『大人用おむつ』は幅広い介護度の方が快適に生活を送るために必要なアイテムです。
しかし大人用おむつ選びは、人それぞれで適したタイプが異なり難しいものです。今回は大人用おむつの選び方を項目ごとに詳しく解説し、最後にはおすすめの商品をランキング形式で紹介するので、参考にしてください。
大人用おむつのおすすめの選び方
ADL(日常生活動作)のレベルに合わせて選ぶ
『ADL』とは『Activities of Daily Living』の略語で、「日常生活動作」という医療・介護現場で使用される言葉です。これは移動・排泄・食事・ベッドの上での可動性の4つの項目を、それぞれ0~6点で評価して表されます。点数は高いほど介護度が高いことになります。
大人用のおむつは商品説明欄に、ADLの区分が記載されています。おむつだけでなく介護用品を選ぶ際は、ADLのレベルによってタイプが分かれるので把握しておくのが重要です。
タイプで選ぶ
テープタイプ
寝たきりの方やベッドからの移動が困難な方は、身体を起こさなくても交換ができるテープタイプがおすすめです。パンツタイプよりも吸水力が高いため、交換の頻度が減り排泄物が漏れる心配も少なくなります。テープ部分が肌にあたり、不快感を感じる方がまれにいます。その場合はパンツタイプを使用したほうが、介護される側の精神的負担が軽いです。
2~4回ほどの尿を吸収し、長時間の使用に対応できる仕様。昼間は自力でトイレに立てるが、足元がふらつくため夜間は不安な場合は、昼間はパンツタイプで夜間はテープタイプと使い分けをすると、介護する側も楽になるので検討してみてください。
パンツタイプ
自身で立ってトイレに行ける、介護度が低い方にはパンツタイプがおすすめです。ズボンを履いても目立たない薄手のものと、長時間の使用に対応した厚手のタイプがあります。テープタイプと比べると吸水力が低く、トイレと併用して使う方が多いです。
下着と変わらない使用感で着脱が楽で精神的負担が少なく使用できるので、介護度の低いうちはパンツタイプの使用をおすすめします。
素材で選ぶ
紙製
『紙製』のおむつは使い捨てができ、気楽に使えておすすめです。布製のおむつに比べると寝たきりの状態でも交換しやすく、洗濯などの手間がかかりません。
デメリットは伸縮性に欠け、姿勢が変わるとつけ心地が悪くなりやすいところです。感染症をもった方は使い捨てできる紙おむつの方が、二次感染のリスクが減ります。
布製
『布製』のおむつは肌触りがよく、下着と使用感が変わらないため、初めての方でも受け入れやすいです。洗濯して繰り返し使用できるため経済的な面もあります。デメリットは臭いや排泄物の漏れる可能性が高いことと、洗濯をしなければいけないので介護する側の負担が増える点です。
通気性がよく使用感は快適。尿取りパッドと併用するなど、交換・洗濯の頻度を減らす工夫をすれば、布製おむつはメリットも大きいおむつです。
用途で選ぶ
夜用
吸収量の多い『夜用』は夜だけではなく日中でも有効です。つきっきりで介護ができない就寝時間や忙しい日の昼は、夜用を使うと交換回数が減り介護する側の負担軽減に繋がります。
しかし自力でトイレに行ける方の場合は、夜用を多用しないようにしましょう。自力でトイレに行くことでADLの維持につながるだけでなく、できることをさせてもらえないのは、介護される側の尊厳の低下にも繋がります。
軟便用
吸収する対象が変わります。軟便用は多層構造になっており、排泄物がおむつの中で広がりにくくなっています。これにより便が背中などに回り込みにくくなり、漏れを防ぐだけでなく、使用者の不快感を軽減。
かぶれなどの皮膚のトラブルを予防する意味でも、下痢・軟便の際は専用のおむつを使用しましょう。
吸収可能量で選ぶ
『吸収可能量』とはおむつがどれだけの尿を受け止めきれるかを表したものです。市販されている多くの大人用おむつの吸収可能料は300ml程度の尿を吸収可能で、2~3回分に相当します。吸収可能量は薄手・厚手、パンツタイプ・テープタイプによっても変わってきます。
介護する側は常につきっきりで介護ができるわけではありません。介護される側とのリズムを見極め、それにみあった必要な吸収量を選ぶと良いです。
サイズで選ぶ
使用者の身体にしっかりとあった『サイズ』を選ぶのはとても重要です。小さすぎるおむつを履くとギャザーの締め付けにより、足の付け根の血流が悪くなり、大きすぎるおむつを履くと、排泄物が漏れる可能性が高まってしまいます。
ウエスト・ヒップ・足の付け根のサイズをきちんと測り、ちょうどよいサイズのものを選びましょう。介護する側される側、両方が気持ちよく過ごせます。
機能で選ぶ
通気性
使用者の快適性を考慮すると通気性のよいものがおすすめ。長時間着け続けていると不快感が高まるだけでなく、蒸れて肌荒れやかぶれの原因になります。例えば超吸収体を使った大人用のおむつは肌への張り付きを防げるためおすすめです。
各社で工夫はしていますが、商品によって合わないものはどうしても出てきます。そのため使用者の肌の状態にあわせて柔らかい素材のものや、通気性のよいものを選ぶようにしましょう。
消臭力
使用者の快適性や使用感はもっとも大切にしたいポイントですが、介護する側の負担軽減も大事です。そのためにも消臭力の高い製品を選び、精神的な負担を和らげましょう。セルロースナノファイバーを使用した製品は吸収力・消臭力が高く、柔らかい素材のため肌荒れも防げておすすめです。
介護する側もされる側のお互いが気持ちよく過ごすためにも、消臭力の高いおむつを選んでください。
立体ギャザー
『立体ギャザー』は寝返りをうったときも体にフィットし、横からの漏れを防止します。
上手に使うコツは、パンツタイプなら着用前に足の付け根部分のギャザーを立ててから着用し、テープタイプなら広げてから左右のギャザーを伸ばして着けると横漏れを防いでくれます。
パッケージのコンパクトさで選ぶ
大人用おむつのパッケージはできるだけ『コンパクト』なものを選びましょう。毎日何度も使用するもののためまとめ買いしたくなるものですが、赤ちゃん用のおむつとは違い大人用のおむつは結構な大きさです。
まとめ買いをするとそれだけ収納を圧迫します。コンパクトな商品を買うことで省スペース化にも繋がり、ベッドの下にも入れられるので収納にお悩みの方におすすめです。
大人用おむつのおすすめメーカー
ユニ・チャーム
大人用おむつ・介護用品ブランドで知られる『ライフリー』を製造しているメーカーです。ADL区分別に様々なラインナップがあります。男性用のものは前開きタイプがあり、普段の排尿と変わらず使用できます。
花王
大人用おむつ・介護用品ブランド『リリーフ』を展開しています。アクティブな生活をサポートするラインナップが特徴。ローライズで薄型のパンツタイプは、普通の下着と変わらない使用感で女性に人気のブランドです。
白十字
日本で初めて大人用紙おむつを製造した白十字は『サルバ』のブランドで知られるメーカーです。医療現場で培われた技術で高品質な製品を作り続けています。敏感肌にも優しいpH コントロール技術で、排泄物によってアルカリ性に傾きやすいおむつの中を、弱酸性に保ちます。
アテント
『アテント』は病院や介護施設でのシェア率も高く、品質の高い製品づくりをするメーカー。病院や介護施設を離れた後も同じ商品を使い続けられるため、介護される側も違和感なく自宅介護に移れます。
エルモア
『エルモア』はアテントに並び病院や介護施設でのシェア率の高いメーカーです。公式サイトでインターネット販売をしており、メーカー直販のため安くまとめ買いできます。会員登録をすることでさらに5~20%割引になります。長期間・大量に購入される方におすすめです。
第一衛材
第一衛材の大人用おむつブランド『フリーネ』は、体へのフィット感が高いうえ、立体ブロックギャザーという独自構造で横漏れしにくく、介護する側への負担を考えた製品づくりが特徴。そのため口コミサイトでも介護する側からの評価が高く、信頼できるメーカーです。