一日の疲れをリセットする大切な休息である睡眠。しかし体を休めているはずが、起きると腰が痛い・体がダルいなどかえって疲れを増長させている経験はありませんか?その原因はもしかすると『マットレス』にあるかもしれません。
体に合わないマットレスを使うと、体が休まっていないばかりか腰痛などが慢性化してしまう可能性もあります。そこでこの記事では腰痛を招く原因から、適切なマットレスの選び方・おすすめする商品について紹介します。
そもそも腰痛の原因とは -マットレスで改善できる?-
そもそも腰痛はどのようにして起こるのか、メカニズムを解説します。
体バランスの乱れ
体にはいくつもの筋肉がついていますが、左右の筋肉バランスが偏ると特定の部位に負担がかかり、やがて腰痛へとつながる可能性があります。たとえば脚を組む癖がある・同じ方の腕ばかりで鞄をもつ・立っている時に片方の脚に重心をかけるなど、日常の些細な動作に心当たりはありませんか?
その時は体への負担は感じなくても、特定の部位に重心がかかることで少しずつ体のバランスが乱れがちに。時間をかけて特定の筋肉に負荷がかかり、そこから腰痛へと発展する仕組みです。
腰の筋肉への負担
体のバランスが乱れることと似ていますが、腰の筋肉へダイレクトに負担がかかれば、もちろん腰痛を感じる可能性は高くなります。たとえば猫背や座り姿勢などが原因となり骨盤や背骨がゆがむことで、腰回りの筋肉がこわばり腰痛へと発展。
急な体重の増加も腰に大きな負担がかかり、また女性の場合だと妊娠・出産による骨盤の変化で腰痛を招くこともあります。
体への急な衝撃
体に疲れが溜まっていたら免疫力が落ちて病気などにかかりやすいのと同様に、筋肉も刺激を受けやすい状態になってしまいす。そのためくしゃみをする・重いものを持ち上げる・体をひねるなど、急に体を動かして腰に負担をかける動作は腰痛を招きやすく。
疲労が溜まっている状態だとより刺激を受けて痛みを感じやすくなるため、その日の疲れはその日のうちに癒すことが大切です。
腰痛対策マットレスのおすすめの選び方
疲れをしっかりとるために、正しい寝姿勢を維持できるマットレスの選び方を紹介します。好みや体格に合った寝心地で、機能性も備えているものを選んでくださいね。
寝心地で選ぶ
コイルの構造や配置の違い・素材の違いによって変わる寝心地やスプリング力を重視して選ぶ方法を紹介します。
ボンネルコイル
『ボンネルコイル』はバネがらせん状になっており、すべて連結している作り。面で体を支え、バネ感が強くスプリングが利いています。マットレス全面で体圧を分散する構造のため、寝心地はやや硬めで、フィット感はあまりないのが特徴です。
コイルは他の種類と比べてシンプルな作り、かつ必要な量が少ないため通気性に優れています。ボンネルコイルを使用しているマットレスはリーズナブルな商品が多いので、コストを抑えたい方におすすめですよ。
ポケットコイル
コイルが一つひとつ独立しており、それぞれ不織布に入っている『ポケットコイル』。体を点で支えるためフィット感があり、特定の部位に負担がかかりにくいのが特徴です。また体圧分散に優れているため、自然な寝姿勢を維持したまま快適に眠れます。
寝心地は柔らかくきしみにくいのも嬉しいポイントですが、点で体を支える構造上、耐久性が弱いという欠点が。さらに不織布に入っていることで湿気を逃ししにくく、まめにお手入れが必要です。
高密度連続スプリング
『高密度連続スプリング』はボンネルコイルと構造は似ていますが、バネは数倍の量を使用しており頑丈さが特徴です。頑丈なぶん耐久性があり、きしみにくくなっています。体を面で支える作りで反発力が強いため、体格の大きな方におすすめのタイプです。
適度な硬さがあり沈みやすい腰回りもしっかり支えます。ただバネを多く使っているため高価な商品が多いです。
ウレタン
バネを用いたマットレスの他に、クッション性のあるポリマーを使用した『ウレタン素材』という選択肢も。柔らかく軽量なためバネのマットレスほど厚みはありませんが、低反発から高反発までさまざまな特徴をもつ商品が多くあります。
またウレタン素材のマットレスは今使っているマットレスの上から使ったり、そのまま床に敷くなど、自由に使うことが可能。商品の数が多く価格もリーズナブルなため、好みの寝心地のものが見つかりやすいのも嬉しいですね。
寝返りのうちやすさで選ぶ
起きた時に体がしびれたり特定の部位が痛いという経験がある方は、寝ている間に寝返りがうてず、長時間同じ姿勢のままかもしれません。人間は就寝中に平均して20回以上は寝返りをうつといわれています。反発力が弱かったり沈みすぎてしまうマットレスは、寝返りがうちにくく、知らず知らずのうちに体へストレスがかかっている恐れが。
体を動かしやすくするために適度な反発力があるタイプや、体が沈みすぎないようご自身の体格・体重に合った柔らかさを重視して選んでみてください。
密度で選ぶ
ウレタン素材のマットレスには反発力や耐久性を表す数値があるため、選ぶ基準として目安となる数値を覚えておくと便利ですよ。まず寝心地にかかわる重要な要素である反発力は、
力の単位である『N (ニュートン)』で表され、数値が大きくなるほど高反発に。一般的には60N以下は低反発で100N以上が高反発とされています。
次に耐久性は密度の単位である『D (kg/㎥)』で表され、密度が高くなるほど耐久性が強く丈夫に。20~30Dほどであれば十分な反発力があり、3~5年ほどは使えるといわれています。数値はあくまでも目安のため、参考にしてみてくださいね。
通気性で選ぶ
自分好みでお気に入りのマットレスは長く使いたいですよね。そこで注意したいのが通気性に優れているかどうかです。就寝中は平均して約コップ一杯程度の汗をかくといわれています。通気性が悪いと湿気がこもり、雑菌が繁殖したりカビの原因にも。
先に紹介したようにポケットコイルの他に、ウレタン素材も通気性があまりよくありません。そのためカバーが洗えたり、防カビや消臭効果があるかどうかもチェックする必要があります。
耐久性で選ぶ
体に負担がかからない理想の寝姿勢を維持することは、熟睡できることに加えて腰痛の予防にもつながります。そのため正しい寝姿勢を長く維持できる、へたりにくさで選ぶのも手段の一つです。
一般的にコイルタイプはへたりにくく、ウレタン素材でも密度が30D以上あれば耐久性が高いといわれています。もともとの反発力と厚さが、5年以上と長期間にわたって変わらないマットレスがおすすめですよ。
価格で選ぶ
マットレスはタイプにもよりますが、上質な商品でも10年を目安に交換すべきだといわれています。毎日使うもののためどうしてもへたってしまい、もとの状態を10年以上キープするのは困難です。
そのため腰痛予防のためにマットレスを選ぶ際は、耐久性と価格を考慮してあらかじめ何年ほど使えるかのコスパを重視するのがおすすめ。また商品に不備があったり、すぐにへたってしまう可能性もあるため、万が一を考えて保証の充実度もチェックしてみてください。