自分で車のメンテナンスをしてみたいとは思いながら、最初の1歩が踏み出せない。そんなお悩みを抱えている方は、『フロアジャッキ』を購入するところからスタートしてみるのをおすすめします。
今回はそんなフロアジャッキの仕組みについて、選ぶときのポイント、使用方法、注意事項などを解説していきます。注意事項をしっかり守れば、誰でもタイヤ交換や自動車整備が出来ますので、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
フロアジャッキのおすすめポイント
『フロアジャッキ』はレバーを上下させて車両を持ち上げることができる工具です。油圧式で小さな力を大きな力に変え、2輪を同時に持ち上げられます。短時間でジャッキアップできるのが最大のメリットです。重量は重いので車載には向いていません。『ガレージジャッキ』ともよばれます。
ジャッキ工具としては、ネジ式のパンタグラフもあります。パンタグラフはジャッキアップに時間がかかりますが、軽量なので車に搭載して緊急用として使用するのがおすすめです。
おすすめのフロアジャッキの選び方
車高にあったフロアジャッキを選ぶ
フロアジャッキを選ぶときは、『車高』とフロアジャッキの高さを確認しましょう。車高の低い車の場合、フロアジャッキ自体が車体の下に入られないということもあります。
車高の高さの次はフロアジャッキの『最低位』と『最高位』を確認しましょう。ジャッキスタンドを車体の下に入れる場合、ジャッキスタンドの高さとして最低でも30cmは必要になります。最低位として30cm以上、車高は高いほど作業がしやすいので、最高位が高めのフロアジャッキがおすすめです。
車両重量にあったフロアジャッキを選ぶ
フロアジャッキごとに持ち上げられる『最大重量』が異なります。車両の重量を確認してフロアジャッキの最大重量以内かどうか確認しましょう。
最大重量ギリギリだった場合や頻繁にフロアジャッキを使用する場合は、負荷が大きくなることを考慮して、最大重量が車両重量よりも重いフロアジャッキにしておくと、スムーズに作業できるのでおすすめです。
車両重量がわからない場合は、『自動車検査証』に記載されているので検査証を確認してください。
フロアジャッキにジャッキスタンドは必須
フロアジャッキは車体を持ち上げる工具です。持ち上げた状態を維持するには『ジャッキスタンド』が必要です。
フロアジャッキで1ヶ所ジャッキアップした状態でそのままにしておくと、パワーの弱いフロアジャッキの場合油圧が下がって車高が下がってしまう可能性もあり非常に危険です。車体のバランスが悪く、車体のゆがみにもつながります。ジャッキスタンドを使ってバランスよく車体の傾きがない状態で車体を持ち上げた状態で、作業しましょう。
フロアジャッキ使用時におすすめの付属アイテム
ダブルピストンのフロアジャッキ
油圧式のフロアジャッキはレバーを上下させることで、ピストンによって車体を持ち上げます。『ダブルピストン』のフロアジャッキはレバーを上下する回数がシングルピストンのフロアジャッキよりも少ない回数で最高位まで高くすることができます。
車体の重量が重い場合や、頻繁にジャッキアップする場合は、ダブルピストンのフロアジャッキでジャッキアップ作業をより手早く完了できるのです。
サイド掛け用アタッチメント
車高が高く、ジャッキポイントにフロアジャッキが届かない時やジャッキポイントのない車両で、サイドからジャッキアップするための『ジャッキアタッチメント』です。
タイヤ近くに4ヶ所ある車載のパンタジャッキで使用するジャッキポイントからフロアジャッキを使う場合に使用します。
ただ注意点としては、必ず補強してある指定位置にかけることが必要です。位置がずれるとジャッキアップで車体がへこむ原因になりますので、注意しましょう。
スロープ
車高の低い車の場合、ジャッキポイントまでジャッキが入らない場合があります。その場合『スロープ』を使って車両の高さを上げます。
スロープは長さがあって、ゆるやかなものがおすすめです。スポイラーが前に長いタイプの車両の場合は、スポイラーがスロープにあたってしまうので、スロープに乗らない場合があります。その場合はタイヤの手前に板を置いてタイヤを板に載せると、スポイラーがスロープにあたらないので車体をスロープに載せることができます。
タイヤ止め
ジャッキアップは、平らな場所で行うのが前提ですが、平らな場所でも多少の傾斜がある場合もあります。ジャッキアップ時に反対の車輪が動かないように、対角の車輪は『タイヤ止め』で固定しておきましょう。
特に後輪駆動の『FR車 (フロントエンジン・リアドライブ)』の後輪をジャッキアップする場合は前輪が動いてしまうので、タイヤ止めが必須になります。