星や天体観測に欠かせない必須アイテムが『天体望遠鏡』。月や星などをダイナミックにレンズを通してご覧いただける優れたアイテムで、お子様の自由研究や趣味としても人気があります。また使用する目的によって望遠鏡のタイプを使い分けて使用することが大切になってきます。
しかし天体望遠鏡といっても種類が沢山あり、レンズや倍率など難しい表現の説明が多く、結局どれを選べばよいか分からないといった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、望遠鏡の正しい使い方から目的別に合わせた望遠鏡の選び方までランキング形式でおすすめポイントも合わせてご紹介していきます。
望遠鏡とは
前提として、望遠鏡とは月や星をより近い距離で観察することができる優れたアイテムです。普段は遠目からしか見ることのない景色を、まるで目の前にあるかように見ることができ、新たな発見もできます。また望遠鏡と言っても本格的な研究用として使われるものからご家庭で楽しめるものまでさまざまなタイプの望遠鏡が存在します。
望遠鏡の正しい使い方
まずは正しい望遠鏡の使い方を見ていきましょう。まずは三脚と呼ばれる土台を指定の位置にセッティングします。セッティングが完了したらレンズについているキャップを取り外し、ファインダーを覗いて対象物が十字架の中心に来るようにします。ファインダーの設定は外が明るい内に済ませておくことが理想的ですね。
ここまで完了したら架台になる部分を細かく調整し、対象物を視野の中央になるまで合わせます。最後にレンズのピントの設定と星の位置を調整し的確な位置に設定が完了しましたら、いよいよ観察ができる準備完了です。
使い方のポイント
使い方のポイントとして、まずは安定した場所で設置をすることが大切です。土台が不安定な場所だと望遠鏡が倒れてしまったり、観測しにくいので気をつけましょう。その他に見落としがちなポイントとしてキャップを付けたままで全く見えないなんてこともありますので、観測する前に必ずセッティングの順番を守りチェックすることが大切です。
おすすめの望遠鏡の選び方
望遠鏡といっても種類はさまざまで、どれを選べばいいか迷ってしまうこともあると思います。『いざ購入したけど想像してたのと違った』そんなことにならないために今回は、望遠鏡を選ぶ際に気を付けたい選び方の基準を項目ごとに分けてみました。使用する場所や、見たい景色などを加味しながら望遠鏡を選ぶ際の参考にしてみましょう。
望遠鏡の倍率で選ぶ
天体観測をするにあたり、自分が見たい対象物を綺麗に観察するためには倍率は非常に重要です。まずは自分が見たい対象物にどれくらいの倍率があれば十分でより繊細に見えるかを知りましょう。そのために次の項目で倍率の計算方法を紹介しますので、実際に計算した数値をもとに適切な倍率を選びましょう。
望遠鏡の倍率の計算方法
望遠鏡の倍率の計算方法は、対物レンズ÷接眼レンズの焦点距離で出た数字が倍率になります。
対物レンズの焦点距離 2000mm ÷ 接眼レンズ焦点距離 4mm = 500倍といった形で計算できます。
必ず観察する前に、こと前に対象物との距離を計算し倍率を調整しましょう。
適切な倍率の目安とは
観察する際の適切な倍率は、光を集める部分の直径を表す『口径』 ×2 の倍率が適正と言われております。観測する天体によって口径は変わってくるので、事前に調べておきましょう。
たとえば月の観察をする場合だと、月の口径は80くらいなので、2倍の160倍率あれば天体もかすむことなく観察できる適切な倍率であると言えますね。
望遠鏡の形状で選ぶ
天体望遠鏡は主に2種類に分けられます。初心者が使いやすいタイプから、カスタマイズを楽しめるものまでさまざまな種類があります。
主に望遠鏡は、『鏡筒』、『架台』、『三脚』から構成されており、形式は主に『屈折式望遠鏡』と『反射式望遠鏡』の2種類に分かれます。それでは2種類の望遠鏡の使い方をみていきましょう。
操作の簡単な『屈折式望遠鏡』
『屈折式望遠鏡』は、鏡筒の後ろから覗くタイプのもので、前面の対物レンズで光を集める仕組みになっています。また光軸の調整が不要になるので初心者の方でも取り扱いがしやすいのもメリットです。また天体望遠鏡の向きと見たい方向が一致しやすので対象物を捉えやすいので、望遠鏡を初めて購入する方にもおすすめしやすいタイプですね。
また屈折式望遠鏡は値段が少々高い点と、重さがあるので持ち運びなどを考えている際は注意しながら選ぶとよいでしょう。
カスタマイズが楽しい『反射式望遠鏡』
『反射式望遠鏡』とは、反射鏡で光を集め天体を観測するタイプのものです。特徴としては製造コストが少なく値段も比較的に安くなる点と広い範囲の天体観測ができる点です。できるだけコストを抑えたいという方や自分で組み立てて作ってみたいという方におすすめです。またコストパフォーマンスが高いだけでなく、高性能なものも作れるので長く使用できるでしょう。
またデメリットとしては、光軸がズレやすいので常に調整をメンテナンスが必要なので注意しましょう。
望遠鏡の架台で選ぶ
望遠鏡の土台となる架台選びも重要なポイントです。架台のタイプによって見やすさも変わってくるので、自分が使いやすいものを選びましょう。セッティングがしやすい簡単なタイプから、長時間の観測に適したものまで、それぞれの特徴と合わせて紹介していきますね。
セッティングが簡単な『経緯式架台』
『経緯式架台』は、上下左右に動かしやすく操作方法も簡単なので、初めて使用される方や、お子様には最適です。見たい方角に焦点を合わせるだけで観察することができ、セッティングの必要もありません。また重量も軽いので持ち運びも簡単にできるので女性の方も安心です。
ただ長時間の使用を考えている方は、時間が経つごとに星が動いてしまうので、天体に合わせて2軸を操作する必要があります。セッティングが簡単で、すぐに使用したいという方は、経緯式架台が使いやすくおすすめです。
長時間観測に向いている『赤道式架台』
『赤道式架台』は、自転軸に対して水平方向と垂直方向に動かす操作方法のタイプです。またセッティングの方法は、極軸を正確な位置に合わせるために別途で極軸望遠鏡を用意する必要があります。
赤道式架台の特徴は、赤経と呼ばれる方向に回転すると天体を追尾することができるので、長時間の天体観測や天体の撮影にも適しています。また別途でモータードライブと呼ばれる装置を使うと自動で追尾をしてくれるので合わせて使用すると更に使いやすいですね。
ただ赤道式架台は鏡筒とバランスをとるのにバランスウェイトが必要になってくるので、重量も重くなり価格も少し高いです。
長時間の天体観測を考えている方は、赤道式架台のように天体を追尾できるタイプを選ぶことをおすすめします。
使用する場所で選ぶ
望遠鏡を使用する場所によって使い分けることも非常に大事です。自宅で使用するのか野外で使用するのでは、選ぶタイプも違ってくるのでそれぞれの特徴を踏まえながら見ていきましょう。
ここでは野外と自宅で使用する際のそれぞれのポイントと注意すべき点を紹介しますので、参考にしてみて選ぶ際の基準にしてみてくださいね。
野外で使用する場合
野外で使用する場合は、風や雨にも強いものを選ぶことが大切です。例えば、風が強い場合は、微動装置と呼ばれる振動を軽減するものを使用したりすることで野外でも安心して使用することができます。
晴れた日の夜には、レンズが結露する可能性があるため、レンズの結露対策が必要です。対策としては、レンズにフードと呼ばれるものを装着する結露を防ぐことはもちろん迷光対策としても使用できる画期的なアイテムになります。
野外で使用する際は、購入する前に架台の安定感や、望遠鏡と一緒にレンズフードや電気ヒーターなどで結露対策をしっかり行うことが大切です。
屋内で使用する場合
自宅で使用する場合は、持ち運びをすることが特にないので重量を気にせず購入できる点と雨や風を気にすることなく使用できるメリットがあります。
また部屋の空きスペースがあれば、比較的大きなものを選んでも大丈夫ですね。自宅で観察する時は、部屋をしっかり暗くして目が慣れてきてから観察しましょう。
気を付けたいところは、近隣にプライバシーを守るために、注意しながら観察しましょう。
屋内で使用する際は、風や雨を気にせず使用できるのがよい点です。