日々のちょっとした勉強に役立つ『デスクライト』。デスクライトにはLEDランプや蛍光灯など多くの種類があり明るさや色もそれぞれ違うなど、どれを選べばよいか迷いやすいものです。
この記事ではデスクライトの選び方を解説していきます。デスクライトを選ぶときに大切な『ルーメン』や『ルクス』といった単語も説明していますので、ぜひ参考にしてください。
デスクライトとは
デスクライトとは、主に勉強や仕事など『デスク作業』に使用する間接照明器具の一種のことです。デスク上を明るく照らすことで、読書や細かい作業を快適に行えるようになります。
デスクライトの種類
デスクライトには、長寿命で電気代も安く済みますが、価格は比較的高くなる『LED型』と寿命が短いものの価格が安い商品が多い『蛍光灯型』の二種類が存在します。
近年の主流は長期的に考えるとお得な『LED型』です。
設置方式にはデスク上に立てて使用する『スタンド式』やデスクに挟んで使用する『クランプ式・クリップ式』があります。それぞれの特徴を理解して、自分に適したタイプの方式を選びましょう。
デスクライトを使うメリット
目の負担を軽減する
適切な明るさがない場所で読書などをすると目に余計な力が入り眼精疲労の原因となりますが、デスクライトで明るさを確保することで目に余計な力が入るのを防ぎます。
もちろん明るすぎても目が疲れる原因になるので、適切な明るさで照らしてくれる商品を見つけることが重要です。
集中力を上げる
勉強や作業に集中したいときにデスクライトを使用すると、集中力を上げられます。
京都大学の研究によると、天井の照明を暗くしてデスクライトで手元を照らして作業したところ、天井の照明だけで作業した人と比較して集中力が持続したという結果も発表されました。デスクライトの効能が科学的にも証明されている好例です。
デスクライトを選ぶときに必要な用語解説
ルーメン (lm)
デスクライトの明るさを知りたい場合は『ルーメン』を確認しましょう。
もともと白熱電球の時代は、消費電力が高いほど光も明るかったため、明るさを示す単位として消費電力のワット(W)が使用されていました。しかしLEDは白熱電球より少ない消費電力で同等の明るさを再現できるようになったため、ワット表記では不適切となり、『lm (ルーメン)』という明るさの指標で新たに統一されました。
ルーメンパーワット (lm/W)
『ルーメンパーワット』は、1Wに対してどのくらいの明るさを出すかを示す単位です。この値が高いほどエネルギー効率が高く、省エネであることを意味します。
たとえば同じ2000lmの明るさがあるデスクライトでも、200lm/Wのデスクライトと100lm/Wのデスクライトでは消費電力の差は2倍となります。
消費電力を減らして電気代を節約したい方、デスクライトの使用頻度が高い方は、『ルーメンパーワット (lm/W)』を購入基準としてチェックしてみましょう。
ルクス (lx)
『lm (ルーメン)』は光源の明るさを示す単位に対して、『lx (ルクス)』は照らす面の明るさを示す単位です。デスクライトの場合は使用目的がデスク上での作業がほとんどのため、ルーメンよりルクスのほうが参考になります。
ルクスは作業目的ごとにJIS規格で照明基準が下記のように定められています。
・勉強・読書:750lx
・PC作業:500lx
・台所:300lx
デスクライトの使用目的が明確な場合は、ルーメンだけでなく基準の定められているルクスもチェックするのがおすすめです。
演色評価数 (Ra)
デスク上で絵を描いたり、色を使ったりする場合は、『演色評価数』を確認しましょう。
演色評価数は値が高いほど自然光に近いことを表します。たとえば描いた絵が展示会などで飾られると違う絵に見えたりするのは、描いた場所と展示会での光の演色評価数が異なるために生じる現象の一つです。
一般的な照明機器は演色評価数が高いほど、発光効率は下がる傾向にあります。現在のLED照明は、演色評価数を重視した商品と発光効率を重視した商品に分かれていますので、自分の使用目的によって選びましょう。
色温度 (K)
光の色を数値は色温度といわれる指標と表記され、単位は『K (ケルビン)』です。
色温度は数値が高くなるにつれて、落ち着いた暖色から明るい寒色に変わっていきます。たとえばロウソクの色温度は2000K、晴天の色温度は10000Kです。
細かい作業や読書をする場合は光の色が明るいほうがよいため、色温度が5000K~6000K程度のデスクライトを選ぶとよいでしょう。
JIS規格の照度基準
デスクライトの明るさを知るには、JIS規格の照度基準を参考にしましょう。照度基準は「一定距離の照度が基準値以上であること」を表します。LEDデスクライトの場合だと、『AA型』『A型』の2種類で表記されることが多いです。
『AA型』の照度基準は距離が30cmに対して照度が500lx、距離が50cmに対して照度が250lxです。『A型』の照度基準は距離が30cmに対して照度が300lx、距離が50cmに対して照度が150lxとなっています。
『AA型』のほうが距離に対して照度が高いので性能も高いように見えますが、作業目的によって必要な明るさは変わってくるため、一概に優劣を決めることはできない点には注意しましょう。先ほどのルクスの照明基準などを参考に、使用用途に応じてどのくらいの照度が必要なのかしっかり確認しましょう。
デスクライトの便利機能
デスクライトの調光機能
現在販売されているデスクライトには『調光機能』が搭載されている商品があり、作業ごとに適した光の明るさに調節できます。
調光機能がついている分値段も高くなりますが、デスクライトの使用目的が多岐に渡る場合は、調光機能付きのデスクライトを検討してみるとよいでしょう。
デスクライトの調色機能
光の色を変えられる調色機能があると、シーンごとに適切な光の色に変えられます。たとえば仕事や勉強に集中するときは明るめの白昼色、休憩などで少しリラックスをする場合は暖色と使い分けが可能です。
可動式アームのデスクライト
可動式アームのデスクライトなら、アームを調節することで光の位置を調節できます。フレキシブルアームを採用している商品だと、上下左右に自在に動かせるので自分の照らしてほしい場所を適切に照らせます。
固定式のデスクライトでは融通が効かず、ちょっとしたストレスになることもあるので、こだわりがない限りは可動式アームの方を選ぶのがおすすめです。
USBポート・コンセント付きのデスクライト
デスクライトの中には、USBポートやコンセントの挿入口を搭載している商品があります。延長ケーブルの代わりとしてスマートフォンやパソコンの充電にも利用できるので、あると非常に便利な機能といえるでしょう。
最近のデスクライトにはQiワイヤレス充電に対応しているデスクライトも発売されているので、Qiワイヤレス充電対応スマートフォンを持っているなら、検討してみてはいかがでしょうか。
デスクライトのおすすめの選び方
明るさでデスクライトを選ぶ
デスクライトを明るさで選ぶ際は、明るさを示す『ルーメン』と照らす面の明るさの指標『ルクス』をチェックしましょう。
現在発売されているデスクライトは300~400lm、300~750lxが主流ですが、ルクスは使用用途によって変わるのでJIS規格の基準を参考に選ぶとよいでしょう。
使用用途でデスクライトを選ぶ
勉強や読書などの手元作業だけに使いたい場合は、明るさのチェックで十分かもしれませんが、就寝前のリラックスに使いたい場合は、『調光機能』と『調色機能』を搭載しているほうがよいでしょう。
使用シーンを選ばずに使えるデスクライトもありますが、多機能であればあるほど高価になりやすいのが一般的です。どんなシーンで使いたいかを明確にして、自分に合ったデスクライトを見つけましょう。
デスクライトのサイズで選ぶ
デスクライトのサイズで選ぶ際は、置く場所をしっかりチェックしましょう。
デスクライトのサイズは大きくなるほど、照射範囲も広くなります。参考資料などを広げながら作業するときなどは、照射範囲が広いと集中しやすいです。
サイズが小さいと置く場所を気にする必要はなく、持ち運びも便利です。読書など照射範囲を問わない手元の作業であれば、サイズは小さくても問題ないでしょう。
コードの有無でデスクライトを選ぶ
現在発売されているデスクライトの電源方式は、『電源コード型』以外に『USB給電型』と『コードレス型』があります。『USB給電型』はモバイルバッテリーやパソコンなどから給電できたり、『コードレス型』はコンセントがない場所で使用できたりと、電源コード型に比べると使いやすいです。
しかし『電源コード型』に比べて、『USB給電型』と『コードレス型』は明度で劣ります。明るさに重点を置きたい方は電源ケーブル型、使用場所を選ばず使いたい方はUSB給電型かコードレス型を選ぶとよいでしょう。
デスクライトの3つの設置タイプ
スタンドタイプ
『スタンドタイプ』は台座を置くスペースが必要ですが、設置する場所に困ることが少なくデスクライトの移動も簡単です。特に明かりの向きを変える場合など、デスクライトごと動かせるのが便利です。
デスク上に台座を置くスペースがある方やデスクライトを移動させることが多い方は、『スタンドタイプ』を検討してみましょう。
クランプタイプ
『クランプタイプは』デスクとの間に天板を挟み込み固定するタイプです。
天板などを挟み込んで固定するため、設置する場所に制限があり移動するのも大変です。一方でしっかりと固定できるため地震でデスクライトが倒れたりすることはなく、台座も必要ないためデスクのスペースを圧迫することもありません。
デスクのスペースに余裕を持ちたい方や設置場所の移動をしない方は、『クランプタイプ』を検討しましょう。
クリップタイプ
『クリップタイプ』は台座がクリップになっており、設置場所に挟んで固定するタイプです。
同じく挟んで固定するクランプタイプより挟める範囲がせまく、固定力も強くないため安定感に欠けます。しかしスチールラックやベッドの柵など設置できる場所が多いのは魅力的です。
デスクライトを移動することが多い方は、軽量タイプが多く手軽に設置場所を移動できる『クリップタイプ』も検討しましょう。