快適に料理を行うためキッチンに欠かせないのが『レンジフード』。煙の吸い込みの悪さや油汚れが気になったら替えどきかもしれません。従来の換気扇に比べ大幅に性能も向上し、各社メーカーからお手入れしやすいレンジフードが販売されています。
形状により見た目も大きく変わるため、自宅に合うものを選ぶのが大切です。この記事では、レンジフードの選び方やおすすめの製品をランキング形式でご紹介します。
レンジフードの特徴
『レンジフード』とは、換気扇をフードと呼ばれるカバーで覆った形の排気設備で、キッチンのコンロ上部に設置し、調理中の油煙やにおいを中のダクトを通じて換気する役割があります。
コンロ上部に設置するため、直接壁に取りつける換気扇よりも効率よく汚れた空気を排出できます。換気扇と違い給気機能があるので酸欠を防止可能です。
さらにお手入れがしやすいのもレンジフードの魅力です。フィルター付きでファンに汚れが付着しにくいタイプや、フィルターレスで掃除が楽なタイプなど掃除の簡単さに力を入れたモデルが続々と登場しています。
照明付きで調理中の手元を明るく照らしてくれるものや、コンロに連動しているものなど、毎日の調理を快適にしてくれるさまざま機能を搭載しています。
おすすめのレンジフードの選び方
ファンの種類で選ぶ
レンジフードのファンは大きくわけて3種類あり、排気性能や静音性に違いがあります。ご自宅の立地条件によっても選ぶべきものが変わりますので確認が必要です。
取りつけ簡単なプロペラファン
『プロペラファン』は数枚の羽で構成されている、いわゆる換気扇と呼ばれるタイプです。
取りつけが簡単で、風量も大きく、価格も安いというメリットがあります。機密性の高い部屋では風量が落ちることや、外にダイレクトに排気する点から集合住宅より一戸建て住宅に設置されています。
羽がむき出しのため汚れやすい点には注意が必要です。
デザイン良好なシロッコファン
縦長の細長い板状の羽根が筒状に多数ついた形状の『シロッコファン』。ひとつひとつの羽が小さいためターボファンに比べると換気量は落ちますが、稼働音は小さく済みます。
ダクトを通して排気するため、屋外と面していない場所にも設置できるのが大きなメリットです。屋外の風の影響を受けにくいので気密性の高いマンションなどの集合住宅に多く設置されています。プロペラファンに比べ見た目もスマートです。
手入れがしやすいターボファン
幅広の羽が数枚ついた形状の『ターボファン』。風量が大きく、排気量に優れており効率よく換気が行えます。シロッコファンに比べ羽の数が少ないため、掃除が楽というメリットがあります。
稼働音が大きいため、騒音が気になるなら避けた方がよいでしょう。価格も高めです。
レンジフードの形状から選ぶ
スリム型
フードカバーと天板が薄く、インテリアとしても人気の『スリム型』はブーツ型に代わり主流になりつつあります。凹凸の少ない内部構造により汚れが付着しにくくお手入れも簡単です。スリムで圧迫感が少ない見た目から、アイランドキッチンなどの独立型キッチンでも採用されます。
生活感を感じさせず空間に溶け込むデザイン性の高さが魅力ですが、他の形状に比べ価格が高いのがデメリットです。主にシロッコファンが使われます。
ブーツ型 (深型)
『ブーツ型』のレンジフードは、住宅の形態を問わずマンションでも一戸建てでも多く導入されている定番品。その名の通りブーツのような形状で、フードが深く、コンロ上を覆うような形のため煙を集めやすいという特徴があります。
比較的安価なのでどんなキッチンにでも設置しやすく、業者に頼まず自分で取りつけたいという人にも人気のタイプです。
内部構造が複雑で掃除が大変なのがデメリットです。主に、シロッコファン、もしくはプロペラファンが使われます。
フラット型 (浅型)
『フラット型』は平らな形状をしており、浅型・平型とも呼ばれます。天井が低い場合や、キッチン上部に梁が走っているなど、ブーツ型の導入が困難な狭い空間にも取りつけが可能です。
斜めにファンが付いているブーツ型と違い、フラット型はコンロに対し平行にファンがついています。上を向いたまま掃除をしなくてはならない点がデメリットでしょう。主にシロッコファンやターボファンが使われます。
レンジフードフィルターの有無で選ぶ
フィルターありの特徴
多くのレンジフードに標準で装備されている金属のフィルターはファンの手前に取りつける部品で、調理中の空気と一緒に油やほこりなどの汚れがファンに付かないようにする役割があります。
ファンは汚れにくくなりますが、代わりにフィルターが油でベトベトになってしまい洗うのが大変というのが大きなデメリット。フィルターの汚れ自体も防ぎたい場合は、使い捨て式のレンジフードフィルターを併用するとよいでしょう。
フィルターレス (ノンフィルター) の特徴
フィルターの掃除が面倒だと感じている人におすすめなのがフィルターレスタイプのレンジフード。整流板やメーカー独自の機能により油をオイルトレーに集め、フィルターなしでもファンの汚れを防ぎます。
ファン自体に汚れをキャッチし、油を分離して集める仕組みを付けたタイプもあります。面倒なフィルター掃除の手間は省けますが、オイルトレーのお手入れは必要なので注意しましょう。
便利な機能の有無で選ぶ
セルフクリーニング (自動洗浄) 機能
レンジフードの中には、面倒なお手入れ時間を大幅に短縮してくれる自動洗浄機能を搭載したものがあります。Cleanupの『洗エールレンジフード』や、Panasonicの『エコナビ搭載洗浄付きフラット型レンジフード』は、ファンとフィルターが一体化した新形状のファンフィルターを採用。
ファンフィルターで効率よく集めた油汚れを、給水トレイにセットしたお湯を使い自動で洗浄を行います。手間をかけずにファンとフィルターをきれいな状態に保つことができます。
ガスコンロ点火の連動換気機能
調理中の換気ファンの付け忘れや、調理後の消し忘れが多い方におすすめなのがガスコンロとの『連動機能』付きのレンジフードです。ガスコンロの点火を赤外線センサーで検知し、レンジフードが自動的に作動します。
消火の数分後に自動で停止するというもので照明機能が連動しているタイプもあり、レンジフードの操作に気を取られず快適に調理を行えます。
リモコン機能が付いた機種
『リモコン機能』付きの製品を選べば、レンジフードから離れた位置からでも操作が行えるようになります。調理時以外に部屋の換気を行いたいときにも便利です。レンジフードのスイッチ位置が高くて不便だと感じている場合にもリモコンがあれば楽々操作が可能です。
リモコンホルダーを壁に取りつければ、ご自分の使いやすい位置でレンジフードを操作できるようになります。
省エネ機能
節約を考えるなら『省エネ性能』もチェックしておきましょう。温度を検知して自動で換気風量を切り替えるものや、省エネモーターを搭載したもの、タイマー機能の付いたものなどを活用することで節約につながります。
常時換気機能がついたレンジフードは、通常運転時よりも消費電力を抑えて24時間換気を行えます。他にもLED照明を採用したものなど、メーカーにより多種多様な省エネ機能が搭載されていますので、ご自宅の使用状況に応じて選びましょう。
レンジフードの耐用年数・交換時期の目安
レンジフードは7~8年ほどでファンの劣化が始まり、約10年で交換時期を迎えます。
まだ10年経っていなくても、フード周りの壁や天井が汚れが気になる場合や、稼働音が大きくなったり異音がする場合、調理後のにおいがなかなか取れなくなった場合には交換をおすすめします。
レンジフードのおすすめブランド・メーカー
Panasonic (パナソニック)
国内外を問わず人気の家電を多く取り扱う大手メーカーの『Panasonic』。『ムダなく、かしこく節電する』が売りの『エコナビ』機能を搭載した家電が人気です。レンジフードにも『エコナビ』を搭載したモデルや、自動洗浄機能付きのモデルもあり、高い省エネ性能とお手入れの手軽さが魅力です。
NORITZ (ノーリツ)
『NORITZ』のレンジフードは、コストパフォーマンスの高さが魅力で、シンプルな機能性と、スタイリッシュなデザインで、価格はお手頃なものが多いのが特徴です。ノンフィルターかつ、ファンの取り外しが簡単になっているなど、お手入れのしやすさに定評があります。
富士工業 (FUJIOH)
レンジフードの国内ナンバーワンシェアを誇る『富士工業』。リンナイで販売されているレンジフードも実は富士工業製です。豊富な機種ラインナップに加え、同機種でもグレードやカラー違いを用意しており選択肢の多さが魅力的。全機種に常時換気機能が搭載されているなど機能性に力を入れたメーカーです。
三菱電機 (MITSUBISHI ELECTRIC)
ユニバーサルデザインを採用し使いやすさにこだわったのが『三菱電機』のレンジフード。独自の高捕集構造『油煙ナビ』を採用し、においや水蒸気を効果的にキャッチできます。油が付着しにくい塗装により掃除も簡単で、コストパフォーマンスに優れたメーカーです。
Cleanup (クリナップ)
掃除の手軽さが魅力の『Cleanup』のレンジフードの中で、ファンとフィルターを自動で洗浄してくれる『洗エールレンジフード』が人気を博しています。フィルターが編み目のない個性的な形状の『とってもクリンフード』は目詰まりの心配がなく、お皿のように洗うだけでお手入れが完了するという優れものです。
渡辺製作所
『渡辺製作所』はレンジフード専門メーカーのひとつで、ラウンド型やキューブ型など個性的な形状のデザインフードを数多く手がけています。特徴的なアーチ形フードは効率よく油煙を集められ、見た目だけでなく機能性にも優れているのが嬉しいポイント。特注製作も行っているため、ご自宅に最適なレンジフードにカスタマイズすることもできます。