『抱き枕』は腰痛や肩こりの解消やいびき防止、睡眠時無呼吸症候群の予防にもなり、その意外な機能性に注目が集まっています。
さまざまな効果のある抱き枕ですが、もっとも適した形状や材質は人によって異なります。この記事では抱き枕の種類からおすすめの選び方まで詳しくご紹介しますので、ぜひ自分にぴったりの抱き枕を探してみてください。
抱き枕の効果
肩こり・腰痛の改善に
腰痛に苦しむ方の中で仰向けで寝ている方が多いのはご存知でしょうか。人間の身体構造上、仰向けのほうが腰に負担がかからないのですが、姿勢が悪い人の場合は横向けのほうが負荷をかけずに眠れるといわれています。
しかしいざ横向きで寝ようとしてもなかなか寝つけないこともあるでしょう。そんなときに抱き枕があれば自然と横向きに眠れます。
横向きに寝ていると上側になる腕が不安定になったり下の腕を圧迫したりということがありますが、抱き枕を使えば腕を置く場所があるため安定感がありますし、体重も分散されますので、肩こりやひざ痛などの軽減効果も期待できます。
妊婦さんの姿勢が楽になる
妊婦さんは仰向けに寝ると内臓が圧迫され苦しくなってしまうため、横向きに寝るよう推奨されています。
その点で抱き枕は横向きでも体勢が安定するので、妊婦さんにもおすすめです。妊婦さんに特におすすめの抱き枕はS字タイプの抱き枕。S字タイプの抱き枕は体のカーブに合うようになっているため睡眠時の体勢がより安定します。
おすすめの抱き枕の選び方
形状で選ぶ
I字タイプ
まっすぐの形になっている『I字タイプ』の抱き枕もあり、このタイプがもっとも多く普及しています。
このI字タイプの抱き枕だと寝るとき以外にも、テレビを見るときなどに2つ折りにして体を支えたり、足が疲れたときには足枕として使ったりすることもできます。
L字タイプ
『L字タイプ』の抱き枕とは、抱く部分と頭をのせる枕の部分がくっついているタイプの抱き枕です。
通常の枕の機能と抱き枕の機能が両立しており、他のタイプの抱き枕と比べると頭や首がしっかりサポートされています。
S字タイプ
上の画像のような『S字』のような抱き枕は少ないのですが、体のカーブに合うように設計された抱き枕を『S字タイプ』と呼びます。
S字タイプの抱き枕ならカーブしている部分が自然に足の間に入って体重が分散されますので、膝に負担がかかりづらい構造になっています。
U字タイプ
『U字タイプ』の抱き枕は、2つの抱き枕の間に頭をのせる部分があるという少し変わった形をしています。左向き・右向きでも、仰向けになっても枕があるという、抱き枕に囲まれた状態で眠れます。
動物タイプ
かわいい抱き枕が好きという方には『動物タイプ』の抱き枕がおすすめです。かわいい動物の抱き枕は他のタイプの抱き枕よりも愛着がわきます。
部屋のインテリアとしてもかわいい動物の抱き枕は見栄えがよく、日頃から癒しを与えてくれるため特に女性や子供に大人気です。
中材で選ぶ
綿
綿が中材になっている抱き枕はふわふわした感触が特徴です。綿の量が多い場合は、強く抱きしめても反発力のある硬めの感触になります。
その多くが汚れてしまっても丸洗いできるため、長くきれいに使えます。通気性もよく、他の中材と比べると暑い時期にも使いやすい抱き枕です。ポリエステルで作られた綿が使われている抱き枕や、綿とビーズ素材を配合して感触を調節してある抱き枕もあります。
ビーズ
ビーズ素材の抱き枕は体の形によくフィットする抱き枕です。寝返りをうったり体勢を変えたりしてもずっと自分の体型に合わせて変化します。
綿に比べると体にフィットする分、保温機能が高く体の熱が発散しにくいため寒い季節に使うのがおすすめです。ビーズの抱き枕は水洗い不可のものが多いため、できれば取り外して洗えるカバーがあると清潔さを保てます。
低反発ウレタン
低反発ウレタンが中材になったタイプの抱き枕もあります。ビーズと同じく体によくフィットするのですが、唯一違う点は負荷がかかった部分だけが沈み込むことです。
低反発ウレタンの素材を細かくしたウレタンチップが中に入っているものもあり、ビーズのように流動性がありつつも綿のように素材自体の形も体に合わせるという、2つのよいところを併せもった素材になっています。
サイズで選ぶ
今ではさまざまなサイズの抱き枕が売られており、ものによっては子供用サイズ・Sサイズ・Mサイズ・Lサイズなど好みの大きさを選べる抱き枕もあります。
守られている安心感を求めて大きめのサイズを選んだり、強く抱きしめるために小さめのサイズを選んだりと、自分のタイプに合わせてサイズを選ぶことも可能です。
洗い方で選ぶ
使われている材質によっては丸洗いできる抱き枕もあります。毎日長時間抱きしめるものなので丸ごと洗えれば清潔感を保てます。
綿が中に使われているものは丸ごと洗えるものが多く、ビーズ素材や低反発ウレタンの抱き枕だと丸ごとは洗えない抱き枕が多いです。丸洗いできないものを汚してしまうと困るので、できれば取り外して洗えるカバーがあるといいでしょう。
抱き枕のおすすめな使い方
基本的には膝を曲げて抱き枕を足の間にはさんで寝るのが気持ちよいとされています。このとき背中はなるべくまっすぐにするのがおすすめ。腰痛持ちの方は背中を丸めてもかまいません。自分が心地よく眠れる姿勢を確保してください。
自然に横向き寝にしてくれる抱き枕は、体圧を分散してさらに気持ちよい睡眠へと導いてくれます。特に右下に寝ると、胃から腸へ食べたものがスムーズに移動でき、消化を助けてくれます。食後に横になる場合には右下で寝るのがおすすめです。また身体の左側を下にして寝ると心臓が下側に来るので、血が心臓に戻りやすくなり、リンパの流れが良くなると言われています。これらのことも考えて、自分に合った寝方で気持ちの良い睡眠を得ましょう。