パソコンを自作する方には馴染み深い、『サウンドカード』。サウンドカードを搭載したパソコンは音響機能が格段に上昇するため、3Dゲームや音楽製作をする方に人気の商品です。音質が良くなったり、同時に出せる音の種類が増えたりとさまざまなメリットがあります。
とはいえサウンドカード1つとっても、種類が多く選びにくいのが現状。今回はそんな『サウンドカード』の性能や選び方について掘り下げていきます。記事後半では厳選したおすすめ商品もランキング形式でご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
サウンドカードをおすすめする理由とは
『サウンドカード』を取り付ける主なメリットとして、音質の向上が挙げられます。
通常パソコンの音響機能はいくつかの音をまとめて出力する様に設定されていますが、サウンドカードを追加することでこれらを1つ1つ別々の音として出力できます。これにより、普段聞いている音楽をワンランク上のものにすることも。
現状の音質に満足していない方は、サウンドカードの取り付けを検討してみてはいかがでしょうか。
サウンドカードのおすすめ性能とは
スピーカーチャンネル数 (サラウンド)
サウンドカードとスピーカーを併用して高音質の音を聞くためには、それぞれの『チャンネル数』を合わせる必要があります。
チャンネル数とは、2.1chや5.1chなどスピーカーの設置数により変化するものを指す言葉です。5.1chのスピーカーで音を出したい場合、それに対応したサウンドカードでなければ正しく音を出力できません。
サウンドカードの購入の際は、チャンネル数に必ず注意しましょう。
サンプリングレート
『サンプリングレート』とは、1秒間処理できる音の数を表した数値のことです。たとえばサンプリングレートが44.1kHzであれば、1秒間に44100個のデータを処理できるということです。この数値が大きければ大きいほど多くの音を処理できるので、その分音質が向上します。
ただサンプリングレートが大きくなると音質は向上しますが、その分データ容量も大きくなってしまう点には注意が必要です。音の細かさに気を使うという方は、この部分に注目するとよいでしょう。
SN比
『SN比』とは、シグナルのSとノイズのNを合わせた言葉で、これらの比率のことを表します。単位は『dB (デシベル)』で表され、この数値が高ければ高いほどノイズを取り除く能力が高くなるため、高性能なサウンドカードといえます。
SN比が高いほど音のばらつきが減るため、楽曲製作などの精密作業を行うという方は、この部分に注目してサウンドカードを購入するとよいでしょう。
量子化ビット数
『量子化ビット数』とは、音声をアナログ信号からデジタル信号へデータ化する際、そのデータを何bitのデータとして変換するかを表した数字のことを指します。この数値が大きければ大きいほど、音声を高音質な音に変換できますが、その分データ容量が大きくなってしまいます。
楽曲に歌声を追加する際や、声を効果音として処理する作業を行う方は、量子化ビット数の高いサウンドカードを使っている場合が多いです。
おすすめのサウンドカードの選び方
入出力端子で選ぶ
サウンドカードによっては、『入力端子』が複数ある場合や1つしかない場合があるので注意が必要です。基本的にはイヤホンジャックと呼ばれるヘッドホンやイヤホンを接続できる端子がついていますが、業務用の高出力ヘッドホンに対応したモデルや光入力端子がついている場合があります。
サウンドカードの購入を検討している方は、持っているヘッドホンやスピーカーなどの音声機器の端子が対応しているかどうかを忘れずに確認しましょう。
内蔵型か外付け型かで選ぶ
サウンドカードはパソコンを作る際、『内蔵タイプ』が一般的ですが、近年では『外付けタイプ』も出現しました。
『内蔵タイプ』であれば頻繁に買い換えることができないので、壊れにくく高性能なものがおすすめです。
『外付けタイプ』であれば、ちりやほこりといった細かなゴミが故障の原因となる場合がありますが、用途や入力端子によって使い分けることも可能です。パソコンの種類や入力可能なデバイスによって、外付け型か内蔵型かを選ぶのもよいでしょう。
対応OSで選ぶ
サウンドカードは『OS』によって対応が別れるタイプもあります。OSとはパソコンの種類を指す言葉で、『Mac』や『Windows』、『Linux』などがOSと呼ばれています。
サウンドカードの中にはMac専用のものも存在しています。これは内臓スピーカーの種類によるもので、特殊な設定をすることでOS関係なく使用できるタイプも存在しています。購入の際は、OSごとの対応を必ず確認しましょう。
用途で選ぶ
ゲーミング
3Dゲームやオープンワールドネットゲームのような、クオリティの高いゲームを頻繁に遊ぶ方には、ゲーミングサウンドカードをおすすめします。中でも近年、eスポーツとして話題となっているFPSゲームでは、サウンドカードによって物音が聞こえやすくなる場合もあり、ゲーマーの中では導入は必須とまでいわれています。
またゲーミングサウンドカードは小さな音の再生機能が高く、楽曲製作をする方にも人気の種類となっています。
音楽・映画鑑賞
音楽や映画鑑賞に対応したサウンドカードも存在しています。中でもダイナミックな音が多い映画は、多くの楽器や音が混ざり合って再生されている場合が多く、サウンドカードの導入によってより臨場感を感じることができるようになる場合も。
音楽鑑賞の際も、オペラやオーケストラのような音が複雑に混ざり合う楽曲を頻繁に聞くという方は、対応したサウンドカードの導入を検討してもよいかもしれません。
音楽制作
音楽制作を行う方や、これからやっていきたいと考えている方にとって、サウンドカードはパソコンの命とも呼べる部分です。普段聞いている楽曲は、耳では聞き取れないレベルの小さな音がいくつも重なって出来上がっている場合が多く、そういった音を作っていく際にサウンドカードは必須といえます。
また音楽制作の場合さまざまなサウンドカードを使い分ける方もいるので、外付けタイプの需要が高い傾向にあります。音楽制作をする方は、サウンドカードへの投資は怠らないようにしましょう。
その他の機能で選ぶ
イコライザ設定
『イコライザ』とは、音の聞こえ方を設定で変える機能のことを指します。近年では、スマートフォンの再生機能や録音機能にも搭載されており、聞いたことのある方も多いでしょう。
イコライザーを設定することで、聞こえにくかった音を聞こえやすくできる他、1つの音を強調して聴けるようになります。サウンドカードの導入と共にイコライザーの設定をすることで、より奥深い音の世界を知ることができるでしょう。
ステレオミックス
『ステレオミックス』とは、パソコン場で流れている音と音声などの別の音をミックスできる機能のことを指します。『ステミキ』と呼ばれる機能で、ネット上で生放送や通話、動画制作を行う方にとっては必須の機能となっています。
これがあることで楽曲と楽曲をつなぎ合わせるDJプレイの生放送も可能になるため、音を使った趣味に幅が広がるでしょう。
ハイレゾ対応
『ハイレゾ』とは、近年登場しつつある既存の音声や楽曲よりも膨大なデータ量を誇るオーディオの名称です。ハイレゾ音源はその膨大なデータ量から、対応した機器でないと再生ができません。
今後はさまざまな音源がハイレゾに対応していくと見られており、あらかじめこのようなサウンドカードを購入しておくのもおすすめです。
サウンドカードのおすすめメーカー
ONKYO (オンキョー)
『ONKYO』は大阪に本社を置く、国産音響機器メーカーです。その名の通り、スピーカーやヘッドホン、スマートスピーカーを生産しています。
近年では外付けタイプのヘッドホンアンプを生産しており、簡単にハイレゾ音源を楽しめることから人気を得ています。
ASUS (エイスース)
『ASUS』は、台湾のマルチメディア機器メーカーです。主にモニターやパソコンの生産を行っており、自社製のサウンドカードを内蔵したノートPCは国内外で高い評価を得ています。
SN比が高いサウンドカードを生産しており、クリアな音を楽しみたいという方に人気のメーカーです。
クリエイティブ・メディア
『クリエイティブ・メディア』は、シンガポールに本社を置くマルチメディア機器メーカーです。世界中から支持されるスピーカーやヘッドホンを生産しており、そのノウハウを生かしたサウンドカードはゲーム用や映画用など、さまざまな種類を取り揃えています。