『ニューバランス』は熱狂的なファンが多いスニーカーブランドですが、その歴史や人気の秘密を知る人は意外と少ないのではないでしょうか。
実はニューバランスは、アメリカのアーチサポートインソールをつくる会社としてスタートしています。そのバックグラウンドのため、オシャレなだけでなく、履きやすさも追及されたブランドなのです。
今回はそんなニューバランスについて、歴史や特徴、シューズの選び方を徹底解剖していきます。おすすめのシューズモデルもランキング形式でご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
ニューバランス (New Balance)とは
ニューバランスを愛用していた著名人としてまず『ラルフ・ローレン』が挙げられます。ニューバランスを履いたラルフ・ローレンは、『まるで雲の上を歩いているようだ』という言葉を残しています。
また毎日同じ服を決めてパターン化していたという、あの『スティーブ・ジョブズ』もニューバランスを愛用していました。
ニューバランスのスニーカーには本国アメリカのUSA製、UK製(イギリス)、アジア製と種類があります。使用されている生地に違いがあり、それぞれの型番も生産される国が決まっており、特徴が異なっています。
おすすめのNew Balance (ニューバランス)の型番
300~400番台
ニューバランスのシューズの300番台は、ランニングやウォーキング用の『エントリーモデル』といわれています。
M340は5,000~6,000円で購入できるので、とにかくニューバランスを履きたい!という方におすすめです。ちなみに『M』は、製造国がUSAもしくはUKの正規ラインで製造されていることを表しています。
400番台はランニングシューズ中心の細身のタイプです。
500~900番台
500番台はソールがゴツく、シルエットが丸いのが特徴です。M576はM575を継承したロングセラーモデルで、初代は1987年の登場しています。またM574シリーズは種類が多く、ほかのシリーズと比べて奇抜な色合いものが多いシリーズでもあります。
900番台は『オンロードモデル』といわれ、アスファルトになじむカラーとしてグレーを基調としたものが多いシリーズです。
1000~2000番台
1000番台は『フラッグシップモデル』ともいわれているシリーズで、時代ごとの最新の技術・技能が結集した名作ぞろいです。
2000年代にはいってからは型番も2000番台となり、1000番台を踏襲したものとなっています。フラッグシップの華やかさを受け継いだ近未来的なデザインが特徴です。
おすすめのニューバランス (New Balance)のソール
エンキャップ
『エンキャップ』は頑丈なポリウレタンに、衝撃吸収性に優れた素材を合わせたソールです。水に強い合成樹脂をゴムのように、やわらかい素材を挟みこんでおり、クッション性と安定性にも優れています。
冒頭で述べたラルフ・ローレン氏は、このソールのことを『雲の上を歩いているようだ』と表現したのです。
レブライト
『レブライ』トはクッション性に加え、耐久性にも力をいれたソールです。地面からの蹴り上げに対してレスポンスがはやく、その軽さでランナーに人気のソールなのです。
アジア製のシリーズに多く使われており、最新のフラッグシップモデルやレーシングモデルも採用されています。レブライトはアクティバというソールを改良したもので、約30%の軽量化に成功し誕生したソールです。
アブソーブ
『アブソーブ』は1993年に登場したソールで着時の衝撃をほぼ100%吸収し、足が地面を蹴り上げる際にそのエネルギーをリターンさせるクッション性の高さが特徴です。衝撃を吸収することに重点を置き開発され、反発性を兼ね備えていますが、ほかの素材と比べると若干重量があります。
しかし走行時の安定性は確かなもので、998にはじめて採用されています。
C-CAP
『C-CAP』はポリウレタンを使わず、『EVA (エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)素材』のみでつくられたソールです。1985年に『670シリーズ』にはじめて採用されました。
当時日本でのライセンスを持っていた月星化成の主導で開発され、EVA素材を圧縮成型し軽くクッション性に優れたソールとして誕生したのです。圧縮された構造のおかげで従来のものより耐久性が増し、加水分解に強く潰れにくいソールとなりました。
おすすめのニューバランス (New Balance)生産国
USA・UK製
『USA製』・『UK製』は、ニューバランスのほかの生産国のものと比べると高額で、使用している生地の質がよく、特に作りがしっかりしています。その理由は、工場ラインでの生産ではなく1つ1つが職人のハンドメイドによるものなので、大量生産できないため価格も必然的に高くなってしまうから。
加えてクラフトマンシップにのっとり、伝統的な工法を遵守してつくるので効率化は重視されていません。生産できる量がアジア製のものと比べると圧倒的に少ないのがUSA製・UK製のニューバランスなのです。
アジア製品
では『アジア製』のニューバランスは品質が悪いのかというと、もちろんそんなことはありません。あくまでUSA製・UK製のものと比較するとリーズナブルな価格といえますが、効率化を重視する製法でつくられているからなのです。
また大量生産、効率化重視の生産方法ゆえにニューデザインの展開がはやいのが特徴です。USA製・UK製の場合、短期間でのニューデザインの展開はできません。ほかの人とデザインがかぶりたくない人には、リーズナブルにニューデザインを手に入れられるアジア製のほうがおすすめです。
おすすめのニューバランス (New Balance)の選び方
自分に合う型番で選ぶ
ニューバランスを選ぶ時には、まず自分に合う型番を選ぶとよいでしょう。たとえばニューバランスのシューズは『R』がついてるものはランニング用ということを表しています。
『MR』は、メンズのランニング用シューズで、『WR』はレディースのランニング用シューズを意味しています。
それと同じ法則で『W』ならウォーキング用、『O』はアウトドア用、『T』はトレイル用シューズです。
キッズ用の『K』もありますので、自分の使用シーンに合う型番のものを選びましょう。
自分の好みにあったデザインで選ぶ
300番台はオーソドックスで合わせやすい
『300番台』のニューバランスなら、とりあえずニューバランスがほしいというようなニューバランス初心者の方でも、特別な使用目的がなくデイリーユースを考えている方などにおすすめ。300番台は細身でバランスのとれたデザインが特徴なので、悪目立ちせずどんな服装にも合わせられるからです。
履き心地がよくカラー展開も豊富なので、ニューバランスをはじめて買う方にも挑戦しやすいシリーズとなっています。
500番台はカジュアル
『500番台』はニューバランスの人気の火付け役となったシリーズです。丸みをおびたボリューミーなデザインはこの500番台の特徴で、ニューバランスの人気はこのシリーズから始まったといっても過言ではありません。
500番台はもともとオフロードでの使用を想定してつくられており、安定した履き心地を誇るシリーズ。カジュアルにまとめたいのなら、500番がおすすめです。
900番台はシンプル
『900番台』は1982年に発売されたM990から始まったシリーズで、990・996・998などの型番が有名です。シルエットは細めのものが多く、高品質なシューズを求める消費者の支持をうけていまやニューバランスの定番ラインとなっています。
さまざまなカラーをミックスさせたデザインが多いほかの型番と違い、シンプルなデザインが目を引く900番台はシンプル好きな方におすすめのシリーズです。ちなみにM991は前述のスティーブ・ジョブズが愛用していたとされるモデルです。
特別なデザインが揃う1000番台
『1000番台』はニューバランスの中でも特別なデザインが揃う、フラッグシップモデルです。フラッグシップモデルはニューバランスの中での最上位に位置するシリーズで、『4桁』と呼ばれることもあり、革新的なデザインが多いのが特徴です。
ほかの人と被らない特別な1足がほしいという方におすすめな型番ですが、大量生産されていないラインなのでお値段も高く、入手も困難だといわれています。
ソールに注目して選ぶ
ソールの種類からどのシューズにするか選ぶのもアリです。ニューバランスはソールの種類に大きく分けて4つあるのは上記でご紹介しました。
ソールの種類は履き心地を左右する重要な要素ですので、使用目的や求める性能によって選ぶとよいでしょう。
長距離を歩くならば軽量に特化した『レブライト』、舗装されていないデコボコ道を歩くのならクッション性の高い『C-CAP』搭載のシリーズ、といったように快適に歩く・走るが可能なシリーズをシーンに合わせて選びましょう。
ワイズ表記で選ぶ
シューズの幅を表す『ワイズ表記』も、購入前にチェックしておきたいポイントです。
メンズは4種類、細身のものから『D・2E・4E・6E』とあり、レディースも同じく4種類で、細身のものから『B・D・2E・4E』とあります。
表記上のアルファベットはそれぞれ異なりますが、『やや細い・標準・幅広・超ワイド』と展開しています。多くのシリーズはDであることが多いですが、2~3種類ワイズを展開しているものもあるので自分にあったものを選びましょう。
Dだときついと感じる方は、2E以上のものを選ぶことをおすすめします。
機能性で選ぶ
機能性でシューズを選ぶ場合はソールでシューズを選ぶ時と同じように、どんなシーンで履くかを想定して選ぶとよいでしょう。
またニューバランスは、シューズはランニング用やアウトドア用やトレイル用など、さまざまなシーンを想定してカテゴライズされているので、目的がはっきりしている場合は特に選びやすいと思います。
生産国で選ぶ
『生産国』でニューバランスを選ぶ場合のポイントとして、それぞれの特徴をご紹介します。先述の通りUSA製・UK製の特徴は、品質が良く伝統的工法にのっとってつくられた少数精鋭のシリーズで、入手は少し困難かもしれません。
レアなものがほしい方やコレクションを検討している方はUSA製・UK製をチェックしましょう。一方のアジア製は、大量生産されているため数が豊富で、ニューデザインの展開のはやいシリーズです。
USA製・UK製と比較するとリーズナブルな価格で入手できます。多くの種類を集めたい方や、ランニング用やウォーキング用など目的別にニューバランスを集めたい方は、アジア製のほうがよいかもしれません。
ニューバランス (New Balance)おすすめの人気シリーズを紹介
996シリーズ
『996シリーズ』は990番台の代表作の1つで、オンロードモデルがそろう900番台の中でも人気のシリーズです。ランニングモデルならではの軽い履き心地と、どんな服装にも合う細身のシルエットが男女問わず魅了しています。
996シリーズで採用されているラストはニューバランスの定番木型とも言われている『SL-1』です。ラストとはシューズをつくるときにもとにする木型のことで、ニューバランスのには有名な3種類のラストが存在します。
その中で細身でスタイリッシュなラストがこのSL-1で、この細身のシルエットのおかげでカジュアルなスタイルがキマるのです。ニューバランスの登竜門としてもおすすめなシリーズです。
574シリーズ
『574シリーズ』は500番台の中でも人気の高いシリーズで、デコボコ道でも安定した走りを提供するトレイル用モデルの中でも圧倒的な人気を誇っています。574シリーズはM575を継承し、20年以上愛されているロングセラーシリーズのM576の廉価版といわれていて、クオリティや人気を考えると魅力的なお値段です。
996シリーズと同じく、574シリーズがはじめて買ったニューバランスだったという人が多いシリーズでもあります。
247シリーズ
『247シリーズ』は2017年登場したシリーズで、いままでご紹介してきたものの中ではかなり新しいシリーズです。247は『24時間、7日間』からきた番号で、現代人のライフスタイルに24時間7日間寄り添う、というコンセプトのもと登場したそうです。
人気モデルの1300・998・576をベースとしており、スーツ着用時にもマッチする都会的なデザインでもちろんクッション性も追及されています。忙しい現代人のオンにもオフにもフィットする247シリーズは、いま現在も新作を出し続けており今後も目が離せないシリーズです。
1400シリーズ
柔らかく足にフィットする履き心地が魅力の『1400シリーズ』ですが、実はニューバランスのコアなファンなら知っているある有名なストーリーがあるのをご存じですか。1300シリーズに引き続きリリースされる予定だった1400シリーズですが、当時の技術では量産できないという理由でリリースが見送られ、先に1500シリーズがリリースされたのです。
満を持してリリースされた1400シリーズは、ニューバランスの三大人気シリーズの1300シリーズの魅力であるデザイン性はそのままに、上品さとフィット感を改良する形でリリースされています。汎用性が高くカジュアルスタイルのみならず、きれいめなスタイルにも合う1400シリーズは、やや高めな価格設定ではありますが満足すること間違いなしです。