『折りたたみマットレス』は、通常の厚みのあるマットレスよりも軽く安価で手軽なイメージがありますが、低品質で安価すぎる商品はすぐヘタりが出たり寝心地が極端に悪いことも。そのため通常のマットレスと同じくらい慎重に選びたい寝具の一つです。
今回は幅広くある折りたたみマットレスの中から、自分に合った最適な1枚が見つかるよう選び方やメリット、そして折りたたみマットレスを購入するうえで知っておくべきデメリットもご紹介いたします。
折りたたみマットレスがおすすめの方
折りたたみマットレスはその特性を活かして、寝具ではなくソファやクッションとして使用することも可能です。収納性が一番の特徴なので、毎日起床後に折りたたむことで部屋のスペースを有効活用したり、ベッドを置かなくても1枚で十分に寝床となるため、スペースが限られているワンルームの方には特におすすめです。
また布団と比べ、折りたたんで立てかけておくだけでも生活感が見えにくく、洋風の部屋でもマッチするためカラーを考えればインテリアとして見せることも。
折りたたみマットレスのメリット
収納力が高い
ベッドを収納することはできませんが、折りたたみマットレスであれば簡単に収納できるので小さめの部屋でもスペースを取られません。
収納力が高いという点では布団もよいですが、折りたたみマットレスは折り目がついていて毎回きれいに折りたため、敷布団よりも軽量でもち運びやすいです。毎日立てかけておくのも簡単で、来客時にはすばやく収納できます。
頻繁に寝具を収納することが予想されるのであれば、手軽な折りたたみマットレスはおすすめします。
ソファとしても利用可能
寝具として使用しないときでも、折りたたみマットレスならソファとして活用することもできます。商品によっては最初からマットレス兼ソファとして使用できるものもあります。
特にワンルームなど部屋に置けるインテリア限られている場合は、起床後マットレスをたたみソファとして使用することでスペースの有効活用となるでしょう。
また折りたたみマットレスといえば小さいサイズのイメージがありますが、ダブルなど大きめのサイズを使うことでよりくつろげるソファにすることも可能です。
キャンプでの利用も可能
軽量でもち運びやすく、キャンプなどアウトドアの場では一番使いやすいマットレスでもあります。マットレスを使って横になれば、テントの中での睡眠も家にいるようなリラックスした寝心地で疲れをとれます。
寝るだけのためではなく、簡単な休憩時にも使えソファやクッションとしても使える万能な寝具です。テントの中ではもちろんですが、体を痛めやすい車中泊でも快適に過ごせるため、旅行が趣味の方は1枚もっておくとよいでしょう。
掃除が容易
折りたたみマットレスは簡単に収納でき軽量であることから、マットレス自体のお手入れとその周辺の掃除も簡単に行えます。ベッドであると下の掃除機かけや、厚いマットレスの下など掃除しにくいですが、折りたたみマットレスであればたたんで立てかけておくだけと手軽なので、寝床は常に清潔にしたい方にもおすすめです。
商品によってはカバーはもちろん、中の素材も丸洗いできるもの(ファイバー素材製品など)もあるため、アウトドアで使用した後のお手入れも簡単にできます。
折りたたみマットレスのデメリット
厚みがない
折りたたみマットレスは、折りたたみ時のコンパクトさを重視する薄型の商品も多いです。床に直置きだと重さがかかる部分の底つき感が強く感じられたり、体全体が痛くなる場合も。厚さ5cm前後のタイプは、ベッドなどで既存のマットレスの上に敷きトッパーとして使わなければ体に負担がかかる可能性もあるため、床に直置きして使うのであれば厚さ5cm以上のものがおすすめです。
薄型から選ぶのであれば、少しでも体が底につかないために高反発ウレタンを使用したマットレスがよいでしょう。
折りたたみ箇所の沈みが激しい
三つ折り四つ折りでも、折り目がついている商品が多いのも折りたたみの特徴です。コンパクトに収納するためには必要なのですが、この折りたたみ箇所は一番沈みやすく強度も低いといったデメリットがあり、腰痛が心配な方は特に注意すべきです。
密度が高めのマットレスなら沈みや強度も下がりにくいですが、あまり安価なものを選ぶと折りたたみ箇所の周辺がヘタりやすく、体に負担をかけるマットレスになってしまいます。
今回は折り目がないマットレスもいくつかご紹介いたします。
耐久性が劣る
折りたたみマットレスは通常のマットレスと比べ、耐久性が低い傾向にあります。折り目がついていることも原因の一つですが、中材の密度や使用素材そのものの耐久性の低さが大きな原因です。
マットレス素材の中で一番耐久性が高いといわれているものが、スプリングマットレスに使うコイルです。折りたたみマットレスの多くはウレタンやファイバー製なので、コイルより耐久性が劣ります。その分『密度』を気にして選ぶことで、長く使える折りたたみマットレスを見つけやすくなるでしょう。たとえばウレタンの密度は『D』で表しますが、30D以上のマットレスならば耐久性が高めで丈夫だといえます。
折りたたみマットレスのおすすめの選び方
反発性で選ぶ
低反発はやわらかく体全体を包み込む心地よさが特徴的ですが、厚さ5cm以下など薄型の商品で体の重い部分が沈んだとき底につきやすいといったデメリットがあります。
対する高反発マットレスは弾力が感じられ、寝返りがうちやすく体に負担がかかりにくいです。
高級マットレスであれば体型や体重でマットレスを選ぶ必要がないのですが、リーズナブルな折りたたみマットレスの場合体重の軽い方は低反発、少し大きめの方であれば高反発の方が体が痛くなりにくいといわれることも。
寝心地で選ぶ
毎日使うものですから体格で決めるよりも、好きな寝心地で選ぶことをおすすめします。ふわっとしたやわらかめの寝心地が好みであれば厚めの低反発、体をしっかりと支えてくれる少々固めが好みならば高反発かつ高密度のマットレスなどがよいでしょう。
マットレスの厚みは直接寝心地にかかわってくるため、少し予算を上げて厚めの商品を選ぶことで、同じシリーズのマットレスでも寝心地が大きく変わります。
手軽に寝心地のグレードを上げたいのであれば、今よりさらに厚いマットレスや体圧分散性の高い商品がおすすめです。
腰痛対策で選ぶ
マットレスの質と腰痛は切っても切れない関係です。低反発マットレスは、腰の部分が沈みやすいため腰痛が悪化しやすいといわれています。高反発の場合は寝返りをサポートし、睡眠時体に負担をかけにくくできているため、腰痛が心配な場合は反発力の高さも考慮してマットレスを選びましょう。
また腰痛の改善・対策はやみくもに高反発を選べばよいものではなく、寝心地と同じで厚みや体圧分散性が重要です。一部だけに負担がかからず沈んでいる部分もなるべく底に近くない厚さが、腰痛対策としては適切です。
耐久性で選ぶ
折りたたみマットレスは折りたたみ箇所や厚さの関係から、通常のマットレスよりも耐久性が低くすぐにヘタってしまうこともあり、セレクトが難しい寝具です。
折りたたみの中でも耐久性の高いと判断できる点は、『密度』です。ウレタンの密度はDで表せ数値化できるので、丈夫なマットレスを探すのであれば30~50Dの高密度ウレタンがよいでしょう。
その点ファイバーは密度が明確ではなく耐久性もウレタンに劣るといわれていますが、大手メーカーであれば独自のファイバー素材を使い、ファイバーのよい部分に耐久性がプラスされている商品もあります。
価格で選ぶ
折りたたみマットレスは数千円で買えるものから5万円ほどの商品もあります。あまりにやすいマットレスは極端に耐久性が低い場合もありますが、高価だからといって自分にあったマットレスかどうかは数日寝てみなければわかりません。
優れた通気性や高密度、抗菌防ダニ作用があるかなどマットレスを選ぶ要素はいくつもあります。マットレスに求める機能を考え、それに出費してもよい金額を予算にすることで選択肢が絞られます。
また保証つきの製品を選ぶのも、マットレス選びの失敗しないコツです。安さが心配な商品でも、保証つきであれば気軽に試せます。保証の範囲は何日以内にヘタりが出た場合や、寝心地が気に入らない場合までなど商品によってさまざまですので、保証欄は購入前にしっかり確認しましょう。
通気性で選ぶ
『通気性』はどのマットレスでも重要となるポイントですが、マットレスを床に直置きする場合は底が蒸れやすく、特に気をつけて選ばなければいけません。
折りたたみマットレスで使用される素材の中で通気性のよい素材はファイバーもしくはスプリングです。年中蒸れにくく快適に使えますが、基本的にファイバーは電気毛布などが使えません。メーカー独自のファイバーなら使用できる場合もありますが、必ず確認が必要です。
逆に通気性が悪いのは高反発ウレタンで、特に蒸れが気になる方や部屋の湿度や温度をあまり調節しない方は、ファイバーの方が快適かもしれません。