プラモデルや車の模型などを綺麗に塗装するために必要な『エアブラシ』。エアブラシといってもさまざまな種類があり、用途や慣れによって選ぶ商品も変わってくるため、正しい知識をつけることが大切です。
そこで今回は基本的な知識としてエアブラシの種類や特徴、さらに選び方のポイントについて紹介していきます。
エアブラシとは?
『エアブラシ』とは塗料を霧状にして噴射し吹きつけることで、均一な塗装ができるアイテムです。スプレー式の塗装器具の一種に位置づけられており、車やバイク、飛行機やロボットなどさまざまなプラモデルを綺麗に塗装できます。
エアブラシの種類
エアブラシにはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。ここからはエアブラシの種類について紹介していきます。
シングルアクションタイプ
『シングルアクションタイプ』のエアブラシは、空気と塗料の出る量を事前に調節しておき、ボタンを押すだけで吹きつけられる簡単な種類です。シングルアクションタイプは作り自体が複雑ではないため価格も安く、初心者でも使いやすいのが特徴です。
一方で吹きつける塗料の量を微調整するのが難しいので、グラデーションを作るには不向きなタイプとなります。複数色を使うのではなく、単色メインで使用する際に活用してみてください。
ダブルアクションタイプ
『ダブルアクションタイプ』のエアブラシはもっとも人気で、1つのボタンで塗料を吹きつける量の調整ができるタイプです。広い範囲の塗装から細かい部分の塗装まで幅広く活用できるという点が大きなメリットです。
しかし性能がよい分、先ほど紹介したシングルアクションタイプのエアブラシよりも価格は高くなります。操作についても若干難易度が上がるため、多少の慣れは必要です。
トリガーアクションタイプ
そして最後にご紹介するエアブラシの種類が『トリガーアクションタイプ』です。トリガーアクションタイプは先ほどのダブルアクションタイプに分類されることもありますが、トリガーを引く際に空気と一緒に塗料を吹きつけられるため、トリガーを引く量によって塗料の噴出量を調節できます。
幅広い表現ができることがトリガーアクションタイプの大きな魅力です。しかし高性能な分、価格はどうしても高くなってしまうというデメリットがあります。
エアブラシを選ぶ際のおすすめポイント
エアブラシを選ぶ際に必要なポイントをピックアップして紹介していきます。
ノズル口径で選ぶ
塗料を噴出する『ノズル』にもいくつか種類があり、メジャーなものでは先細タイプの0.2mmや、一般的な口径となる0.3mm、さらに0.5mmなどの種類があります。ノズルの口径によって使い勝手が変わってくるため、作品を制作する上で極めて重要な部分です。
細いタイプのノズルは細かい部分を塗るときや模様を描くときに使えます。一方で広いタイプのノズルは均一にしっかりと塗りたい場合に活用できます。
塗料の種類によって口径を変えることも必要です。たとえば粘りが強い塗料の場合、口径が細ければ詰まってしまう可能性があるため、自分の使いたい塗料の種類も考えながら選ぶとよいでしょう。
ホースで選ぶ
エアブラシを使用するにあたり、『ホース』も欠かせないパーツです。
インクを吹き出すための『コンプレッサー』という専用機器がエアブラシには必ず付属していますが、ホースはこのコンプレッサーに対応しているものでなければなりません。事前にチェックしておきましょう。
ホースが長すぎる場合、余った部分が邪魔になりますし、逆に短すぎる場合はコンプレッサーの近くでなければ作業ができないため効率が悪くなります。ホースの長さは意外にも重要な要素なので、しっかり考えておくことをおすすめします。
塗料カップで選ぶ
エアブラシは『塗料カップ』選びも重要です。塗料カップは全部で2種類。上についている『重力式』と下についている『吸い上げ式』に分かれます。
重力式
『重力式』の場合、塗料カップは小さいものが多いため、あまり多くの量を使わないときにおすすめです。さらに重力式は上に塗料カップがついているため、最後まで塗料を使えるという利点もあります。
エアブラシといえばこちらの『重力式』が一般的です。
吸い上げ式
『吸い上げ式』は、重力式に比べて多くの塗料を入れられるので、塗料を多く使うときにぴったりです。
エア源で選ぶ
エアブラシを使う上で、空気を送り出すためのエア源も重要なパーツです。
使用頻度が低いならエア缶
使用頻度が低い場合、ガスボンベのような『エア缶』がおすすめです。エア缶は使い捨てタイプもあり、気軽に使用できる点が人気に繋がっています。
しかし使いやすさとは裏腹に空気量が限られており、コストもかかるため頻繁に使う人には適していません。使用頻度に合わせて選ぶことで、うまく費用も調整しつつ作業が行えます。
使用頻度が高いならコンプレッサー
エア缶とは違い、何度も繰り返し使用する場合は『コンプレッサー』のエア源を使ってみてください。コンプレッサーは給電式と充電式があり、家だけでなくどこでも簡単に使える充電式が人気を集めています。
コンプレッサー選びにおいて意識してほしい点が音の大きさです。出力が強いものほどどうしても動作音が大きくなりますので、利用場所との兼ね合いも考えて商品を選びましょう。
【初心者の方におすすめ】 セットで選ぶ
はじめてエアブラシを使う方におすすめなのが、コンプレッサーなど必要部品がまとめられているセット品です。
初心者の方だと何をどのように選べばよいかわからないということも多いでしょう。慣れるまでは清掃用品なども一緒に入っているセット商品を購入し、一通り揃えてみるのもおすすめです。ある程度使い続けていると、自分なりのこだわりが出てくる時期があるので、そのときに各パーツを選んでみてはいかがでしょうか。
エアブラシ用におすすめのアクセサリー
エアブラシを使用する上で便利なアクセサリーもいくつかあるので、紹介していきます。
エアブラシ用スタンド
名前の通りですが、エアブラシを立てかけておくためのスタンドです。エアブラシの中にはコンプレッサーが立てかけられる仕様になっているものもありますが、そうでない場合はぜひ購入してほしいアクセサリーとなります。
1本ではなく2本立てかけられるものや、中にはテーブルなどにセットできる種類もあります。コンパクトにエアブラシを収納できるタイプのスタンドもあったりと、さまざまなモデルが発売されているのも特徴です。
メンテナンスセット
当然ですがエアブラシはメンテナンスが必要です。
各メーカーからメンテナンスキットが発売されており、ボタンを滑りやすくするグリースや汚れを落とすためのブラシ、さらにクロスや汚れ落とし用の筆がセットになっているものなど多くの種類があります。
1,000円程度で購入できるので、必須アイテムとして手元に揃えておきましょう。
塗装ブース
エアブラシを使って塗装する上で、必須アイテムともいえるのが塗装ブースです。塗装ブースは霧状になって噴射される塗料を吸い込んでくれる役割があり、室内に霧が舞うことを防止します。
塗装ブースは各メーカーから販売されており、吸引力が強いツインタイプもあります。省スペースの塗装ブースもあり、自分が作業を行う場所に合わせて選べるため、多くの種類を確認してみるのがよいでしょう。