『オリーブオイル』はもともとイタリアで普及し、日本でも普及するようになりました。オリーブオイルはさまざまな国のオリーブの木から採取されたオリーブを加工することでつくられています。
オリーブの果実をそのまま搾ってつくるものや精製オイルにブレンドしてつくるものなど、つくる方法はさまざまです。
実は、種類が多用にあるオリーブオイルの違いを把握するのは難しいもの。
今回はオリーブオイルを購入するときに知っておきたい種類の比較についてご紹介しています。また選ぶ上でのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめのオリーブオイルの種類
エクストラヴァージンオリーブオイル
『エクストラヴァージンオリーブオイル』はオリーブの実を搾っただけのオイルを指します。
オリーブオイルの実を粉砕して圧縮する以外、一切化学的な処理を行っていません。オリーブの実に含まれている天然成分が、豊かな風味としていかされているオリーブオイルです。加熱すると豊かな香りが飛んでしまうので、カルパッチョにかけたり調理の仕上げにかけたりするのが正しい使い方。
また果物や野菜自体の食材の香りを残したい場合はピュアオイルの方が向いています。
ピュアオリーブオイル
『ピュアオリーブオイル』はオリーブの実を搾っただけのオイルを精製することで、風味のない油にしたものをエクストラヴァージンオリーブオイルや、ヴァージンオリーブオイルとブレンドしたものを指します。何対何でブレンドするという比率はありません。
加熱用の油やドレッシングのベースに使うときに便利なオイル。香りが強くないので食材の風味を遮りません。エクストラヴァージンオリーブオイルと比べると比較的、安価に手に入ります。
オリーブポマースオイル
『オリーブポマースオイル』とはエクストラヴァージンオイルをつくるときに、搾り終わったオリーブの実に残ったオイルです。
ポマースはオイルとしてつくることができる、搾りきったオリーブの実を指します。ポマースでつくられたオイルにヴァージンオイルを足すと、オリーブポマースオイルになります。
オリーブポマースオイルは炒め物や揚げ物用の油に最適です。ピュアオリーブオイルよりもリーズナブルに購入することが可能。
オリーブオイルを原産地別に比較
オリーブは世界各国で生産されていて、それぞれの国によってオリーブの風味は違います。ここでは、オリーブの原産地を国ごとに比較しています。
『スペインのオリーブオイルってどんなの?』『アメリカのオリーブオイルの風味は?』など、気になる方はぜひご覧ください。
スペイン
オリーブオイル生産量世界一位を誇る『スペイン』。
世界の約4割のオリーブオイルがスペイン産という驚きのデータもあるほどです。スペインでつくられたオリーブオイルは完熟のオリーブの実を搾油したてのフレッシュな風味が強み。
安定した味が保証されていて、キツイ個性がありません。さまざまな料理に合うように調整されているので、料理に使いやすいのは嬉しい点です。価格はリーズナブルなものが多いので、使いやすいのも人気の理由です。
イタリア
スペインと同様に高い生産量を誇るのが『イタリア』です。
日本が1番輸入しているオリーブオイルはイタリア産なのです。スペインと比べるとイタリアのオリーブオイルは品種が豊富で、搾油所も世界最多。
なんと品種はぜんぶんで427品種もあり、イタリアの各地でオリーブオイルが生産されています。イタリア国内で消費されているオリーブオイルの量は多く、品質も高いものが多いです。しかし輸出されているオリーブオイルの中には品質の悪いものもあるので要注意。
チュニジア
『チュニジア』では、輸出食品のおよそ7割がオリーブオイルです。
それほど多くのオリーブオイルを輸出しているチュニジアでは、国内に27万人の生産者がいます。世界のオリーブ耕作面積の約20%はチュニジアで、世界第2位。
しかし日本での流通量は少ないので認知度が低いのが現状です。チュニジアのオリーブオイルは品質が高く、長期保存にも対応しています。
ギリシャ
『ギリシャ』のオリーブオイルは品質の高さが評価されています。
用途に応じてさまざまなオイルを使い分けることが多いのですが、ギリシャではすべての調理方法に使用されています。国民一人あたりのオリーブオイル消費量は、年間で60Lと言われているほどです。
調理油としてだけではなく、健康食としてスプーンに注ぎ単体で飲むこともあります。ギリシャのオリーブの実は中身が濃く、風味がしっかりとついているのが特徴です。
トルコ
オリーブの栽培の始まりと言われている『トルコ』。
トルコでつくられたオリーブオイルは苦味が少なく、口あたりがスッキリしていることが多いです。そのためヨーロッパ諸国では味の調整にトルコ産のオリーブオイルを使用することも珍しくありません。
トルコ産のオリーブオイルはイタリアやスペインと風味が似ています。オリーブオイルの産地はトルコ各地にありますが、中でもアナトリア地方内陸部には世界最古の搾油が行われたとされています。
モロッコ
オリーブの実がしっかり熟してから収穫しているのが『モロッコ』産オリーブオイルの特徴です。
完熟しているオリーブを求める人が多く、まるでバターのようなマイルドなオリーブオイルが多いです。モロッコはオリーブオイルよりもオリーブの実を塩漬けにしたテーブルオリーブ生産が人気。
さまざまなオリーブの品種がありますが、中でもモロッコ・ピショリーヌ種はフルーツの桃を連想させる芳醇な風味です。
アメリカ
『アメリカ』はオリーブオイル消費大国で、世界で1番オリーブオイルを輸入している国です。
消費だけでなく1980年代から生産国でもあります。カリフォルニア州北部・中央部がメインの生産地でしたが、他の州にも広がりはじめました。従来はテーブルオリーブが主流でしたが、近年はオリーブオイル製造に力を入れています。
日本
『日本』で生産されているオリーブの大半は瀬戸内海小豆島でつくられたもの。瀬戸内海の温暖な気候がオリーブ栽培に適していて、小豆島では生産しやすくなっています。
小豆島でつくられたオリーブは品質が高く、優しくてまろやかな風味です。すべて手摘みで素早く搾油しているからこそ高品質を保てています。小豆島にあるオリーブ栽培にぴったりの土地は限られているのが現状で、生産量は少ないのが現状です。
おすすめなエクストラヴァージンオリーブオイルの選び方
エクストラヴァージンオリーブオイルにはさまざまな種類があり、どれがよいオリーブオイルなのか迷ってしまいます。
ここでは、美味しいオリーブオイルを見分けるために抑えたいポイントをいくつかご紹介しています。エクストラヴァージンオリーブオイルを購入するときにはぜひ参考にしてみてください。
酸化しにくいボトルで選ぶ
酸度は低ければ低いほど、酸化しにくいオリーブオイルです。
オリーブオイルの酸化を防ぐためにはボトルをチェックすることを忘れないようにしましょう。軽めのプラスチックボトルは便利な反面、酸素が中に入りやすくオリーブオイルの劣化が早いです。光や酸素を通しにくいガラス製のボトルを選びましょう。
またボトルの色は濃い目で遮光を意識しましょう。一度開封してしまうと酸素に触れて劣化が進んでしまうので、できるだけ早く使い切れるように小型ボトルを選ぶことも必要です。
本物かどうかで選ぶ
実はエクストラヴァージンオリーブオイルと名乗って、精製オイルやサラダ油をブレンドしたオイルが販売されています。
ブレンドされたオイルはどれも偽物なので、購入する際には見極めることが大切です。本物と偽物を区別するにはボトルのラベルをチェックしましょう。
オリーブオイルの生産国、原材料、処理方法、賞味期限、オリーブの種類を見ることです。ラベルにオリーブオイルと表記されていても、中身は違っていることもあるので注意しましょう。
用途にあわせて選ぶ
オリーブオイルには複数種類が存在することは先にも述べました。
中でもエクストラヴァージンオリーブオイルは1つあると、色々な使い方が可能です。そのままトーストやバケットに塗ったり、サラダにかけたり、ステーキにかけたりするのもおすすめ。他にはパスタやアヒージョ、とんかつなど熱に強い特徴をいかして加熱料理に使用するのも向いています。
しかしエクストラヴァージンオリーブオイルは、高温で使用してしまうと香りが逃げてしまうのも事実。そのまま料理にかけるのであればエクストラヴァージンオリーブオイル、炒めるのであればピュアオリーブオイル、揚げるにはオリーブオイルがおすすめです。
香りを楽しみたい方
オリーブオイルの色味が濃いほど、香りが強いというデータがあります。香りは強ければ強いほど食欲をそそるので、よい香りのものを選びたいです。
スモークしたオリーブオイルのような香りの商品が多くあります。美味しく使用するためにもオリーブ本来の香りがする強めのものを選ぶのがおすすめ。
熱を加えない方
炒め物や揚げ物用にオリーブオイルを使わない場合は高い品質のオリーブオイルを選ぶのがおすすめ。そのままつけて食べる場合は高品質の方が風味が豊かで美味しいからです。
オリーブオイルの種類によって熱に強いものや弱いものがあるので、用途によって使い分けることが大切です。炒め物や揚げ物に使う場合は、高品質である必要はないので注意しましょう。
店頭で高品質のエクストラヴァージンオリーブオイルを購入する場合は、『オーガニック認証』をチェックすることがおすすめです。
『オーガニック認証』を受けたものは高品質と世界に認められている商品のみです。遮光瓶に入っていることや品種名が記載されているなど、いくつもの厳しい条件をクリアしたオリーブオイルだけ認証を受けられます。
他のエクストラヴァージンオリーブオイルと違って高品質が保証されているので、認証を受けているかチェックしましょう。
少量で楽しみたい方
オリーブオイルは一度開栓してしまうと、酸素に触れてしまい急激に劣化が進むので、なるべく早く使い切ることを意識して選びましょう。
長期でも2か月で使い切れるサイズを選ぶことが大切です。基本的にオリーブオイルは開栓後、3か月を過ぎると香りが飛んでいきます。
オリーブオイルを食べられる期間は1年から2年と長いですが、香りや味が保持される期間は短いのです。3か月を過ぎる場合は加熱用油に使用することがおすすめ。
エクストラヴァージンオリーブオイルのおすすめの保存方法
オリーブオイルは保存方法のコツを抑えておくだけで美味しく長持ちさせることができます。できる限り長い期間、美味しく保つためにも保存方法をしっかり知っておきましょう。
直射日光を避けたところに置く
オリーブオイルは直射日光にあたると成分が反応を起こしてしまうのでNG。結果的に品質が落ちることに繋がることは控えましょう。
また30度以上の高温の場所で保存するのもおすすめしません。ガスやトースター、レンジ近くに置く人も多いですが、高温にあたることで劣化が進みます。オリーブオイルを保存する場合は直射日光を避けてキッチンの隅などに置くことが大事です。
冷蔵庫にはいれない
高温に弱いオリーブオイルですが、冷たすぎる温度も弱いということは意外と知らない事実です。劣化を防ぐために冷蔵庫に入れる人もいますが、オリーブオイルは温度が低すぎると風味が飛んでしまう原因に繋がります。
冷蔵庫に入れたり出したりを続けることで、オリーブオイルに含まれている分子や粒子が空気中に分散しやすくなるからです。品質は保たれたまま風味が損なわれるのは非常にもったいないことでしょう。できるだけ常温で保存しておくことが、美味しく食べる上では必要です。
保管する瓶には注意
オリーブオイルは紫外線を受けることで品質が変わってしまいます。
そのためオリーブオイルが入っている瓶は、できるだけ濃い色を選択しましょう、
ポイントは濃い緑、黒っぽい色の瓶を選ぶことです。これらの色は遮光性が高いので、オリーブオイルの品質を長く保たせることができます。