が少ないMCTオイルですが、医療や介護の現場では40年以上も前から利用されてきました。認知機能改善にも効果があると言われており、近年注目されています。
MCTオイルのおすすめポイント
ダイエット効果が期待できる
MCTオイルに含まれている中鎖脂肪酸は、ケトン体と呼ばれる物質を生成するはたらきがあります。ケトン体とは脂肪を燃焼してエネルギーに変換する物質です。脂肪が燃焼しやすくなるので、ダイエットに効果的です。
毎日の食事に取り入れるほか、すぐにエネルギーに変わるという特徴を活かしてジョギングやウォーキングなどの運動前に摂取するのもおすすめ。現在ダイエットをしているという方は積極的に取り入れてみましょう。
便秘改善が期待できる
MCTオイルには水溶性のペクチンという食物繊維が含まれています。ペクチンは糖の吸収を遅らせ、水分の吸収を促進する成分です。ペクチンを摂ると体の中の便を柔らかくして体外へ排出しやすい状態にしてくれるので、便秘改善も期待できます。
ペクチンは野菜や果物でも摂取できますが、苦手な人はMCTオイルで不足分を補うと良いかもしれません。長年便秘で悩まされているなら、MCTオイルの導入を検討してみましょう。
MCTオイルのおすすめの選び方
MCTオイルの成分で選ぶ
100%ココナッツ由来
MCTオイルのほとんどは、『ココナッツ』と『アブラヤシ』を主原料としています。それぞれ単体のものと混合されたものが販売されていますが、おすすめは100%ココナッツ由来のMCTオイル。ココナッツ100%のほうが熱に強く酸化しにくい性質を持っているので、加熱調理をしてもMCTオイルの栄養を損ないにくいです。
MCTオイルを調理にも使用したい方は100%ココナッツ由来のものを選びましょう。
中鎖脂肪酸100%
MCTオイルを選ぶときには『中鎖脂肪酸』が含まれている割合もチェックしましょう。本来MCTオイルは中鎖脂肪酸100%のものを指すのですが、コスト削減のために別のオイルを混ぜて販売している商品も少なからずあります。
別のオイルが混ざっているとMCTオイルのメリットを感じにくくなるので、購入する際は『中鎖脂肪酸100%』と記載されているものを選ぶようにしましょう。特に健康やダイエット目的でMCTオイルを導入しようとしている方は要チェックです。
摂取する形状から選ぶ
一般的な形状の液状タイプ
油やオイルと聞くと一番馴染み深いのが『液状タイプ』。一般的な食用油と同様に瓶やプラスチックタイプのものが販売されています。MCTオイルの品質劣化が気になるなら、熱や光を通しにくい濃い色の瓶タイプがおすすめです。
液状タイプは食用油よりも低い温度で煙が出るので、炒め物や揚げ物など高温調理には向きません。料理の仕上げやサラダなどにかけて摂ると良いです。
携帯しやすいサプリタイプ
最も手軽に摂取できるのが『サプリタイプ』のMCTオイル。固形なので携帯しやすく、飲み物さえあれば摂取できるのが魅力です。
ただMCTオイルのサプリタイプは、国内での取り扱いが少ないのが難点です。サプリタイプは海外で多く取り扱っています。個人輸入に抵抗がない方はサプリタイプを候補に入れてみましょう。
飲み物にも使いやすいパウダータイプ
MCTオイルには『パウダータイプ』のものもあります。液状タイプのようにオイル独特の質感などがないので、混ぜるものを選びません。またサプリタイプのように携帯性に優れており、外出する時にも手軽に携帯できるのが魅力です。
MCTオイルを飲み物と一緒に取り入れたい方はパウダータイプがおすすめです。
コストパフォーマンスで選ぶ
MCTオイルを導入するならコストパフォーマンスも重要な要素です。MCTオイルを摂取しても継続できないようではダイエット効果は出にくいです。しかし安すぎるものでは、中鎖脂肪酸の割合が低く、効果が得にくいので注意してください。
また大瓶タイプのものは単価は安く感じられますが、使い切れず廃棄ということも考えられます。価格や品質、内容量のバランスが取れたものを選ぶようにしましょう。
MCTオイルのおすすめメーカー
日清オイリオ
家庭用食用油国内首位のシェアを持つ『日清オイリオ』。一般的な食用油から体脂肪やコレステロール、血圧が気になる人向けの油、MCTオイル、調味料などさまざまな商品を販売しています。日清オイリオのMCTオイルは液状、パウダー、ゼリータイプのものがあるので、用途に合わせて選べるのが魅力です。
LOHAStyle
糖質制限に特化した商品を開発・販売する『LOHAStyle』。天然の甘味料や食物繊維、雑穀、MCTオイルなど日々の健康からダイエットに至るまでさまざまな商品を販売しています。LOHAStyleのMCTオイルはココナッツとアブラヤシから抽出した中鎖脂肪酸100%のオイルです。国際基準を満たした工場で精製しているので品質に期待が持てます。
Coco
ココナッツのみを原料としたMCTオイルを製造・販売する『Coco』。市場に流通するMCTオイルの多くは化学的に抽出され、添加物が含まれているものがほとんどです。その点、Cocoは化学的工程や添加物を一切使用していないのが特徴。添加物などが気になる方におすすめのメーカーです。
MCTオイルの副作用に注意
健康的なメリットが多いMCTオイルですが、摂取しすぎは厳禁です。大量に摂取すると腹痛や吐き気といった副作用が出る恐れがあります。
蓄積しにくい中鎖脂肪酸が含まれていますがカロリーが高く、大量摂取には不向きです。早く効果を実感したいからと言って過剰に摂りすぎると身体を壊しかねません。適切な量を摂るように心がけましょう。
MCTオイルにおすすめのレシピ
コーヒーやスムージーなどの飲料
MCTオイルを効率よく摂るにはドリンクに混ぜるのが良いです。ドリンクの中でおすすめなのはコーヒーやスムージー。MCTオイルを入れて混ぜるだけなので、気軽に摂取できます。
スムージーを作るのは手間がかかりますが、その日の気分や旬のものを取り入れることで味変えができ継続しやすくなるというメリットも。ただフルーツを入れすぎると、糖質の過剰摂取になるので気を付けましょう。
スープやサラダなどの主食
MCTオイルは物によって多少の差はありますが、甘みや濃厚さがあるのでサラダのドレッシングとして使用するのも良いでしょう。
野菜スープや味噌汁に入れるのもおすすめです。MCTオイルは基本的に無味無臭なので、味を壊すことなく摂取できるのが魅力です。ただしスープ系に混ぜるときは、火にかけない状態で混ぜるよう注意が必要です。