デジタルカメラ・ビデオカメラ・タブレット・カーナビなどさまざまな機器で、写真や映像などのデータを記録するために必須の『SDカード』。
どれも同じように見えますが、メーカーや規格によっても容量や転送速度が異なります。使用する機器や使用目的によっても選ぶべきSDカードは変わってくるでしょう。
今回はそんなSDカードの選び方やサイズ、容量・用途の違いなどを徹底解説。おすすめSDカード10選もランキング形式でご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめのSDカードの選び方
SDカードの転送速度で選ぶ
SDカード選びでまず重視するべきポイントは『転送速度』です。転送速度が速ければ、デジタルカメラでの連写やパソコンへのデータコピーがより快適になります。
SDカードには最低転送速度を表す『スピードクラス』マークが表示されています。Class2・4・6・10の4つのランクがあり、数字が大きいほど転送速度も上がります。
使用する機器にもよりますが、フルHD動画を撮るとしたらClass10を選んでおけば間違いないでしょう。
SDカードの容量で選ぶ
SDカードを選ぶ際にもっとも注目するポイントは『容量』でしょう。容量が少なくてデータを記録しきれなければ役に立ちませんし、必要な用途をはるかに超えた大容量のSDカードが常に便利かというとそうとは限りません。
SDカードの容量には3種類の規格が存在し、それぞれの正式名称は『SDカード』『SDHCカード』『SDXCカード』です。
『SDカード』は最初に発売されたモデルで、この名称がいつのまにか総称として扱われるようになってしまったので、『SDHCカード』『SDXCカード』も総称としてのSDカードに含まれるのは少し違和感があるかもしれません。混同しないように注意しましょう。
SDカード
『SDカード』とは、最大のメモリー容量が2GBまでのものです。3種類の中ではもっとも容量が少なく転送速度も遅いものが多くなります。ただ古い機器にも対応しているので、3種類の中でもっとも互換性が高くなっています。
価格も安めなので、容量がいっぱいになるごとにデータが入ったカードは保存して、新しいSDカードを使うという人も少なくありません。写真や動画をそれほど撮らない人におすすめです。
SDHCカードの容量とおすすめの使い方
『SDHCカード』とは、メモリー容量が4GBから最大32GBまでのタイプのことです。SDカードに比べるとかなり大容量で、価格も大差はありません。適度にデジタル機器を使う人にとっては、一番重宝するのがSDHCカードかもしれません。
旅行やイベントなどで写真をたくさん撮る人や、とくに動画撮影をする人にとってはSDカードでは容量が不足しがちです。解像度を気にしてフルHD動画を撮影したいなら、SDHCカードがとても便利です。
SDXCカードの容量とおすすめの使い方
『SDXCカード』は、32GBからそれ以上のメモリー容量があるカードのことです。一眼レフで撮る高解像度の写真や動画の長時間には、容量不足がほとんど気にならないSDXCカードがピッタリでしょう。
しかしちょっとした日常使いの撮影には32GB以上の大容量はオーバースペックになりかねません。価格も若干高くなることもあり、ハイアマチュアやプロの人向きのカードだといえます。
サイズで選ぶ
SDカードには3種類の大きさがあり、サイズによって『SDカード』『miniSDカード』『microSDカード』と呼ばれます。
こちらも総称としての『SDカード』とモデルの一つである『SDカード』は区別しましょう。
SDカード
『SDカード』のサイズは、24×32×2.1mm。3種類の中では一番大きく、SDカードがこの世に誕生したときの元祖のサイズです。サイズが小さいものが開発されるまでは、当然ながら存在するのはこのサイズ1種類だけでした。
主な用途としては、デジタルカメラ・パソコン・デジタルビデオカメラ・プリンター・テレビ・デジタルフォトフレームなどが挙げられます。古いデジタル機器だとこのSDカードサイズだけに対応しているものが多いでしょう。
miniSDカードのサイズや用途
『miniSDカード』の大きさは20×21.5×1.4mmで、SDカードよりもやや小さいタイプ。専用のアダプターを使うことでSDカード対応の機器にも使用できます。
携帯電話が全盛期であった頃、miniSDカードを採用している機種がいくつかありました。しかしその後、microSDカードが登場するとminiSDカードを使用する機器は減少していくことに。現在新たに造られているデジタル機器で、miniSDカード採用のものは極めて少ないです。
microSDカードのサイズや用途
『microSDカード』の大きさは15×11×1mmで、3種類の中ではもっとも小さいタイプです。miniSDカード同様、専用アダプターを使ってSDカード対応の機器にも使用できます。miniSDカードの半分くらいの大きさで見た目はかなり異なりますが、名前が似ているので間違えやすいかもしれません。
microSDカードの主な用途は、スマートフォンや携帯電話、タブレット、家庭用ゲーム機、ドローンの特殊カメラなど多岐にわたります。現在販売されている最新機種の中には、microSDカードを採用しているデジタル機器がもっとも多いでしょう。
Wi-Fi機能付きかどうかで選ぶ
Wi-Fiに対応したSDカードなら、デジタルカメラで保存した写真を他のデバイスに転送する際、SDカードを差し替える必要がありません。
写真共有サイトやオンラインアルバムも便利に活用できるようにもなりますので、SDカードの使用頻度が多い人ほどWi-Fi機能付きSDカードは大活躍するでしょう。
SDカードのおすすめメーカー3社
SDカード開発元のサンディスク
SDカードに関しては、日本だけでなく世界中からも圧倒的信頼を集めている『サンディスク』。その開発元であるだけに、「SDカードといえばサンディスク」といっても過言ではないでしょう。
高品質でありながら価格はあくまで標準的なことも大人気の理由です。「迷った時にはサンディスク」というユーザーも後を絶ちません。日本が世界に誇るSDカードメーカーです。
コストパフォーマンスに優れたTranscend (トランセンド)
『Transcend』はコストパフォーマンスに優れた日本でも有名なメモリ製品のメーカーです。高性能でありながらリーズナブルな価格を実現し続けています。SDカードの売り上げでは常に上位に位置し、ユーザーからの人気と信頼を確かなものにしています。
製品には、防水・耐性電気・対温度・対衝撃などを備えるものもあり、「安いけれど安心」を実現。抜き挿しサイクルにおいては約1万回を保証しているほどです。
フラッシュメモリを開発した東芝
電気がなくてもデータを保存できるフラッシュメモリの開発に成功したのが『東芝』です。世界シェアとしては2位に君臨しており、半導体業界のパイオニアでもある日本の有名メーカーです。
スマートフォン向けのmicroSDカードを含むフラッシュメモリ事業は大成功を収め、企業全体の売り上げの大半を担っています。フラッシュメモリの完成は「半導体の歴史を変えた」とも言われています。
SDカードを扱うときの注意点
端子むき出しのまま持ち歩くのは故障の原因
カードが破損しデータが消えてしまう原因には、水・汚れ・静電気・衝撃・温度変化などがあります。端子むき出しでSDカードを持ち歩くことは非常に危険であるという認識は必ずもっておきましょう。
製品によっては耐久性に優れたものもありますが、破損しない保証があるわけではありません。持ち歩く際には、念には念を入れて専用ケースに入れることをおすすめします。
SDカードは長期保存に向かない
SDカードはデータの長期保存には不向きなので注意が必要です。小さくて保管には便利なSDカードですが、先述の通り破損や劣化のリスクが小さいわけではありません。持ち運ぶ頻度が高いと紛失の可能性も高まります。
SDカードでのデータ保存はあくまで短期的なものと考え、数十年残しておきたい大切なデータは必ずバックアップを取っておくことです。長期保存には専用のブルーレイディスクなどの劣化に強いタイプを選ぶのが賢明です。