ロードバイクをはじめとする競技用自転車のペダルは基本的に別個売りですので、用途や好みに応じて自分でペダルを選ばなければなりません。
この記事では、ロードバイクを気軽に楽しみたいときにおすすめの『フラットペダル』の選び方を解説します。人気のフラットペダル10選をランキング形式でご紹介しますので、ぜひペダル選びの参考にしてください。
ロードバイクのペダルの種類
ロードバイクには大きくわけて『フラットペダル』と『ビンディングペダル』の2種類が存在します。それぞれの違いを見ていきましょう。
フラットペダル
自転車のペダルといえば、平らな形状で両面使える『フラットペダル』が一般的です。専用のシューズなしで気軽に使えるのが最大の特徴です。ビンディングペダルより価格が安く、安全性も高いというメリットがあります。
しかし踏みこむ力だけで前に進むため、ペダルへの力の伝達効率が悪く短距離走行向きといえるでしょう。ペダルに足を固定していないため、高速で漕いだ場合や雨の日などにはペダルから足が外れやすいというデメリットもあります。
ビンディングペダル
『ビンディングペダル』は、スキーの際にブーツとスキー板を連結する仕組みから生まれました。靴底にビス止めされた『クリート』という留め具でペダルから足が離れないよう固定することによって、踏みこむ力だけでなく引き上げる力もペダルに作用し、より効率よく自転車を漕げるようになります。
ただし専用のシューズが必要なことや、ペダルと足が固定されているため転倒時に足が地面に付けられないので危険という点には注意が必要です。片面はビンディングペダルでありながら、裏面がフラットペダルになっているという両方の特性を持ち合わせたペダルもあるので、どちらのペダルにするか悩む場合には両立タイプを選択肢に入れるのもよいでしょう。
ロードバイクにフラットペダルをおすすめする理由
効率よく漕げるビンディングペダルのほうがロードバイクに合っていると思われるかもしれませんが、フラットペダルを利用することでさまざまなメリットがあります。
専用のシューズがいらない
フラットペダルの大きな魅力は専用のシューズが不要なことです。
スニーカーや革靴、サンダルなど普段使っている靴をそのまま使えるため街乗りや通勤・通学にとても便利です。
ランニングコストがかからない
ビンディングペダルの場合、ペダルと靴底を固定するためのクリートが必要になります。クリートはペダルの脱着の繰り返しにより摩耗していくため、すり減りを感じれば交換しなくてはなりません。
フラットペダルの場合、クリートのようなパーツはなく、ペダルのみで使用できるためランニングコストが抑えられます。
安全性が高い
フラットペダルを使用していれば急なトラブル時に即座に足を付くことで転倒を回避できます。足がペダルに固定されているビンディングペダルを使用していた場合、バランスを崩すとそのまま転倒する『立ちごけ』の恐れがあります。
おすすめのロードバイク用フラットペダルの選び方
ロードバイク用のフラットペダルを購入する際に、注目すべきポイントを見ていきましょう。
素材の特徴で選ぶ
ペダルの性能を大きく左右するのが素材です。ここではそれぞれの素材の特徴をチェックしてみましょう。
アルミ製
『アルミ製』のペダルは錆びる心配がなく、強度にも優れています。安価で購入できるのも嬉しいポイントです。ペダルには滑り止めがついており、雨の日でも安心して使えます。
アルミ製は寒さや熱にも強いため、季節や環境を問わず使える素材です。プラスチック製やカーボン製に比べると重いという面はありますが、丈夫かつリーズナブルで使いやすいペダルといえるでしょう。
ナイロン製
樹脂にナイロンファイバーを加えた素材で作られたのが『ナイロン製』のペダルです。柔軟性に優れた素材がペダルに伝わる衝撃を吸収するため、漕ぎ心地は良好です。ライダーの負担を軽減するため長距離の走行にも向いているでしょう。軽量で摩耗しにくいという特性もあり、安定感のある漕ぎやすさを実現してくれます。
ナイロン製の場合、薄型なデザインが豊富なことも1つの魅力です。フラットペダルは薄ければ薄いほど安定したペダリングができるようになるため、薄さも重要です。
カーボン製
ロードバイクでよい成績を残すためには軽量性も重視するべきでしょう。ペダルの重量にこだわるのなら、もっとも軽い『カーボン製』がおすすめです。樹脂にカーボン素材を加えて強化したもので、軽量性には優れているのですが耐久性に劣るという一面もあります。他の素材に比べて交換する頻度が増えるため、ランニングコストは高いです。
しかしカーボン素材のボディなら軸部分に耐久性の高いクロモリを採用してもそれほど重くなりすぎないという魅力もあるため、ロードバイクのスピードを重視する方にはカーボン製のペダルもおすすめです。
グラスファイバー製
ガラスを溶解して繊維状にしたものを樹脂に加えて強化したのがグラスファイバー製ペダルです。ガラスを使っているため耐熱性や耐久性にも優れ、強度があり頑丈なのが特徴です。
錆びる心配がなく劣化もしにくいため、1つのペダルを長く使いたい人には特におすすめです。グラスファイバー製のペダルは、三ヶ島製作所やWellgoなどのフラットペダルで多く採用されています。
安全性で選ぶ
フラットペダルはもともと安全性が高いペダルですが、より安全性を確保したい場合にチェックしておきたいポイントを整理しました。
ペダルの広さ・大きさ
ロードバイクならではのスピード感溢れる走行を安全に楽しみたいのなら、コンパクトなペダルよりある程度広さのあるペダルがおすすめです。広いペダルは靴をしっかりとフィットするので、ペダルから足が外れるリスクを減らせます。
縦幅の短いモデルは水平方向に力をかけるとペダルが回転してしまい、踏むだけのペダリングになってしまいます。縦幅は最低でも100mm前後確保できる商品がおすすめです。
ペダルの横幅が短く、靴がペダルからはみ出してしまう場合には、カーブなどで車体を大きく振る場面で不安が生じます。横幅も最低で100mmほどあると安心です。
リフレクター
『リフレクター』とは反射板のことで、光を集め反射させることで周囲の人や車に居場所を知らせるものです。
特にペダルのリフレクターは、夜間に後方から見たときの視認性がもっとも高いといわれています。日中の自転車競技用ならば必要ありませんが、夜道を走るならばリフレクター付きのペダルを選ぶと事故防止につながります。
自分の身を守るためだけでなく、相手をケガさせないためにもリフレクターは大切です。より安全性を高めたい場合には、タスキ形状のリフレクターの併用もおすすめです。
滑り止め
フラットペダルはビンディングペダルと違って靴底とペダルが固定されていないため、ちょっとしたことで靴がペダルから滑ってしまうこともあります。そのような事態を防ぐのに有効なのが『滑り止め』です。
フラットペダルには滑り止めが付いている製品が多くあります。中でも鋭い突起のような滑り止めや、タコの吸盤のような滑り止めなど靴底をしっかり捉えてくれるグリップ性能に優れたものを選ぶと安全性が高まります。
機能性で選ぶ
長く使えるフラットペダルを探している方は『防水性』や『防塵性』に優れたものを選びましょう。
防水性
ペダルを長く使いたいのなら確認しておきたいのが『防水性』です。ペダルの金属部分が水に濡れると、錆びてペダルの回転が悪くなったり、漕ぐたびに軋んだ音が鳴ったりと劣化が進んでしまいます。
防水性を備えたペダルならば、水濡れによる錆びの発生を防ぎ、長期間使えます。走行中の雨が心配な人や、雨の日にもトレーニングを行いたい人にもおすすめです。
自転車を屋外で保管している場合には、防水性が備わっているペダルを選んだほうがよいでしょう。
防塵性
屋外で使うロードバイクは、気付かない間に多くの砂やほこりに晒されています。ペダルにそれらの細かい汚れが付着するのを防ぐ性能が『防塵性』です。ペダルに砂やほこりなどの汚れが溜まると、グリップが弱くなって滑りやすくなったり劣化が早くなったりします。
多くのペダルはもともと砂やほこりが溜まりにくい構造にはなっていますが、より快適に使いたいなら防塵性が備わったペダルを選ぶとよいでしょう。
ネジの規格で選ぶ
ペダルを自転車に取り付ける際のネジには『9/16インチ』と『1/2インチ』の2種類の規格が存在します。自転車の規格とペダルネジの規格が合っていないと取り付けられないため、購入時に必ずチェックしましょう。
主流となっているのは9/16インチ (ネジ径:約14.3mm)で、ロードバイクだけでなくほとんどの自転車でこの規格が採用されています。一方、1/2インチ(ネジ径:約12.7mm)は主にビーチクルーザーやBMXに使われるネジです。ロードバイクの場合、基本的に9/16インチのものを購入しておけば問題ないでしょう。
ロードバイク用フラットペダルのおすすめメーカー
フラットペダルは国内外のさまざまなメーカーが取り扱っています。ペダル選びで悩んだ場合には、多くの人から信頼を集める有名メーカーのものを選んでみてはいかがでしょうか。
三ヶ島製作所 (MKS)
日本国内生産にこだわりを持ってハイクオリティなペダルを取り扱う三ヶ島製作所。競技で使用するために必須の『NJS基準』を国内で唯一クリアしたメーカーであり、精度が高く耐久性にも優れた高品質なペダルが特徴です。
シマノ (SHIMANO)
大阪府に本社を置くシマノは、スポーツ自転車部品の世界最大メーカーです。従業員の自転車通勤を奨励しているほど、自転車にこだわりを持つ企業です。特にビンディングペダルは圧倒的な人気とシェアを誇っています。フラットペダルに関してもタウンユースから競技用まで扱っている製品は幅広いです。
Wellgo (ウェルゴ)
見た目にもこだわりたいならWellgoのペダルがおすすめです。台湾に本社を持つ自転車部品メーカーで、安価でデザイン性に優れています。カラフルでオシャレな見た目を楽しめるペダルが多いです。