パソコンやタブレット、スマートフォンなどが快適に使えるかどうかを左右する『Wi-Fiルーター』。
部屋によってはネットがつながりにくく感じたり、ネットが最近遅かったり、大勢で使うと遅い気がしたりするときは、Wi-Fiルーターの替え時が来ている場合があります。
この記事ではそんなWi-Fiルーターの特徴や選び方を解説していきます。後半ではおすすめのルーター10個を紹介しますので、インターネットをはじめようという方やルーターの買い替えを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
Wi-Fiルーターとは
そもそもWi-Fiと有線の違いとは
『有線』とは『有線LAN接続』のことで、パソコンなどの機器をケーブルでつないで使用します。メリットは速くて安定した通信速度が得られる点と、とセキュリティ面の安心度が高い点で、動画再生中でも画面が乱れたり、途切れ途切れになったりする心配がほぼありません。
一方で『Wi-Fiルーター』は『無線LAN接続』のことで、ケーブルなしで使用機器と接続できます。メリットはケーブルが必要ない点と、家中どこででもネットとつながる点です。一方でデメリットとしては、通信速度やセキュリティ面で有線に劣る点が挙げられます。
新しい通信規格IPv6とは
インターネット上で機器同士が通信する際には、各機器の『IPアドレス』が重要な役割を果たします。IPアドレスがその機器の『住所』となって、お互いの住所をわかり合うことで通信しあえます。
ただ従来のIPv4というシステムでは、ネット人口の激増に伴うIPアドレスの不足により通信速度の低下を招きました。
しかし新しい通信規格の『IPv6』では、ほぼ無限にIPアドレスを割り振れるのでIPアドレス不足が解消されます。郵便番号が5桁から7桁に増えるようなものです。IPv6のプロバイダーを選ぶとインターネット環境の大幅な改善が期待できます。
次世代のWi-Fi規格Wi-Fi 6とは
『Wi-Fi 6』とは第6世代のWi-Fiを指します。通信環境の質が今まで以上に向上し、より混雑した通信状況でもスムーズに電波を受信できます。
圧倒的なスピードと容量、多台数の利用にも十分に対応できるWi-Fiです。各メーカーが続々とWi-Fi 6のルーターを開発しています。
『Wi-Fi 6』の普及によって『4K・8K映像の動画視聴』や、『外出先からの家庭の家電の操作』が当たり前になる日も近いです。
Wi-Fiの補助機能
Wi-Fi性能を高めてくれる補助機能の付いているWi-Fiルーターを選べば、通信はより快適になります。いくつか補助機能を紹介します。
オートチャンネル
たとえば2.4GHz帯と5GHz帯のいずれかが混雑している場合、自動的に空いている方をセレクトしてくれるのがオートチャンネルです。大勢の人が同じチャンネルの利用に集中すれば速度低下を招きやすくなります。
集合住宅などでは住人の利用が重なる場合がありますので、オートチャンネルがあれば混雑リスクが減ります。古い機種だと再起動して切り替わる場合もありますので、速度低下を感じたら再起動してみてください。
マルチユーザーMIMO
従来のWi-Fiルーターには『SU-MIMO』という機能があり、パソコンやスマホ、タブレットなどを一度にWi-Fiにつなぐと速度低下をたびたび起こしました。それはSU-MIMOが、常に端末と1対1でしか通信できなかったからです。端末台数が増えれば通信相手を切り替えなければいけないので、その都度タイムラグが生じます。
しかし『マルチユーザーMIMO』は同時に複数端末との通信が可能なので、通信の順番待ちの必要がありません。ただルーターにマルチユーザーMIMO機能があっても、パソコンやスマホなどの子機側がマルチユーザーMIMO対応でなければ機能が働かない点には注意です。
中継器
『中継器』を設置すれば通信エリアをかなり拡げられます。家の中でどうしても電波が弱かったり切れたりする場所があれば『中継器』を設置しましょう。中継器のおかげで『この場所、またつながらない!』といったストレスからも解放されます。
Wi-Fiルーターを買う上で知っておきたい通信規格と通信速度
ルーターを選ぶ際に重要な、通信規格と通信速度について解説します。
同時接続数とは
Wi-Fiルーターには、同時に接続する機器のおおよその推奨台数が定められています。性能の低いWi-Fiルーターは同時接続数が少ないですし、高性能のルーターほど同時接続数が多いです。
家族で一度に何台くらいの同時接続をするか確認しておきましょう。ただパソコンやスマホなどの通信負荷が大きな機器を複数使用した場合は、同時接続数内でも速度低下が起こる場合があります。
データ転送速度とは
多くのメーカーがアピールする『データ転送速度』について解説していきます。
Wi-Fiルーターを選ぶ際には、帯域も確認しておきたいポイントです。帯域とは電波の周波数帯域で、『2.4GHz』帯と『5GHz』帯の2種類があります。
2.4GHz帯
『2.4GHz』帯の長所は、壁や床などの遮蔽物があっても電波が届きやすい点です。
短所としては電波の干渉を受けやすい点があります。自宅のパソコン、スマホ、テレビなどのWi-Fi機器や、他の家の機器とも干渉してしまう場合があります。
5GHz帯
『5GHz』帯の長所としては、通信速度が速く安定してつながりやすい点があります。ルーター以外では使われない周波数帯なので、他の機器と干渉する機会が少ないからです。
短所としては、壁や床などの障害物があると電波が届きにくい点です。電波がつながる範囲・距離が狭く短くなってしまうので、離れた位置にある機器だとつながらない場合も。
また古いタイプのWi-Fiルーターだと、5GHz帯の設定自体がない場合もあります。
レンジなどの電波が干渉しないよう注意
電子レンジは2.4GHzの電波を発する機械です。そのためWi-Fiルーターに干渉しないように、ルーターの置き場所などにも工夫が要ります。
電波干渉を避けるモデルも
Wi-Fiルーターの中には、他の機器が発する電波を避けて通信を行ってくれる『干渉波自動回避機能』が付いているルーターもあります。
自宅の電子レンジやコードレス電話機、他の家から同様の電波を自動的に回避し、空いているチャンネルに切り替えてくれます。Wi-Fi機器を集中して使っているときにレンジなどの影響で通信が不調になると、ガクンとトーンダウンする場合があるので注意しましょう。
ルーターのある場所とは別の部屋でWi-Fi対応機器を使用するなら、干渉波自動回避機能はおすすめです。
おすすめのWi-Fiルーターの選び方
使う場所の間取りで選ぶ
自宅の環境に合ったWi-Fiルーターを探している人は、家の間取りを基準にして選びましょう。ルーターのウェブサイトやカタログを見ると、『2階建ての戸建てで使用するならこれ』など親切に説明が書いてあるメーカーもあります。
ただルーターを決める際には、家の間取りや人数よりも少し余裕のあるWi-Fiルーターを選びましょう。メーカーの情報は家の真ん中にルーターを設置した場合の説明であり、実際に家の真ん中にルーターを設置するケースはあまりないからです。
使用人数で選ぶ
Wi-Fiルーターを選ぶ際には、Wi-Fiを使う人数も把握しましょう。複数人数が別々の部屋でWi-Fi機器を使うなら、当然その数に対応したモデルでなければ通信の不調を招きます。
Wi-Fiルーターが対応する人数は、ルーターに搭載されているアンテナの数によって異なります。カタログに『4×4』とあれば、アンテナが『受信用4・送信用4』ということです。
もちろん数が多い方が通信速度も速くなります。推奨利用人数も記載されている場合があるので、ぜひチェックしてください。
通信速度で選ぶ
カタログなどで目にする『IEEE802.11』は『無線の国際的な標準規格』を表しています。通信規格には『11a』『11b』『11g』『11n』『11ac』という5種類があります。
最も速度が速いのは『11ac』で、現在のモデルはほとんど『11ac』の対応しています。『11ac』の次に速いのは『11n』で、それ以外の記載のモデルは古かったり、速度が低下したりすることが予想されますのであまりおすすめしません。
周波帯域で選ぶ
記事前半でも触れましたが、Wi-Fiでは2つの周波数帯域(2.4GHz帯・5GHz帯)があります。2.4GHz帯はつながる範囲が広く対応機種も多い一方、混雑による通信の不安定さがあります。5GHz帯は速度が速く安定している代わりに、障害物に弱くつながる範囲が狭いです。
Wi-Fiルーターを選ぶ際には、電波の届き方が違う2種類の帯域もチェックしましょう。2.4GHz帯と5GHz帯を自動で切り替えてくれるオートチャンネル機能を搭載したモデルもあります。