家電量販店の一角でよくみる『360度カメラ』。最近では『インスタ映え』の写真が撮れると、若者から人気を集めています。
今回は、そんな360度カメラについて徹底解剖します。カメラでの撮影の幅を広げてみたい方、興味があるけど機会がなくて手をつけられていない方はぜひ参考にしてみてください。
360度カメラとは
『360度カメラ』とは、ワンショットで360度全方位の静止画や動画を撮影できるカメラです。
VR動画やGoogleストリートビューをイメージしていただけたらわかりやすいでしょうか。もちろん360度カメラでこういったコンテンツも簡単に作れます。
なぜこういった動画が撮れるのかというと、超ワイドアングルの魚眼レンズを搭載しているから。魚眼レンズは画用が広く、遠近感が協調され大きな湾曲があるので面白い動画が撮れます。
またカメラの種類によっては、魚眼レンズ特有のゆがみが全くない超広角画像に変換もできます。
今SNSで大ブーム
360度カメラはもともと業務用として開発されていたものの、一般向け商品としては技術的に未熟で、日の目をあびることはありませんでした。
ところが近年、インターネットでの動画配信やSNS・VR動画などが普及し、全方向を同時に撮影できるという斬新な360度カメラが大ブームを巻きおこしました。
2016年にはVR元年とも呼ばれ、世界各国の有力メーカーから次々と低価格かつ機能が充実した製品が世に送り出されています。
普通のカメラに比べて容量が大きい
動画も撮れる360度カメラは、当然普通のカメラよりも容量が大きくなります。
撮影したデータを保存する方法は2種類あり、カメラの『内蔵ストレージ』に保存するタイプと『microSD』に記録するタイプがあります。
内蔵ストレージに保存するタイプのカメラは手軽に撮影できますが、空き容量がなくなると中断してしまうので、撮影したデータはこまめにPC等に移しかえておくことが大切です。
microSDカードに記録するタイプのカメラは、使用するカードの容量で保存容量が決まります。撮影途中で容量がいっぱいになってもmicroSDカードを差し替えれば撮影を続行できます。ただし使用するmicroSDカードによってはカメラが認識しないことがあるので注意が必要です。
360度カメラの仕組みと使い方
360度カメラには魚眼レンズが前後に2つ配置された『ダブルレンズカメラ』と魚眼レンズの配置は1つの『シングルレンズカメラ』があり、どちらも撮影した複数の画像を自動的につなぎ合わせることで、違和感なく360度の景色を作り出しています。
使い方はとてもシンプルです。
1.撮る
ボタン1つで撮影開始。工夫すると様々な視点からの面白い画像が撮れます。
2.見る
Wi-Fi機能が搭載されているのでスマートフォンやPCですぐに確認できます。
3.編集する
専用アプリで特殊効果を付与できます。
4.共有する
SNSにアップロードすることで好きなコンテンツに配信されます。ライブストリーミング対応のカメラであればリアルタイムでの映像配信も可能です。
360度カメラのおすすめの選び方
360度カメラを選ぶ際には、どういった撮影風景を撮りたいかが一番重要です。
また、撮影した画像の保存方法やお手持ちのスマートフォンやPCと360度カメラの相性も大きな判断材料となります。
これらのポイントは必ずおさえておきましょう。
性能で選ぶ (動画メイン使用の場合)
動画メインでのご使用をお考えの方は、フルHDの動画や4K動画、ハイスピード動画、早送り映像などが撮影できるタイムラプス機能がついた360度カメラを選ぶと、ぐっと撮影の幅が広がります。
フレームレート
フレームレートは30fpsよりも60fpsを選んだほうが被写体の動きが滑らかに撮影できます。
フルHD動画では、被写体の動きをより滑らかに撮影できるようにフレームレートが選べるカメラであるかもチェックしておきましょう。
デジタルカメラの性能で選ぶ (静止画メイン使用の場合)
静止画をメインに撮りたい場合、画像サイズが大きく、より高感度で撮影できるほうが一般的に良いとされています。
仕上がりによって毎回撮影するテンションも変わってきますから、求める画像サイズや感度は自分が求めているものか必ず確認しましょう。
画素数
細部まで鮮明に撮影したい場合、カメラの画素数の数値が大きくなるほど高精細な画像が撮れます。
SNSにアップするだけなら、1,200万画素でも十分にきれいな画質ですが、VR動画として臨場感を味わいたい時や迫力満点なキレイな景色を撮影する時には、もう少し画質にこだわりたい方も多いのではないでしょうか。
360度カメラには約2.400万画素相当もの画質まで撮影できるカメラや手ブレ補正のあるカメラもあり、4K静止画対応についてもほぼ標準装備のため、プロ顔負けの高品質な画像が自分で撮影できます。
ストレージ
前述の通り360度カメラの撮影データを記録する方法には内蔵ストレージとmicroSDカードの2種類があります。
どちらの方法であっても、高画質な動画を多く撮影する場合や長時間連続撮影をしたい場合、できるだけ大きなストレージ容量を選ぶようにしましょう。
耐環境性能で選ぶ
旅行先やスポーツ、アウトドアでのシーンで撮影する機会が多い方に是非チェックして欲しい『耐環境性能』。
たとえば防滴機能があれば急な雷雨でも安心して撮影ができます。水深5メートルまで対応可能な防水カメラや防水アクセサリーも発売されているのでスキューバダイビングで思い出に残る画像を撮影することも可能です。
他にも耐ショック性の高いカメラは、数メートル高いところから落としてしまっても問題なく使えるので足元が悪い場所での登山やロッククライミングなどのシーンでは活躍します。
目的に合った耐環境性能を選んで迫力のある画像を撮影しましょう。
スマートフォンとの連携機能で選ぶ
360度カメラは他のデジタルカメラと違って液晶モニターがないので、撮影した画像や動画などのデータを360度カメラ単体では確認ができません。撮影したデータはスマートフォンやPCで確認、編集、共有が必要で、カメラの機種によってはスマートフォンと連携して撮影するタイプのカメラもあります。
そのため360度カメラがお持ちのスマートフォンに対応しているか、事前に必ず確認しておきましょう。
アプリの完成度も重要
撮影したデータを編集する際に360度カメラ専用アプリを使用する機種が非常に多いので、アプリがスマートフォンに対応していると非常に便利です。撮影開始や終了、遠隔操作もアプリで行えるので撮影の幅が広がります。
360度カメラの専用アプリがiPhone専用の『iOSアプリ』か『Androidアプリ』かも確認しておきましょう。
「全天球カメラ」と「半天球カメラ」の違いを意識する
『全天球カメラ』と『半天球カメラ』の1番大きな違いは撮影した画像の仕上がりですが、用途や操作性の違いも把握しておくとさらに自分に合った360度カメラが見つかりやすくなるでしょう。
360度カメラは大きく分けて上記の2種類ありますので、どちらを選ぶかは好みや使用目的、どんな画像が撮りたいかによって変わってきます。
ダブルレンズ (全天球カメラ)
1つ目は魚眼レンズが前後に2つ配置された『ダブルレンズカメラ』です。
大きな特徴はレンズを2つ組み合わせてそれぞれのレンズで撮影した画像を合成 (スティッチ)することです。この技術により上下左右360度の撮影が可能で、撮影された動画や画像はどのアングルからでも見え、球体のようなイメージです。
合成しているので仕上がりのクオリティは半天球タイプに若干劣りますが、この合成は自動で行われますので誰でも簡単に行えます。
シングルレンズ (半天球カメラ)
2つ目は魚眼レンズが1つの『シングルレンズカメラ』です。
半天球カメラはレンズ1枚で撮影されるため、水平方向は360度撮影できますが、垂直方向は180度~235度しか撮影できません。そのため撮影範囲は狭くなりますが、下方向が映りこまないので三脚や自撮り棒などの余計なものが映りこまないというメリットにもなります。
また1枚のレンズで撮影されているため、つなぎ目がなく自然な仕上がり。ある程度の技術があれば半天球カメラを2台使って360度の撮影もできるので、画像や動画のこだわりがある方にはピッタリです。
価格で選ぶ
価格はスマートフォンに連携して撮影するタイプのカメラで安価なものだと5千円前後から、単体で使えるタイプでハイスペックなものだと10万円を超すものまであります。
また半天球カメラは搭載レンズが1枚なのでその分価格帯も安く、全天球カメラはレンズが2枚分あるので半天球カメラより少し高くなる傾向にあります。
対応アクセサリー数で選ぶ
360度カメラをより楽しむために三脚や自撮り棒、VRゴーグルや予備バッテリーのアクセサリーは必要不可欠。その中でも特に必須アイテムなのが予備バッテリーです。
360度カメラで高画質な動画を撮影した場合、必然的にバッテリーの消費も早くなります。予備バッテリーがあれば楽しい思い出が台無しになることもありません。対応しているアクセサリーの種類は、事前に確認しておきましょう。
360度カメラにおすすめのアプリ
360度カメラを気軽に疑似体験できるスマートフォンアプリがあります。これらのアプリはiOS向けにもAndroid端末向けにも数多く提供されていて、基本的にどのスマートフォンでも対応しています。
カメラを購入するほどではないけれどレジャーやアウトドアのシーンで一味違う写真を撮影してみたい方や360度カメラをすでに持っている方でも、ふとした瞬間にシャッターチャンスを見つけた時便利なアプリをご紹介します。
値段も数百円程度でダウンロードができ、高性能で臨場感のあるパノラマ写真が簡単に楽しめます。中には無料で一眼レフさながらの画像が撮影できるアプリもありますので、是非チェックしてみましょう。
パノラマ360
パノラマ360はAndroid端末・iOS端末どちらにも対応している360度カメラです。基本利用は無料なので気軽にダウンロードできます。
使い方は至って簡単で画面をタップすると撮影が開始され、ポインターが表示されます。あとはポインターに従ってスマートフォンの向きを変えていくだけです。
最後に画面を再度タップしたら撮影がストップされ、自動的に360度のパノラマ写真が完成します。
DMD Panorama
このアプリもAndroid・iOSどちらにも提供されています。複数枚の写真を連続撮影してつなぎ合わせたパノラマ写真に加工する360度カメラアプリです。
スマートフォンをもって「スタート」ボタンを押すだけで、一眼レフで撮影したかのような美しい画像が撮れるのが魅力。
自動でシャッターを切ってくれるので写真のピントがぼやける心配がなく、写真のつなぎ目がきちんと合っていないと連続写真が撮れないように工夫されているため、撮影した画像は違和感なく自然な仕上がりです。
360度カメラはレンタルできるのか?
結論からいうと、360度カメラのレンタルサービスは存在します。
種類や機能も豊富でどのカメラを購入したら良いかわからない方、一度試しに使ってみたい方には360度カメラのレンタルサービスがおすすめです。機種もRICOHのTHETAシリーズやコダックのアクションカメラ、Insta360シリーズなどの人気シリーズがあり、付属アクセサリーも一緒にレンタルできます。
またレンタルをしている会社によっては、最短翌日にはレンタル開始可能で、コンビニからの発送でも返却できるサービスがありますので、急なお出かけなどでも対応力は抜群です。
レンタルと購入、どちらがお得?
気になるレンタル料金ですが、レンタルする機種のスペックによって料金が変わってきます。また最低泊数が1泊2日から3泊4日など、拍数によっても異なります。
『RICOH THETA V』で1日あたりのレンタル料の平均は2千円前後です。
本体を購入すると4万5千円前後するので、使う頻度によってもお得感は変わってきます。
360度カメラの購入やレンタルを検討されている方は一度、レンタル会社で扱っている機種やサービス内容等、確認してみましょう。