日々の雑草対策に苦労されている方も多いでしょう。生命力の強い雑草は次から次へと生えてきます。除草剤を使いたいけれど使ってしまうと雑草以外の植物も枯らしてまう恐れもあります。
そんなときにおすすめなのが『防草シート』。今回は除草剤を使わずに簡単に雑草の手入れができる防草シートをご紹介します。
防草シートとは
『防草シート』とは植物の成長に必要な光を遮ることで、雑草が生えてくるのを防いでくれるシートのことです。使う場所や広さ、雑草の種類によって、さまざまな色や厚さの防草シートが販売されています。
防草シートのメリット・デメリット
メリット
防草シートを使うメリットは除草剤を使わないので、自家栽培を行っている方や小さなお子様がいらっしゃるご家庭などでも安全に雑草を防げることです。
デメリット
防草シートを使うデメリットは庭の景観を損ねてしまうことです。庭の景観が気になる方は防草シートの上に砂利を敷くなどして対策を講じるとよいでしょう。
おすすめ防草シートの選び方
水はけのよさで選ぶ
防水シートを選ぶ上で、水はけのよさは重要なポイントです。防草シートを敷いてせっかく雑草が生えなくなったとしても防草シートの上に水が溜まってしまい、そこから虫が湧いたり異臭が発生したりしたらまた別の対策が必要になってきます。そうなると防草シートを敷いた意味がありません。
防草シートは、素材によって透水性が変わります。使う場所をチェックした上で購入するように心がけましょう。水はけの悪い場所や道路脇の法面などには、透水性のない防草シートを使うことが多いです。
強雑草への対応で選ぶ
『強雑草』とは、スギナやチガヤなど繁殖力の強い植物のことです。これらの植物は先が尖っているため貫通力が高く、薄い防草シートであれば突き破ってしまう可能性があります。また光合成効率が高く少ない光でも成長するため、遮光率の低い防草シートであればシートの下でも成長します。
防草シートを敷きたい部分にはどんな植物がよく生えているのか事前に調査し、このような雑草が生えている場合は分厚く遮光率の高いものを選ぶ必要があります。
遮光率で選ぶ
『遮光率』とは、光をどれだけ遮断してくれるかを数値であらわしたものです。光は植物の成長にとってなくてはならないものなので、防草シートを選ぶ上では重要な要素の1つです。遮光率が99%以上となっているものは、光をほぼ通さないので、生命力の強い強雑草にも効果的です。
しかしいくら遮光率の高い防草シートを使っても丁寧に隙間なく敷かないと、日光が入ってきてしまいます。施工時には、シート間に隙間がないか地面にぴったりと付いているかなど細かい注意が必要です。
色で選ぶ
防草シートの色は主に、『黒系』、『茶色系』、『緑系』の3種類に分かれます。使う場所や上から敷く砂利などによって色を変えてみると、景観を美しく保てます。以下に、それぞれの色についての特徴をまとめました。
黒系
防草シートで最もスタンダードな色は『黒系』です。農地や花壇、駐車場などさまざまな場所で、そのまま使うことも上から土や砂利をかけて使うこともできます。黒系は光の吸収率が高いため遮光率も高く、安心して使えます。何色にしようかと迷っているのであれば、まずはスタンダードな黒系がおすすめです。
茶色系
『茶色系』の防草シートは土の色となじみやすいので、上から土をかけて使う場合や、ウッドチップなど敷く場合に使いやすい色です。上に敷いている土などがずれてしまっても、景観を損ねる心配はありません。黒系と比べると熱の吸収率も低いため、軒下に敷いても夏でもそれほど暑さを感じずにすみます。庭先のウッドデッキなどの周りに敷いてみるとマッチするかもしれません。
緑系
『緑系』の防草シートは緑の多い花壇で使う場合、そのまま敷いても花壇の景観を損ねずきれいにまとめられます。草木の多い場所に敷いたり、上に人工芝を敷いたりする場合にも有効です。一般的に緑系の防草シートは、道路脇の緑地帯などの整備にも使われていることが多いです。緑系といっても黒っぽい色が多いので、遮光率は黒系と同様に高いので安心して使用できます。
強度で選ぶ
防草シートの上に化粧砂利を敷いたり、道路や駐車場に敷いたりする場合は、強度を確かめておく必要があります。防草シートの上を車が通ったり、人が歩いたりすることで破れてしまってはいけません。
そのような使い方をする場合は、なるべく強度の高いものを選ぶようにしましょう。先に述べた強雑草に対しても、尖っていて貫通力があるので、強度の高い防草シートが必要になります。
値段で選ぶ
値段はメーカーによって差があります。値段が高いから品質が必ずよいとも限りませんし、逆に安いから品質が悪いとも言い切れません。
1㎡あたりの値段を計算してみるのもいいかもしれません。使う場所の雑草の状況や広さなどをしっかりと考慮に入れて、予算に合ったものを選ぶようにしましょう。できるだけコストパフォーマンスの高いものを選べるとよいでしょう。
耐用年数で選ぶ
防草シートの種類によって耐用年数が異なります。ポリプロピレン素材の防草シートはむき出しのままで4~5年の耐用年数をもち、ニードルパンチ加工がなされている防草シートはむき出しのままで8年ほどの耐用年数をもちます。できる限り長く防草シートを利用したい方や頻繁に防草シートを交換したくない方は耐用年数を参考に防草シートを選びましょう。
ブランドで選ぶ
ザバーン
『ザバーン』はアメリカのデュポン社が開発している防草シートで、世界で最も利用されているブランドです。高い浸水性と耐久性が特徴で、庭にむき出しで設置しても長期間防草効果が続き、砂利を上に敷くとさらに防草効果が長持ちします。素材は不織布でハサミで容易にカットすることができるので、初心者でも施工に苦労しないでしょう。
エコナル
『エコナル』の素材は『ザバーン』と同じく不織布で、防草シートの表面がサラサラしておりチリやホコリが挟まりにくいので、簡単に掃除を行えます。厚さに関しては『ザバーン』に劣るので駐車場など、上からの圧力がかかる場所での使用には向きません。
アグリシート
『アグリシート』は非常に高い浸水性が特徴です。『アグリシート』独自の技術である即効透水性加工を施しているので、『水たまり』『ぬかるみ』『泥はね』を防止してくれます。3ブランドの中で最も価格が低いのも特徴です。
防草シートを敷くおすすめの手順
1. 雑草を処理する
防草シートを敷く前にまずは庭の雑草を取り除きましょう。この際雑草の葉や茎だけではなく根まで取り除くと、より一層防草シートの効果を持続させることができます。雑草処理の手間を減らしたい方は雑草が比較的少ない冬場に行うとよいでしょう。
2. 庭を整地する
雑草を処理したら次は庭の整地を行いましょう。庭が凸凹だと地面と防草シートの間にすき間ができるので日光や種子が入ってきてしまい、尖った石や釘が庭にあると防草シートが破れてしまう可能性もあります。整地する際は草刈りにも使える三角ホーや大きなスコップがあると便利です。
3. 防草シートを敷く
庭の整地が済んだら防草シートを敷きましょう。防草シートを敷く際、継ぎ目が最低10cmは重なるようにすると隙間が出来る心配がありません。このとき接着剤やテープなどで縫い目を必ずくっつけることで、間から雑草が生えてくることを防げます。
4. 防草シートをシートピンで留める
防草シートを敷いたら風でめくれてしまわないようにシートピンで固定しましょう。シートピンを打ち込む際できるだけ多く打ち込むのがポイントです。
5. 砂利を敷く
防草シートにシートピンを打ち込んだらシートの上に砂利を敷きましょう。景観を整えたり、紫外線による防草シートの劣化を防いだり、防草シートの耐用年数を伸ばしたりする効果があります。
防草シートの強い味方には砂利がおすすめ
砂利の種類
2分砂利、3分砂利
景観を目的とする場合は5mm程度の『2分砂利』、10mm程度の『3分砂利』を選ぶとよいでしょう。
5分砂利
15mm程度の『5分砂利』は人が歩きやすく、砂利が比較的薄いので地面を平らにしやすいメリットがあります。
砂利の目安量
厚さの目安
小さな砂利は『2~3cm』程度で大きな砂利は『3~5cm』程度が目安になります。遮光するために砂利の間から地面が見えないように敷き詰めるのがポイントです。
量の目安
量の目安は1平米あたり『約60~80kg』です。