部屋を快適な温度にするため、夏や冬に欠かせない『エアコン』。年々エアコンの省エネ性能は上がっており、新しいものに買い換えれば電気代を抑えられます。
しかし購入を検討しても、何を基準に省エネ性能を比べればいいのか、分からない人もいるでしょう。
エアコンは新しいモデルがどんどん増え、機能も豊富です。迷ってなかなか選べない人も多いはず。
そこで今回は省エネエアコンの選び方や、省エネエアコンのランキングをご紹介します。
省エネエアコンを選ぶ際のおすすめ知識
エアコンの省エネ性能を比べる上でまず知っておきたいのが、省エネ基準達成率とAPFの2つです。それぞれ何を意味しているのか、以下で解説します。
省エネ基準達成率
『省エネ基準達成率』は、そのエアコンが省エネ性能の基準値をどれぐらい達成しているのか、%で表します。ただし%の数字が高いほど、エアコンの省エネ性能が高いわけではありません。
例えば、省エネ基準達成率が110%と120%のエアコンを比べた場合、120%の方が省エネ性能が上とは限りません。
冷房能力やエアコンのサイズによって目標となる基準値が異なり、数字だけで単純には比較できないためです。冷房能力やサイズが同じエアコンであれば、省エネ基準達成率の数値が高いほど省エネ性能に優れ、電気代を安くできます。
APF
エアコンの省エネ性能を比較するとき、省エネ基準達成率に加えて重要なのが『APF』です。
APFとは、通年エネルギー消費効率のこと。ある一定の条件でエアコンを運転した際、1kWでどのぐらい冷やすか、または暖めるかを数値で示します。
冷房能力やサイズが違うエアコンでも比較でき、APFの数値が大きくなるほど省エネ性能に優れています。
エアコンが18畳用ならAPF6以上、14畳用以下なら7前後が理想的です。
省エネエアコンのおすすめの選び方
省エネ性能が優れたエアコンは多数あります。どんな点に注目して自分に合う省エネエアコンを選べばいいのか、おすすめの選び方をご紹介します。
機能で選ぶ
近年のエアコンには、さまざまな機能がついています。次の4つの機能があると大変便利です。
空気清浄機能
エアコンに空気清浄機能があれば、ホコリや花粉などを取り除いてくれます。室内の温度を快適にキープしつつ、部屋の空気をきれいする、便利な機能です。
空気清浄機能を大きく分けると、フィルターを使うタイプ、イオンや電子を発生するタイプの2つがあります。
エアコンの大半が、フィルターを使うタイプです。空気清浄機と同じように、部屋の空気をフィルターに通して汚れを吸着します。
イオンや電子を発生するタイプは、放電で空気中の汚れを引き寄せるのが特徴です。
自動洗浄機能
フィルターを使って空気清浄するエアコンは、どうしてもフィルターが汚れます。自動洗浄機能つきなら、フィルターを自動で掃除。掃除の手間が省け、エアコンから出る臭いや汚れを軽減できます。
中には、熱交換器を自動洗浄するエアコンもあります。掃除が難しい内部を洗浄してくれるので、便利です。
定期的にエアコンを掃除しないと、ホコリが溜まって運転効率が下がり、余分な電気代がかかってしまいます。自動洗浄機能は、省エネにもつながるのが魅力です。
スマホ連携機能
『スマホ連携機能』が備わったエアコンは、外出先でもアプリでエアコンの運転を操作できます。
帰宅前にスマホを使ってエアコンの運転をオンにしておけば、帰ったときに夏は涼しく、冬は暖まっており、大変便利です。
部屋の温度やエアコンの状況もスマホで見られるため、エアコンの消し忘れが気になったときも家に戻らずにすぐチェックできます。
モデルによっては電気代も分かるので、前月よりも省エネできているか、一目瞭然です。
気流制御機能
エアコンの運転中、場所によって風が強く当たったり、ほとんど当たらなかったりと、ムラが生じることがあります。
気流制御機能がついていれば気流をコントロールし、風のムラを改善。冷気または暖気を循環させ、部屋の隅々まで風を効率よく届けます。
どこに人がいるか検知して、風が直接当たらないように風向きや風量を変えるエアコンもあります。快適に過ごせるので、滞在時間が長い部屋におすすめの機能です。
部屋の大きさで選ぶ
それぞれのエアコンには8畳や14畳など、畳数の目安が定められています。
部屋の大きさに合わないエアコンを選んでしまうと、部屋を冷やしたり暖めたりする効率が悪くなり、省エネになりません。
例えば、エアコンを設置したい部屋が8畳の場合、目安14畳のエアコンを選べばパワーが強すぎて、ムダな電気代がかかってしまいます。
自分の部屋の大きさに合うエアコンなのか、畳数をきちんと確認することも大切です。
メーカーで選ぶ
メーカーごとに、エアコンの機能や魅力は異なります。具体的にどんな点が異なるのか、特徴をご紹介しましょう。
ダイキン
エアコンだけではなく、空気清浄機にも定評がある『ダイキン』。
部屋の空気を循環する、『サーキュレーション気流』が魅力です。冷房時は天井にエアコンの気流を沿わせて冷気が降り注ぎ、暖房時は壁と床に沿って足元から暖まります。
冷房中に暑くなったり、寒くなったりする人は『プレミアム冷房』が便利です。一般的に設定温度に達すると冷房は止まり、湿度が高くなります。温度が同じ場合、湿度が高いと暑く感じます。
『プレミアム冷房』は湿度をコントロール。設定温度になっても湿度が上がらず、快適な状態をキープしてくれます。
三菱
霧ヶ峰シリーズで有名な『三菱』。
『ムーブアイ』と呼ばれる赤外線センサーが、人の場所や部屋の温度を検知し、最適な風を送り届けます。部屋にいる人が、それぞれ快適に過ごせるのが魅力です。
送風と冷暖房を組み合わせた『ハイブリッド運転』も特徴的。体感温度によって運転を切り替え、温度が高いときは冷房、低いときには送風にします。必要に応じて電気代の安い送風に切り替えるため、省エネを重視する人に嬉しい機能です。
SHARP (シャープ)
『SHARP』は独自の技術、『プラズマクラスター』が特徴です。イヤな臭いの原因となるタバコ臭やペット臭、生乾き臭などを取り除き、空気を浄化します。
プラズマクラスター単体でも利用できるので、エアコンを使用しない時期に空気清浄機として使うのもおすすめです。
また、エアコン内部のカビの繁殖を抑える効果により、内部を清潔にしながら、カビの臭いも防ぎます。自動洗浄機能とあわせれば、さらに効果的です。
静電気を抑える効果も魅力で、寒い時期に重宝するでしょう。
Panasonic
『Panasonic』は『ナノイーX』を搭載したエアコン、エオリアシリーズを展開しています。
『ナノイーX』は水から生まれたイオンを採用し、空気中のカビや花粉などを抑制。水分が含まれているため、肌や髪にうるおいをもたらします。
エアコン内部のホコリやカビを防ぐ『オートクリーンシステム』、フィルターのホコリを屋外へ自動排出する『フィルターお掃除ロボット』といった掃除の機能も充実。
脱臭効果も高く、タバコ臭や生乾き臭の他、焼き肉臭や加齢臭も軽減します。
日立
白くまくんでおなじみの『日立』。
エアコン内部を凍らせて一気に溶かす、『凍結洗浄』で汚れを落とすのが特徴です。洗うのが難しい、エアコンの奥まできれいに洗浄します。
『ecoこれっきり』機能をオンにすれば、『くらしカメラ』が人の位置や動きなどを把握。適切な温度に調節しながら、省エネで運転します。
部屋を自動認識し、風の量と幅をコントロールする『間取りサーチ』も便利です。
菌や汚れから守るステンレスを採用しているので汚れにくく、エアコンを清潔に保つ効果が期待できます。
東芝
『東芝』は空気清浄にこだわった、大清快シリーズを展開。花粉、ウイルスやハウスダストだけではなく、0.1~2.5μmと細かい粒子も除去します。
『ecoモード』では日当たりをチェック。例えば、日が差す冬の昼間は自動的に暖房を弱めます。ムダな電気を使わず、省エネに効果的です。
付属のノズルを使って掃除する『楽ダストボックス』は、掃除機でダストボックスを気軽にお手入れできます。
冷房または除湿時に結露した水で、熱交換器についた汚れや油を洗い流す『マジック洗浄熱交換器』も魅力です。
クラスで選ぶ
エアコンは機能の充実度や性能により、大きく3つのクラスに分かれています。エアコンを設置したい部屋や優先する機能にあわせて、自分に合うクラスを選びましょう。
ベーシッククラス
『ベーシッククラス』は冷房や暖房、除湿、タイマーといったエアコンの基本的な機能だけがそろっているのが特徴です。
自動洗浄機能はないため、定期的にフィルターの掃除をする手間があります。しかし機能が少ない分、価格が安いのが魅力です。
『冷暖房の機能があれば良い』『安いエアコンを選びたい』という人にはベーシッククラスをおすすめします。
ミドルクラス
『ミドルクラス』は基本的な機能に加えて、フィルターの自動洗浄機能がついています。
フィルターを自動的に掃除してくれるので、自分で掃除するのが面倒な人や、多忙で掃除する時間をとれない人にぴったりです。
ベーシッククラスよりもランクが上で、空気清浄機能などの機能を備えたモデルもあります。価格は中間に位置しているため、寝室や子供部屋へ設置するのがおすすめです。
最上位クラス
『最上位クラス』は文字通り、エアコンの中でもっともランクが上です。便利で役立つ機能がすべて備わっています。
スマホ連携機能や気流制御機能、熱交換器の汚れを自動で落とす機能など、嬉しい機能が豊富にある点が魅力です。
節電に関する機能も充実しているクラスなので、省エネに大きく貢献します。過ごす時間が長い、リビングに設置するエアコンとしておすすめです。