テレビや動画、何気なく聞いている音楽などのエンターテイメントの場では、高性能なマイクが多く使われているのはご存知ですか。今回は録音や配信に最も適しているといわれるマイク、『コンデンサーマイク』の性能や仕組みについて解説していきます。
コンデンサーマイクの商品特徴や選び方に収まらず、おすすめ商品ランキングも厳選してご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンデンサーマイクとは
マイクには『ダイナミックマイク』と『コンデンサーマイク』があり、用途や目的によって使い分けされています。
『コンデンサーマイク』は音の振動を電圧に変換できるので、収音する音の解像度が非常に高く、息遣いなどの繊細な表現が求められるボーカル音やオーケストラ、アコースティックギターなどの録音に最適です。スタジオでの録音などでも一般的によく使われています。
漫才でおなじみの38マイクもコンデンサーマイクで、縁の下の力持ちとしてさまざまな場面で活躍してくれているのです。
ダイナミックマイクとの違い
『ダイナミックマイク』はカラオケなどでよく見かけるマイクのことで、音量を増大させることに特化しています。
さらにハウリングに強く頑丈なので、どちらかというと路上ライブやライブハウスなどの音楽シーンに適しているでしょう。
コンデンサーマイクは音の振動を電圧に変換するので電源が必要となりますが、ダイナミックマイクは電圧に変換しないので電源は必要なく簡単に使えるのが強みです。
ただ音の解像度はコンデンサーマイクより劣るので、シーンや目的によって使い分けましょう。
おすすめのコンデンサーマイクの選び方
指向性で選ぶ
コンデンサーマイクを選ぶときには、拾う音の向きや範囲を示す『指向性』が重要になります。
収音した音のクオリティーを良くしたければ、音の種類やシチュエーション、シーンに合った指向性のマイクを選びましょう。
よく使われている3タイプの指向性を説明していきます。
単一指向性
『単一指向性』は正面からの収音を得意とし、歌声などの録音やミュージックシーンに適しています。
単一指向性の中でもさらにバリエーションがあり、正面方向から音を拾う角度が広いものから順に『サブカーディオイド』『カーディオイド』『スーパーカーディオイド』『ハイパーカーディオイド』があります。
正面方向から入る音の感度が高く、背後からの音がほとんど入ることのない『カーディオイド』は、マイクを固定する必要がないのでライブなどでよく使われています。
双指向性
『双指向性』はマイクの表と裏の2つの方向から音を捉えられるので、マイクをはさんで会話するインタビューや対談用に昔から重宝されています。
また双指向性は遠くや横からの音に対しての感度が低く、音が入る範囲の角度が狭いのが特徴です。
その特性を活かしてヘッドセットマイクやカーナビ、パソコンの音声認識のマイクとしても使用されるようになりました。近年では動画配信が普及し、さらに活躍の場が増えています。
全指向性
『全指向性』は『無指向性』とも呼ばれ、丸い形をしたマイクです。文字通り360度どの方向からも同じ感度で音を拾うので、大人数でのミーティングやテーブルを囲んで話すシーンに適しています。
周囲の音を満遍なく拾うので、その分ハウリングが起こりやすいのが唯一の弱点です。ライブなどの賑やかな場所より静かな場所での録音に使用しましょう。
音質で選ぶ
音質を比較したい場合、『感度』を表す縦軸と『周波数』を示す横軸で商品ごとにグラフ化されているものがあるので、そのグラフを参考にしましょう。
マイクの感度は『db (デシベル)』という単位で表され、dbが小さい程、感度は高いといわれています。コンデンサーマイクは‐30db~‐40dbが一般的とされています。
原音を忠実に再現したいのであればグラフがフラットなマイクがおすすめです。また低音を強調したい場合は、感度が高く周波数が低くなっている『山型』のグラフ、反対に高温を強調したい場合は『谷型』のものを選びましょう。
オーディオインターフェイスとの相性で選ぶ
コンデンサーマイクはPC用と表示されているもの以外は、PCに直接接続すると故障の原因となります。
それを防ぐために『オーディオインターフェイス』が必要となるのですが、オーディオインターフェイスとマイクは同レベルのものを使わなければ、製品の実力を引き出すことができません。目安として価格帯が同じであればマイクとオーディオインターフェースの相性はよいでしょう。