手ブレをしないように写真撮影やビデオ撮影をしたいときに便利な三脚ですが、場所をとるため運動会や発表会では使用が禁止されていたり、制限されたりすることもあります。そんなときにおすすめなのが『一脚』です。三脚ほど場所をとらず、かつコンパクトに手ブレを防いで撮影できます。
今回はそんな便利アイテム『一脚』について、三脚との違いや特徴を交えながら、これだけは覚えておきたい選び方を丁寧に解説していきます。おすすめの商品もランキング形式でご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも一脚と三脚の違いとは
『一脚』のメリットとしては、少ないスペースでも使えること、コンパクトで携帯しやすく速やかに出して使えることや、三脚よりも比較的安価であることなどが挙げられます。
一脚は支えが1本なので、三脚に比べるとどうしてもブレやすくなってしまいます。その点『三脚』はしっかりと固定できるので、撮影者がその場を離れてリモート操作ができるという特徴があります。それぞれのメリットデメリットを踏まえて、一脚と三脚がそれぞれどのような方におすすめできるかを紹介していきましょう。
一脚がおすすめな人
一脚をおすすめしたいのは、運動会や発表会、スポーツ観戦などの人が多く集まる場所での撮影を考えている方です。混み合う場所で三脚を広げると周りの人に気を使いますし、使用場所が限られてしまいます。一脚なら場所をあまりとらず、コンパクトで持ち運びにも便利なので、旅行やレジャーにもおすすめです。
三脚がおすすめな人
三脚をおすすめしたいのは、長時間の撮影を考えている方です。三脚の一番のメリットは手で支えなくても安定して自立できることで、セミナーや講演会など本格的な撮影をしたい場合には三脚をおすすめします。
植物のマクロ撮影や、動物を定点撮影したいとき、夜景の撮影もカメラの焦点を固定できるので三脚の使用が向いています。三脚は一脚に比べて大きく、重さがあるので車での移動が多い人におすすめです。
一脚の特徴
ここからは一脚のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。長所と短所を理解したうえで、自分の用途に向いているのか考えてみましょう。
一脚のメリット
構えるのが楽
一脚のメリットとしてまず挙げられるのは、カメラを手だけでもつより楽に構えられるということです。一眼レフカメラだと種類によってはレンズが大きかったりして重たいですが、一脚があれば安定して撮影ができ、腕の負担を大幅に減らしてくれます。
スペースを取らない
設置面積を広くとらないため、運動会や入学式など人が密集している場所でも気にせず使用できます。一脚はカメラをとりつけたままの移動も簡単にできることに加え、コンパクトなので持ち運びが楽だということも大きな特徴です。
三脚よりも安価
一脚は数千円で手に入るものも多く三脚と比べて安く手に入りますので、三脚は高くて手が出せないという方でも手軽に購入することができます。
一脚のデメリット
一脚デメリットについてお伝えしていきます。一脚のデメリットは主に以下の2つです。
手放し自立は難しい
一脚はモノポッドタイプのものは自立はできませんし、スタンドタイプであってもカメラは手で支えながらの撮影が推奨されていますので、長時間手放し自立での撮影には不向きです。
三脚よりもぶれやすい
一脚は1本の棒で支えるという構造になっているので、三脚のように軸を決めて固定することはできません。そのためどうしても三脚よりはブレやすくなってしまいますが、その構造のおかげで簡単にカメラのレンズを動かせるので、手ブレを防ぎつつ動く被写体を追えます。
おすすめの一脚の選び方
種類で選ぶ
一脚は大きく分けて、手に持って撮影する自撮り棒タイプの『モノポッド型』と自立式の『スタンド型』の2種類があります。
モノポッド型
『モノポッド型』は伸縮できる一脚の先端にカメラをつけて手に持って撮影するタイプのもので、自撮り棒としてもお馴染みになりました。
スタンド型
『スタンド型』は、一脚ですが自立できるタイプのことを指します。一脚とミニ三脚の足場を組み合わせたタイプの商品で、持ち運びのしやすさと安定感を持ち合わせているタイプです。スタンド型でも下のスタンド部分をとり外せば、モノポッド型として使用できる商品も出ました。用途によってどちらのタイプがベストか選んでみてください。
脚の長さで選ぶ
一脚は『脚の長さ』を調整して使います。自立させて使うスタンド型の場合は、立ったまま使うのが基本になるので、自分のアイレベルから身長を超えるほどの大きさの商品を選ぶとよいでしょう。足場より低い位置に設定して撮影する場合もあるので、想定される高さよりも大きめの商品を選んでおくと安心です。
耐荷重で選ぶ
『耐荷重』は一脚がどれほどの重さのものまで支えられるかということを表したものです。耐荷重を無視して購入してしまった場合、カメラの位置がうまく固定できなかったり安定できずに倒れてしまうなど、困ったことにもなりかねません。
望遠レンズを使用する場合にはカメラ本体だけでなく望遠レンズの重さも考慮する必要があるため、目安としては耐荷重がカメラの重さの2倍ほどの商品を選ぶとよいでしょう。重い機材を載せるつもりの方は、気をつけてください。
パイプ径で選ぶ
一脚は脚の『パイプ径』が太いものほど安定します。脚が細すぎると使っているときに脚がしなって安定しないことがあるため気をつけましょう。
カメラの種類別のパイプ径太さの目安は以下の通りです。
・パイプ径20~25mm:ミラーレス一眼カメラ+ズームキットレンズ
・パイプ径25~30mm:デジタル一眼レフカメラ+焦点距離200mm未満の望遠ズーム
・パイプ径30mm以上:デジタル一眼レフカメラ+焦点距離200mmを超えるレンズを使用する場合
パイプ径が太ければ安定性は上がりますが、その分重くなってしまいますのでパイプの素材も一緒にチェックしましょう。
携帯性で選ぶ
持ち運びやすさを重視するのであれば、軽い素材の一脚を選びましょう。一脚の素材の多くは『アルミ製』か『カーボン製』です。
アルミ製
『アルミ製』は重く、ずっしりしていますが、その分安定感があり揺れにも強いことが特徴です。値段がカーボン製に比べて安価なので、コストを抑えたい方にはおすすめできます。
カーボン製
『カーボン製』の一脚は一般的にアルミ製の2/3程の軽さなので、旅行などで携帯性を重視されるのであれば、アルミ製よりは高価ですがカーボン製の商品がおすすめです。
脚を伸ばしやすさで選ぶ
脚が出しやすいかどうかもチェックしておきたいポイントです。脚のロックには『ナット式』と『レバー式』の2つのタイプがあります。
ナット式
『ナット式』は一つひとつリングを回して緩めたり閉めたりと手間がかかりますが、レバーの出っ張りがないのでスリムにしまえます。
レバー式
一方『レバー式』はレバーを全部一緒に握って緩めると、脚の重さでストンと伸びて素早く設置できるため、早い移動が求められる撮影シーンではレバー式の一脚がおすすめです。
雲台で選ぶ
『雲台』とはカメラをセットする台のことで、『3WAY雲台』・『2WAY雲台』・『自由雲台』の3種類があります。
『3WAY雲台』は、上下左右+傾きの3方向、『2WAY雲台』は、上下左右の2方向で調整ができます。ただし縦撮影はできません。『自由雲台』は可動部分が球体になっているため、上下左右だけではなく、傾きも調整できるのでおすすめです。
一脚のおすすめシーン
一脚を使うシーンがいまいちわからないという方のために、おすすめの使用シーンをご紹介します。
まずは子供の運動会です。1年に1度の行事でキレイな写真を残したくても、人が多いため幅のある三脚を使うのは気が引けるでしょう。そんなときに便利なのが一脚です。
手ブレを防いで、幅もとらないので周りの目も気になりません。重たい望遠レンズを使うときも一脚を用いれば、手持ちでの大変な長時間の撮影を楽にしてくれますし、安定感も出ます。