垣内 結以 メイクを落としながら毛穴汚れもするんと落とす『クレンジングバーム』。W洗顔不要タイプなら時短が叶い、保湿成分が配合されたものなら美肌ケアもできます。
オイル配合でしっとり感が持続するのもクレンジングバームの良さです。しかし最近はさまざまなメーカーから販売されているので、違いや選び方が分からない人も多いでしょう。今回はクレンジングバームの選び方とおすすめ商品をご紹介します。
クレンジングバームとは
『クレンジングバーム』とは、もともと固形状で肌に乗せるとオイルのように柔らかく溶けるメイク落としです。オイルとクリームの中間のようなテクスチャーで、リップバームやボディバームをイメージすると分かりやすいでしょう。
クレンジングバームはジャータイプが主流で、専用のスパチュラで取るので液だれしにくいです。伸びが良くて肌になじみやすく、摩擦が起こりにくいためマッサージしながらメイクオフできます。汚れをしっかり落としつつ美肌ケアしたい人におすすめです。
クレンジングバームとクレンジングオイルの類似点
クレンジングバームとクレンジングオイルは主成分が類似しています。一般的にクレンジングオイルにはミネラルオイル、エステルオイル、油脂系オイルなどの油分が使われています。
クレンジングバームの多くは独特のテクスチャーを出すためにワックスやポリエチレンなどが含まれており、主成分はエステルオイルです。エステルオイルはミネラルオイルより洗浄力は低いものの、クレンジングオイル同様にメイクオフ力が優れています。
クレンジングバームのおすすめの選び方
クレンジングバームのタイプで選ぶ
コットンなどで拭き取るタイプ
『コットン』などで拭き取るタイプのクレンジングバームは、肌になじませた後に専用のクロスやコットンで拭き取ります。
拭き取るときにゴシゴシこすってしまうと肌に負担がかかり、色素沈着や肌荒れにつながるかもしれません。できるだけ力を入れず、優しく拭うようにオフするのがコツです。はじめから肌あたりの良いクロスやコットンを用意しておくのもいいでしょう。
目の際など細かい部分は、コットンを半分に折って角で拭くようにすると簡単にオフできます。
ぬるま湯で洗い流すタイプ
洗い流すクレンジングバームは、通常のクレンジング剤のようにぬるま湯ですすぎます。体温より少しぬるめの温度が理想で、熱いお湯は乾燥の原因になるので避けましょう。手のひらでぬるま湯を顔にかけ、20～30回程度すすぐとバームがきれいに落ちます。肌のヌルつき感がなくなるのが洗いあがりのサインです。
クレンジングバームにはW洗顔不要なものもあります。洗った後はタオルで軽く水気を押さえてください。
肌質で選ぶ
黒ずみや毛穴が悩みの人
毛穴の黒ずみが気になる人は、洗浄力の高いものが最適です。毛穴の奥の汚れがきれいに落ちるタイプを使いましょう。とくにおすすめなのが微粒のスクラブ入りのクレンジングバーム。粒子が毛穴に入り込んで古い角質や汚れを取り除きます。その後美容成分を届けて肌に潤いを閉じ込めるため、黒ずみ防止に役立ちます。
いちご鼻に悩んでいる人は、メイク落としだけではなく朝の洗顔時に使ってもいいでしょう。小鼻周りだけでもクルクルマッサージすると、皮脂が落ちて化粧ノリが良くなります。
乾燥肌が悩みの人
肌の乾燥が気になる人は保湿効果の高いクレンジングバームを選んでください。クレンジングバームにはもともと油分が含まれているため、洗いあがりがしっとりするものが多いですが、保湿成分が贅沢に配合された商品もあります。潤い効果のある植物オイル成分や肌の保水力をアップさせるセラミド配合だと、肌の乾燥対策にぴったりです。
また乾燥肌は、肌に負担のかかる拭き取りタイプより洗い流せるタイプのほうが肌質に合います。
W洗顔が不要かどうかで選ぶ
W洗顔が不要なタイプ
W洗顔が不要なタイプは、ひとつでクレンジングから洗顔までできます。クレンジングバームでメイクと汚れを取った後は、通常通り化粧水や乳液をつけましょう。
W洗顔が不要なタイプは1回だけしか洗わなくてすむので、時間が省けるうえに洗いすぎによる乾燥を防げます。メイクオフを簡単に終わらせたい人、乾燥肌の人に最適です。
ただし洗った後にべたつきが気になるようなら、W洗顔が不要なタイプでも洗顔することをおすすめします。油分が残りすぎるとニキビができることがあるので、洗顔フォームですっきり落としてしまいましょう。
W洗顔が必要なタイプ
W洗顔が必要なタイプは、メイクなど油性の汚れを落とすのに特化したクレンジングバームです。皮脂は落としきれないので、クレンジングバームを使った後に洗顔をしてください。
W洗顔が必要なタイプは2回顔を洗わないといけないため、面倒に感じるかもしれません。しかし皮脂テカリが気になる人は、W洗顔が必要なタイプのほうがメイク汚れも皮脂もきれいに落とせてお肌を清潔に保てます。脂性肌の人や皮脂分泌量が気になる真夏におすすめです。
テクスチャーで選ぶ
クレンジングバームは商品によってテクスチャーが異なります。リップバームのようななめらかなもの、シャーベットのようにサラサラとしたものなどさまざまです。好みに合わせて選んだり、季節によって使い分けたりするといいでしょう。
ちなみにメイク落としをしながらフェイスマッサージをしたい場合は、伸びの良いテクスチャーが使いやすいです。毛穴の黒ずみが気になる人は、スクラブ配合のサラサラしたものがマッサージしやすいでしょう。
配合成分で選ぶ
肌が敏感な人は配合成分をチェックしておくと安心です。刺激となる可能性のある成分にはアルコール、合成香料、合成着色料、パラベンなどの防腐剤があります。鉱物油（ミネラルオイル）は乾燥を招く恐れがあるため、これらの成分が配合されていない商品を選びましょう。
無添加と書かれた商品は肌に優しいイメージがありますが、必ずしも肌荒れを起こさないわけではありません。特定の添加物をひとつでも無添加と表記できるため、購入前にパッケージで配合成分を確認してください。
マツエクの対応の有無で選ぶ
マツエクには『接着剤 (グルー)』が使われており、オイル配合のクレンジングを使うと粘着力が弱くなり取れやすくなります。そのためクレンジングバームはマツエクをしている人には不向きです。
ただしクレンジングバームのなかには、マツエク対応の商品もあります。一般的なシアノアクリレート系のグルーであればクレンジングバームを使ってもマツエクが取れないので、マツエクをしている人は対応可否を確認しましょう。
手が濡れていても使えるかどうかで選ぶ
クレンジングバームには乾いた手でなければ使えないタイプと、濡れた手でも使えるタイプがあります。家に帰ったらお風呂に入る前にすぐメイクを落としたい人は、乾いた手で使えるもので十分です。
一方お風呂でメイク落としをしたい人は、塗れた手でも使えるタイプがいいでしょう。濡れた手でも使えるタイプは、顔が濡れている状態でもメイク汚れを浮かして落としてくれます。乾いた手でも使えるようになっているので、どちらにするか迷ったときは濡れた手でも使えるタイプがおすすめです。
匂いで選ぶ
クレンジングバームにはオイルが配合されており、油のような匂いがするものがあります。洗いあがりや成分は問題がなくても、匂いが気になるのであれば長く使い続けるのは難しいです。
クレンジングバームにはローズや柑橘系、フローラルなど良い香りのするものがあります。匂いを重視する人は、好きな香りのものを選びましょう。心地良い匂いのするクレンジングバームならメイク落とし中もリラックスできます。
容器の形状選ぶ
ジャータイプ
クレンジングバームの定番容器は『ジャータイプ』。スパチュラですくって手に取るので、量の調整がしやすいです。ジャータイプは種類が多く、選択肢が多いというメリットもあります。
ただし中身をすくうのが面倒に感じたり、ふたを開けっぱなしにして放置しておくと乾燥したりするので使いづらいと感じる人もいます。一度手に取ったクレンジングバームをジャーに戻すのも、衛生面を考慮するとおすすめできません。
また洗顔中に水滴が容器に入ると劣化する恐れがあるため注意してください。
チューブタイプ
『チューブタイプ』は一般的な洗顔料のように使えます。容器を軽く押すだけで中身が出てくるので使いやすく、水が入ってしまう恐れもありません。ジャータイプが使いづらいと感じる人はチューブタイプを使いましょう。
ただし量の調整が難しく、一度にたくさん出てしまうこともあるかもしれません。ジャータイプと比べると、まだまだ数が少ないというデメリットもあります。
クレンジングバームのおすすめの使い方
ここでは乾いた手で使用するジャータイプのクレンジングバームを例に、おすすめの使い方をご紹介します。
1.顔と手が乾いた状態で、スパチュラにクレンジングバームを取ります。
2.クレンジングバームを手のひらに乗せ、反対の手で軽く伸ばしながら温めてオイル状にします。
3.バームを顔全体に伸ばします。
4.小さな円を描くようにマッサージし、目元や小鼻の際など細かいところも丁寧に洗います。
5.ぬるま湯を少量手に取り、なじませていきます。
6.バームが白くなったら乳化した合図です。しっかり洗い流してください。
クレンジングバームのおすすめメーカー
LuLuLun (ルルルン)
『LuLuLun』はフェイスマスクが有名なメーカー。プチプラで日常使いしやすい価格帯が魅力的です。LuLuLunのクレンジングアイテムにはバームとジェルがあります。
『汚れを落としても潤いは落とさない』をコンセプトとしており、美容液成分を贅沢に配合。メイクの濃さや肌状態で使い分けられるテクスチャーで、優しくするんとメイク汚れを落としてくれます。日本製で無着色や無鉱物油、アルコールフリーです。
DUO
『DUO』はクレンジングバームが有名なメーカーです。肌の上でとろりと溶けてなじむ『ザ クレンジングバーム』はクレンジング・洗顔・角質ケア・マッサージケア・トリートメントの機能を備えています。
ほかにも毛穴ケア成分配合の『ザ クレンジングバーム クリア』、くすみにアプローチする『ザ クレンジングバーム ホワイト』があり肌の悩みに合わせて選べます。大手口コミサイト『@cosme』での評判が良く、美容関係者も愛用するほどです。
ink.
『ink.』は肌への優しさや素肌力を高めることをコンセプトとしたスキンケアブランドです。クレンジングアイテムは、素肌リセット力や潤い持続力のある製品を取りそろえています。テクスチャーや配合成分にこだわりがあり、容器の形状はジャータイプ。7つの無添加処方で、肌に乗せた瞬間生チョコのようになめらかに溶けて肌になじみます。
無香料のほかに、ローズ、シトラス、ラベンダーの香りのするクレンジングバームがあり、香りにこだわる人におすすめです。
RMK (アールエムケー)
『RMK』はスキンケア・コスメアイテムを取りそろえる美容ブランドです。RMKのクレンジング用品はオイルやバーム、ミルク、ポイントメイクリムーバーなどさまざまな商品がラインナップしています。洗浄力や保湿力が高く、使いやすいのはもちろんのこと香りやテクスチャーにもこだわりがあります。
クレンジングバームはクレンジング力が高く、美容成分をたっぷり配合。潤いを残すモイスト処方で乾燥しがちな肌にぴったりです。
