電気や電子回路の状態を確認するために使用する『テスター』。抵抗、電圧、電流を測定し、電気量を目に見える形に変換してくれる便利な器械です。
しかしいざ買おうにも、アナログとデジタルでは使用方法も違いますし、たくさんのメーカーからたくさんの種類が発売されていて、迷うことも多くありませんか。
テスターを選ぶのにも押さえておきたいポイントはいくつかありますので、この記事ではそんな『テスター』の選び方のポイントを解説してきます。記事後半ではおすすめのテスターを、ランキング形式で紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
テスターはこんな時に使うのがおすすめ
電池の残量確認
古い電池と新しい電池が混ざってしまってどの電池が使えるのかわからないとか、電池を変えたばかりのはずなのに動かない経験はありませんか。
そんな時にテスターを使って電池の電圧を調べることにより、電池がまだ使えるかを確認することが可能です。
電池は古い物と新しいものを混ぜて使用すると、『過放電』という危険な状態になる場合もあります。混ざってしまったときにはテスターで調べるのが安心です。
趣味の電子工作にも
電子工作をする場合にはテスターが欠かせません。
電子工作で正常に作動していない場合、デバイスでの不具合なのかそもそもの回路が間違っているのかなど原因を特定する必要がありますが、テスターを使用することによりきちんと通電しているか、適切な電圧になっているのかなどを調べられます。
車やバイクの電装品追加に
車やバイクいじりが好きな人にはテスターが大活躍するでしょう。電飾パーツを取り付けるときに車から電源を取りす場面でテスターを利用することにより、どの配線から電源を取り出せるのかがすぐに判別可能です。
ほかにも電源が来ている配線がどの配線なのかを調べたり、その配線に電源が流れるタイミングを調べたりするのに重宝します。
テスターのタイプ
テスターには『デジタルタイプ』と『アナログタイプ』があります。
どちらのタイプにもメリットとデメリットがありますが、一般的に『デジタルタイプ』のほうがよく利用されています。
デジタルタイプの特徴
『デジタルタイプ』のテスターは、測定した数値がデジタルで表示されます。細かい数値まで測定でき、正確な数値を確認することが可能です。
『ファンクションスイッチ』が少なく、初心者にも扱いやすく、また電圧を測る際には直流と交流が自動で切り替わるのも便利です。
『デジタルタイプ』は商品ラインナップも豊富で、『バックライト表示』や、『オートパワーオフ』などの便利な機能付きモデルも多く発売されているので、自分に合った商品を選びやすいでしょう。
デメリットとしては、アナログと比べると反応が鈍く、電池の消耗も激しいことが挙げられます。また導線の役割をもつ『テストリード』が一体化されているモデルだと、交換ができず、本体ごと買い替える必要があることも覚えておきましょう。
アナログタイプの特徴
アナログタイプは、針と目盛りで電気が通電するかを確認するテスターです。特徴としては、針が動くので通電をかんたんに確認でき、直感的な判断に適しています。テストリードの交換も容易にできるのが安心です。
ただしアナログゆえに、目盛りを読む人によっては差異が出てしまうこともあったり、測定するための切り替えスイッチが多く、間違えて設定してしまうとメーターが振り切れてしまう恐れもあったりと、ヒューマンエラーに弱いのがデメリットです。
構造がシンプルで安価なモデルが多いので、それほど本格的な電子工作をしない場合は、アナログタイプでも十分かもしれません。
おすすめのテスターの選び方
形で選ぶ
据え置き型
『据え置き型』テスターは『デスクトップ型』テスターとも呼ばれ、高性能、高機能な商品が多いです。
電源をコンセントからとるため電池切れの心配などがなく、誤差の範囲も少ないため、高精度な検査などが必要な場合には据え置き型テスターがおすすめです。
しかしその分、サイズが大きく高価なモデルも多いので、家庭でしか使用しない場合はあまりおすすめできません。その場合は手軽に入手出来て使用できる小型のテスターがおすすめです。
ハンディ型
据え置き型ほど高性能なテスターは必要ないが、小型である程度高性能なテスターが必要という場合には『ハンディ型』のテスターがおすすめです。
ハンディ型はその名の通り持ち運びもしやすく、各メーカーからさまざまな機能が付いたテスターが発売されているので、ご自身にあった機能がついたテスターを選びやすいのもおすすめのポイントです。
なおアナログタイプのテスターのほとんどが、ハンディータイプのものとなっています。
ポケット型
『ポケット型』テスターはハンディタイプのテスターより小さく、その名の通りポケットに収まるサイズのテスターです。
基本的な電圧、電流、導通測定の機能のみを搭載したものが多く、購入前に自分の用途で使用ができるのか確認する必要があります。
カード型
『カード型』のテスターは、ポケット型のテスターとほぼ同じサイズですが厚みがポケットタイプよりも薄くなっており、胸ポケットにも収納しやすいサイズ感になっています。
本体を小型化してある分、余計なスイッチや機能が少なくシンプルな作りのテスターになっており、カード型は『電流測定機能』がついていないものも多いので、購入する際には注意が必要です。
ペン型
『ペン型』のテスターは、ペンのように持って作業できるコンパクトでスリムなテスターです。テストリードと本体が一体となっているのが特徴で、狭い場所で測定する場合に活躍するでしょう。
ただしコンパクトな分最低限の機能しかついておらず、種類もあまり多くはありません。またテストリードが一体化しているので故障した場合には本体ごと買い替える必要がありますので、購入する際はよく確認することが必要です。
SMDテスター
『SMDテスター』は、ペン型タイプとはまた種類の違った小型タイプのテスターです。
本体はペン型と同じですが、先にピンセットのようなテストリードがついており、片手で測定できるのが特徴です。
片手で測定したい対象物を持って、もう片方の手で測定できるので細かい作業や、狭い場所での作業ではSMDテスターが活躍するでしょう。
メーカー別おすすめテスター
日置
『日置』は創業が1935年で長野県にある老舗の計測器メーカーです。汎用タイプのアナログタイプのテスターから、高精度な工業用のデジタルタイプのテスターまで製造しています。
主流は電気工事現場向けの高性能なテスターで、アナログタイプ、ペンタイプ、カードタイプ、ポケットタイプの汎用タイプも一通り製造しているので、高性能なテスターが必要な場合におすすめです。
三和
『三和』は1941年に創業され、長期にわたり日本のテスター市場を『日置』と二分してきたテスターの代表的な会社です。
現在は多機能型テスターを中心に製造しています。また学校教材としてのテスターキットを提供しており、工作の実習などに役立てられています。
フルーク
『フルーク』はアメリカに本社を置く多国籍企業で、生産拠点や販売店も世界中にあり、世界シェアナンバーワンの会社です。
テスターの種類も非常に多く、耐久性に優れた製品が多く取り揃えてあります。価格も安価なものから取り揃えてあるので安くて耐久性の優れたテスターを購入したい場合におすすめです。