DIYや家電の修理、プラモデル作りなどの際に利用される『ニッパー』。太い鉄線や細かい配線コードを切断できる便利な道具です。
最近では自宅での『休日DIY』が流行しており、便利な工具を求める方も増えてきましたが、ニッパーをはじめとした工具は種類も多く、用途や形によってさまざま。選ぶだけでも一苦労ではないでしょうか。
この記事ではそんなニッパーについて徹底解説していきます。自宅でニッパーを使いたい方、持っているニッパーが使いづらくて買い替えたい方はぜひ参考にしてみてください。
ニッパーの基本情報
ニッパーとは針金や配線の切断専用の工具です。電気工事などでよく使われる工具ですが、最近ではDIYでもよく使われるようになってきています。よく似たペンチは切断よりも掴む、挟むといったことに特化している工具なのでご注意ください。
ニッパーの種類
精密ニッパー
電化製品や電気工事の際に使われる『精密ニッパー』。従来から使われているタイプで、配線コードを切断するときに使用されます。
100~125mmサイズのものが主流で、刃の部分が小さく作られているのが特徴的。
大きなニッパーでは、コンパクトな電化製品を修理する際に刃先が邪魔になってしまうので、細やかな作業をする方はこの精密タイプのニッパーがおすすめです。
プラモデル用ニッパー
工具メーカーだけでなく、プラモデル製造会社からも販売されている『プラモデル用ニッパー』。名前の通り、プラモデルを作る際に使用され、プラスチックのパーツをきれいに切断することに優れているのが特徴です。
中にはプラスチック専用で、金属性のものを切ってはいけないニッパーがあるため、購入の際は注意してください。
鋼線ニッパー
用途によってさまざまなサイズが販売されている『鋼線ニッパー』。切断するのは主に鉄線や銅線、VA線です。硬い針金やピアノ線を切断できるものもあり、強度はさまざま。
二つの刃が山形になっているのが特徴で、先端に厚みがあります。ニッパーによって、切断する素材に対応していない場合もあるので、購入する際にチェックが必要です。鉄線などの硬い素材に使用したい方におすすめのタイプになります。
斜めニッパー
刃先が斜めになっていることが特徴の『斜めニッパー』。銅線を覆っている被覆を剥がすのに使われるタイプです。ハンダを使用した際に生じる出っ張りもうまく剥がすことができるニッパーで、やわらかい素材に向いています。
電気工事用の斜めニッパーには『ストリップゲージ』という穴が空いていて、ビニール被覆をうまく剥がせる設計です。
エンドニッパー
釘の頭を切断するのに使用される『エンドニッパー』。日本の伝統工具である『喰いきり』に似た工具で、強い素材にも対応しています。釘によって生じる出っ張りをなくし、平面的に仕上げたいときにおすすめです。
ステンレス線や鉄線、銅線も切断可能。刃が垂直方向に付いているので、木材の面に対し平行に刃が動きます。釘だけでなくカバンに付いているカシメを取り除くことも可能で、いろいろな使い方ができるニッパーです。
おすすめのニッパーの選び方
刃の形状で選ぶ
ニッパーは主に『ストレート刃』と『ラウンド刃』に分かれています。
ストレート刃
『ストレート刃』の特徴は切断面がフラットになること。きれいに切れるので無駄な破片が残ることもありません。
ラウンド刃
『ラウンド刃』は表面が丸く、切れ味がよいのが魅力。強い素材にも対応しており、強度が求められる際に特徴を発揮します。
2つの刃の中でも角度によって強度が異なり、角度が大きいほど強くなり、小さいほど滑らかに切ることができます。自分の使用する素材に合わせて選んでいくことが大切です。
切断対象の材質で選ぶ
ニッパー選びで絶対に忘れてならないのが切断する対象の材質です。種類としては針金、鉄線、銅線、プラスチックなど。切断できる材質は明記されているはずなので要確認です。
切断能力で選ぶ
『切断能力』も選ぶポイントのひとつ。切断したい素材に対して、ニッパーが対応しているか確認が必要です。対応していない素材に対して、無理に切断しようとすると破片が飛んで危険ですし、ニッパーの耐久性も落ちてしまいます。
商品をチェックするときに見るべきポイントは、切断可能な『直径の大きさ』。購入する前に修理するコードの大きさを測っておきましょう。ひとつのニッパーですべて切ろうとするのは危険ですので、切断能力に見合ったものを選んでいきましょう。
サイズで選ぶ
『サイズ』も選ぶ際に注目してほしいポイント。作業する場所や修理する製品に合わせて選んでいく必要があります。特にコンパクトな製品を修理するとき、大きなニッパーは非常に不便です。
また小さすぎても強度がないので、太い素材を扱うことができません。ニッパーの標準サイズは150mmですので、これを基準にして自分の作業場所、環境などを考慮して選んでみてください。
機能で選ぶ
ニッパーには切断する以外にも機能が付いているものがあります。
代表的なのが『戻しバネ』。切断した後にニッパーを離すと勝手に開いた状態になってくれるので、次に使う際、すぐに使用できます。
他にも『ワイヤーストリッパー』が付いているものを選べば、被覆を剥がす際に重宝します。自分の作業に合わせてどんな機能が付いていたらスムーズに仕事ができるか考えて購入してみましょう。