皆さんは『カホン』という楽器をご存じでしょうか。珍しい名前でピンと来ない方が多いと思いますが、図工室の椅子のようなものに座って叩きながら使う楽器と言えばすぐに分かる方もいるかと思います。
暑い国で陽気な音楽と共に使われているイメージもあるでしょう。今回は『カホン』についてや選び方を紹介します。最後にはおすすめのカホン10選も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
カホンとは
『カホン』はペルーで生まれた打楽器です。スペイン語では『箱』の意味もあり、縦長の箱のような形をしています。基本的なプレイスタイルは『カホンに跨って両手でリズムよく叩く』のが多いです。
叩く場所によって音が変わるのもカホンの特徴です。カホンは中央部分を叩くと低音になり、端を叩くとハイハットのようなシャープな音になります。またそれ以外の場所でも違った音を奏でます。フラメンコなどの重要な伴奏楽器です。
カホンのおすすめの選び方
サイズで選ぶ
一般的なカホンのサイズは『高さ46cm-50cm×横30cm×奥行き30cm』前後。なぜこのような縦長サイズかというと、上部や中部、下部でそれぞれ違った音を幅広く出せるからです。
これ以上のサイズは『ベースカホン』と呼ばれます。より低音が得意なカホンです。反対に標準サイズよりも小さなカホンは高音が強く、低音が弱くなりがち。
何人も奏者がいればどんなサイズのカホンも合わせて演奏できますが、1人でカホンを始めたい方は音がバランスよく出る一般的なサイズがおすすめです。
材質で選ぶ
ビーチ
『ビーチ』はブナの木から採れる材質で、ライトな色合いが特徴。耐久性が高く、高音から低音までバランスよく出せます。そのためどんなジャンルにも合う材質です。
熱に弱い性質を持っているので、暖房器具や直射日光は避けるのがベターです。カホンを始めたばかりで何を選んだらいいかよく分からない方はビーチ材を選んでおくといいでしょう。
エボニー
『エボニー』は硬度の高い材質です。耐久性が高いことから仏壇やヴァイオリンなどにも使われています。エボニーを使った楽器はしっかりとした音色を出せます。また音量も大きめです。
そのためライブハウスなどでしっかりと音を響かせたい方におすすめ。また色合いやデザインもスタイリッシュなのでおしゃれなカホンがほしい方にも最適でしょう。
バーチ
『バーチ』は日本語でいう白樺のことを指します。見た目もかなり白めなのが特徴。またバーチ材は耐久性が高く、色や形も劣化しづらい材質です。そのため長期間の使用も安心です。
音色は低音が強めなので、バスドラムのような音を奏でたい方におすすめ。
メイプル
『メイプル』は楓の木の材質です。柔らかく優しい音色が特徴で、アコースティックギターなどにもよく使われています。楽器に使われる木材の中では比較的軽めで、持ち運びにも便利。
メイプルのカホンは柔らかい音色が特徴なので、家など音が出せない環境で練習したい方におすすめです。
マホガニー
『マホガニー』は柔らかく深みのある音を出す材質。メイプル同様、アコースティックギターなどに使われています。赤みがかった茶色が特徴です。ただマホガニーは入手が難しいため代替材が使われている場合もあります。
マホガニーの音色は暖かみがあり、低音が強く出ます。音量も大きいので、ライブをする方にも最適です。
アッシュ
『アッシュ』はスタイリッシュな見た目が特徴的な材質です。木目が強く、北欧の家具のような雰囲気も持ち合わせています。硬度がかなり高く、叩くとスッキリとした音を奏でてくれるのもアッシュの特徴です。低音も高音も強く鳴るので気持ちの良い演奏をしたい方に特におすすめです。
響き線のタイプで選ぶ
ワイヤータイプ
カホンはただの箱形の楽器ではなく、音を伝える響き線が内部に仕込まれています。『ワイヤータイプ』はギターの弦のように、8本前後の線が張ってあるのが特徴です。
そのため指の動きに繊細に反応しながら音を奏でます。ワイヤータイプは初心者用からプロ用までさまざまで、安くても2万円前後、高いもので数十万ほどします。繊細な演奏をカホンで表現したい方におすすめです。
スナッピータイプ
『スナッピータイプ』は、コイル状の線がワイヤータイプよりも多く張られているのが特徴。音色はドラムのように叩いた後に少し音が残る感じが強く出ます。そのため実際にドラム代わりで使われることも多いようです。
ワイヤータイプに比べて音が強く出るので、バンドなどで使用したい方におすすめ。
カホンのおすすめのメーカー
Pearl
『Pearl 』は国内の楽器メーカーです。バーチ材やアッシュ材を始めとする、さまざまな材質を利用したものをラインナップしています。またデザインもおしゃれなものが多く、価格もお手頃です。
Schlagwerk
『Schlagwerk』はドイツの打楽器メーカー。カホンは響き線や打面にこだわって作られており、完成度が高いのが特徴です。ラインナップも30種類と豊富なため、好みのカホンが見つかりやすいメーカーでもあります。
DE GREGORIO
『DEGREGORIO』はスペインの本格的なカホンメーカーです。シンプルな作りながらも本場の音を再現できるのが特徴。スペイン本国で特許を取得したスナッピーを採用しています。本場のカホンがほしい方におすすめです。
カホンを選ぶ際は試打することをおすすめ
カホンを選ぶときは一通りの種類をお店で試し打ちすることをおすすめします。なぜなら自分に合ったサイズや叩くときのフィット感、音の好き嫌いなどはカホンによって違ってくるからです。
どんな楽器でも試演奏は大事ですが、カホンも試し打ちすることをおすすめします。日本では比較的珍しい楽器なので、分からないことは店員さんに聞くのもカホンを選ぶときのポイントです。