『ジュニアシート』とは4〜12歳頃の子供が車に乗る際に利用する車用シートのことです。もしものときに子供の命を守ってくれるだけでなく、子供にとってより快適なドライビングを提供してくれます。
今回はジュニアシート選びのポイントをわかりやすく解説。おすすめの商品をランキング形式でご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
ジュニアシートの着用が義務
6歳未満の子供が車に乗る場合、法律でジュニアシートの着用が義務付けられています。しかしまだ体が成長途中の子供は車の衝撃に弱いため、6歳以上になってもジュニアシートの着用がおすすめです。メーカーから販売されている商品の多くは、対象年齢が11歳程度になっています。
チャイルドシートとジュニアシートの違い
ジュニアシートは一般的にはチャイルドシートを卒業した子供が使うものであり、3~11歳、身長100cm〜140cm、体重が15~35kgの子供対象の商品です。これに対してチャイルドシートとは3歳以下の子供が使用することを想定してつくられています。
チャイルドシートとの大きな違いは、ジュニアシートは車に付属しているシートベルトで子供の上半身をホールドするということです。
ジュニアシートへの切り替えの基準
最も幼い赤ちゃんが使用する『ベビーシート』は、身長が70cm以下、体重が10kg未満、だいたい1歳までの子供を対象として設計されています。これに対してベビーシートを卒業した子供が使う『チャイルドシート』は、身長100cm以下、体重9~18kg、だいたい年齢が4歳までの子供が使用することを想定してつくられているものです。
最近ではチャイルドシートとジュニアシート兼用モデルも販売されており、1歳から使えるので、買い換えが面倒な方にもおすすめできます。
年齢・体重・身長が切り替え目安になる
ジュニアシートの切り替え時の目安は、体重・身長のどちらか一つでも基準を超えたときです。子供の成長には個人差があるので、それぞれの子供の成長に合わせてジュニアシートに切り替えましょう。
身長が130cmを超えるまで使用していると安心
シートベルトは身長が140cm以上の人を対象に作られています。140cm未満の人が着用すると、急ブレーキを踏んだときに首に掛かってしまって窒息する可能性もあり危険です。
子供の安全のためにも、身長が130cmを超えるまではジュニアシートを使用しましょう。
ジュニアシートおすすめの選び方
ジュニアシートを選ぶポイントについて解説します。各メーカーからさまざまな機能を持ったジュニアシートが販売されていますが、大事な点をしっかり押さえた商品を探しましょう。
シートの形状で選ぶ
ジュニアシートの形は大きく分けて3種類あります。
シート型
日本のジュニアシートの中で最も代表的なタイプが、背もたれとヘッドレストが付いている『シート型』です。背もたれとヘッドレストが付くことで、より強い衝撃から子供の体を守ることができるようになっています。
ほとんどの商品のヘッドレストは、子供の成長にあわせての調整が可能です。シートにはクッション性があり、子供が揺れにくいように固定されています。
ブースター型
140cm未満の子供のために作られている、背もたれがないジュニアシートを『ブースターシート』と呼びます。基本的には3歳程度から使用可能です。『ブースター型』のシートは座面を高くして、シートベルトを使えるようにするために利用します。比較的低価格の商品が多く、軽いため持ち運びにも適していることがこのタイプの特徴です。
スマートキッズベルト
『スマートキッズベルト』は大人用シートベルトに補助ベルトを装着し、安全な位置で子供の体を固定できるタイプです。日本ではあまり一般的ではないですが、欧米では人気が高いタイプとなっています。
シート型ほど大きくはないので、車が小さかったり、車内にゆとりが欲しい方にもおすすめです。取り外しも簡単なので、頻繁に車を乗り換える方にもおすすめのタイプになります。
安全基準で選ぶ
ジュニアシート選びで一番大切なのは安全性です。安全基準をクリアしている商品を選びましょう。またジュニアシートやチャイルドシートの分野は、日本よりも海外の方が進んでいるので、一概に日本製がよいというわけでもありません。
安全基準の『Eマーク』
安全基準を満たしたジュニアシートには『Eマーク』が付いています。Eマークは日本の国土交通省が定めた安全基準をクリアしたジュニアシートにしかついていません。購入する前には、必ずEマークがついているかを確認しましょう。
輸入商品の場合は、各国の自動車連盟が定める基準をクリアしている商品を選ぶのがおすすめです。
新基準の『i-Size R129』
『ECE R44/04』と呼ばれる基準は国連欧州経済委員会が定めた基準でヨーロッパの国だけでなく、日本でも採用されている基準になっています。
近年では『ECE R44/04』を強化した『i-Size R129』と呼ばれる基準もあります。一番の違いは、『ECE R44/04』で調査される基準である正面・後部の衝突試験に加えて、『i-Size R129』の場合は側面からの衝突試験もクリアしているという点です。
『i-Size R129』をクリアした商品を選ぶことをおすすめします。
シートの固定方法で選ぶ
ジュニアシートの安全性の高さは、子供の体をきちんと固定してくれるかどうかで考えます。固定がゆるいと、衝撃から十分に体を守ってくれない可能性もあり危険です。
チャイルドシートとジュニアシート兼用タイプの製品の多くは、車の3点式固定ベルトで固定し、本体の固定は『isofix』か『シートベルト』で行います。
一方ジュニアシートの多くは、本体と子供の体を車のシートベルトだけで固定するタイプです。isofixはシートベルトよりもしっかりと固定できますが、isofixに対応している車でしか利用できないので注意してください。
子供の成長に合わせて簡単にできるジュニアシートを選ぶ
ジュニアシートでは子供の成長に合わせて、シートを調節できるタイプが主流です。ヘッドレストの高さやアームを調節できるジュニアシートを選ぶことをおすすめします。
高品質の商品ほど調節がきくので、より子供にフィットし安全性も高いです。子供が成長しても長い間快適に使用できる商品を選ぶことをおすすめします。
機能で選ぶ
ジュニアシートに付いている機能は、ヘッドレストやシートの性能だけではありません。子供が快適に過ごせるような機能が搭載されていることも重要です。
ドリンクホルダー付き
『ドリンクホルダー』があれば子供のすぐそばに水分を置いておけるので、夏場の熱中症対策にもなります。いちいち飲み物をカバンから出し入れする手間も省けますし、使わないときは収納できるので邪魔にもなりません。
通気性のよさ
よく汗をかく子供にとっては、通気性の高さもジュニアシート選びで大事なポイントになります。数ある素材の中で最も通気性がよいメッシュシートは、シートの蒸れを軽減することが可能です。
丸洗いできるか
ジュニアシートに座った状態でお菓子を食べたり、ジュースを飲んでいたりするとこぼしてしまうこともあります。食べこぼしをそのまま放置していると汚れが定着してニオイの原因になることも多いです。
取り外しが簡単で、洗濯機などで丸洗いできるタイプの商品を選びましょう。
クッション性の良さ
旅行などで長時間車に乗る場合、座り心地はとても大切です。なるべくクッション性が良い商品を選びましょう。クッションに厚みがあったり、立体的でお尻にフィットする商品がおすすめです。
リクライニング機能
最近は『リクライニング機能』がついているジュニアシートが増えてきました。リクライニング機能があれば、子供が寝てしまった場合にも首を痛めることがありません。
5~20°の間の3段階で角度を調節できるタイプの商品がおすすめです。
ジュニアシートがどこに取り付けるのがおすすめ?
ジュニアシートは後部座席に取り付けるイメージがありますが、中には助手席に取り付けたい人もいるかもしれません。ジュニアシートは助手席につけても大丈夫なのでしょうか。
ジュニアシートは後部座席に付ける方が安全性が高い
ジュニアシートは後部座席に付けることを強くおすすめします。なぜなら助手席は危険が多く、後部座席に付けたほうが事故時の安全性が高いと証明されているからです。
また助手席で子供が運転手を引っ張ったりぐずりはじめたりすると、最悪の場合事故につながる危険もあります。
助手席にはエアバッグがある
助手席にはエアバッグがありますが、そのエアバッグの衝撃さえ子供には危険です。エアバッグは誤作動で開く場合もあるので、助手席に子供を乗せることはあまりおすすめできません。
助手席の事故死亡率が高い
助手席の事故死亡率はとても高いです。特に電信柱などにぶつかった場合に、危険な場所は運転席と助手席になります。後部座席の場合、助手席のシートがクッションになるので、死亡率も低いです。
子供は大人よりも体が弱いため、できる限り助手席には乗せないようにしましょう。
助手席にジュニアシートを取り付けるときの注意点
何らかの理由で助手席に子供を乗せなければならない場合、エアバッグ作動時の衝撃を避けるために座席を一番後ろまで下げるのがおすすめです。