『ヘルメット』は快適で安全なツーリングを楽しむために、バイクと同じくらいこだわりたいところです。
さまざまな種類がありますが、中でもおすすめは『システムヘルメット』。フルフェイス型の安全性とジェット型の利便性が1つになった注目のヘルメットです。
この記事ではシステムヘルメットの特徴から選び方までを、わかりやすく解説します。さらにオススメのシステムヘルメット10選をランキングでご紹介しますので、購入を検討している方、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
システムヘルメットのメリット
オープンフェイスで使いやすい
システムヘルメットは、フルフェイス型と同じように顎までしっかり守ってくれるヘルメット。しかしフルフェイス型と違うのは、頭を守る『帽体』と顎を守る『チンガード』が分離していること。それによりチンガードが上下に稼働できます。
チンガードを上げた状態にすれば、開放感のあるジェット型に早変わり。チンガードを下げれば『フルフェイス型』、上げれば『ジェット型』になる“1つ2役”の大変便利なヘルメットです。
フルフェイス並の安全性
ジェット型のようにも使えるシステムヘルメットですが、ジェット型よりもはるかに安全性に優れています。その理由はフルフェイス型と同じように、顎までしっかりガードしてくれるから。人間は顎の衝撃に弱いので、急所をしっかり守ってくれるヘルメットの信頼度は非常に高いでしょう。
しかしフルフェイス型と比べてしまうと、システムヘルメットの安全性はやや劣ります。理由は帽体とチンガードが分かれているため。事故の衝撃によっては分解されてしまうリスクがあります。
ヘルメットの安全性は、『ジェット<システム<フルフェイス』と覚えておきましょう。
通勤・通学からツーリングまで使える
バイクの使用目的は人それぞれ。通勤・通学には、着脱に手間取るフルフェイス型よりジェット型の方がラクチンです。しかし長距離のツーリングとなると、ジェット型では静音性、安全性において十分とは言えません。
システムヘルメットなら、ジェット型の手軽さとフルフェイス型並みの安全性・静音性が共存。通勤・通学からツーリングまでオールマイティに使えます。
『通勤・通学にも使うし、時々ツーリングにも出かけたい』。そんな人にシステムヘルメットは最適です。
システムヘルメットのデメリット
重量感がある
システムヘルメットは重量があります。シンプルな構造のフルフェイス型やジェット型と違い、システムヘルメットの構造は複雑で、その分部品も多いため重くなってしまいます。
一般的にフルフェイスヘルメットとシステムヘルメットを比較すると、200g程度、重量の違いが現れます。これはリンゴ1個分に相当する重さです。小さな差に感じますが、長時間かぶっていると首や肩への負担に大きな差が生まれます。
今は素材を工夫するなどして軽量な製品も増えてきていますが、やはりシステムヘルメットを選ぶ際には重さにも注目しましょう。
チンガードの密封性・風切り
開閉できるチンガードは便利な反面、複雑な構造がゆえに隙間ができてしまうので、フルフェイスのように完全な密閉状態を作るのは難しいです。そこで気になるのが風きり音などのノイズ。
帽体がツルッとシンプルなフルフェイス型やジェット型と違い、システムヘルメットには構造上、溝などのデコボコができています。そのため風の抵抗を受け風切り音がより多く発生します。
しかしシステムヘルメットは、販売当初からどんどん改良されていますので、ノイズは年々軽減されていますので、取り立てて大きなデメリットとはいえないかもしれません。
おすすめのシステムヘルメットの選び方
使い心地や機能面で選ぶ
せっかく乗り心地のよいバイクを選んでも、ヘルメットの使い心地が悪ければ台無しです。また使用目的に合った機能が備わってなければいけません。まずシステムヘルメットにはどんな性能・機能があるのかを確認しましょう。
軽量タイプ
システムヘルメットの最大のデメリットである『重量』。
走行が長距離になるほど、少しの重さの違いで肩や首への負担に大きな差を生みます。遠くまでツーリングをする人は、できるだけ軽いものを選びましょう。
しかし軽い製品だと心配なのが『安全性』。高い安全性も求めるなら『カーボン素材』の製品がおすすめ。カーボン素材は軽さだけではなく強さも持ち合わせています。価格は高くなってしまいますが、軽さと安心が同時に手に入るのでツーリングにピッタリです。
静音タイプ
システムヘルメットは部品のつなぎ目などにより、風や音が入ってきやすいので、フルフェイスに比べて走行中のノイズが大きく感じます。
大きすぎるノイズは快適な走行の妨げに。特にツーリングとなると、スピードもそれなりに出すため風切り音はさらに激しくなります。
優れた静音性を求めるなら、『ノイズアイソレーター』を装備したものがおすすめです。ノイズアイソレーターはヘルメットと顔の隙間を埋め、下からの風や音の侵入を防いでくれます。チークパッドと一体化したものや、遮音性の高いレザー素材を使用しているものもありますので、価格と相談しながら静音性を追求していきましょう。
インカム対応タイプ
インカム対応のシステムヘルメットならバイクライフの楽しみ方が広がります。
複数人でのツーリングなら、仲間とワイワイ会話をしながら、カップルで二人乗りなら、バイク上でも会話ができデート感アップしつつ、1人のときはナビゲーションや音楽を聴きながら走行もできます。
バイク用インカムも製品によって、同時接続数、通話距離、通話と音楽の併用可、ラジオチューナー付きなど、機能もさまざま。もしすでに欲しいインカムがあれば、それに対応したヘルメットかどうかもしっかり確認しましょう。
遮光性タイプ
日差しが気になる人には『サンバイザー』や『ダブルシールド』のものがおすすめ。
『ダブルシールド』とは通常のクリアシールドに加えて内側にスモークシールドを装備したモデルのことで、日差しから顔を守ってくれます。
価格帯で選ぶ
1万円未満〜2万円代
低予算の人には嬉しいことに1万円未満で購入できる、エントリーモデルのシステムヘルメットもたくさんあります。低価格製品の中には海外からの輸入品も多いです。
そこで気を付けなければいけないのが『SGマーク』と『PSCマーク』があるかどうか。
どちらも安全基準を満たしているかを示す指標で、特にPSCマークがない製品で公道を走ると、厳密には違反になります。輸入製品にはPSCマークがないものもあるので注意が必要です。
3〜4万円代
3〜4万円代の価格帯のシステムヘルメットなら十分な安全性・快適性が備わっていると考えられます。
同じような価格・性能のシステムヘルメットで迷ったときは、重さを見て軽い方を選ぶのがおすすめです。重量はツーリングにおいて快適性に大きく影響してきます。
またはコンパクトな方を選ぶのもよいでしょう。システムヘルメットは大きいものが多く、かぶった時に頭でっかちな見た目になってしまうことも。特に通勤・通学など街中で利用したい人はかぶった時の姿も大切でしょう。
5万円以上
5万円以上のヘルメットは安全性、機能性はもちろん、軽量化やデザインにも優れたハイエンドクラスが見つかりやすいです。
ただ高価なヘルメットを購入する際に1つに覚えておいてほしいことは、ヘルメットが消耗品であるという事実です。価格に関わらず交換時期は3年程度と言われています。高価だからといって、ずっと使えるわけではありません。
ヘルメットは命を守るためのものです。交換時期はしっかりと守って使用しましょう。
おすすめのシステムヘルメットメーカー
SHOEI (ショウエイ)
日本を代表するヘルメットメーカー『SHOEI』。日本国内だけではなく世界40か国以上で利用されています。
『軽量化』『高いフィット感』『空気抵抗の軽減』など快適性をとことん追求。快適性を上げることで事故や転倒を未然に防ぐという考えのもと、どんどん進化し続けています。
OGK KABUTO
安全性を追求するためさまざまな実験に取り組む『OGK KABUTO』。
ヘルメットと気流の関係を徹底分析する『風洞実験』。人型模型を利用した『衝撃吸収試験』。ヘルメットの強度を調べる『貫通試験』や『アゴヒモ強度試験』など安全性へのこだわりは伊達ではありません。
YAMAHA (ヤマハ)
幅広い分野で活躍する、言わずと知れた大手国内メーカー『YAMAHA』。YAMAHAのヘルメットは『安全性』はもちろん『デザイン性』にもこだわっています。
紹介した3つのメーカーの中で最もリーズナブルで、購入しやすい価格設定になっています。