『ベースアンプ』はベースを演奏するうえで欠かせないアイテムです。しかし種類や性能の異なる製品が多く、楽器を始めたばかりの人はどれを選べばいいか迷ってしまうのではないでしょうか。
今回は楽器初心者のために『ベースアンプ』の選び方とおすすめ商品をご紹介します。選び方の基準が分かれば、自分の使用目的にあったベースアンプがすぐに見つかるでしょう。ぜひ本記事を参考にファーストアンプを選んでください。
おすすめのベースアンプの選び方
用途に合った出力を選ぶ
家庭練習用
ベースアンプはワット数が高いものほど大きな音を出すことが可能です。一般的にワット数とはスピーカーを動かすのに必要な電力を指し、10Wのベースアンプ使用時にはスピーカーに10Wの電力がかかります。
家庭練習用に使うなら出力ワット数が10W~30Wのものがおすすめです。10W以下でも自宅での練習には十分使えます。ワット数が高いものを使うと近所迷惑になってしまうので、高くても30W以下にしましょう。
小規模ライブ用
小規模ライブでは30W以上のベースアンプを選びましょう。30Wでも大きな音を出力できるので公園や小規模や屋外ライブで大活躍してくれます。100Wを越えるベースアンプなら、大規模ホールでのライブにも使用できるほどです。
ただしワット数が高くなるほど価格が高くなってしまいます。大規模ライブを開催するときは別途ベースアンプを購入するようにして、小規模ライブでは小規模ライブにあったワット数がおすすめです。
大規模ライブ用
大規模ライブでは500W以上のベースアンプを選びましょう。大きな音を届けることができるので、思いっきり演奏を楽しめます。
500W以上のベースアンプはプロのミュージシャンが主に使用するため、趣味で演奏している人にはなじみがないかもしれません。しかし大規模ライブで使用するベースアンプのワット数を知っておくと、小規模ライブや中規模ライブで使う製品を選ぶときの基準が分かります。
形状から選ぶ
セパレートタイプ
『セパレートタイプ』はスピーカー部分の『キャビネット』と『ヘッドアンプ』が分かれたタイプのベースアンプです。スタックタイプとも呼ばれており、ヘッドアンプで音を作ってスピーカーから音を出します。
製品の組み合わせ次第でさまざまな音を再現でき、お互いが独立しているので故障しても修理しやすいです。ライブハウスに設置されているベースアンプも、ほとんどがセパレートタイプでしょう。
ただし次の項目で紹介するコンボタイプより大きくて場所を取り、価格が高いというデメリットがあります。
コンボタイプ
『コンボタイプ』はとスピーカー部分の『キャビネット』と『ヘッドアンプ』が一体化されたベースアンプです。セパレートタイプと比べると再現できる音は限られていますが、価格が安く、単体で音を出せます。持ち運びしやすく、大きさは小さいものから大きいものまでさまざまです。
また接続の仕方が簡単で、初心者でも扱いやすいというメリットがあります。家庭練習用の小型アンプはコンボタイプが主流です。
ヘッドホンに接続できるものを選ぶ
ベースアンプを選ぶときはヘッドホン端子が接続できるかどうか確認してください。ヘッドホンをつなげられる機種なら音が外に漏れず、家庭練習をするときに便利です。
ベースの重低音は防音室でも響くので、ヘッドホンに接続できないベースアンプだと騒音問題につながるかもしれません。家庭練習をするときは防音対策が難しく、ヘッドホンにつないで音漏れを防げるベースアンプのほうが使いやすいでしょう。
種類から選ぶ
チューブアンプ
アンプは電気信号の増幅方法によって種類が分けられます。『チューブアンプ』は真空管で電気信号が増幅されるタイプで、暖かみのある音色が特徴です。粘り気のある音やコシのある太い音など、独特なサウンドを出すことができます。
ただし真空管には寿命があり、消耗するたび交換しなくてはいけません。メンテナンスに手間がかかるというデメリットがあることを覚えておきましょう。
ソリッドステートアンプ
『ソリッドステートアンプ』は『トランジスタアンプ』とも呼ばれており、トランジスタで電気信号を増幅するタイプです。硬質でクリアなサウンドが魅力的で、各種エフェクターとの相性が良いというメリットがあります。個体差に関係なく同じ音が出しやすいのも特徴です。
真空管を使用していないため、長期間使っても交換せずに扱えます。メンテナンスが楽で初心者でも使用しやすいです。
ベースアンプの人気おすすめメーカー
VOX (ヴォックス)
『VOX』はベースアンプやギターアンプ、エフェクターを製造するイギリスのメーカーです。60年代の英国ロックの歴史を支えた伝統あるブランドで、かつてはビートルズも使用していました。『AC15』や『AC30』などの機種が人気です。
Roland (ローランド)
『Roland』は日本の老舗楽器メーカーでギターアンプやシンセサイザー、電子ドラムなどの電子機器を販売しています。優れた技術を誇り、ベースアンプは多彩なエフェクト機能を搭載した高機能商品が多いです。現在は日本だけではなく世界中に愛好家がいます。
AMPEG (アンペグ)
『AMPEG』はエレクトリックベース用のアンプが人気のアメリカメーカーです。ベーシストにとっては定番中の定番で、あらゆるライブハウスやスタジオに設置されています。数多くの特許を取得し、アンプ製造に関しては専門性が高いです。
Fender (フェンダー)
『Fender』は1946年にアメリカで誕生したメーカーです。エレクトリックギターの代名詞として知られており、世界的定番モデルを次々と世に出しました。フェンダーのベースやギターは世界中のトップギタリストたちに愛され、ベースアンプは小型で軽量のモデルが人気です。
Hartke (ハートキー)
『Hartke』はベースアンプの定番ブランドとして名高いアメリカのメーカー。ライブハウスやスタジオで頻繁に使用されています。とくにアルミコーンのウーハーユニットを搭載したキャビネットが有名で、見た目がかっこいいです。
EDEN (エデン)
『EDEN』は1976年にミネソタで誕生したメーカーです。ハイエンド・ベースアンプメーカーとして有名で、透明感のあるタイトなサウンドが魅力的。多くのミュージシャンからの支持を集め、現在はラインナップが豊富です。
ギターアンプはベースでも使える?
すでにギターアンプを持っている人は、ベース演奏時にもギターアンプが使えるのではないかと考えているかもしれません。
エレキギターとエレキベースは構造が同じなので、ベースをギターアンプにつないでも音が出ます。しかしベースらしい音は出にくく、最悪の場合故障してしまう恐れがあるためおすすめできません。
ベースはギターよりも音が大きく、ギターアンプにつないでしまうとアンプに負担がかかります。アンプにダメージが蓄積されると寿命が縮んだり、故障したりする可能性が高いです。
とくにスピーカーの裏側が開いたオープンバックタイプのアンプだと、スピーカーがダメージを受けやすく、コーン紙でできたパーツが破れると使えなくなってしまいます。ベース演奏時は必ずベースアンプを使うようにしてください。